マイヤー|パンサー
ダイワ|マイヤー ミラー
ダイワ|ブレットン
スミス |AR-S トラウトモデル
アングラーズリパブリック|スピンウォークQR
ダイワ|シルバークリーク スピナーZ1090
スミス|ニアキス
D3カスタムルアーズ|ファーラップ
スミス|AR HDミノー
渓流のトラウトたちに逢いに行こう!
日本の渓流って、本当に美しく爽やかで気持ちがいいですね。この渓流に美しくて、逞しい魚たちがいます。ヤマメやイワナ、ニジマスとなど、トラウトと呼ばれる魚たちです。渓流でのトラウトルアーフィッシングは古く、その草創から使われているスピナーを使って、トラウトたちに逢いにゆきましょう。
スピナーってどんなルアー
スピナーってどんなルアーでしょうか。スピナーは、ラインを結ぶ輪っかが付いた針金状の芯の先頭にブレード(丸い金属板)を付けそのうしろに、ビーズやシンカーでボディを作り、最後尾にフックをとりつけた、金属系のルアーです。歴史はかなり古く、特にトラウトフィッシングが盛んなヨーロッパでよく使われているルアーです。日本にルアーフィッシングが入ってきた1970年頃から、基本的な形がほとんど変わっていない伝統的なルアーです。
スピナーの基本的な形
スピナーの釣りの魅力は?
実際に形を見ると、本当にこれで魚が釣れるの?と言うような姿ですが、これがよく釣れます。ご存知の方もたくさんおられると思いますが、ブラックバスでよく使うスピナーベイトも一見、魚が釣れそうにもない形をしています。でも、よく釣れますよね。どうやら魚たちは、くるくる回るものに興味をそそられるらしいでのす。スピナーもそうです。ルアーが創られた初めの頃にすでにそのことに気付いたことに驚きです。そして、一見、魚が釣れそうもないルアーで、魚を釣るという本来ルアーフィッシングが持つ楽しさを思う存分堪能できるのが、スピナーの魅力です。
スピナーの基本的な使い方は?
スピナーの特徴は、何といってもブレードあることです。ブレードがくるくる回ることで、トラウト達には、小魚に見えたり、虫に見えたりして、たまらず食いついてくるのです。つまり、ブレードが回らなければ魚は釣れません。スピナーは基本的に巻いて釣るルアーだということです。また、ルアーを巻きながらアタリをとるので、明確にわかります。そこで合わせを入れるか、合わせなくとも向こうから乗ってきてくれます。あまり難しいことはありません。流れのポイントにキャストして巻くとアタリが出て、魚が釣れるという訳です。
流れをよく見る上級者のテクニック
ブレードが回って、アピールするのがスピナーの本質ですが、速く動かしすぎると、魚達は逃げてしまい、釣れなくなってしまいます。エサが自然に流れる速度なら、スピナーの性能を発揮できます。川の流れと同じくらいの速さで、ブレードをくるくる回しながら、数釣りを楽しむという上級者もいます。
おすすめスピナー 9選
今回おすすめするスピナーは、9アイテムです。作られた時期と、持っている特徴から、大まかに、トラッド系スピナーを3アイテム、モダン系スピナーを2アイテム、モダンリアル系スピナーを4アイテムの合わせて9アイテムを紹介します。どのスピナーにもそれぞれの個性があり、また、全てのスピナーがアクセサリーのような美しさも持っています。見た目で選んでも、性能で選んでも、きっと楽しいに違いありません。
Traditional系 (トラッド系) スピナー3選
トラッド系スピナーとは
ルアー草創期に作られたスピナーを、トラディショナル系と名付けました。今回、おすすめする3アイテムは、70年代にヨーロッパから日本へ導入され、現在も使い続けられている人気のスピナーです。完成されたデザインで、すべてのスピナーの基本となっており、まさにジ・オリジンの風格が漂うスピナーです。この伝統の味を堪能し、心のゆとりを大切にする釣り方をなさる方にピッタリのスピナーです。少しの不便も味のうちと考える大人のスピナーと言えるでしょう。今回はすべて、ヨーロッパでデザインされたものを、ダイワさんが販売しているもので、比較的入手しやすいものを選びました。
1 マイヤー パンサー (スウェーデン)
マイヤー|パンサー
重量 〜 3g, 5g, 7g, 10g, 15g
まず、スウェーデンのマイヤー社の名品パンサーです。パンサーの魅力は、何といっても弾丸ボディと、流線型ブレードのマッチングが素晴らしいところです。重量のバリエーションも多く、表層から、ボトムまで、それぞれの流れをレンジキープしながら、ゆっくりと引くことができます。トラッド系のスピナーの中では、かなり人気のルアーです。
How to use このルアーの使いどころ ~ パンサー
ボディーが一つのシンカーのようになっていて沈みやすいので、使い方は、流れの落ち込みから泡が消えるまでの区間を一度沈めてから、流れと同じくらいの速さで巻いてみるのがおすすめです。流れの中にルアーがどこにあるか容易にわかるため、ブレードの回転速度ギリギリでじっくり見せることもできます。
2 マイヤー ミラー (スウェーデン)
ダイワ|マイヤー ミラー
重量 〜 2g, 4g, 5g, 7g, 10g, 15g
次は、パンサーと兄弟スピナーのミラーです。ブレード周りは、パンサーと共通ですが、ボディーがビーズとシンカーから作られています。パンサーより、重量バリエーションが多く、このルアーの優れた特徴は、トリプルフックにフェザー(羽根)がついていることです。フライフィッシングで使われるウェットフライがフックについている様なもので、ブレードに誘われた魚が思わずエサと勘違いしてフックに食いつきます。
How to use このルアーの使いどころ~ミラー
使い方は、水深が浅く、緩やかに流れている”瀬”を表層付近で流すと効果的です。フェザーが水の抵抗を受けるため、スピナーの姿勢が安定し、パンサーよりも表層を引くことができます。瀬に出た大型の渓魚が思わず口を使う。そんな場面が想像できますね。
3 ブレットン (フランス)
ダイワ|ブレットン
重量 〜 約3g, 約5g, 約7g, 約9g, 約11g
トラッド系スピナーの最後は、ブレットンです。このスピナーは、フランスで作られた物を、ダイワさんが日本に合うようなアレンジを加えて、ダイワブレットンとして販売されています。ブレットンは完成されたスピナーの原形を保ったルアーだと言えるでしょう。まさに、ジ・オリジンです。
How to use このルアーの使いどころ ~ ブレットン
伝統の渓流ルアーフィッシングを体現できるスピナーですので、場所を選ばすどんどん攻められるルアーです。また、約3g~7gは、入数が二個で、お買い得なスピナーでもあります。少し、製品にばらつきがあるようですが、それもこのルアーの味です。フランス製のしなやかなあたりを堪能してください。
Modern系 (モダン系) スピナー 2選
トラッド系スピナーの弱点
歴史と伝統があるスピナーですが、弱点もあります。それは、糸ヨレです。ブレードが回る構造上、どうしてもブレードと一緒に、ボディも回ってしまい、ラインと直結した場合、ラインがねじれて、切れやすくなってしまうのです。特に、縦繊維のフロロラインでは、ねじれによるライン劣化は、即ラインブレイクにつながります。魚だけならいいのですが、ルアーも一緒にロストするので、魚にも人にもとても痛いです。それも味の一つではあるのですが、現代の渓流ルアーフィッシングで、スピナーの出番が少ないのはこれが原因の一つだと思います。
モダン系スピナーとは?
トラッド系スピナーに工夫とと、技術をで、弱点を克服するスピナーが現れました。それらのスピナーをモダン系スピナーと呼んでいます。モダン系スピナーの特徴は、スピナーの最大の弱点である糸ヨレを克服した点です。そこには、日本の技術と工夫の結晶がちりばめられています。
4 スミス AR-S トラウトモデル
スミス |AR-S トラウトモデル
重量 〜 1.6g, 2.1g, 3.5g, 4.5g, 6.0g
スピナーの常識をくつがえした、モダン系スピナーの旗手
モダン系スピナーの一番手は、スミスさんのAR-S トラウトモデルです。前述の動画で使われているスピナーです。渓流のルアーフィッシングといえば、まず頭に浮かぶ一流メーカーが本気になって作ったスピナーです。AR-Sは、トラウトフィッシングの大御所で、スミスさんで開発を手掛け、数々の名品を送り出している、本山博之氏が、10年の歳月を費やして完成させたというスピナーです。
AR-Sの糸ヨレ対策
このスピナーの特徴は、まず、ラインの結束部分にスイベルをつけたような形になっていて、ボディーの回転をスイベル構造が吸収して、糸ヨレを軽減する仕組みをもっています。次に、ブレードが直接シャフトについているインブレード方式で、回転する余計な部品がないため、ブレードがスムーズ回り、ボディに無駄な回転が伝わりにくい仕組みです。ボディーもティアドロップ型の一体構造で、後方に重心があるため、ルアーの姿勢がとても安定します。この技術が、スピナーでは難しかったトゥィッチを可能にするというのですから、従来のスピナーからすると、本当に革命的です。その爆発力は計り知れません。渓流ルアーのベテランアングラーにも納得の性能だと言えます。
How to use このルアーの使いどころ ~ AR-S
一つはケースに入れておきたいルアーです。使い方は、重量設定も細かく、水量や、流速に合わせて、表層の速引きから、大淵のボトムまで、様々な状況で使いたいルアーです。渓流の主力ルアーとしておすすめです。AR-S縛りでやってみても面白いでしょう。まさにモダンスピナーの代表と言えます。
5 アングラーズリパブリック スピンウォーク
アングラーズリパブリック|スピンウォークQR
重量 〜 2g, 3g, 5g
21世紀のスタンダードスピナーへの挑戦
次に紹介するのは、実戦的なアイテムで評価の高い、アングラーズリパブリックさんのスピンウォークです。個人的にとても興味をそそるモダン系スピナーです。ボディにホワイトメタル(自然に優しい系の金属)の一つである、スズを使っています。このルアーは、ロストした時の自然への影響に配慮しています。釣りと環境の両立を目指したルアー。まさに現代的なアプローチから、次のスタンダードスピナーへの意欲が感じられるルアーです。
スピンウォークの糸ヨレ対策
スピンウォークの糸ヨレ対策は、ボディーで糸ヨレを軽減することです。仕組みは、ヘリコプターのボディが回転しない原理とと似ています。回転しようとする方向に対して、ボディがヘリコプターの尾翼の役目を果たし、ボディの回転力を抑えて、ブレードだけ回るように制御します。この仕組みに一役買っているのが、ボディの材質です。スズは、比重が鉄や鉛よりも軽い素材で、同じ重量ならば、体積を大きくできるので、ボディを羽根のような形にして重心を下げています。その効果で、姿勢も安定し、糸ヨレも軽減しています。形も芸術的で素晴らしい仕上がりです。
How to use このルアーの使いどころ ~ スピンウォーク
源流の表層攻略におすすめです。使い方は、他のルアーと比べて、沈みにくい特徴があるので、表層をダウンクロスでブレードを回しながら、ふわっと浮かぶように引くと効果的です。急流の岩影に潜む良型が、飛び出してくるのが想像できます。
Modern Real 系 (モダンリアル系) スピナー 4 選
モダンリアル系スピナーとは?
スピナーのボディをシンカーではなく、小型のメタルジグのような小魚を模したボディで、集魚力に様々な使い方を狙ったスピナーです。ボディの形状で糸ヨレを抑え、スライドやトウィッチ等のメタルジグ的な使い方もできるハイブリッドなスピナーです。
6 ダイワ シルバークリークスピナーZ
ダイワ|シルバークリーク スピナーZ1090
重量 6g, 9g
モダンリアル系の元祖というべきダイワさんのシルバークリークスピナーZです。草創期より、スピナー普及に熱心に取り組んでいるメーカーだけあって、その仕上がりは、所有欲を満足させるような豪華さです。糸ヨレ対策も万全で、ラインの結束部分にはスイベル構造を採用していて、糸ヨレを防ぎ、なおかつ、ボディでもブレードの回転を抑制するといダブルで糸ヨレを防ぐ構造です。また、ブレイドにアワビカラーもラインナップしており、豊富なカラーバリエーションは他にない特徴です。
How to use このルアーの使いどころ ~ シルバークリークスピナーZ
広めの渓流での使用がおすすめです。使い方は、重めのボディを、スピナー独特の浮力で、難なくアピールできますので、カウントダウンでレンジを探りながら、水量の多い流れを表層からボトムまで攻められます。レンジを決めたら、一定のスピードでのリトリーブして、時よりトゥイッチを混ぜて、トラウトたちにこの美しさでトラウトたちを魅了しましょう。
7 スミス ニアキス
スミス|ニアキス
重量 〜 3g, 4g, 6g, 9g, 12g
見切るトラウトにキスさせる=リアルなバイトを引き出す
スミスさんのニアキスです。ボディが魚の形をしているタイプです。数々の革新的なルアーを作るスミスさんですので、実力は折り紙つきです。AR-Sが、スピードで魚を食わすとすれば、ニアキスは、トラウトにルアーを見せながら、かつ口を使わせるアクションを加えることが可能となったスピナーだと言えるでしょう。ニアキスの名前は、Near(近くで)+Kiss(キス)を組み合わせでしょうか。
How to use このルアーの使いどころ ~ ニアキス
サイトで釣る方におすすめです。使い方は、ルアーに反応して近くに寄ったトラウトに、ワントゥイッチを入れてフックキングを決めるような方法が面白いとおもいます。糸ヨレ対策も、スイベル構造と、ボディが回転を抑制するダブルで軽減しています。重量バリエーション、カラーも豊富で、アングラーの所有心もくすぐる仕上がりです。
8 D-3カスタムルアーズ ファーラップ
D3カスタムルアーズ|ファーラップ
重量 〜4gのみ
マッチザハッチをルアーで表現する
D-3カスタムカスタムルアーズさんの、ファーラップです。北海道のメーカーさんで、とてもユニークなルアーをリリースしています。ファーラップはご覧の通り、クロカワムシ(トビゲラの幼虫)そのものです。フライフィッシングにおけるマッチザハッチの考え方をスピナーにも取り入れたのではないでしょうか。他のルアーにない特徴です。また、ブレードが先端になく、直線上に並んでいません。スピナーの伝統的な形にとらわれない本当にユニークで、野心的なルアーです。
How to use このルアーの使い方 ~ ファーラップ
ボディで、糸ヨレを抑えるタイプです。重心が下にあるので、ボトム付近で、安定して流すことができます。重量も4gありますので、岩からはがされたカワ虫を捕食すると考えて、急流のボトム付近から中層に流れるように攻め方がおすすめです。思わぬビックフィッシュに出会えそうです。
9 スミス AR・HDミノー
スミス|AR HDミノー
重量 4.8g
スピナーのメリットを纏ったシンキングミノー
最後の紹介は、スミスさんのAR・HDミノーです。本来は、スピナーの紹介に合わないかもしれません。ただ、モダンリアルを突きつめると、最終的にこの形になると思います。そして、スピナーの構造がどれ程のメリットをもたらすのかを紹介します。開発者は前述の本山博之氏です。つくづく、開発力のすごさに感心させられます。
大人気渓流ルアー"シンキングミノー"の弱点を克服
現在、渓流では、ヘビーシンキングミノーを使った釣りが大人気です。しかし、スピナーなら難なくできる浅場の攻略がとても苦手です。ルアーがボトムに引っかかって釣りになりません。これにスピナーのブレードをつけると、ブレードの回転が生む浮力で、今までシンキングミノーでは、なかなか攻略が難しい浅場も引くことができます。スピナーの良さとミノーの汎用性を持った、おすすめのオールラウンダーとなったのです。
How to use このルアーの使いどころ ~ AR・HDミノー
使い方は、スピナーが使える浅いレンジから、シンキングミノーの深いレンジまで扱えますので、自由にルアーアクションをイメージして、大胆に攻めると新たなポイントを開拓できるかもしれないですね。より操作性の優れたベイトタックルでの攻略がおすすめです。
渓流スピナーのまとめ
渓流スピナーのご紹介はいかがだったでしょうか。日本での渓流ルアーフィッシングでは、スプーンやミノーで攻める方が多いと 思います。しかし、スピナーもなかなか面白いと思いませんか。特に、モダン系スピナーでは、スピナーの弱点もかなり軽減されていますし、様々なアクションにも反応してくれます。新しい釣り方や、攻め方を開発できるかもしれません。もう、退屈なルアーとは、言わせませんよ。あなたのスタイルに新たな可能性をプラスできるスピナーで、もっと楽しくトラウトとの出逢いを堪能しませんか。