シマノ ネッサ CI4+ S1102MMH
ダイワ|ショアスパルタン スタンダード106MH (17モデル)
ペンデュラムキャストとは?
ペンデュラムキャストとはその名の通りペンデュラム(振り子)の原理を利用してルアーなどを遠投するキャスティング技術の事。 通常よく使われるオーバーハンドキャストと違い、ロッドのしなりをしっかりを利用してキャスティングをする為、比較的無理な力がかからず疲れにくく、しかもより遠くに投げれます。 上手く投げれば100m以上も先のポイントへルアーを投げることのできるキャスティングです。
参考:振り子の原理
参考として振り子の原理の動画を紹介します。ペンデュラムキャストはこの原理を応用して楽に、遠くにキャストするキャスティングの技術なのです。 今回はこのペンデュラムキャストの投げ方を、初心者の方でも出来るだけわかりやすいように図と動画を交えてご紹介していきたいと思います。
まずはペンデュラムキャストの動画を紹介
ペンデュラムキャストを覚える前に
ペンデュラムキャストを覚える前にすることがあります。 基本的なことではありますが、【ロッド】、【ライン】、【ルアー】のバランスをきちんと整えるという事です。 釣りに慣れた方ならば当たり前のことかもしれませんが、これをきちんとしなければいくら正しいキャスティングを覚えても飛距離を稼ぐことはできません。たとえば、柔らかいロッドに重たいルアーを付ければロッドはぐにゃんぐにゃんになって上手く投げれませんし、ロッドに多大な負荷がかかってしまいます。また、ラインにしても軽いルアーを投げたいのに太いPEラインなどを使ってしまってはまずルアーの飛距離は全く伸びないでしょう。 きちんと自分の持っているロッドや使いたいルアーの特性を理解し、しっかりと選んでセッティングしてこそ正しいキャスティングの力が生きるのです。
ペンデュラムキャストキャストに向いているルアー
ペンデュラムキャストはロッドのしなりを利用する為、メタルジグや重いジグヘッド、大型のミノーなど重めのルアーをより遠くへ飛ばすことに長けています。ペンデュラムキャストのの特性を生かせばロッドの対応重量のさらにプラス10g程度までの重いルアーでも安定したキャスティングが出来、ながい飛距離を出せるでしょう。
ペンデュラムキャストに向いているルアー例を3つ紹介
ペンデュラムキャスト向きのロッドとは?
ペンデュラムキャストにも向いているロッド、向いていないロッドがあります。 ペンデュラムキャストは、振り子の遠心力とロッドの反発力を利用する投げ方です。柔らかい調子のロッドでもペンデュラムキャストはできますが、やはりペンデュラムキャストの長い飛距離を出すことのできる特性を十分に発揮する為には、重いルアーを投げることに向いている硬く反発力の強いロッドの方がおすすめです。
画像の3本の内、赤い色のロッドのように重いルアーに対しても高い反発力を持っている調子の硬いロッドがお勧めです。
おすすめロッドを2つを紹介
シマノ:ネッサCI4+ S1102MMH
シマノ ネッサ CI4+ S1102MMH
画像はシマノのネッサCI4+ S1102MMHモデル。 このモデルの様な重量級のミノーやジグヘッド、メタルジグに対応した硬いロッドの方がペンデュラムキャストに向いています。
2.ダイワ:ショアスパルタン スタンダード 106MH
ダイワ|ショアスパルタン スタンダード106MH (17モデル)
こちらはダイワ製のダイワ ショアスパルタン スタンダード 106MHモデル。 こちらも重いメタルジグやミノーに対応し、ショアジギング・ショアキャスティング様につくられたペンデュラムキャストに向いているロッドです。
ペンデュラムキャスト向きのライン
ペンデュラムキャストとというより遠投に向いているラインの解説になってしまいますが、遠投にはより細いラインの方が向いています。 ラインが細ければ細いほどラインとガイドの摩擦が少なくなり、エネルギーロスが少なくなるからです。 以上の事から、やはりペンデュラムキャストには細くて強いPEラインが向いていると思われます。
画像のスプレーのようにラインに吹きかけるだけでラインの滑りをよくするスプレーも売っています。 ペンデュラムキャストでも、より飛距離を出したいときには使ってみても良いかもしれません。
ペンデュラムキャストに向くポイント、向かないポイント
飛距離を出せる特性から、重いメタルジグなどを遠くに遠投し広範囲のエリアを探るサーフ(砂浜)などの釣りでペンデュラムキャストは強い力を発揮します。 さらに、下半身で踏み込んだりして勢いをつける必要がないため下半身が思うように動かせないウェーディング中や磯などの足場の悪い場所でも効果的です。 しかし垂らしの糸が長く、長いロッドをを使った方が効果は高いため、短い距離やオーバーハングした木の下や、後ろに壁がある時など狭い場所で投げるのには向いていないキャスティングです。 以上の特性から、ペンデュラムキャストは池や川などの淡水魚を狙うより、広い海岸などでヒラメやシーバスなどを狙うのに力を発揮するキャスティングになります。
ペンデュラムキャストに向くポイント
画像の様なサーフや磯、護岸などで、周りにキャスティングの障害物が無く、広範囲を探る時にペンデュラムキャストは力を発揮します。
海の中に入っていくので周りの障害物が無く、足元の自由があまり効かないウエーディングなどはペンデュラムキャストの力を活かす絶好の場所です。
ペンデュラムキャストに向かないポイント
画像のように渓流や狭い川などの頭上に樹木などがオーバーハングしている場所では十分なキャスティングスペースが取れないため向いていません。
画像のように護岸でも後ろの壁などがあって思いっきりロッドを後ろに振りかぶれないポイントや、頭上に屋根があるポイントでもキャスティングスペースが取れないためペンデュラムキャストをすることができません。
画像の様な狭い船上でもやはり十分なキャスティングスペースが取れないのでペンデュラムキャストは向いていません。
ペンデュラムキャストのやり方を図を交えて解説
4つのステップを覚えよう
ここからは実際にペンデュラムキャストのやり方を4つのステップで図を交えて解説します。
ステップ1
まずルアーまでのラインの垂らしをおおよそロッド1本分程度の長さで取って構えます。 ※このためペンデュラムキャストは投げるのに結構な空きスペースを周囲に必要とします。 周囲に障害物が無いか?また近くに、特に後ろに誰か歩いていないか?などを十分に確認してからキャスティングに入ってください。
それなりに長いラインの垂らしで投げるのには練習とコツが要ります。 慣れるまではラインを短めに、画像のように第一ガイド付近からその少し上辺りに合わせると良いかもしれません。
ステップ2
周囲の安全確認が終わったら図のようにロッドをすっと振り上げます。この際反動でルアーが前に出ますのでおおよそルアーが目線の位置に来るようにタイミングを待ちます。
ステップ3
次に前にいったルアーを後ろに引っ張るようなイメージで振り子を促す様に竿を後ろに倒します。 このときの注意点として、ロッドの先の高さが変わらない様に意識して手首は動かさずに右ひじは12時、ロッドは1時の角度辺りに固定することです。 ここで手首やひじの力が抜けてしまうとロッドにテンションがかからず、ねじれの原因にもなるので上手くキャストできず、明後日の方向に飛んで行ったりしてしまいます。
ステップ4
そうして後ろに行ったルアーの荷重が腕に掛かってきたな、というタイミングで左手を引いて右手を前に出してキャストします。重いルアーほどゆっくりとキャストした方がよいでしょう。この時、ロッドに負荷をかけるようなイメージをして、ロッドを後ろに倒したときに一番ロッドにルアーの重みの負荷がかかったと思う位置でキャストする。というイメージをしっかりとすることができれば成功しやすいです。 各プロセスにおけるロッドの位置のイメージは「9時→11時→1時→10時」といった感じのイメージになります。 簡単ではありますが以上の手順がペンデュラムキャストのプロセスになります。
ペンデュラムキャストの動画を失敗例・成功例にわけて紹介
ここまでペンデュラムキャストのやり方を図と文で紹介してきましたが、それだけではペンデュラムキャストをどうやって投げればいいのか、キャスティングのイメージがいまいち掴みづらいという方もいらっしゃると思います。 そこでここからは実際にペンデュラムキャストを投げている動画を紹介しますので、実際の動きを成功例、失敗例の動画を合わせてご覧ください。
正しいペンデュラムキャストの動画を紹介
キャスティングが学べる5つの動画
まずは正しい投げ方で投げられているペンデュラムキャストの動画をいくつかまとめてご紹介します。 どれもきれいなフォームで投げられており、かつ解説も付いているのでペンデュラムキャストのキャスティングのイメージを掴みやすく、より深く理解出来るでしょう。 特に1つ目と2つ目の動画は非常に詳しくペンデュラムキャストについて解説していると思いますので必見です。 この後に紹介する失敗例の動画との比較にもなりますので、ぜひどの動画もチェックしてみてください。
1.写真と動画で覚える『ペンデュラムキャスト』
2.メタルジグ飛距離アップのキャスト方法
3.大将のキャスティング解説
4.「井上友樹/超遠投法」
5.エギング”ペンデュラムキャスト~エンドタップジャーク”
ペンデュラムキャストの失敗例の動画を紹介
続いて、上手くできていないペンデュラムキャストの失敗例の動画を見てみましょう。
正しいペンデュラムキャストをするための5つのポイント
先の2つの動画がペンデュラムキャストになり切っていない、キャスティングの失敗例の動画でした。 この項目でこの動画で失敗している部分や、そのほかの失敗しやすい部分を合わせて5つのポイントを解説していきます。
1:軌道が山なりになっている
失敗例の動画では、ロッドを後ろに傾ける際に、直線では無く山なりの軌道を描いています。 ここを上手く意識して投げれないとルアーがきれいな振り子の軌道を描かず、またロッドもねじれてしまうのでただのオーバーハンドキャストと大差ない投げ方になってしまっています。 さらに、2つ目の動画ではロッドを水平に前に倒したところからキャスティングを始めようとしています。これではなおさら綺麗な振り子運動にはなりません。必ずペンデュラムキャストをする場合はロッドを立てた位置からキャストを開始してください。
必ずロッドを立てた位置からキャストを開始するように意識してください。 そうしなければルアーが綺麗な振り子の動きをせず、飛距離もでません。 また、慣れないうちは一度ルアーの動きを制止させてからルアーを前に振り出しキャストを開始するとキャスティングしやすいと思います。
何故水平に動くように意識して投げるのか?それは、柱時計の振り子を思い出して頂ければイメージをしやすいと思います。振り子運動をする物体の振り子の繋がっている先の部分の高さは基本的に変化しないはずですので。 もっとわかりやすく実際に体験したいのであれば、ラインの先にルアーを結びつけて平行な動きと山なりの動きを実際に比べてみて下さい。どちらがきれいな振り子運動をするのかが一目でわかるはずです。
2:ロッドの動きにねじれが加わらないようにする
次にペンデュラムキャストに慣れていない方がやってしまいがちなのは、ロッドを素早く後ろに振ってしまうことです。 先ほどの動画ではそこまで早い振り方ではありませんでしたが、この速度が速いとルアーが後ろに跳ね上がってしまいロッドのねじれなどに繋がり綺麗に飛びません。
さらにこの際、ロッドの高さが山なりにならないように気を付けるのと同様にロッドも横軸の動きも山なりにならないよう、真っすぐに動かすように心がけて下さい。 ここでも動きが山なりになってしまうとロッドの動きにねじれが生じてしまい、綺麗にルアーが飛んでいきません。
3:ロッドにルアーの重さをしっかり乗せる
しっかりとルアーの重みをロッドに乗せることも大切です。 ペンデュラムキャストは腕の力に頼らずに、ロッドの反発力を利用して投げるキャスティングなので、しっかりとロッドにルアーの重量を載せて(手にロッドからルアーの重量を感じるくらい)そのタイミングでロッドの反発力を利用してルアーを前に送り出してあげる事が大切です。
しかし、このタイミングが遅すぎるとやはりルアーがはねて軌道が乱れてしまいます。 ペンデュラムキャストは振り子の遠心力も利用してロッドの反発力で投げるので、ルアーの軌道は大きな円を描くように投げます。 二つ目の失敗例の動画のようにいきなりトップスピードで素早く投げるのではなく、体の回転を利用し、重いハンマーなどを振りかぶるイメージで徐々にロッドを振るスピードを上げて、大きな円軌道を描くようにストロークの長いキャストを心掛けるようにしてください。長いストロークで加速域を長く取ったキャストの方がより強い遠心力を生み出し、より長い飛距離を出すことができるでしょう。
4:力を入れ過ぎず、ロッドを振り切る時は左手を胸に付ける
ペンデュラムキャストは元々力を籠めずに遠くへルアーを投げることのできるキャスティング技術です。 キャスティングをする時にはあまり余計な力を籠めずに投げるように意識しましょう。 イメージとしては右腕(リール側の腕)は力を入れずに腕を前に押し出すようなイメージ、左腕(ロッドの下側を持つ腕)は右腕の腋の下か、胸に引き付けるようなイメージでキャストすると上手くいくはずです。
5:着水するまではロッドの向きをルアーが飛んでいく向きに合わせる
どんなキャストにも言える事ですがルアーを飛ばしたら、ロッドをおろしたりせずにルアーの飛ぶ角度、進行方向にロッドの向きを合わせるようにしてください。 きっちり合わせないとラインがロッドに無駄に当たってしまい、それがパワーロスになって飛距離が伸びません。 きちんと角度と進行方向を合わせてあげる事によって、無駄なパワーロスを抑え、より遠くへルアーを正確に飛ばせるようになります。
ペンデュラムキャストのススメ
重いルアーを広範囲に飛距離を出すために力任せに何度も投げるのは結構な重労働。 なかなかきちんとしたペンデュラムキャストを習得するのは難易度が高いですが、ペンデュラムキャストをしっかり覚えていれば最小限の力で長い飛距離を投げることができる為、遠投での疲労をきっと軽減してくれるでしょう。 このため、正しいペンデュラムキャストを覚えていればサーフや磯での遠投釣りの大変心強い味方になってくれます。 より楽に、より楽しく、そしてより釣れる釣りライフを送れるように、更に自分のキャスティング技術をワンステップ上に上げてみませんか?
一口にペンデュラムキャストと言われても知らない方にはピンとこないかと思います。 まずは動画を見て、ペンデュラムキャストとはどういうキャスティングなのか?いったいどんな動きをしているのか?などを確認しペンデュラムキャストのイメージを掴んでみましょう。
メタルジグ