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大台ヶ原山とは?日本百名山&日本の秘境100選に選ばれた山を徹底解説!

価値ある風景が目に飛び込んでくる、大台ヶ原のハイキングは体験しましたか?奈良の奥深くで日本百名山に数えられた名峰は、大蛇ぐらに正木ヶ原と、稀有な絶景だらけで登山者には大人気です。どんなコースや見どころがあるのかなど、大台ヶ原山の特徴を詳しく解説します。
2020年8月27日
はぐれ猫
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大台ヶ原山とは

その絶景から幾多の人々に称賛されてきた大台ヶ原山は、周囲の普通の山とはまるで違った性格を持っています。まずは意外と知らない基礎的なところから足を踏み入れてみましょう。

奈良・三重県境の標高1,695mの山

いにしえに都が築かれた奈良盆地より吉野の深山へと分け入れば、やがて三重との県境で辿り着くのが大台ヶ原山です。その標高は1,695.1mと近畿地方でも屈指の高い山であり、吉野熊野国立公園に属する名山です。そのため登山コースには常にハイキング客の足音が絶えません。

大台ヶ原山の日出ヶ岳

この魅惑的な山には、日出ヶ岳(ひでがたけ)なる別名も存在します。地図上では大台ヶ原山の別名となったり、あるいは併記されていることも通常なのです。山域全体を大台ケ原山と言い、東大台の最高峰を日出ヶ岳と呼ぶといった区別がされていることもあります。

ヒルクライムでも知られる大台ヶ原山

山林に伸びている大台ケ原山ドライブウェイや林道を利用した自転車競技、ヒルクライム大台ヶ原山のイベントは、自転車ファン必見です。このヒルクライムは2001年より始まりました。毎年8月に上北山村役場~辻堂山~大台ヶ原山の区間を、無数のロードバイクが駆け抜けて行きます。

数々の称号を持つ貴重な山

周囲を圧倒するような自然と風景は、修験道の開花していた昔から知られていました。そのため大台ヶ原山は幾つもの機関や人物によって、貴重な自然として選定され、複数の称号を持つに至りました。数少ない特別天然記念物をはじめとし、たった100ヶ所しかない日本百景や日本百名山など様々です。

【豆知識】大台ケ原山の称号や登録状況

【特別天然記念物】国による選定
【日本百景】1927年大阪毎日新聞社、東京日日新聞社による選定
【吉野熊野国立公園・特別保護地区】1936年、国による選定
【日本百名山】昭和の小説家・登山家の深田久弥による選定
【ユネスコエコパーク】1980年に国連機関による選定
【日本の秘境100選】1989年にJTB社主催シンポジウムで選定

大台ヶ原山のアクセス

アクセスの概要

北方の奈良盆地とは、国道169号と県道40号(大台ヶ原ドライブウェイ)によって結ばれています。大台ヶ原山までは自家用車にてアクセスをするか、奈良交通の路線バスによってアクセスをします。バスの場合に起点となっているのが、近鉄吉野線の大和上市駅です。

バスと車のアクセス経路

【バス】近鉄吉野線の大和上市駅バス停→奈良交通路線バス→大台ヶ原山バス停(1時間50分)
【車】京奈和自動車道の五条北インター→国道370号→国道169号→県道40号(大台ヶ原ドライブウェイ)→大台ケ原山(2時間)
(県道40号線は冬季通行止)

大台ヶ原山の駐車場

くねくねと大台ヶ原山のドライブウェイをアクセスすれば、行き止まりとなる標高1,500m地点に、大台ヶ原山のビジターセンターの駐車場が広がります。収容台数200台以上と広めですが、休日や夏休み期間、それに紅葉シーズンなどは満車になる可能性があります。

大台ヶ原山の主要施設

ビジターセンター

駐車場の最奥に建つビジターセンターは標高1,573.3m地点にあって、大台ヶ原山の観光では核となる施設です。内部では登山の最新情報を知ることができるほか、自然と歴史についての展示が見られたり、時々観察会などのイベントも開催しています。

大台ヶ原山ビジターセンター

上北山村物産店


2つある物産店のうち、大きなロッジ風建物が上北山村物産店です。こちらは大台ヶ原山の地元である上北山村の、とち餅や吉野杉箸など、名産品の数々を並べています。お弁当を買ったり食堂でうどん定食を食べたりと、食事をする目的でも賑わいを見せています。

物産紹介 上北山村物産店

大台ヶ原山のハイキングコース①

苔探勝路(初級)

距離はほかの絶景登山コースに比較しても極めて短くて、誰でも気軽に歩けるコースが苔探勝路です。大台ヶ原山の駐車場に隣接する心・湯治館の周囲を取り巻くようなコース取りです。森林のなかに様々な種類の苔が生えて、不思議な景色を描く場所です。

コースの特徴

出典: http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/tanoshimu/odaigahara/#c1

かつては苔むす風景だけが際立っていましたが、シカと人の出入りのためにササの多い環境に変わりました。そのため環境省ではシカ侵入防止柵を設け、苔と森の再生を促しています。大台ヶ原山の登山を目的にしない観光でも、訪ねてみたい探勝路です。

大台ヶ原山の登山コース情報

苔探勝路
【場所】大台ヶ原山の駐車場近く
【時間】約15分

大台ヶ原山のハイキングコース②

Aコース(初級)

特級の見せ場を幾つも含みながら、整備が行き届いていて評価も高いのが、大台ヶ原山の初級登山コースです。他の難コースに比べて格段に歩きやすくなっていることもあり、9キロながらも最短の4時間で歩くことができます。季節ごとに何度でも歩いてみたい、大台ヶ原山登山の代表格です。

コースの特徴

出典: http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/tanoshimu/odaigahara/#c1

出発をして最高峰の日出ヶ岳を目指せば、山頂からは大峰山脈を始めとする紀伊の果てしない山並みと熊野灘の風景が、360度に見渡せます。正木ヶ原では有名なトウヒの立ち枯れを目にし、魔物を封じたという牛石をすぎれば、大台ヶ原山のクライマックスは山間に屹立する大蛇ぐらです。

大蛇ぐら

この山の代名詞的な存在感の大蛇ぐらは、登山コースの先に待ち構える絶景です。天然の展望所である大蛇ぐらでは、ぐらぐらに目も眩む断崖が800m眼下まで続きます。スリル抜群で、大台ヶ原山では不動の人気です。春になるとアケボノツツジやシャクナゲが咲き乱れ、絶壁と花の取り合わせが見事です。

大台ヶ原山の登山コース情報

Aコース
【場所】大台ヶ原山の東大台
【距離】約9km
【時間】約4時間

大台ヶ原山のハイキングコース③

Bコース(中級)

帰りの吊り橋も含めて見どころの要所はばっちり抑えているのが中級者向けコース。難所での変化や春の花を求めているならば、こちらがおすすめです。大台ヶ原山Aコースと同じような、距離や時間で回ることができます。

コースの特徴

出典: http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/tanoshimu/odaigahara/#c2

ど迫力の日出ヶ岳と、目眩をもよおす大蛇ぐらを見るコースを辿っていくのは、Aコース同様です。違いを見せるのは大蛇ぐらからの帰りで、大台ヶ原山を代表するシャクナゲが群生するシャクナゲ坂を下り、シオカラ吊り橋を渡ってからは、長い下り坂が駐車場まで続いています。

大台ヶ原山の登山コース情報

Bコース
【場所】大台ヶ原山の東大台
【距離】約9km
【時間】約4時間


大台ヶ原山のハイキングコース④

Cコース(上級)

迷子になりやすい複雑な順路なため、ビジターセンターで特別な手続きを必要とするコースです。西大台と呼ばれる大台ヶ原山の西側にあり、難路が続き沢渡りが多いため、上級者コースに設定されています。距離は9キロと同様ながらも、難所を含むために所要時間は5時間を超えます。

コースの特徴

出典: http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/tanoshimu/odaigahara/#c3

いざバス乗り場のあたりから出発すると、大台ヶ原山のブナの原生林が取り囲む中のハイキングです。途中の見どころには七ツ池湿原群や、かぼちゃのように膨らんだカボチャミズナラがあり、順路では赤い吊橋や飛び石など変化に富んでいます。目的地は大峰山脈や大蛇ぐらを眺める逆峠展望台です。

大台ヶ原山の登山コース情報

Cコース
【場所】大台ヶ原山の西大台
【距離】約9km
【時間】約5時間
(ビジターセンターでの手続き必須)

大台ヶ原山のハイキングコース⑤

Dコース(上級)

東方の大杉渓谷の方面を目指して歩く、大台ヶ原山の上級コースです。険しい渓谷の登山は、山小屋まで片道5時間以上。それより先の宮川ダム湖方面まで向かうなら、山小屋(桃の木小屋)に1泊をすることになります。大台ケ原山の秘境中の秘境といえる渓谷は、準備を万全にして挑むルートです。

コースの特徴

出典: http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/tanoshimu/odaigahara/#c4

何処もかしこも絶景となるのは、Dコースの大杉渓谷は日本三大渓谷を冠する景勝地だからです。大台ヶ原山の日出ヶ岳を過ぎれば渓谷の見事な堂倉滝を眺める吊橋を抜け、最大の名所となるのが7つの釜が連続する七つ釜滝。桃の木小屋の先では両側に断崖がそそり立つ、宮川のシシ淵が見逃せません。

大台ヶ原山の登山コース情報

Dコース
【場所】大台ヶ原山の日出ヶ岳~大杉渓谷
【時間】片道約5~6時間(桃の木小屋まで)

大台ヶ原山の宿泊施設・山小屋①

心・湯治館

出典: http://cocoro-toujikan.com/tomaru.html#honkan

複数の登山コースを歩きこなしてみたいならば、大台ヶ原山で最大の施設、心・湯治館の宿泊がおすすめです。この施設は標高1,600mの高原に、新館と本館合わせて132名までが泊まれる広さがあります。個室と相部屋も選択できて、節約もしておきたい個人の登山者にもうってつけです。

宿泊施設・山小屋情報

【所在地】奈良県吉野郡上北山村大字小橡660大台ヶ原
【電話】07468-2-0120
【料金】個室(1泊2食付き)大人1人:11,450~、大人2人以上:9,800円ほか
【営業期間】4月第4土曜日~11月24日まで(宿泊は23日まで)
(2019年1月29日現在)

心・湯治館 大台ヶ原

大台ヶ原山の宿泊施設・山小屋②

栗谷小屋

出典: http://www.awadanigoya.com/page1.html

目的地が杉谷渓谷ならば宿泊を検討しておきたいのが、大台ヶ原山東方の粟谷小屋。標高1,134m地点で昭和後期から営業を始め、もう50数年の歴史があります。杉谷渓谷までは目と鼻の先の場所なので利用しやすく、館内では数々の珍しい美術品観賞や、コウヤマキのお風呂がおすすめです。

宿泊施設・山小屋情報

【所在地】三重県四日市市三滝台4丁目(大台ケ原山の東方)
【電話】090-1567-0010
【料金】1泊2食:8,800円、素泊まり:6,000円、お弁当:900円、おにぎり:600円
【営業期間】4月下旬~11月下旬
(2019年1月29日現在)

栗谷小屋

大台ヶ原山の宿泊施設・山小屋③

桃の木小屋

隔絶された秘境にありながら、創業はすでに80年を超えているという老舗の山小屋です。大台ヶ原山の東方に建つ桃の木小屋の建物は断崖に沿うように長く伸びて、吊り橋が隣接するという絶景の宿。250名収容の規模があり、大杉渓谷のど真ん中に位置することでかなりの人気があります。

宿泊施設・山小屋情報

【所在地】三重県北牟婁郡紀北町海山区相賀480-170(大台ヶ原山の東方)
【電話】0597-32-2052
【料金】1泊2食:9,000円、素泊まり:5,500円、お弁当:1,000円(要予約)、日帰り休憩:500円
【営業期間】4月〜11月
(2019年1月29日現在)

桃の木小屋

大台ヶ原山近郊のキャンプ場

和佐又山ヒュッテ(和佐又山キャンプ場)

価値ある国立公園となっている大台ヶ原山なので、山頂や登山コースの付近でキャンプを張ることは禁止されています。そこで大台ケ原山からも然程は離れておらず、アクセスが容易で設備が整っている和佐又山ヒュッテのキャンプ場をおすすめします。

和佐又山ヒュッテ(和佐又山キャンプ場)の特徴

元は学校の校舎だという小洒落た建物を、和佐又山の標高1,150mの地点に移築し、昭和59年に完成したキャンプ施設です。大普賢岳の登山者の多くがヒュッテに宿泊し、設備の整ったオートキャンプ場やロッジも選べるとして人気があります。大台ヶ原山までは1時間とかなり近場の距離です。

キャンプ場情報

【所在地】奈良県吉野郡上北山村西原1055
【電話】07468-3-0027
【料金】ヒュッテ:大人1泊素泊まり4,860円~、キャンプ:大人1泊650円~、ロッジ:大人1泊9,720円~
(2019年1月29日現在)

和佐又山ヒュッテ

大台ヶ原山に行こう

大蛇ぐらや正木ヶ原の絶景へ

圧倒的な風景が待ち受ける大台ヶ原山へと、訪れたい思いが溢れてきませんでしたか?大台ケ原山までのアクセスは時間をかけるとは言え、大蛇ぐらに日出ヶ岳に正木ヶ原と、ハイキングコースには目に焼き付けたい見どころ満載でした。ぜひとも山小屋などの宿泊も兼ねて訪れてみてください。

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