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【転がる草】タンブルウィードって何なの?西部劇のコロコロの生態などをご紹介!

タンブルウィードが何なのかご存知でしょうか?西部劇でコロコロと転がる干し草のことですが、どことなく可愛いタンブルウィードの生態や種類、日本での呼び方を紹介します。西部劇と言えばアメリカですが、原産地はまったく違う国となっていますので併せて紹介します。
更新: 2022年2月17日
さくらドッグ
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西部劇でコロコロ転がるタンブルウィードとは?

可愛いタンブルウィードは人工物ではない?

Photo by onlyberlin

西部劇で主人公と敵役が睨み合う緊張のシーンにコロコロと転がる枯れ草をタンブルウィードと言います。ピンッと張り詰めた空気に似合わない可愛いらしい姿はどこか愛らしいものを感じます。

牧草として利用されているものがコロコロと転がっているように感じますが、実はタンブルウィードは人工的に利用しようとして作られたものやそのゴミなどではありません。

西部劇でコロコロと転がるタンブルウィードの生態をご紹介!

タンブルウィードの原産地や生態とタンブルウィードがコロコロと転がる理由、日本にもタンブルウィードとなる種類の植物が生息しているのかを解説します。多くの場合タンブルウィードは雑草とされていますが、タンブルウィードの種類によっては食用にも利用されている植物がありますので解説します。

タンブルウィードの原産地は?

タンブルウィードの原産地はアメリカではない!

Photo byTaken

西部劇で人気の少ない荒野のシーンでタンブルウィードは可愛い姿でコロコロと転がる所がよく出てくる為、アメリカ大陸が原産の植物かと思い込んでしまいがちですが、実はアメリカが原産の植物ではありません。

西部劇に出てくるタンブルウィードはロシアアザミという種類

西部劇に出てくるタンブルウィードは外来種のロシアアザミというオカヒジキ属の仲間の種類が他の農作物の種に混じってアメリカ大陸に入り、乾燥した環境と繁殖の強さでアメリカの在来種の植物を駆逐して個体数が激増しています。

ユーラシア大陸原産のタンブルウィードは乾燥と塩に強い

乾燥した土地に強く、さらに塩気のある土にもタンブルウィードは適応しています。強い生命力がある植物となっており、駆逐することのできない状態が続いています。

またタンブルウィードと同じ種類に属するオカヒジキは日本でも野菜として食べられていますし、サルソラと言われる種類の植物はイタリアで同じように食品利用されています。

タンブルウィードの種類とは?

タンブルウィードは植物の名前ではない!

Photo byRJA1988

タンブルウィードは植物の名前ではありません。タンブル=転がる、ウィード=草の意味が合わさったコロコロと転がる草の様子や状態を表した言葉となっています。

オカヒジキと同じヒユ科の植物やアブラナ科やマメ科の草が根元から折れて転がる生態の植物の種類であればタンブルウィード(転がる草)と呼ばれます。

転がりながら繁殖する植物は他にもある


転がりながら方々に種を撒き散らして個体数を増やしたり、生息する地域を増やしているのはタンブルウィードことロシアアザミばかりではありません。日本に生息している節分草という種類の植物も転がりながら数を増やしています。

しかしロシアアザミとは違い、種だけが丸い形をしており、種が転がりながら生息地域を広げながら数を増やす生態があります。

タンブルウィードの生態は?

アメリカで繁殖しているタンブルウィードはロシアアザミ

元々ロシアアザミはユーラシア大陸とアフリカ大陸に生息していた種類の植物です。1800年代にロシアからの農作物の別の種に混ざってアメリカ大陸に入ってきたと言われています。ロシアアザミの生態は一年草で乾燥した場所や塩気のある土地に生息しています。

乾燥地帯に生息する植物

Photo byAJEL

タンブルウィードは繁殖力が強く、乾燥した地域に生息する植物の種類です。タンブルウィードとなるロシアアザミの生態を解説すると種子から発芽し、球体状に葉を伸ばして大きく成長します。成長して、種をつけるようになると根元が風によって折れてしまいます。

生息域を増やすために転がりながら種を落とす

風によって折れてしまったロシアアザミはコロコロと可愛い姿で転がるように風の吹くままに移動しながら種をいろいろな所に落としていきます。その種が発芽してはまた同じようにコロコロと転がりながら生息域をどんどんと広げていく生態となっています。

冬の時期の風物詩

他の植物と同じように暖かい時期には青々と葉を伸ばしますが、寒い時期になると根元から折れてしまいます。転がりながら種を散らすことがタンブルウィードの繁殖方法となっているのですが、北米の乾燥した地域ではタンブルウィードがコロコロと転がっている風景が冬の到来を告げる風物詩のようになっています。

年によっては大量発生し家がタンブルウィードで埋まってしまうこともあります。

タンブルウィードはどこまで転がる?

何キロも転がる!

乾燥したタンブルウィードはどこまでも転がります。多くの場合乾燥した荒野から街まで何キロも転がってきます。そこで人にゴミとして処理されれば終わりなのですが、タンブルウィードによっては街を通り過ぎてもなお転がり続ける場合があるようです。

固くて乾燥している

風に乗ってコロコロと転がる可愛い姿からタンブルウィードはふわふわとした手触りなんだろうと想像してしまいますが、タンブルウィードは固くて乾燥しています。さらにトゲが多い為うっかりと手で触れると怪我をしてしまうおそれもあります。

タンブルウィードの利用方法はある?

タンブルウィードは雑草

Photo by pika1935

タンブルウィードは牧草の切れ端のようなイメージがありますが、自生しているロシアアザミが成熟して茎から折れて繁殖の為に折れてコロコロと転がる生態があります。その為、人為的に何かに利用される植物ではありません。しかしアメリカのテキサス州では家畜飼料になる可能性があるとして栽培をしている地域があります。


飼料用以外にもこんな利用法がある!

タンブルウィードは飼料用としての利用よりも演出用としての商品として販売されています。西部劇撮影用の演出以外にも、結婚式やイベントで西部劇のようなセットや演出をする場合の為に使われていることが多いようです。私たちが映画で目にするタンブルウィードは専用に作られているとは驚きですね。

転がる様子の連想から

タンブルウィード ベアリングオイル

出典:Amazon
出典:楽天
出典:Amazon

タンブルウィードがコロコロと転がる様子の連想から海釣り用リールや自転車のメンテナンスオイルの商品名としてタンブルウィードの名前が付けられている商品がグリッチというオイルメーカーから販売されています。

他にもタンブルウィードのような見た目をさせた着火剤が販売されていますが、原料がタンブルウィードということではなく、松の削りカスなどを加工して、タンブルウィードのような見た目に似せた商品があります。

牧草によく使われている種類はイネ科!

Photo byMonsterkoi

タンブルウィードは飼料用ではあまり使われることはありません。主に家畜の飼料用として栽培されている植物はイタリアンライグラスやペレニアルライグラスなどのイネ科の植物や、マメ科のアルファルファやシロツメクサと呼ばれている馴染みの深いクローバーなどが牧草として使われています。

牧草が丸いのは加工している為

タンブルウィードは自生している状態でもどんどん球体状に丸く成長していきますが、先に挙げた飼料用として使われている牧草は元々丸く生長しているわけではありません。牧草をサイレージと呼ばれる筒状に加工し、牧草を発酵させることで牧草の生えない冬の季節の飼料として利用されています。

タンブルウィードは日本にも生息している?

日本では海岸に生息しているオカヒジキがタンブルウィードと同じ種類の植物

日本にタンブルウィードとなるロシアアザミの生息確認はされていません。しかし、同じ種類に属するオカヒジキが成熟して枯れてしまうと同じように転がるようです。オカヒジキは自然に生息している場合もありますが、日本では野菜としてオカヒジキが栽培、利用されています。

オカヒジキが栽培されているのは山形県

オカヒジキは昔から東北地方で食用利用の為、栽培が行われてきました。特に山形県で盛んに作られており、伝統的な野菜として取り扱われています。食用利用されているオカヒジキはカルシウムやカリウムが豊富に含まれており、お浸しや酢の物、汁物に利用されています。

沿岸部で自生しているオカヒジキはしょっぱい

Photo byrkit

生産されているオカヒジキは沿岸部に近い露地栽培のものもありますが、ハウスを利用したオカヒジキが多く生産されています。沿岸部に自生しているオカヒジキは塩を含む為、摘み取って食べるとしょっぱい味がします。

タンブルウィードの別名は?

タンブルウィードは植物の名前ではないのでたくさんの種類がある!

タンブルウィードは固有の植物の名前ではありません。紹介したアメリカでタンブルウィードとして一般的に認識されている植物がロシアアザミというだけで同じような生態の繁殖方法を取っている植物が複数あるそうです。

タンブルウィードを日本語でいう場合は(回転草)との別名で呼ばれますが、日本国内でアメリカのようにタンブルウィードが発生する場所はあまりありません。

日本ではオカヒジキと呼ばれている


先にも紹介しましたが、日本でタンブルウィードになる可能性がある種類の植物はオカヒジキとなっています。ロシアアザミと同じヒユ科の植物となっており、日本では自生しているオカヒジキ以外にも食用利用されているものもあります。

多くの場合はコロコロと転がっても海岸に生えていることが多く、日本国内で西部劇のような状態で見かけることはあまりありません。タンブルウィードを日本語で言うと回転草と呼び、中国では転蓬(てんぽう)とも呼ばれます。

タンブルウィードが大量発生すると火事になる?

乾燥地帯に生えていることから火事や事故の原因になることも

タンブルウィードが大量発生して街がタンブルウィードで溢れかえるような珍事も稀にあるようです。タンブルウィードの原産地も乾燥しているように火事の原因となってしまうこともあります。

火事以外にも視界不良の為、車の事故の危険性があったりと一つのタンブルウィードであれば可愛いと笑って見ていられるのですが、大量にある場合は何かと困ったことの原因になってしまいます。

火事の元になるということは燃料利用もできるのでは?

大量発生した時は火事や事故の元になると解説しましたが、先にも紹介したようにタンブルウィードの生産自体は行われていますが、焚きつけや燃料としてタンブルウィードの名前を冠する商品の販売がありますが、タンブルウィード自体を材料にしたものは現在のところないようです。

バーベキューなどの際は火事にならないように気をつけましょう。

コロコロ転がるタンブルウィードは可愛い!

まとめ

Photo by onlyberlin

西部劇でコロコロと転がるタンブルウィードはアメリカ原産の植物ではありません。ロシアから持ち込まれた種の中に混ざったロシアアザミが繁殖力の強さでアメリカに広がった外来生物となります。

一つ二つのタンブルウィードの様子は可愛いものがありますが、大量に発生した時は街が埋もれてしまったり、交通事故や火事など災害の原因にもなってしまうことがあるようです。また食べることのできるタンブルウィードと同じ種類の植物もありますので思いを馳せながら食べてみるのも面白いかもしれませんね。

植物の生態が気になる方はこちらもチェック!

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