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【雑草図鑑】庭や畑、道端に生える種類をご紹介!草花の名前や特徴も!

道端や畑の縁、河川の堤防などには四季折々に名前も知らない草花を見かけます。雑草とひとくくりにされていますが、図鑑を調べるとちゃんと名前が有り、それぞれに特徴があるのです。そんな雑草とされている野の花の種類や名前を図鑑を元に主なものをご紹介してみましょう。
更新: 2023年12月27日
Meigen Oka
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雑草とは

庭の花壇や畑、道端などの他コンクリートの割れ目などに土さえあれば、雑草が芽ばえます。どこから種が飛んできたのか不思議に思います。

この様に雑草はどこにでも発生し、また、繁殖する能力が強いですから、いつのまにか地面を這う様に広がって、放置すると空き地や花壇なども蔽い隠してしまう程になり、家庭菜園では野菜の生育不良にも繋がると同時に庭の美観も損ねます。また、病害虫の発生源ともなってしまいます。

近来はセイヨウタンポポやセイタカアワダチソウの様に外来の植物も日本在来種を押しのける様に増え続けている植物もあります。

雑草の種類

草花の種類は大別すると「一年草」と「多年草(宿根草)」になります。雑草も同様です。それは繁殖の方法とした特性に基づき区分された表現の仕方で、一年生雑草には、冬越しした種子が春に発芽して夏から秋にかけて花を咲かせて種子を作る「夏生(夏型)一年草」と、秋に発芽して苗で冬越しするものを「冬生(冬型)一年草」と呼びます。

多年生雑草は土中に伸びた地下茎がそのまま残り、春になるとその地下茎(根)から発芽します。

分類別雑草の種類

雑草の場合「イネ科雑草」「広葉雑草」「カヤツリグサ科雑草」とに系統分類学的に区分されています。「イネ科雑草」とは、稲の葉の様に長細い葉の形状を要している雑草を称し、「広葉雑草」とは、広い葉の形状の雑草を称します。

「カヤツリグサ科雑草」は、湿地や水田などに多い植物で、名前の通り茎を引き裂くと出来る四角形が「蚊帳(カヤ)」に似ていることからでしょう。

雑草図鑑・一覧その①:一年生雑草

一年生雑草は種子によって毎年発芽し生育する雑草のことを言います。一年生雑草には「夏生一年草」と「冬生一年草」の2種類あることは前述した通りです。

ヒメジョオン

ヒメジョオン

キク科ムカシヨモギ属

キク科の越年草です。北アメリカ原産で、明治初期頃に日本に渡来した植物です。花の咲く期間が長く繁殖力が強く、種も多く作ります。「春紫苑(ハルジオン)」より花は小さく上向きに咲かせます。

葉は長めの楕円形で葉先は尖っています。ヒメジョオンは漢字に直すと「姫女菀」となります。これは「姫紫苑(ヒメジオン)」というキク科の植物が日本にはすでに存在していたからです。

アカザ

アカザ

アカザ科アカザ属

広葉雑草でアカザ科。若い芽のつけ根が白いものが「シロザ」、赤味を帯びていれば「アカザ」と呼びます。幼芽の生長は遅いのですが、大きくなり始めると速まります。ひし形の葉は食用になります。

ほうれん草に似た花を咲かせますが、あまり目立ちません。草丈は2mほどになり多くの種を作りますが、種の寿命は長く、一斉に発芽させずに毎年少しずつ発芽させる独特な習性があります。

スペリヒユ

スペリヒユ

スベリヒユ科スベリヒユ属

広葉雑草の種類でスペリヒユ科。夏の花壇などに見られる園芸品種の「マツバボタン」や「ポーチュラカ」はスペリヒユ科で同科です。庭や畑、土手道などに地面を這う様に生える植物で、肉厚の葉が特徴的です。スペリヒユの”スペリ”は葉や茎にツルツルとした光沢があることから由来します。”ヒユ”はヒユ科のヒユに似ているからです。

ブタクサ

ブタクサ

キク科ブタクサ属

キク科。空き地など、どこにでも生殖する植物です。明治になって外来した植物で、戦後急速に分布を拡大しました。1m以上になり群落を作って旺盛な繁殖力を見せます。一本の茎に向かい合う様に葉を出します。夏から秋にかけて小さな頭状花を長い穂に密集する様に咲かせ、これが風に飛ばされて秋の花粉症の原因となっています。

オオバコ

オオバコ

オオバコ科オオバコ属

広葉雑草でオオバコ科。踏み固められた道端でも元気に生息する植物です。漢字では「車前草」と表記される訳は、人や車に踏まれても平気で生えていることで「車の通る前でも生えている草」の意味です。地面に這う様にロゼット状体で年間を過ごすたくましい雑草です。

カヤツリグサ

カヤツリグサ

カヤツリグサ科カヤツリグサ属

広葉雑草のカヤツリグサ科。強い陽射しや高温、乾燥にも強く繁殖力にも強い雑草です。茎は珍しい三角形をしています。


雑草図鑑・一覧その②:多年生雑草

多年生雑草とは、冬季は枯れた様になりますが、土中に地下茎が残っていて養分を蓄え、春になってその地下茎から新しい芽を出して生長します。

ツクシ

ツクシ

トクサ科トクサ属

トクサ科。河原の土手や畑の縁などに生えるシダ植物です。花を咲かせることはなく、種ができないので胞子で増えます。漢字で「土筆」と表しますが、これはツクシの形が筆の穂先に似ているためです。スギナの地下茎から土を突く様に芽を出しますので”突く子”からの命名の説があります。

セイヨウタンポポ

セイヨウタンポポ

キク科タンポポ属

広葉雑草のキク科。外来種で日本の在来種を抑えて現在では約8割を超えて生育する草花です。発芽すると葉が地面を這う様にへばりついて広げます。根は牛蒡(ゴボウ)の様に深く伸びます。タンポポは朝に花を開き、夕方に閉じることから外国では「農夫の時計」や「妖精の時計」とも呼ばれます。

カタバミ

カタバミ

カタバミ科カタバミ属

広葉雑草の仲間でカタバミ科。クローバーに良く似たハート形をした3枚の葉が特徴で、地面を這う様に繁殖します。葉のつけ根から伸びた茎の先に黄色の小さい花が集まって咲きます。春から秋まで花を咲かせ。花の後に1cm~2.5cmほどの莢の中に実が出来、熟すと弾けて飛び出します。刺激に敏感でちょっと触っただけで弾けます。
 

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ

キク科アキノキリンソウ属

広葉雑草のキク科。明治時代に渡来した帰化植物です。2mを越す草丈となり、秋には黄色の花を咲かせ、晩秋には白い綿毛が泡立つ様に見えることから「背高泡立ち草」と呼ばれます。種子や地下茎からでも繁殖します。

しかも、この植物は「CIS-DNE(シス・デヒドロマトリカリア・エステル)」という長い名前の有害物質を出して、周囲の植物の発芽を止め、生長を抑えてしまうために他の植物を駆逐して群落をつくり繁殖します。

雑草図鑑・一覧その③:イネ科雑草

食物の稲や麦、竹などもイネ科植物です。同じ科目の雑草も稲の葉と形態が似て、細長い葉をして、特徴的なのが葉脈が平行に通っていることです。花粉を飛ばして受粉させる「風媒花(フウバイカ)」で、花粉症の原因にもなっています。
 

メヒシバ・オヒシバ

雑草の女王とも呼ばれるメヒシバは、いたる所で良く目にする雑草です。古代の遺跡からも種が出土したことから太古から存在していたことを窺わせます。地域によっては「スモウトリグサ」とも呼ばれて遊びの一種にされています。

穂状に花をつけた茎をお互いに絡めあって引っ張り、先に切れた方が負けとされ、これを相撲に見立てて呼んだものでしょう。

エノコログサ

エノコログサ

イネ科エノコログサ属

ネコジャラシとも呼んで、猫にじゃれさせたりしましたね。辞典の漢字表記では、猫ではなく犬の尾に似ていることから「狗尾草(エノコログサ)」で”いぬっころくさ”が転じた名前です。

英名では「フォックステール・グラス」と呼び、キツネの尾に譬(たと)えられています。スッと伸びた茎の先にブラシの様な穂を付けて風に揺れる様は風情も感じます。

スズメノカタビラ

秋に発芽し冬越しをして春から秋にかけて花を咲かせます。どの様な場所でも普通に生育しますが、葉の形が芝と似ているためにゴルフ場などに生えると外観上見分けるのが難しい、やっかいな雑草です。スズメは小さいことを意味し、カタビラは裏地のない生地の「帷子カタビラ)」の意味で穂の形状が似ていることからです。
 

雑草図鑑・一覧その④:マメ科雑草


マメ科雑草の特徴としては、葉が羽の様な複葉で莢や種を作ります。葉先からツルを伸ばして茎を巻きつける巻きヒゲを発達させます。

クローバー

クローバー

マメ科シャジクソウ属

白い花を咲かせる「シロツメクサ」をクローバーと呼びます。地面を這う様に茎を伸ばし、節から芽を出して長く細い柄の先に卵形で3枚の小葉の葉を付け、春から夏にかけて葉よりも高く茎を伸ばして花を咲かせます。花は小さな30~80個ほどが集まって1~2cmの球状になります。

小葉が四つあるものは珍しいので「幸せを招く」と言われ珍重されます。ツメクサの名の由来は、江戸時代オランダからの割れ物の隙間に乾燥させた草が詰めてあったのですが、これがクローバーのことで「詰草」と言われた訳です。

カラスノエンドウ

カラスノエンドウ

マメ科ソラマメ属

冬生一年草です。葉の先が巻きヒゲになっていて他の植物に絡みつく様に生育します。春に赤紫色の蝶の様な形をした小さい花を咲かせ、初夏に莢が出来て、中に6~10個ほどの種が出来、完熟すると莢が弾けて飛び散ります。カラスノエンドウの名は莢と種が完熟すると真っ黒になることからちなんだものです。

雑草図鑑・一覧その⑤:コケ類

コケ類は庭などに普通日当たりが悪くジメジメした土壌に地面を這う様に生育して繁殖しますが、中にはギンゴケの様に日光が当る場所でも生息します。見た目も悪く他の植物の生育も阻害したりします。

ゼニゴケ

ゼニゴケ科。日当たりの悪い場所に地面を這う様に発生し、胞子を飛ばして繁殖する無性生殖と言われているもので、スピードも速いのが特徴です。土の表面に強く張り付きますので除去するのが難しいものです。破れ傘という葉茎を伸ばし、繁殖すると小さい雑草が繁茂した様になるため景観を損ねます。

スギゴケ

スギゴケ

スギゴケ科スギゴケ属

スギゴケ科(コケ植物蘚類)。杉の木に形状が似ているため名付けられたものです。コケ類は湿地に生えると言われていますが、このスギゴケは反対にじめじめした場所を嫌い日当たりの良い場所を好んで地面を這う様に生育します。

色鮮やかな緑色が好まれ、園芸用に使われることが多く、栽培もされています。「苔寺」で有名な京都西芳寺の庭園ではオオスギゴケとウマスギゴケが多く生育しています。

雑草図鑑・一覧その⑥:変った名の雑草

変った名前やひどい名前、こっけいな名前が付けられた雑草があります。

下記に挙げた草の他にも花はきれいなのに生えている場所がゴミなどがある掃き溜めに咲くための「ハキダメギク」や、茎に鋭いトゲがあるので「ワルナスビ」、トゲを持ち、小さい実がシラミの様に衣服などに付くことから「ヤブジラミ」と有り難くない名前の雑草があります。

ホトケノザ

ホトケノザ

シソ科オドリコソウ属

広葉雑草のシソ科で春の七草に数えられています。葉の形状が仏像の台座に似ていることから付けられた名前で、畑の縁や道端などに普通に生育しています。特徴的なのが茎の断面が四角形をしています。

ヘクソカズラ

アカネ科。「蔓(カズラ)」はつる性の植物に付けられた語句です。ツルを伸ばした後に葉が繁茂し、夏に小さな漏斗状の花を咲かせます。

別名「ヤイトバナ」と呼ばれますが、これは花の中央部に「灸(ヤイト)」の後の様な赤味を帯びるからです。ヘクソカズラの名の意味は、葉をつぶして匂いを嗅ぐと「屁糞(ヘクソ)」の様なひどい匂いがすることからです。

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ

オオバコ科クワガタソウ属

オオバコ科。外国では、「バーズアイ(鳥の目)」とか「キャッツアイ(猫の目)」というきれいな名がついているのに、和名では「オオイヌノフグリ」と不名誉な名前が付けられています。花の色は青い瑠璃色をしてきれいですが、実の形が大きな犬の「ふぐり(陰嚢:いんのう)」に似ていることからです。

雑草図鑑・一覧その⑦:食べられる雑草


道端や畑の縁に生えている雑草でも食べられる植物があります。春の七草の「セリ」や「ナズナ」、「ツクシ」や「フキノトウ」は良くご存知の通り、「タンポポ」の茎や葉も炒め物などで美味しく食します。他にもヨモギ餅の「ヨモギ」、スペリヒユや河原や田の縁などに生える「野蒜(ノビル)」は葉も球根も食用になります。

これらの草を採取する時に注意したいのは、食用になるものと形態が似たものを間違って採取して食べ、食中毒を起す恐れがあります。食用になるのかを図鑑や写真などで良く確認することが大切です。また、見つけたら根こそぎ採取してしまうのは止めましょう。

雑草図鑑・一覧その⑧:薬になる雑草

道端や何気ない場所に、普段はほとんど気にもされない雑草がほとんどですが、そんな身近に生えている雑草にも、実は古くから生薬として珍重されてきた植物があります。

ドクダミ

ドクダミ

ドクダミ科ドクダミ属

ドクダミ科。初夏に白い可愛らしい花を咲かせます。4枚の花びらは花苞です。群生する植物でほのかな香りを漂わせますが、葉には独特の臭気があり、特に揉んだりすると強い匂いを出します。

この臭いのために毒を持っているのではということで「毒溜め」といわれた名前が変移したものです。毒が有るどころか、この植物は古くから「十薬」の別名があるほど、生薬として用いられてきて、ゲンノショウコ、センブリと共に三大民間薬のひとつとされています。

ツユクサ

ツユクサ

ツユクサ科ツユクサ属

ツユクサ科。6月~10月頃にかけて朝露に濡れながらコバルトブルーのきれいな花を咲かせます。英名は「dayflower(デイフラワー)」で花は朝開き夕方には萎れてしまう一日花である事からでしょう。

全草を乾燥させたものを「鴨跖草(おうせきそう)」と呼び、喘息、リュウマチ、喉の痛みに、同じく若葉を乾燥させたものは利尿剤として用いられます。

イヌタデ

刺身のツマに添えられている赤い芽タデはイヌタデの仲間で、発芽したばかりのヤナギタデの芽生えで食べると辛いものです。イヌタデは辛くないので刺身のツマにもならないので、”無駄な””役に立たない”という意味でイヌが頭についています。完全乾燥したものを煎じ薬として、下痢止めや腹痛などに用います。

まとめ

きれいな花や実を作る植物は愛されるのに、雑草は疎まれ、嫌われる存在ですね。踏まれても抜かれてしまっても、それでも逞しく生え続けています。そんな雑草にも薬用や食用にと役に立つものや、良く見ると可愛らしい花を咲かせるものも有るのです。

ご紹介したのはほんの一部ですが、道端や畑、アスファルトの狭間などに小さな可愛い花を咲かせる雑草を見かけたら、子孫を残そうと懸命に生育している姿に愛おしさを感じられたら嬉しいですね。

雑草についてはこちらもチェック!

ご紹介した「雑草図鑑」はほんの一部です。雑草についてや、その除草方法などもっと知りたいと感じられたら、Webマガジン「暮らし~の」のなかにも関連した為になる記事がありますので、ぜひご照覧下さい。