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エンジェルトランペットとは?特徴や花言葉をご紹介!きれいな花には毒がある?

「エンジェルトランペット」はその名の意味から「天使のトランペット」とも呼ばれます。花色も数種有り、ラッパ形の花冠を下向きに、枝にぶら下がる様にたくさんの花を咲かせます。「エンジェルトランペット」とはどの様な花なのか、特徴や育て方、花言葉などをご紹介します。
2020年8月27日
Meigen Oka
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エンジェルトランペットはどんな植物!?

エンジェルトランペットは、学名:Brugmansia(ブルグマンシア)、科目:ナス科キダチチョウセンアサガオ属、熱帯アメリカ原産の植物です。別名をブルグマンシア、木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ)という和名が付いています。ラッパ形の花を下向きに咲かせる姿の意味から「天使のトランペット」とも呼ばれているのが名の由来です。耐寒性には弱く、冬季は地際まで枯れますが、根が残っていれば翌春にまた伸びて開花させます。関東以西の暖地では越冬できます。

エンジェルトランペットの花の特長

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は、2~3m程の樹高に生長し、良く分枝した枝は横向きに広げ、葉の形は約20cmほどの楕円形をして周りはギザギザの鋸歯の様な切れ込みがあります。開花期間は6~11月で、黄色、オレンジ、白、ピンクなどの色の花を枝にぶら下がる様に花冠を下向きに咲かせます。花の形は名前の由来となったラッパ型をしていて、30cm前後の径の花冠は五つに裂けて反り返っています。

エンジェルトランペットの種類

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は、育て安さがあり、夏の暑い時期にたくさんのラッパに似た花を下向きに咲かせますので人気が出始め、現在では園芸品種も数種流通しています。生育も旺盛で花付きが良いのが特徴ですが夜間に香りを放つ品種もあります。

野生種と交配種

原種には高山や亜高山に生育分布する草丈が高い「高山高木性」と、沿岸地域などの低地に生育分布する「沿岸低木性」とがあります。アルボレア、スアウェオエンシス、オーレア、スアウェオレンス、ウェルシコロルなど5種が野生種として挙げられ、原種や亜種、変種などとを交配して生まれた交配品種が多く流通しています。葉が斑入りのヴァリエガタ、ルベラ、キャンディダなどの交配園芸種などが有ります。

エンジェルトランペットの毒性について

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は、天使の名に相応しくない強い毒性を含んでいます。有毒成分はアルカロイド系の成分で、口に含むと錯乱状態や呼吸困難を引起し、重篤の場合死亡の危険があります。また、樹液が皮膚に付くと炎症を起こし、眼球に付くと瞳孔が散大し失明の恐れが生じます。ちなみに、彼岸花や夾竹桃(きょうちくとう)にも同様の有毒成分を含有しています。

麻酔薬にも利用!

以前はダチュラ属として分類されていて、「ダチュラ」は、日本名「朝鮮朝顔」、別名「イガナス」「曼荼羅華(まんだらげ)」「気狂い茄子」と意味深い名で呼ばれ、江戸時代の医師「華岡青洲」によって麻酔薬として用いられた事で知られています。エンジェルトランペットは現在ブルグマンシア属として分類されていますので別属となっています。ダチュラ属は北米原産で世界中に広く野生化していますが、いずれも幻覚症状を起す有毒物質を含み、アメリカインディアンは神聖な薬として利用されていました。

エンジェルトランペットの名前の由来

エンジェルトランペット(天使のトランペット)の名前の由来は、本来の植物名が学名の「ブルグマンシア」です。オランダの植物学者であった「セバールド・ユスティヌス・ブルグマンズ」にちなんで、菌類の分類研究学者であった「クリスティアーン・ヘンドリク・ペルズーン」によって命名されたものです。その花の見事さと美しさから流通させようと園芸業者が「ブルグマンシア」の名で市場に出したのですが、売れ行きが悪すぎる事から、花姿からの意味合いを含んだ連想として「エンジェルトランペット(天使のトランペット)」という園芸名にしたところ売れ始めたことからが発端となった名前の由来です。


エンジェルトランペットの花言葉

エンジェルトランペット(天使のトランペット)の花言葉は、そのラッパ形の花冠の部分を下向きに、風にも揺れながら咲く姿が可愛らしく、愛嬌のある様に見える意味から「愛嬌」、きれいな花に相応しくない様な危険な毒性を持っている意味から「偽りの魅力」「遠くから私を思って」、その有毒成分によって幻覚症状を起すことからかの意味か「あなたを酔わせる」などの花言葉が付けられています。エンジェルトランペットは、美しい花色と下向きに咲く可愛らしい花姿からは思い浮かばない怖い毒性を含んでいるという二面性の意味を持った花なのです。

エンジェルトランペットの育て方・その①

管理と手入れ:生育環境

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は俗称でラッパ形の花姿から付けた園芸名の由来となったものです。熱帯地域原産ですので庭植え、鉢植えとも日当たりの良い場所で育てます。枝を大きく広げますので強風に弱く傷み安いので、風除けが出来る場所がベストです。熱帯地域原産ですが、高山地帯(標高約2,000~3,000m級)に生育していますので、耐暑性については多様であり、品種によっては花付きが劣る場合があります。

夏越し

鉢植えで育てている場合は、春から晩秋までは日当たりの良い場所で管理します。但し、7~8月の真夏の高温多湿の時期は生育が悪くなりますので、半日影の場所に移して管理します。

冬越し

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は、比較的耐寒性があり、冬季気温が氷点下以下にならなければ根が残り越冬できますので、関東以西の暖地では冬越しができ、春に芽を出します。株元に敷き藁(わら)などをしてマルチングをしておくとなお良いでしょう。寒冷地では、細枝を切落とし太い幹だけにして根を掘り起こして太根を整理して鉢に植えて霜がつきにくい様に寒冷紗で覆い、日当たりの良い場所に春まで置きます。鉢植えの場合も防寒を施して暖かい場所に移しておきます。

エンジェルトランペットの育て方・その②

管理と手入れ:植え付け・植え替え

苗を地植えにする時には、真夏の直射日光があまり当らない大きな樹木の下の様な半日影で、風通しが良く水捌けの良い場所がベストです。植える場所の地面を掘り起こして腐葉土などの堆肥を多めに混ぜ込んでおきます。鉢植えは、最初から8号か10号の大き目の懸崖鉢を用意し、市販の園芸用培養土で良いのですが、水捌けを良くする様に、鉢底に軽石(大)を敷き、培養土だけですと土が細かすぎるので赤玉土(小玉)を6:4程度の割合で混ぜたもので植えつけます。

植え替え

植え替えは地植えにしている場合は特に必要ありません。鉢植えは根周りが早く、直ぐに鉢いっぱいになり根詰まりを起してしまいますから、年に1回植え替えをしましょう。4~5月が適期です。一回り大きな鉢を用意します。植え替えの項で前述した用土に植え替えます。植え替え後に水をタップリ与え、肥料は根が落着いた頃の1週間程後位に与えます。

エンジェルトランペットの育て方・その③

管理と手入れ:水の与え方


地植え、鉢植えとも生育期間の春から秋にかけては水分の補給は欠かせません。水分が無くなるとすぐに葉が萎れたり、蕾が落ちてしまったりなど花付きが悪くなります。また、ハダニなどの害虫の発生に繋がります。地植えよりも鉢植えは特に水切れに注意しましょう。土の表面が乾いていたらたっぷりと灌水します。夏場の気温が高い時期は朝夕の涼しい時間帯に与える様にします。冬季に株が残っている場合は表土が乾いていたら与える程度にし、休眠中の株は用土に湿り気を与える程度に軽く与えておきます。

エンジェルトランペットの育て方・その④

管理と手入れ:肥料

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は俗にいう”肥料喰い”といわれます。生育が早い事もあり、花をたくさん咲かせる為には肥料が欠かせない植物です。特に春から秋の生長期には肥料を切らさない様にします。生育を順調にし、良い花をたくさん咲かせるには十分な施肥が必要です。

肥料の与え方

生長期の春から秋には、花を咲かせる為に養分をたくさん消費しますので、有機質の緩効性肥料を定期的にやや大目に施肥します。地植えの場合は、定植する際に用土に堆肥と一緒に有機質肥料を混ぜ込んでおきます。その後月1回のペースで有機質の緩効性肥料を与えます。鉢植えの場合では2ヶ月に一度の置き肥に加え、液体肥料を希釈率を良く確認して月2回水やりの際に施肥すると良いでしょう。冬季には基本的に肥料を必要としません。

エンジェルトランペットの育て方・その⑤

管理と手入れ:増やし方

エンジェルトランペット(天使のトランペット)を増やす方法としては、種まき、挿し木、とり木があります。

種まき

エンジェルトランペットの種

エンジェルトランペット(天使のトランペット)の花後に結実し後に茶色に変色して枯れてしまった様になってから採取し、良く乾燥させて冷暗所で保管しておきます。種まきの適期は地温の上がる5~7月です。園芸用培養土を入れた4号位のビニールポットに撒き、薄く覆土しておき渇かない様に水を与えます。2週間ほどで発芽します。本葉が出たら鉢に移植させます。

挿し木

4月下旬~7月中旬頃に挿し木にする枝を3~4節つけた長さ約20cmほどに切り取り、葉は半分ほどに切り取って水分の蒸発を抑える様にし、挿し口を斜めに切って用土を入れた径が大き目の浅鉢に数本挿し込み、半日影の場所で乾かさない様に管理します。早くて3~4週間で発根しますので鉢に植え替えます。発根剤を塗布するとなお良いでしょう。

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とり木

とり木にしたい茎の周囲の表皮を約5~10cmほど剥ぎ取り、水を含ませた水苔を厚めに巻きつけ、水を入れやすい様に頭の部分を少し空けてビニールで覆いひもで縛っておきます。水苔は常に湿らせておく様にしておくと約3~4週間で発根しますので、水苔は付けたまま下の部分で切り取り、鉢に植え付けます。

エンジェルトランペットの育て方・その⑥

管理と手入れ:病害虫


病害の心配はあまり無いでしょう。害虫では葉や茎に寄生して養分を吸汁するアブラムシやヨトウムシの発生が見られます。また、特に発生しやすいのがハダニで、主に葉の裏などに発生して養分を吸汁し、酷くなると葉がカスリ状になってしまい弱らせますので、光合成が行えなくなって最悪枯れてしまいます。

防除

ハダニは気温の高い乾燥状態で発生しやすいので、他の虫も同様ですが、水やりの際など葉の裏などを良く確認して、見つけたら早めに虫害の葉を切り取って処分し、殺虫剤を散布して防除します。害虫の発生しやすい5~8月に浸透性殺虫剤を株元に撒いておくと発生を防げますのでおすすめします。

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エンジェルトランペットの育て方・その⑦

管理と手入れ:管理のポイント!

エンジェルトランペット(天使のトランペット)は生育が早いので、枝葉などの生長も著しく、バランスの悪い樹形になることがあります。混み合った枝や伸びすぎた枝は、花後に整理剪定して樹形を整えます。株元から伸長した枝(ヒコバエ)をそのまま放置すると親株の生長を阻害し、樹形も悪くなりますので株元から切り取っておきます。枯れている枝なども切っておきます。晩秋には株元から20~30cm残し切り取ります。

まとめ

エンジェルトランペット(天使のトランペット)の特徴や育て方、花言葉と名前の由来などをご紹介してみました。初夏から晩秋まで長い期間ラッパ形の花を下向きにぶら下がる様に咲かせている姿は華やかさが有り、目を楽しませてくれます。但し、花言葉のひとつの由来にもされている毒性がある事が知られていますので、作業は手袋、眼鏡などを着用して行い、作業後は手などをしっかり洗う様にしましょう。

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下向きにラッパ形の花を咲かせる「エンジェルトランペット」については、花の見事さとはうらはらに毒がある事も驚きです。そんな「エンンジェルトランペット」の事や、毒性のある植物に関する事柄などを「暮らし~の」のWEBマガジンではご紹介していますので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。