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パキポディウム・グラキリスの育て方は?枯れない上手な栽培方法をご紹介!

パキポディウム・グラキリスはマダガスカルで自生する植物です。水やり、植え替え、剪定などの管理方法にはコツが必要となります。冬の管理温度は重要で、耐寒性がないため、越冬できるかどうかが成長の鍵となります。今回は、パキポディウム・グラキリスの育て方をご紹介します。
2020年8月27日
水木誠人
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パキポディウム・グラキリスの育て方のポイント

マダガスカル原産の塊根植物

パキポディウム・グラキリスは、マダガスカルに自生する塊根植物です。その独特なフォルムから、パキポディウムの中でも特に人気が高い品種です。マダガスカルでは岩場などに張りつきます。マダガスカルの乾燥や直射日光に耐えられるように、その塊根部に水が貯められるようになっています。

とくに冬の育て方が大切

そんなパキポディウム・グラキリスですが、育て方がうまくいかないと、枯れてしまうこともあります。日頃の管理では、水やりや温度などにもちょっとしたコツが必要で、耐寒性がないため、越冬できるかどうかが成長のカギとなっています。こうした木の特徴を押さえながらしっかりと育てていくことで、大きく成長していきます。今回は、パキポディウム・グラキリスの育て方のコツをと同時に、植え替えや剪定の時期についてご紹介したいと思います。

パキポディウム・グラキリスの故郷はマダガスカル

マダガスカルの気候の特徴

Photo byNikkyS

パキポディウム・グラキリスはアフリカのマダガスカル原産です。マダガスカルは、アフリカ大陸の東側にある島で、日本の面積の1.6倍ほどの広さを誇ります。マダガスカルの気候は、南東貿易風と北西モンスーンの影響によって特徴が見られます。秋の終わりから春先まで、気温が高くて雨が多く、初春から初秋までは温度は低く乾燥します。

マダガスカルの環境で管理を

Photo by luc legay

また、マダガスカルの気候は、東部、中央部、西部で異なり、パキポディウム・グラキリスが自生する南西部は山岳地帯で、とくに砂岩でできた岸壁や山頂付近で暮らしています。このあたりは乾燥が強い地域でもあります。実際、パキポディウム・グラキリスは乾燥と日光を好みますので、パキポディウム・グラキリスを管理する際は、好ましい環境を作ってあげることも大切な育て方の方法です。また、耐寒性がないので、寒さには注意です。

パキポディウム・グラキリスの基本情報

Photo by graftedno1

パキポディウム・グラキリスの学名はPachypodium Gracilius、キョウチクトウ科のパキポディウム属の植物です。グラキリスには細い葉という意味があり、その特徴となっています。パキポディウム・グラキリは、春先から初夏にかけて黄色い花がつきますが、最も特徴となっているのはその丸く膨らんだように見える塊根です。パキポディウム・グラキリは、和名を象牙宮といいますが、この塊根のでっぷりとした姿が象に似ているからか、塊根の色が象牙色に見えるからか、パキポディウム・グラキリスの姿を捉えた名前ともいえます。

パキポディウム・グラキリスの管理のコツ①水やり

成長期は土が乾いたら思い切り水やりを

Photo by sorarium

パキポディウム・グラキリスをはじめとする塊根植物の管理で注意したい水やり。根に水を貯めるため、水やりは控え目にするのがコツです。ただ、春から秋にかけての成長期は、土が乾いたら十分に水やりをするようにしましょう。成長期の水やりは、葉や土にいる害虫なども洗い流すことができるので、勢いよく水やりを行うようにしたいです。ただし、梅雨時期は水やりは控え目に。根腐れの原因となりますので、土の状態をしっかりと確認しながら水やりを行いましょう。

越冬の時期の水やりのポイントは

Photo bystux

秋が終わりに近づいてきたら、少しずつ乾燥気味に管理していきます。冬になると、パキポディウム・グラキリスは休眠するため、葉が落ちてきます。耐寒性がないため、寒い時期の管理はとても重要です。水やりはせず、断水して温かくなるまで待ちましょう。温かくなったら少しずつ水やりを行いましょう。いきなり水やりを行ったら水の与え過ぎになってしまいます。

パキポディウム・グラキリスの管理のコツ②置き場所

夏は屋外でも問題ない


パキポディウム・グラキリスは日当たりのいい場所に置くことが基本です。マダガスカルのような気候や気温に準じた環境にしてあげることが大切です。日に十分に当たらないと、木が弱くなってしまいますので、なるべく日に当ててあげましょう。暑さには強いので、夏になったら屋外で管理するのもよいでしょう。

冬の時期は置き場に注意を

パキポディウム・グラキリスは耐寒性がなく、寒さに弱いです。このため、冬になったら室内で管理し、日の当たる温かい場所で育てていきましょう。葉が落ちてきたら、パキポディウム・グラキリスは休眠に入ります。越冬の間は植木を十分に休ませてあげましょう。温かくなってきたら、水やりを再開し、気温に応じて外に出してあげるようにします。

パキポディウム・グラキリスの管理のコツ③温度

冬の管理温度に留意して

パキポディウム・グラキリスを管理する温度は、とくに冬の時期に注意が必要です。パキポディウム・グラキリスには耐寒性がないため、越冬できるかどうかが管理のポイントとなります。冬になったら、必ず温かい温度の室内で管理するようにしましょう。葉が落ちはじめたら、それは休眠の合図です。断水し、暖かい温度の室内でゆっくりと休ませてあげましょう。

夏場の温度は気にしないでもいい

パキポディウム・グラキリスには耐寒性はありませんが、夏の暑さには強いため、夏になったら温度を気にせずに管理することが可能です。屋外で自由に管理しましょう。秋が近づいてきて、朝晩の温度差が見られるようになったら、室内で管理するかどうかを判断しましょう。温度が10度を下回るようになったらタイミングですので、室内に入れてあげましょう。

パキポディウム・グラキリスの管理のコツ④用土

植え替えなどでは水はけのいい土を作る

パキポディウム・グラキリスの苗を購入して植え付けるか、植え替える際、気をつけたいのが用土です。パキポディウム・グラキリスの植え付けや植え替えでは、水はけのいい土を選びましょう。赤玉を混ぜて、なるべく水はけがいい土を作ってから、植え付けたり植え替えたりします。市販の土を使う予定でしたら、サボテン用の土や多肉植物用の土もおすすめです。

土の選び方を間違えると根腐れの原因に

植木の管理で大切なのは、育てようとする植木が好む環境を作ってあげることです。用土はとても大切で、パキポディウム・グラキリスのように、水はけがよく、乾燥した環境を好む植木を水持ちのいい土で育ててしまうと、土がいつまでたっても乾かず、木が大きく成長せず、いつしか根腐れを起こしてしまうことがあります。

パキポディウム・グラキリスの管理のコツ⑤越冬

越冬時期は様子を見ながら管理

秋も深まり、日増しに気温が下がってくると、パキポディウム・グラキリスは少しずつ水分を吸わなくなり、葉が落ち始め、越冬の準備をはじめます。この越冬の時期は、水やりも注意して行わないと、根腐れの原因になりますが、だからといっていきなり断水してしまうと、塊根がへこんでくることもあります。越冬の時期が近づき、葉が全体の半分ぐらいになってきたら少しずつ減らしていき、土の乾き具合と塊根部分のへこみを確認し、水を欲しがっている様子でしたら少量の水を与えていくようにしましょう。

耐寒性はないものの落葉しないものも

パキポディウム・グラキリスは、基本的には耐寒性がなく、冬の寒さが苦手です。しかし、ときにほかの株に比べて耐寒性があり、葉を落とさずに越冬するのもあります。こういう株の場合、様子を見ながら水やりを行って越冬する必要があります。温度が下がり、冬が訪れても葉を落とさずに越冬する株であっても驚かないように育てていきましょう。

越冬の終わりはどうやって確認するべきか

越冬が終わりを告げる時期はいつごろかというと、芽が出てきたかどうかで判断するという方法があります。ただし、越冬が終わったら、すぐに水やりをはじめるのはNG。この越冬明けの水やりで、株が枯れてしまうこともありますので、たとえ新芽が出てきたとしても、しばらくは様子を見て、気温が少しずつ上がってきたら、土の表面が少しぬれる程度の水やりからはじめていくようにしましょう。


パキポディウム・グラキリスの育て方①選び方

根の状態をチェック

パキポディウム・グラキリスは、種から育てにくいため、鉢植えで購入する方が多いと思います。しかし、鉢植えの値段はけっこう高く、失敗したくないと思う方も多いはずです。購入する際のパキポディウム・グラキリスの選び方として注意したいのは根の状態です。根がしっかりと出ているかどうかを確認してから購入しましょう。とくに、輸入された株の場合、根がないものもあります。根のない株は水分を取り入れることができず、成長していくこともできません。

塊根部分の健康をチェック

パキポディウム・グラキリスの根がしっかりと出ていたら、塊根部分を軽く触ってみましょう。スポンジのような弾力がある株は、状態が良くない可能性が高いです。水分が足りず、そのまま枯れてしまう場合もありますので、選ばないようにしたいです。健康状態がよく、さらに姿が気に入ったものがあったら、その株こそあなたが選ぶべき株です。

パキポディウム・グラキリスの育て方②植え替え

植え替えは2年に一度を目安に

パキポディウム・グラキリスは、土の水はけが悪くなってきたら、植え替えを行います。植え替えの目安として、2年に一度程度に考えましょう。越冬が終わり、温かくなってきたら、植え替えを行います。だいたい3月~5月ごろを目安としましょう。土を水はけのいい土にして植え替えましょう。植え替えたとき、必要に応じて肥料を施しましょう。植え替えが終わったら、あまり多くの水を与えず、土が乾いたら水を与えて根が付くのを待ちましょう。

植え替え後の管理方法

パキポディウム・グラキリスに限らず、植え替えを行った後の植木は、新しい環境になじむため、体力を使っています。このため、植え替えの後は、多くの水を与えず、直射日光などは避け、注意を払って管理する必要があります。そうすることで、新しい土の環境に慣れていき、健康な状態に戻り、成長していくことができます。

パキポディウム・グラキリスの育て方③剪定

パキポディウム・グラキリスは剪定の必要なし

パキポディウム・グラキリスは、越冬の時期が来ると、自然に葉が落ちてきます。このため、あえて剪定する必要がありません。枯れた葉が残っているときなど、剪定するように手で取る程度の作業の必要はありますが、必要以上に剪定する必要はほとんどありません。むしろ、あんまり手をかけすぎてしまうと、植木が弱ってしまうこともあります。不必要に剪定しようとしたり、剪定の必要のない葉を取り除いたりすることはやめましょう。

剪定ではなく整理をしてあげる

パキポディウム・グラキリスの開花時期は、春から初夏にかけてです。ただし、個体によって開花時期は大きく変わりますので、あくまでも目安としましょう。花が咲いた後、花柄はなるべくはやめに取り除くようにします。放っておくと、株が湿っぽくなり、元気がなくなって大きく成長しなくなることもあります。パキポディウム・グラキリスは、剪定の必要がない分、こうした植木の整理はまめに行ってあげたいです。

パキポディウム・グラキリスの育て方④病害虫

アブラムシなどが付くことも

Photo by harum.koh

パキポディウム・グラキリスには、特定の害虫はありませんが、ときにアブラムシやカイガラムシが付くことがあります。こうした害虫を見つけたら、すぐに駆除する必要がありますので、殺虫剤などで駆除するようにしましょう。パキポディウム・グラキリスの刺の間に入ってしまうこともあります。しっかりと取り除くようにしましょう。

根腐れに要注意

パキポディウム・グラキリスで起こりやすい症状は根腐れです。水のやりすぎ、湿気が多すぎるなどの原因で、塊根部分が腐ってしまいます。風通しをよくして、乾燥気味に管理することで予防できます。また、害虫が発生した後に、葉に斑点ができて枯れてしまうこともあります。枯れてしまった葉は落とし、害虫がつかないように予防することも大切です。


パキポディウム・グラキリスの育て方⑤肥料

肥料の与え過ぎには要注意

パキポディウム・グラキリスに肥料を与えたい場合、成長期に液体肥料を月に一度程度与えるか、緩効性の肥料を土に混ぜるようにします。ただ、肥料を与え過ぎると、特徴的なポッコリとした塊根部分が変形していくこともありますので、与え過ぎないように施すことが大切です。

植木の様子を見ながら施すこと

パキポディウム・グラキリスが健康に育っているのであれば、肥料を施す必要はありません。塊根部分や茎が細くなってしまったり、葉の勢いがよくなかったりしたら、肥料を与えるようにしましょう。与え過ぎも与えなさすぎも、木が枯れてしまう原因となります。

パキポディウム・グラキリスの増やし方

種まきで増やすのはむずかしい

パキポディウム・グラキリスは花の後に種ができます。種を採取して、種を植えることで、パキポディウム・グラキリスを理論上、増やすことができます。ただ、実際にはなかなかむずかしいので、無理に種を作って株を弱らせてしまわないようにすることも大切です。

挿し木もむずかしい

パキポディウム・グラキリスは、挿し木で増やすことも可能です。春先に幹を切って、切り口を十分に乾燥させてから、土に植え替えましょう。ただ、挿し木もさほどかんたんな方法ではありませんので、うまくいかなくても落胆しないように。しばらくパキポディウム・グラキリスを育ててみて、健康で大きく育っていったら、挑戦してみるというのも手でしょう。

パキポディウム・グラキリスを楽しもう

愛嬌のあるマダガスカル出身のパキポディウム・グラキリス。耐寒性がなく、越冬などの時期はいささか手がかかるものの、正しい管理方法で育てていけば、大きく成長し、楽しく世話していくことができます。鉢植えで購入されたら、しっかりと育てていきましょう。

パキポディウム・グラキリスが気になる方はこちらもチェック!

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