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【キャベツの栽培方法と育て方】種まき・苗の植え方から収穫までを徹底解説!

キャベツ栽培は上手にお世話しないと結実しないこともあり、はじめての人には難しいとされる作物です。上手に収穫までするために、種まきから植え方(株間)肥料(追肥)のやり方など詳しく解説していきます。あなたのキャベツ栽培の参考書としてご活用ください。
更新: 2021年9月1日
佐藤3
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はじめに

家庭菜園でキャベツを作ろう

キャベツってどうやって作るのだろう?と疑問に感じている方も多いでしょう。普通の品種であれば、畑での家庭菜園で。芽キャベツならプランターでの栽培も可能です。病気の心配が少ない作物ですので、きちんとお世話をすれば比較的初心者でも収穫までできる作物です。ずっしりと重さがありますので、収穫したときの感動は他のどの作物よりも大きいでしょう。

キャベツについて

よく知っていそうで知らないキャベツのこと。食べるだけではわからない野菜の基本情報や特徴を最初に見ていきましょう。原産地にはその作物の栽培ヒントも隠れています。科・属を知ることで同じような性質をもった野菜がわかるでしょう。

キャベツの基本情報

科・属:アブラナ科アブラナ属
原産地:ヨーロッパ
学名/英語名:Brassica oleracea L./Cabbage
輪作障害:あり(2~3年は同じ作物を作らない)
キャベツには作る時期によって味が変わってくる夏秋、冬、春キャベツの3つの植え方・育て方があります。玉の大きさもスーパーなどで見かける立派なものから小型、芽キャベツなどさまざま。

キャベツの栽培時期・種類や特徴

それぞれの育てる時期によって変わる特徴は、一般的な夏秋収穫。冬に収穫するギュッと葉がつまって甘みがあるもの。秋から冬にかけて育てるふわっと葉がやわらかく巻いてサラダやパスタなどに好まれる春キャベツがあります。葉がウェーブしているちりめん種、紫色をしたもの、丸のままスープや煮物などに使う芽キャベツと豊富な種類が揃っています。

キャベツ栽培カレンダー

この記事では時期などを一般的な中間地を目安として紹介しています。それよりも涼しかったり暖かかったりする地域では栽培カレンダーに違いがでます。それぞれの栽培の時期の目安をご紹介していきましょう。

寒冷地のキャベツ栽培時期

寒い地域でのそれぞれの時期は以下のようになります。あくまでも目安ですのでその年の気温などを照らし合わせて野菜に適した時期にお世話をしていきましょう。
種まき時期:3月中旬から4月中旬
植え付け時期:5月ごろ
収穫時期:7月

中間地のキャベツ栽培時期

中間地は本州~九州の北側の地域となっています。しかし、本州の中でも東北や新潟県、高所では寒冷地のお世話時期を参考にします。
種まき時期:2月中旬~3月中旬
植え付け時期:4月ごろ
収穫時期:6月~7月

暖地のキャベツ栽培時期

暖地は中間地よりも暖かい地域。四国や九州・沖縄がそれに当たります。以下は春まきのお世話時期ですが、暖かい地域では夏まきのキャベツ栽培が向いています。種袋の後ろにある夏栽培のカレンダーを参照ください。
種まき時期:2月上旬から中旬
植え付け時期:3月中旬から3月末
収穫時期:5月~6月

キャベツの栽培方法・育て方①種まき

家庭菜園の良さは自分で育てる品種を選んで毎日成長を楽しみにしながら一喜一憂して育て、最後はおいしくいただくという野菜の魅力をフルコースで味わえることです。キャベツはポットや箱まきで苗を作ってから畑に定植していきます。ここでは、種まきからはじめる苗づくりの中のポット栽培をご紹介します。

ポットまきの種まき①

種まきには培養土を用意しましょう。ポットの大きさは7cm程度を使います。鉢底ネットでしっかりと穴からの虫の侵入を防いでいきます。

ポットまきの種まき②

ポットに8~9割程度の土を入れ、深さ1cm直径3cmの穴を開けます。空き缶の底などを押し付けて利用すると良いですよ。その中に育てたい種類の種を3~4粒重ならないようにまきます。

ポットまきの種まき③

穴に種をまいたら、5mmほどの覆土(ふくど)をして軽く指の腹で押さえます。たっぷりと水やりをして、ポットへの種まきは完了です。

キャベツの栽培方法・育て方②箱まき

ポットに種まきをせずに箱まきで苗作りをする方法もあります。箱まきではポットと違った種まき、お世話のやり方が必要になってきます。

箱まきの種まき①


最初からポットで育てずに箱まきといって種苗箱にすじまきをしておこなう種まきの方法もあります。こちらも培養土を使って育てます。支柱などの棒を利用して1cmの溝を掘りましょう。

箱まきの種まき②

ポットと違い、種の間を1cmほどあけて並べていきます。種が重なってしまうとその後の間引きにも影響がでてきますので、必ず間をあけてまくようにしましょう。

箱まきの種まき③

こちらのやり方でも溝の上の土を軽くつまむように覆土して軽く押さえます。株の数が多くなりますので、乾燥を防ぐために新聞紙をかぶせて飛ばないように押さえ、その上からたっぷり水をやり発芽まで管理します。

キャベツの栽培方法・育て方③間引き

箱まきやポットまきの苗は間引き(株間)に注意しながら大きく定植できるまで育てていきます。種まきから定植前までの苗作りについてご説明します。

キャベツ栽培の間引き①

ポットや箱にまいた種は大きくなるのを観察しながら、良いものを選んで間引きします。間引きは2回おこない、それぞれ間引く目安があります。

キャベツ栽培の間引き②

1度目の間引きは双葉が育ち本葉が見えてきたころにおこないます。種苗箱は2cmの株間を開け、ポットは大きくて元気そうなものを2本にします。

キャベツ栽培の間引き③

2回目の間引きは本葉が2枚出てきたころ。箱なら4cm間隔の株間に。ポットではここで1本にしてそのまま育てます。種苗箱の場合はこのあと本葉2枚が育って3枚めが出てきたところでポットに植え替えをしてあげて苗に仕上げます。

キャベツの栽培方法・育て方④畑つくり

苗づくりと同時進行で畑の準備をしていきましょう。畑作りは定植の2週間前を目安におこなうのが一般的です。ここでは、畑つくり(主に土つくり)を解説していきます。

キャベツ畑の土つくり①

種まきから定植まで40日ほど育苗期間があります。そこから逆算して2週間前にまず畑の土を中和させるために畑を耕しながら苦土石灰をまく作業があります。1平方メートルあたり大人の手でふた握り(100g)の苦土石灰をすきこんでいきます。

キャベツ畑の土つくり②

畑の土を中和させてから1週間後に元肥をすきこんで畝を立てる作業があります。この畝立ては畑の土の水はけを良くして根腐れを防ぐために植え付ける場所を盛り上げるやり方です。元肥は堆肥は2kg。化成肥料は100gすきこみます。1列で育てるなら50cm。2列にするなら幅を80cmにしましょう。

キャベツの栽培方法・育て方⑤夏まきの苗

キャベツは高原で作るのに向いた作物。涼しいところが好きな野菜です。暑い夏まきの苗の場合、特別なお世話が必要となります。夏まき苗の作り方紹介です。

夏まきキャベツの苗つくり①

夏まきでキャベツの苗を作る場合は、風通しが良くて涼しい環境で苗を育てます。そのためには2つのポイントがあります。ひとつは、高い台などの上に種苗ポットや育苗箱を置くこと。こうすることで風通しがよくなります。

夏まきキャベツの苗つくり②

もうひとつは、寒冷紗で強い日差しから苗を守ることです。寒冷紗はホームセンターや園芸用品店で手にはいりますが、よしずなどでも代用することができます。

キャベツの栽培方法・育て方⑥定植・植え方・株間

はじめてキャベツを栽培する方のために、定植苗の目安と、その株間の目安・植え方をこちらで紹介していきます。どんな植え方をするのかはその作物ごとに違いがあります。買ってきた苗を定植する場合はこちらからが参考になります。株間に注意をして、お互いの株が成長を阻害しないように注意しましょう。

キャベツ栽培の定植・植え方・株間①


種まきから40日ほど経過して苗が本葉7~8枚になったのを目安として定植していきます。まずは、畝に植え付け用の穴を開けていきます。株間は品種によりますが一般的な大きさのキャベツの玉ならば50cmほど。

キャベツ栽培の定植・植え方・株間②

種苗ポットからの苗の出し方も説明しておきましょう。まずは人差し指と中指の間に根本の茎を軽くはさむようにしてポットをてのひらで包みます。そのまま上下を逆さまにして手のひらで土ごと苗を受け止めてください。ポットを外して天地を元にもどしたら穴に植えていきます。

キャベツ栽培の定植・植え方・株間③

苗を植えていく前に、穴には十分に水を注いでおきます。水を補充してあげることで根の付きが良くなるからです。水が引いてから、苗を入れ土を足して安定させて定植は完了です。

キャベツの栽培方法・育て方⑦防虫ネット

大事な作物を虫などの害から守るために防虫ネットを張りましょう。防虫ネットは必ず必要だというものではありませんが、かけておけば後のお世話が楽になることもたくさんあります。

キャベツの防虫ネットの必要性

害虫のところでもご説明しますが、虫による食害が心配される作物には防虫ネットをかけてあげないと人が食べるところがなくなってしまうこともあります。キャベツも含む葉物野菜には防虫ネットは必須です。

キャベツの防虫ネットのかけ方

畑で育てる場合は柔軟性のある支柱を畝のサイドに数本立て、そこに防虫ネットをかけていきます。サイドは土をかけてしっかり塞ぎ、トンネルの前と後ろは一度結んでからしっかり押さえつけて虫が入らないようにします。

キャベツの栽培方法・育て方⑧肥料(追肥)

良い野菜を作るには、畑つくりですきこんだ肥料(元肥)だけでは収穫まで栄養が不足してしまうことがほとんどです。キャベツの肥料(追肥)のやり方と、それと同時におこなう土寄せについてここでは解説します。

キャベツの肥料(追肥)①

定植から2週間くらいを目安にして追肥をおこないます。追肥のやり方は作物によって違います。きゅうりのように毎週あげなくては作物の成長に影響のあるものと違い、キャベツの追肥は一度で大丈夫です。

キャベツの肥料(追肥)②

キャベツの追肥には8-8-8の化成肥料を使います。野菜栽培(家庭菜園)ではこの8-8-8の化成肥料でだいたいの作物に対応できます。もっと割り合いの高い農家用の肥料もありますが、作物によって使い分けが大変ですので、普通化成肥料と呼ばれるこのタイプを用意しておきましょう。

キャベツの肥料(追肥)③

追肥のあたえ方は1平方メートルあたり50gの量にします。ちょくせつかかると肥料焼けしてしまいますので、根の先端あたりの土に置くのが定石です。キャベツの場合は、畝の両脇にあげてそのあと両側から土寄せをしてたっぷり水やりをして仕上げます。

キャベツの栽培方法・育て方⑨病気・害虫

立派な作物を収穫するためには、水を上げて日当たりの良い場所に植えておけば良いというものではありません。植物が成長するのを邪魔する病気や害虫について触れていきます。

キャベツ栽培で気をつける病気

比較的病気には強く心配はありまない作物です。気をつける病気はありませんが、可能性がある病気として根こぶ病があります。心配でしたら、畝つくりの時に殺菌剤を散布しておくとよいでしょう。

キャベツ栽培で気をつける害虫

虫による食害がキャベツ栽培の一番のネックとなります。防虫ネットで防いで見つけしだい捕殺していけば大丈夫です。付く害虫の種類はアオムシ、ヨトウムシ、シンクイムシです。春まきならアオムシ、夏まきならシンクイムシに注意しましょう。

キャベツの栽培方法・育て方⑩収穫


キャベツが結球(葉が集まって珠のようになる状態)したら収穫をしていきましょう。ここまで大事に育てた集大成とも呼べる作業です。時期を外してしまうとおいしくなくなりますので、収穫の時期ややり方には注意が必要です。

キャベツの収穫時期

キャベツの収穫は大きさよりも実のつまり具合で時期を判断しましょう。見分け方目安は玉を手で押してみて跳ね返るような弾力があったときです。

キャベツの収穫時期目安

日数を目安にしたいという方は、種まきから100日程度です。天候や季節によって前後しますので、さきほどの手で確認する収穫時期の見分け方を使ってください。

キャベツの収穫方法

収穫はまず包丁を入れる場所を作ります。地面に近いところで結実しますので、まずは玉の頭を押してななめに傾けます。見えてきた芯に包丁を入れて収穫します。

家庭菜園におすすめのキャベツの品種

こちらでは、一般的な畑での家庭菜園のやり方でご説明してきました。キャベツはその他プランターで栽培することもできます。植え方によって育てやすい種類があります。それぞれにおすすめのキャベツの品種を見ていきましょう。

狭い畑に植えるなら

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限られたスペースにいろいろな野菜を育てようとすると、どうしてもひとつの作物あたりの耕地面積が狭くなるのは仕方ありませんね。そんなときにおすすめなのが小さな玉ができる品種です。

プランター栽培の場合

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出典:Amazon
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プランターで普通のキャベツを育てるのは少し難しいです。おすすめしたいのは茎の両脇に小さなキャベツがたくさんなる芽キャベツです。少し苦味のある独特な大人の味がする野菜です。煮込み料理などに使えます。

まとめ

キャベツ栽培を成功させよう!

種まきから収穫までキャベツ栽培をご紹介してきましたが、いかがでしたか?種まきをする時期により、その味が変わってくる面白い作物です。野菜の中では涼しいところが好きな種類です。夏まきの場合は、風通しと直射日光に注意して涼しく育ててあげてくださいね。ずっしりと重みのある玉を収穫すると、がんばって育てたお礼を全部返されておつりがくるくらい嬉しいものです。家庭料理でもいろいろと使えるキャベツは、たくさん作っておすそわけしても喜ばれるでしょう。

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