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汲み取り式トイレとは?その構造や水洗便所にリフォーム際の工事費用を解説!

汲み取り式(くみ取り式)トイレのリフォーム実例は年々増加傾向にあります。洋式の綺麗な水洗便所にリフォームすることで、快適な生活を手に入れることが可能です。この記事では汲み取り式トイレの構造や、下水や浄化槽など工事の種類、必要な料金まで詳しく解説しています。
更新: 2023年3月22日
sakakibara-tetuji
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汲み取り式(くみ取り式)トイレとは

洋式水洗トイレが主流となった現代では、公共施設ではめったに見かけなくなった汲み取り式(くみ取り式)トイレ。しかしながら、古民家などの住居では現在も使われています。

「ポットン」「ぼっとん」「どっぽん」など地域や時代の変化に合わせて、さまざまな呼ばれ方をしてきました。もっとも幅広く認識されている呼び方は「ぼっとん便所」でしょう。まずは汲み取り式トイレの汲み取り構造から解説したいと思います。

汲み取り式トイレの構造①タンク

現代一般的に普及している水洗式トイレの構造は、汚物を流水で流して「下水道」や「浄化槽」などで処理されますが、汲み取り式トイレの場合は「タンク」に一時貯蔵されます。

ため込まれた汚物は定期的に汲み取り作業をしなければなりません、これがくみ取り式トイレと言われる理由です。汲み取り方法として、昔はバケツなどを用いて人の手作業でかきだしていましたが、現在はバキュームカーで吸引する仕法が普及しています。

汲み取り式トイレの構造②手動洗浄

普段使いなれている水洗式トイレでは、汚物はためこむことなく水道を通過していくので、管内の洗浄や汚物の汲み取りは必要ありません。

しかしタンクに汚物をためこむ汲み取り式トイレの構造は、汚物を抜き取ったあとに、バケツ5杯分の水(サイズによって水の量は異なる)をタンクに流しいれるなど洗浄作業が欠かせません。ただ汚物を抜きとるだけでなく、抜き取ったあとは水でタンクを清掃しなければなりません。

汲み取り式トイレの構造③害虫対策

当然ながら汚物が汲み取りタンクに溜まっていけば、1日もしないうちに虫がわいてきてしまいます。放置しておくと衛生的によろしくないので、殺虫スプレーや洗浄液などを定期的に流し込む必要があります。

そのとき注意したいことは、有機溶剤(クレゾール、ベンゼンなど)が含まれた薬を入れるとパイプが傷つく恐れがあるので、洗剤選びや洗浄頻度は正しく理解しておかなければいけません。

菌の力で汲み取りタンク内の害虫の発生を抑制する、バイオ系洗剤の利用をおすすめします。

水洗トイレの下水と浄化槽の違いとは

くみ取り式便所を水洗式トイレにリフォームする前に、下水道処理と浄化槽処理の違いについて、理解を深めておきましょう。

水洗式トイレの下水処理とは

都市部など人口が多い地域では、生活排水はすべて下水道へ流される仕組みになっています。お風呂やキッチンで使用した水はもちろん、トイレでの排水も下水道へ流されます。

下水道も浄化槽もなかった時代は、汚水は道路わきの排水溝に流されていたこともあり、衛生的にも悪く雨が多い日には洪水も多く発生していました。まだまだ普及率が完璧ではない下水道ですが、これからは私たちの生活に無くてはならない存在となるでしょう。


水洗式トイレの浄化槽処理とは

人工の少ない山奥などの地域では、下水道がないところもあります。そんなエリアでは、汚れた水を処理せずに排水することは法律で禁止されているので、浄化槽と呼ばれる浄化装置を用いて汚水を処理する必要があります。

水が綺麗になる仕組みですが、浄化槽には微生物が潜んでおり、生物の浄化作用によって汚水が綺麗に生まれ変わり再び自然界へ放出される循環ルートになっています。下水も浄化槽も汲み取り作業は必要ありません。

汲み取り式トイレを水洗式にリフォームする

くみ取り式トイレは掃除や衛生面の管理など、メンテナンスに手間も時間もかかますし、たちこめる臭いも気になります。最近では、古民家を改装して住居にするリノベーションも流行っており、同時にくみ取り式便所を水洗にリフォームされる方も増えてきています。

ここからはリフォームに必要な料金や工事内容などを紹介していきます。

汲み取り式トイレをリフォームする2つの手段

水洗式トイレ

くみ取り式便所をリフォームするにあたって、2つの手段があります。1つは完全水洗式トイレへのリフォームです。

汲み取り式トイレの汚水を溜めておくタンクを完全に取り払い、下水道に水道管をつなげたり浄化槽を設置する工事を行い、汲み取り式トイレを跡形もなく水洗式トイレに取り換えてしまう工事です。

大規模な工事になるため、一般的な料金の相場は80万円から100万円すると言われています。

簡易型水洗式トイレ

もう一つの方法は、汚水を抜くという汲み取り式トイレの構造はそのままにして、汚物を溜めこむだけじゃなく水で洗浄する機能を加えた簡易水洗トイレにリフォームする手段があります。

従来の汲み取り式トイレに洗浄機能をつけ足すことで、衛生面は向上して管理がしやすくなるメリットがあります。便座を洋式に変えたりアレンジも可能で、仮設型トイレなどはこの簡易水洗トイレの手法が起用されています。工事料金の相場は50万円程度です。

汲み取り式トイレを水洗式にする工事行程

汲み取り式トイレを水洗トイレにリフォームする工事の行程は、大まかに2段階です。まずは汚水ため込んでいたタンクを取り払い、下水道につなげる水道管の設置や浄化槽を取り付ける工事です。

次に行うことは、汲み取り式トイレで使われていた便器の取り壊しと、新しい洋式などの便座を取り付ける工事です。汲み取り式の構造を1から作り直したり、便器もまるごと交換するため、料金が割高になることは予想できますね。

汲み取りタンクを取り除く


汚物を溜めていたタンクを取り除く工事が完了したら、次に下水道につなげる配管工事もしくは浄化槽の取り付け工事に入ります。地下に下水道が流れている地域でしたら、トイレから直接下水へ水道管を設置すれば工事は終わります。

しかしほとんど場合は、下水道がないエリアの方が多いので、浄化槽を取り付けるケースも珍しくありません。

リフォーム不可なケース

立地や周辺環境の条件によっては、浄化槽の取り付け工事ができないこともあります。また下水道があっても下水までの距離が離れている場合もまた、工事が不可能になります。

そうなったときは、残念ですが水洗トイレのリフォームは諦めるしかありません。しかし簡易水洗トイレなら対応可能なケースもありえますので、万が一工事が無理だった場合は、業者さんに相談してみることをおすすめします。

新たなトイレ(便座)を取り付ける

古いタンクを取り除き、下水へつなげる配管や浄化槽の設置工事が完了したら、最後に便座を新品のトイレと交換します。便座以外にも床や壁のタイルを交換したり、トイレの中を全体的にリフォームする必要があるパターンもあります。

最新の洋式便座に取り換えて、室内の装飾も完璧に注文すれ、もちろん料金も割増しになります。予算を確認しながらオプション工事など考えていきましょう。

料金の上限を知っておこう

新たに交換するトイレの便座は、安いもので10万円以下、高額な洋式便座では50万円以上にもなります。トイレ本体だけでなく、壁の種類や壁紙、トイレペーパーを入れるホルダーなど新規購入する対象はたくさんあります。

あれもこれも付け加えようとしてしまうと、トイレ内だけの工事で高額な料金が請求されてしまいます。これに配管工事の料金を足せば100万円あっても足りない場合も考えられますので、計画的なリフォーム設計を立てるようにしましょう。

汲み取り式トイレを簡易水洗式にする工事行程

簡易水洗トイレは、汲み取り式の構造をそのままにするとはいっても、水を大量に流すためタンクのサイズを大きめのもに変更しなければなりません。なので工事の行程としては、既にある便座や床、壁を取り壊す作業、タンクの取り換え(必要な場合のみ)、新しい便座や内装工事、といった流れになることを覚えておきましょう。

汲み取りタンクを取り換える場合

簡易水洗トイレは従来の汲み取り式トイレと同じ構造ではありますが、タンクに溜まるものは汚物以外に、流した水分も多く含まれます。

なので一緒に生活する家族や同居人が多い家庭や、頻繁に水を流される方、またはウォッシュレット機能を搭載した便器を新たに取り付けるなど。

水を多く排出する場面が多くあると予想される方は、タンクのサイズを現在のものより大きなタンクに取り換えることをおすすめします。目安として4人家族なら400リッター、5人なら500リッターといった具合に、1人×100リットルの計算方法を参考にして下さい。

内装工事

タンクの取り換えが不要な場合は、便器の交換や壁、床のリフォーム、水を流すための電気工事など、内装工事だけでリフォームが完結します。仕組みは汲み取り式トイレのままですが、内観の見た目は、普通の水洗トイレとほとんど変わらない状態になります。

最新の洋式便器も付け加えることが可能なので、好みに合った好きな形を注文できるメリットもあります。注意したい点は、水洗トイレと同じくアイテムのチョイス次第では料金が高額になってしまいます。

工事にかかる時間

水洗トイレにリフォームする工期


現時点で使っている汲み取り式便所の取り壊しから、浄化槽の取り付けや下水道への導線作り、内観のリフォームなど工事の行程は簡易式水洗トイレに比べて大変な作業量になります。

よって必要期間としては早くても1週間、最長で2ヶ月と幅広く一概には言えません。こだわるポイントが多ければ、それだけ工期も長くなります。トイレが使えない間は屋外に仮設トイレが用意されますので、工期が長くなるほど不便な生活期間も長くなってしまいます。

簡易水洗式トイレにリフォームする工期

簡易水洗トイレの場合は、それほど複雑な工事はありませんので、タンクの取り換えなしなら3日~1週間、タンク取り換えありで1週間程度です。費用も工事にかかる時間も抑えられるので、簡易水洗トイレへのリフォームは気軽にできるでしょう。

長期的に住み続けるか分からない住居や職場など、今度の使い方が計画しにくいシーンでは、見た目は洋式トイレそのものになる簡易水洗トイレへのリフォームをおすすめします。

まとめ

汲み取り式便所では、手入れにかかる面倒さや衛生的に良くないといった観点から、水洗式にリフォームされる方が増えてきています。リフォームといっても大きく分けて「水洗式」と「簡易水洗」の2種類があるので、目的と予算にあわせて自身にあった工事を依頼されるようにしてください。

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