ツーリングでの尻痛対策：はじめに
長距離ツーリングとお尻の痛みは切り離せない問題です。夕日を横目に絶景ワインディングロードを楽しむ至福のひと時、「これでお尻が痛くなかったら」そう思っているのはあなただけではありません。すれ違うバイク乗りのピースサインに笑顔で応えながらも、お尻からは断末魔の叫びに似た悲鳴が…。本心から笑顔でピースサインを送るために？尻痛対策は必須です。
お尻が痛くなってからでは遅い！
長距離ツーリングでの尻痛は事前に対策することで予防・軽減できます。一旦お尻に痛みを感じるようになると手遅れですので、先手を打っておきたいですね。お尻が痛いのは当たり前！苦難がないとツーリングとは言えない！そんな修行僧のごとくストイックなバイク乗りもいますが、お尻の痛みを克服すれば快適なツーリングになりますよ。
ツーリングでの尻痛対策：痛くなると…
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法①
長距離ツーリングでの尻痛は百害あって一利なしです。お尻の痛みが和らぐまで時間かかかるようになりますし、バイクの運転に集中できなくなります。
長時間バイクに乗っていて痛くなったお尻はなかなか回復しません。休憩でリセットされることはなく、積み重なる痛みだからです。お尻が限界を迎える夕方から夜にかけての帰路は特に注意して運転しましょう。
休憩時間が長くなってしまう
お尻に痛みを感じ始めると休憩時間が長くなってしまい、事前に立てたツーリングプランが大幅に狂ってしまいます。通常15分程度の休憩で済むのが20分、30分と長くなったら黄色信号です。走行時間と休憩時間が同じくらいになってしまったら重症化しています。
ソロツーリングではなんとか調整できる場合もありますが、タイプが違うバイクが集まったグループツーリングでは仲間に迷惑をかける可能性もありますよ。
集中力が低下する
お尻の傷みに耐えながらバイクの運転をすると集中力が落ちてしまい、事故やトラブルの原因となってしまいます。ツーリング中の事故は関わるすべての人を悲しませてしまいますし、トラブルで予期しない足止めを食らうと気分が台無しです。また、予め決めたルートから外れると余計に体力を消耗することになります。
ツーリングでの尻痛対策：血行が悪くなる症状
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法②
お尻とシートが接する面の血行が悪くなるとお尻が痛み始めます。対策としては痛みを感じるようになるまでに休憩することがおすすめです。痛みを感じ始めてから回復させるには時間がかかりますが、軽度なうちなら問題ありません。
一目散に目的地を目指さず、休憩地点付近で観光するのもおすすめです。休憩と観光を兼ねれば楽しみながらお尻を回復させられます。
血行を改善させる方法
お尻の血行を改善させるには「揉みほぐし」と「ストレッチ」が有効です。血行が悪くなったお尻の箇所を手でもみほぐすと楽になりますし、痛みを感じる筋肉を伸ばしてあげるのも効果があります。大殿筋を故意に収縮させ、周囲の血行を促すといいですね。
ツーリングでの尻痛対策：お尻の皮膚が痛い
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法③
お尻の皮膚に擦りむいたような痛みを感じ始めると重症化しています。積極的にリア荷重すると楽しいバイクに乗る人は要注意ですね。バイクのシートに座っているだけでも痛くなるのに、お尻でシートを押し続ける乗り方をすると尻痛が悪化します。
お尻の皮膚の痛みの原因
お尻の皮膚における擦りむいたような痛みを改善させる方法はありません。ですので、対処方法よりも予防対策を考える必要があります。お尻の肉が擦れることで現れる症状ですのでライディングポジションに問題があるといえます。ライディングポジションの改善については後述しますね。
ツーリングでの尻痛対策：打撲に似た痛み
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法④
打撲に似た痛みをお尻に感じ始めると、バイクのシートに腰を下ろすのが苦痛になってきます。シートが柔らかいバイクに乗る人ほど感じやすい症状です。シートが柔らかすぎるとクッションが完全に押しつぶされ、樹脂製のシートベースに座っているのと同じ状態になるからです。
打撲に似た痛みの原因
打撲に似た痛みをお尻に感じるようになると改善させる方法はありません。ですので、お尻の皮膚に痛みを感じた症状と同じく、対処方法よりも予防対策を考えましょう。打撲に似た痛みは体格とシートの相性が悪いことが原因ですので、何らかの対策をバイクに施す必要があります。対策方法については後述しますね。
ツーリングでの尻痛対策：ライディングポジション
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法⑤
お尻の皮膚が痛くなる原因を取り除くためにはライディングポジションをチェックしなければなりません。理想的なライディングポジションは①バイクのステップに立つ②ハンドルに手を添える③シートに腰を下ろす、この3行程でチェックできます。停止中では正確な着座位置を確認できませんので、走行中のスタンディングフォームからチェックするといいですね。安全を確保できる場所で行いましょう。
予防対策：ハンドルを調整する
どうしてもライディングポジションに納まりの悪さを感じたら、バイクをあなたの体格に合うよう調整しましょう。背中や首に痛みを感じる人にも効果が高いですね。
ハンドル調整は特別なことではなく、バイクを入手したらまず初めにしたいことです。バイク乗りがバイクに合わすのではなく、バイクをバイク乗りに合わせるものと認識しましょう。
ハンドルを高くしすぎると長距離ツーリングで片や肘が疲れやすくなりますので注意が必要です。また、車検が必要なバイクは全幅に注意して交換しなければなりません。
バーハンドルタイプ
バーハンドルタイプのバイクならハンドルの取り付け角度を調整するだけでライディングポジションは激変します。それでも満足できなければハンドルバークランプやハンドルを交換して高さやしぼり角を調整するといいですね。バーハンドルクランプにセパレートハンドルを取り付けるキットに交換すれば、しぼり角や垂れ角を自在に調整できます。
セパレートハンドルタイプ
セパレートハンドルタイプのバイクならアフターパーツのハンドルに交換し、しぼり角や垂れ角を調整できるようにします。バーハンドルタイプよりも自在に調整できるのがメリットです。交換するなら軽量な素材のものがおすすめ。ハンドル周りを軽くするとハンドリングがいい方向に激変します。
アフターパーツのセパレートハンドルと聞くとスパルタンな印象を受けますが、それほど過激なものではないことを付け加えておきます。
ツーリングでの尻痛対策：シート装着座布団
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法⑥
シートに装着する座布団は長距離ツーリングの手軽な尻痛対策グッズとして人気があります。シートの着座面に装着し、座り心地を改善するグッズの評価は高いですね。お尻でバイクコントロールする人には慣れが必要ですし、シート高が若干高くなるのが難点ですが、お尻にかかる体重を分散することができます。
おすすめ対策グッズ：エフェックス ゲルザブR
エフェックスのゲルザブRはオンロード用に開発されたシート装着座布団です。超柔軟性ゴムをフォームに採用していますので、長時間シートに座っていてもお尻の一部分に体重がかからないように分散させてくれます。ナイロンパンツを履いていても滑りにくい表皮が用いられているのがうれしいですね。オフロードバイク用のゲルザブDやシート表皮を一度外して内蔵するゲルザブS/SSもあります。
おすすめ対策グッズ：バイク座シート
ポジドライブのバイク座シートは荷重に応じて反発する正反発タイプのフォームが用いられたシート装着座布団です。体重を均一化することで尻痛を軽減してくれます。気温の変化に強いのもうれしいですね。内芯フォームが3年以内にへたったら新品に交換してもらえる保証がついています。
ツーリングでの尻痛対策：シート加工
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法⑦
シート加工することで長距離ツーリングの尻痛対策するバイク乗りもいます。バイクのノーマルシートはより多くのバイク乗りにフィットするよう設計されているがゆえに、すべてのバイク乗りにフィットするとは言えません。また、パーツコストの関係上、快適な素材が用いられていないのも事実です。
カスタムシートショップに依頼する
バイク乗りの要望に応じてシートを加工する業者があります。ライディングポジションの改善を含めて尻痛対策するのに有効ですよ。「ノグチシート」はファクトリーチームのシートを手掛ける職人技が魅力で、絶対的な安心感があります。「丸直バイク事業部」ではエフェックスのゲルザブS/SSの追加もしてくれます。シート表皮の交換ついでに依頼するといいですね。
シートをDIY加工する！
長距離ツーリングの尻痛に悩み、シートをDIY加工するバイク乗りも少なくありません。シート表皮や工具はネットショップで購入できますし、シートの角度や高さ、形状などを試行錯誤しながら調整できるのがおすすめポイントです。
ツーリングでの尻痛対策：インナー
尻痛よさらば！原因と予防・軽減する方法⑧
尻痛対策できるインナーも注目されています。比較的に安上がりな尻痛対策ですし、着用するだけですのでお手軽です。シート着用座布団やシート加工と併せて用いても効果がありますね。長距離ツーリングの時は着用、近場でのファンライドは着用せずなど、状況に応じた対策が可能です。
おすすめ対策グッズ：コミネ SK-632
コミネのSK-632 エアスルー3Dメッシュインナーパンツは夏場に使いたい尻痛対策用のインナーです。バイク用プロテクターで一定の評価があるコミネの製品ですので安心感が高いですね。安価ですので尻痛対策の第一歩として導入しやすいですよ。
おすすめ対策グッズ：コミネ SK-670
コミネのSK-670 クールマックスパッドインナーパンツも尻痛対策用のインナーです。要所を抑えた箇所に薄型のソフトパッドが配置されています。ジーンズや皮パンツの中に着用してもシルエットへの影響がありません。かっこいい尻痛対策グッズですので、プリっとしたお尻が自慢の兄貴におすすめです。
安価なプロテクターを物色してみた！
痛くなるお尻の箇所は人によって違いますので、幅広く物色するのがおすすめです。スケートボードやスノーボード用に使えそうなものがありますよ。比較的に安いプロテクターがありますので、試しに使ってみたいというバイク乗りにはちょうどいいですね。
大枚をはたけば快適なものを手に入れられます。しかし、限られた予算の中でのもの選びには楽しさがありますよ。
ツーリングでの尻痛対策：まとめ
長距離ツーリングでのお尻の痛みはバイク乗りにとって永遠の課題です。カワサキのゼファー750のように全くお尻が痛くないバイクもありますが、最新バイクはスポーティになりつつある傾向ですので、シートの快適さが失われつつあります。体格に合った尻痛対策をし、快適な長距離ツーリングを楽しみましょう。
ツーリングが気になる人はこちらもチェック！
「つれづれなるままに…」吉田兼好は徒然草冒頭文で旅に出る理由を並べています。「ただ単に旅に行きたいだけでしょ？」そうツッコミたくなりますが、バイクツーリングを正当化した経験はあなたにもあるはずです。
バイク乗りはツーリングに行きたいだけです。しかし、正当な理由を見つけるとツーリングはもっと楽しくなります。ツーリングの目的に関する記事もチェックしてくださいね。
ツーリングの目的8選！バイク旅の魅力や出かける理由あれこれをご紹介！
ライダーならバイクを操り無心に距離を走るツーリングも楽しいものです。でもそこに何か明確な目的があるとツーリングをさらに楽しむことができます。...
ツーリングの意味と種類とは？ドライブやサイクリングとの違いも解説！
2つの車輪でtwo ring？いえいえ、違います。なぜバイク乗りは目をキラキラさせながらツーリングという言葉を連呼するのでしょうか？バイク乗...