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味わいの変化を楽しむ、土瓶蒸しの食べ方&マナーを解説!すだちを絞るのはいつ?

味わいの変化が楽しめる料理土瓶蒸し。今回は正しい食べ方とマナーを中心にご紹介しています。正しい食べ方と手順の他、マナーやすだちを絞るタイミングを紹介し、家でも実践できるように土瓶蒸しの作り方も紹介しているので、ぜひご活用ください。
更新: 2023年9月29日
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土瓶蒸しはどんな料理?

Photo by TAKA@P.P.R.S

土瓶蒸しとは一体どのような料理なのでしょうか。こちらの項目では、どのような料理なのか、土瓶蒸しの具材、歴史と発祥地についてご紹介しています。聞いたことはあるけれど詳しくは知らないといった方、どんな具材が入った料理なのかわからないという方はぜひ参考にしてください。

土瓶蒸しは懐石料理で出てくる

出典先:www.photo-ac.com

土瓶蒸しは土瓶の中にさまざまな野菜やキノコ類の具材をいれ、お出汁と具材の風味、香りを効かせた蒸し料理です。懐石料理によく出てくる料理で、基本的にはお汁の代わりに出されています。

懐石料理なのでやはり土瓶蒸しにも食べ方やマナーはあるのですが、知らない方が多い料理とも言われています。

土瓶蒸しの具材

出典先:www.photo-ac.com

土瓶蒸しの具材は「松茸」「鶏肉」「白身魚」「エビ」「みつば」「銀杏」「すだち」などです。キノコ類であれば本来「松茸」を使用するのですが、「しめじ」「マイタケ」などが使用されることもあります。

中にはキノコ類は使用せず、香辛料で香りや味をつけられた土瓶蒸しもあるため、店によってはさまざまな土瓶蒸しの香りや味が堪能できるのが魅力です。

土瓶蒸しの歴史

出典先:www.photo-ac.com

土瓶蒸しは謎が多く、あまり多くのことを分かられていません。一説によると、明治以前から似ている料理は食べられてきたとされていますが、「土瓶蒸し」と名前が付けられ食べるようになったのは、明治時代と言われています。

土瓶蒸しの発祥地

土瓶蒸し自体の発祥地はわかっていませんが、松茸の入った土瓶蒸しの発祥地は、松茸の産地である「丹波説」が有名です。なんでも、たまたま松茸をいれてみたところ「意外にもいい香りの美味しい出汁ができた」というエピソードがきっかけで、松茸を入れるようになったと言われています。

土瓶蒸しは食べ方が決まっている!

出典先:www.photo-ac.com

土瓶蒸しには食べ方が決まっていることはご存知でしょうか。懐石料理を食べたり、土瓶蒸しを家で作る機会がないため、食べ方を知らない方が多い実情にあります。失礼な方だと思われないように、正しい食べ方を身に着けましょう。

これから土瓶蒸しの食べ方について手順とともに詳しく解説していくので、ぜひご活用ください。

土瓶蒸しの食べ方と手順を紹介!

Photo by Siegfy

土瓶蒸しの食べ方についてのご紹介です。懐石料理の店に行った際に、正しい食べ方で土瓶蒸しを堪能できるように解説していきます。必ずしも懐石料理に土瓶蒸しが出るとは限りませんが、食べ方を覚えておいて損はありません。

土瓶蒸しが出された際に「食べ方がわからない」と悩みながら食事をして、せっかくの土瓶蒸しを楽しめなかったとならないようにしましょう。

土瓶蒸しの食べ方①香りを堪能する

土瓶蒸しの食べ方の最初は香りを楽しむところから始まります。食べ方の手順としては、土瓶のフタに「お猪口」と「すだち」がのせられているので、それぞれ横にのけておきます。次にフタが外れないよう、抑えながらお猪口にお出汁を注いで香りを楽しみましょう。

お猪口に移さずにフタをあけて香りを楽しむ形でも構いませんが、品があるのは、お猪口に移して香りを楽しむ方法です。お猪口移してから香りを楽しむことをおすすめします。

土瓶蒸しの食べ方②お出汁を堪能する


土瓶蒸しの食べ方、香りの次にするのはお出汁を楽しむことです。一口目は具材の風味そのままのお出汁の味を堪能してください。二口目以降からはすだちを絞っても大丈夫です。最初の一口は必ずそのままの味でお出汁をいただくことのが正しい食べ方なので、忘れないようにしましょう。

土瓶蒸しの食べ方③具材を堪能する

土瓶蒸しの食べ方最後は、いよいよ具材です。お出汁の味を楽しめたら次は具材を食べるのですが、1口目はこれまでと同じくすだちを絞らない方が丁寧な食べ方となります。後ほど詳しく解説しますが、土瓶の中に直接すだちをかけなければ、順番にこだわる必要はありません。

ただしここで具材を食べきらないように注意が必要です。土瓶蒸しは、具材を1つ食べたら次はお出汁、お出汁が飲めたら次は具材という風に、交互にいただく食べ方をしなければなりません。

土瓶蒸しの食べ方のマナーを紹介!

Photo by june29

土瓶蒸しの食べ方がわかったら、次はマナーを知りましょう。普段の食事にもマナーがあるように、土瓶蒸しの食べ方や所作にもマナーがあります。マナーを知らないと、「どうするのだろう」と悩みながら食べることになり、食事を楽しめなかったというのは避けたいですよね。

自信をもてるようになると楽しく食事ができるようになるので、しっかりとマナーを身に着けましょう。

食べ方のマナー①いきなり具材やお出汁にいかない

土瓶蒸しの食べ方は、香り・お出汁・具材を楽しむのがマナーであり正しい食べ方です。土瓶蒸しの具材をいきなり食べる食べ方や、お出汁を先に飲む食べ方はマナー違反となります。具材も大切ですが、土瓶蒸しは香りにもこだわっている料理なので、必ず最初に香りを楽しみましょう。

食べ方のマナー①1口目はそのまま味わう

土瓶蒸しの食べ方のマナー1つ目は、1口目からすだちを入れないことです。出汁や素材にこだわって作られた料理ですので、最初から味を変えていただくのは、料理人に失礼な行為となります。1口目から味を変えた食べ方をしないように気をつけましょう。

食べ方のマナー②土瓶の注ぎ口に口をつけて飲まない

土瓶蒸しの食べ方のマナー2つ目は、お出汁を土瓶から直接いただかないことです。土瓶蒸しのお出汁を飲む際に、注ぎ口に直接口をつけて飲む行為は行儀が悪いので、絶対にしてはいけません。直接口をつけて飲もうと思う方はいないかもしれませんが、きちんとお猪口にお出汁を注いでいただきましょう。

食べ方のマナー③お猪口に移して交互にいただく

土瓶蒸しの食べ方のマナー3つ目は、具材の食べ方はできるだけお猪口に移して交互にいただくということです。土瓶蒸しの具材を食べる時、直接土瓶からいただいても構いませんし、お猪口に移していただいても構いません。ただ、土瓶蒸しのお出汁をいただくときと同じく、具材もお猪口に移していただく方が丁寧で綺麗な食べ方です。

そして必ず交互にいただくこと、お猪口を持っていただくことを忘れないようにしましょう。

食べ方のマナー④食べ終わったら元の場所に戻す

土瓶蒸しの食べ方のマナー4つ目は、食べ終わったら元の場所に戻すということです。土瓶蒸しを全て食べ終えたら、必ず土瓶を元の場所に戻しましょう。ここで気をつけなければならないのが、フタの向きです。裏返しにして直すと破損することがあるので、本来の向きでフタをしてください。

【土瓶蒸しの食べ方】すだちのマナー

Photo by Kanko*

土瓶蒸しは味わいの変化が楽しめる懐石料理。すだちを絞って味わいの変化を楽しむことができるのですが、絞り方にもマナーがあります。複雑で難しいマナーではありませんので、すぐに実践できるほど簡単な方法です。

すだちの搾り方

Photo by omoon

絞り方は簡単。皮を下にして利き手の片方ですだちを持ち、片方の手は上から覆って果汁が飛ばないようにするだけです。少し気をつけるだけでよいのですぐに実践できます。飛び散ってしまうのはマナー違反になるので、気をつけましょう。


皮を下にする理由

すだちの皮を下にして絞る理由ご存知でしょうか。すだちの香りが皮に移ることで、より香りがよくなることが理由です。また皮を下にした方が、種が土瓶蒸しの中に入りにくくなるので、その点においてもおすすめの方法といえます。

お猪口の具材に絞るのもおすすめ!

土瓶蒸し本来の味と、味の変化両方を最後まで堪能したいという方は、お猪口に移した具材やお出汁に絞った食べ方もおすすめです。土瓶蒸しの本体にかけると、最後まですだちの香りがつくので、本来の味はしなくなります。

そこでおすすめなのが、猪口に移した具材やお出汁に絞るようにする手段です。土瓶蒸し本来の味と味変も両方味わえる非常におすすめの食べ方なので、ぜひお試しください。

すだちの絞るタイミング

1口目以外ですだちを絞ると解説してきましたが、最初のお出汁を楽しんだ後ならいつでも大丈夫です。より丁寧タイミングなのは、具材を一度そのままの味で堪能してからですが、入れてから1口目の具材をいただいても構いません。

逆に言うと、すだちを必ず入れなければならないというマナーや食べ方のルールも無いので、最後まで絞らずに食べても大丈夫です。

すだちがゆずの時もある

Photo by kaidouminato

土瓶蒸しにすだちがついてくることが多いのですが、店によってはゆずの場合もあります。すだちがゆずになっても食べ方やマナーは変わりません。果汁が飛ばないように手で覆いながら絞り、皮は下にする方が香りがよく立ちます。絞るタイミングもすだちと変わらず1口目のお出汁は避けるか、お猪口に移した分に少し絞るかにしましょう。

土瓶蒸しの簡単な作り方

フリー写真素材ぱくたそ

土瓶蒸しの食べ方を知ったら次は実践です。家でも土瓶蒸しは簡単に作ることができるので、懐石料理の本番前に練習しておくのも非常におすすめ。作り方を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしながら料理してみてください。

【土瓶蒸しの作り方】材料の準備

土瓶蒸しの作り方の前に、材料を紹介します。これはあくまで例なので、「鶏肉」「白身魚」など、好みの具材を追加していただいても構いません。今回は松茸の風味がより味わえるよう、かなりシンプルな材料で簡単な作り方をご紹介しているので、ぜひお試しください。

POINT土瓶蒸しの材料

  • 松茸×1
  • だし適量
  • 白身魚×1切れ
  • みつば
  • すだち(ゆず)

お出汁の準備と取り方

Photo by urasimaru

土瓶蒸しはお出汁が決め手です。丁寧にお出汁を取って美味しい土瓶蒸しを作りましょう。お出汁を取るのに必要な準備物は「鍋」「ざる」「キッチンペーパー」「昆布」「水250㎖(1人前)」「かつお節(1~2つまみ程度)」「塩(少々)」「薄口しょうゆ(小さじ1強)」です。

取り方

手順はとても簡単です。まず鍋に250㎖(1人前)の水に昆布を入れて一晩寝かせましょう。一晩寝かせるだけでグッと美味しくなります。次にそのまま火をかけ、沸騰する前に昆布を取り出してかつお節をいれましょう。かつお節が沈んだら鍋か大きめのボウルを用意し、ざるにキッチンペーパーを敷いてこします。

味付けに、薄口しょうゆと塩をいれて土瓶蒸しのお出汁は完成です。

松茸の選び方

松茸には香り重視の選び方と、美味しさ重視の選び方があります。土瓶蒸しは風味や香りが重要なので、香りを重視した選び方がおすすめです。両方の選び方を紹介するので、お好みで選んで作ってみてください。

松茸を香り重視で選びたい場合は、かさの開き具合に要チェックです。かさが少し開いている松茸は香りが高く、松茸の風味が活かされた土瓶蒸しになります。美味しさ重視でいくならば、かさがすこしくぼんでいるものを選びましょう。具材を食べたときに、芳醇な松茸の味わいが楽しめます。

【土瓶蒸しの作り方①】白身魚を切る

Photo by MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)

最初に準備するのは白身魚です。まず白身魚1切れを、刺身で食べるくらいより少し厚めの太さに切っていきます。そこからさらに食べやすい大きさに切り身を切っていきましょう。切り終えたら塩コショウなどはせず、そのまま土瓶へ入れます。

【土瓶蒸しの作り方②】松茸(キノコ類)の下処理

フリー写真素材ぱくたそ

土瓶蒸しの作り方2工程目は、松茸などのキノコ類の下処理です。手順としては、まずきのこの下部分にある石づきを削ぎ落します。次に松茸やエリンギなどは薄く切ってから食べやすいサイズに切って土瓶の中に入れてください。

虫や泥を綺麗に落とす方法

もし虫くいや泥を綺麗に落とすための方法をご紹介します。虫食いがない綺麗なキノコでも、虫が出てくる可能性が高いので、今から紹介する方法をぜひ全てのキノコに実践してください。

最初にボウルなどの深めの器に水、お酒、塩をいれたものを用意します。松茸を中に入れ、キッチンペーパーでフタをしてください。放置時間は5~10分くらいです。時間がきたらキッチンペーパーを外して漬けていた水でそのまま洗います。この時に、苔のような部分は旨味成分があるので、取らないようにしましょう。

【土瓶蒸しの作り方③】お出汁を入れる

みつば以外の具材が用意出来たら、次はお出汁を適量いれます。最初にお出汁の取り方を紹介したお出汁でも構いませんし、「和風万能だし」シンプルな「かつおだし」で土瓶蒸しを作っても構いません。お好みのお出汁で作りましょう。

【土瓶蒸しの作り方④】蒸していく

フリー写真素材ぱくたそ

材料が全て揃ったところで蒸していきます。蒸し器がある方は蒸し器を使用し、持っていない場合は、底に布巾を敷いた鍋とお湯を用意してください。鍋の場合は土瓶の半分くらいになるまでお湯を周りに注いでいきます。そのまま火をかけて蒸し、蒸し時間は蒸し器と鍋両方とも10分ほどです。

【土瓶蒸しの作り方⑤】みつばを添える

蒸し時間の10分がきたら、蒸し器または鍋から土瓶蒸しを取り出します。最後に「みつば」を一口大に切って盛り付けて完成です。あとは「お猪口」とお好みで「すだち」または「ゆず」を用意して召し上がりましょう。

食べ方とマナーを守って土瓶蒸しを楽しもう

出典先:www.photo-ac.com

具材の風味と出汁が効いた土瓶蒸しは、香り、お出汁、具材の順番に味わうのが、食べ方でありマナーです。どれか1つでも欠けてしまうと料理人に失礼な行為となってしまい、また土瓶蒸しの良さも感じられません。正しい食べ方を身に着けて、土瓶蒸しを楽しんでください。

懐石料理について他に気になる方はこちらをチェック!

当メディアでは、懐石料理のお店をご紹介している記事もあります。こちらの記事では、猪名川町にある名店「想月」の懐石料理を紹介した内容となっているので、気になる方は是非チェックしてみてください。懐石料理店や料理の雰囲気を掴むことができますよ。