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ハンカチとは?その特徴や花言葉をとその由来などもご紹介!

あなたはハンカチの木を見たことがありますか?白いハンカチがたくさんつり下がっているように見えるハンカチの木、風にひらひら揺れるハンカチノキの姿はとても美しく、見る人を魅了してしまう珍しい木です。そんなハンカチノキの特徴や花言葉の由来などをお話していきます。
2020年8月27日
kureko
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ハンカチの木とは

ハンカチの木は、中国南西部、四川省、雲南省付近の標高1500~2000mの日当たりのよい斜面に自生していて、樹高は5mから生長すると20mにも達します。ハンカチのような個性的な白い花を咲かせ、幹の太さは直径1メートルにもなります。

ハンカチノキ/日本で初めて開花した時期は?

日本へは1952年にアメリカより種が入ってきたのが最初です。この時は2本の苗木が育ち、1965年に初めて1本開花しましたが、その後2本とも枯れてしまいます。その後も少しずつ苗木は輸入されていましたが、1991年頃に中国から種や苗木がたくさん輸入されるようになり日本でも出回るようになりました。現在日本で一番古い木は1958年頃に種から育てられた木で、小石川植物園で現在も見ることが出来ます。

ハンカチノキ/基本情報

科・属:ミズキ科 ハンカチノキ属

原産地:中国の南西部 四川省や雲南省に分布

学 名:Davidia involucrate

別 名:ハトノキ、幽霊の木

花 色:白色

ハンカチの木とは/特徴 

特徴1.ハンカチノキの花の色と形

最初に目にとまるのは、白いひらひらした花です。見頃の時期はさながらたくさんの白いハンカチがぶら下がっているように見え、遠目でもよく目立ちます。この白い色は最初は黄緑色ですが、徐々に大きく、色が白くなっていきます。

白色のひらひらの花は葉?

白いひらひらした部分は、花ではなく花芽を包む葉で、苞葉(ほうよう)といいます。この苞葉は2枚あり、紫外線から花を守る傘のやくめをしています。

花を守る苞葉の優れた働き

この傘は太陽光の中から紫外線だけを選択して取り除き、可視光だけを通過させるという“すぐれもの”である事が研究者らによって証明されています。そして本当の花は、苞葉の中にあり、たくさんの雄花と1個の雌花が丸く固まっていて花びらはなく、2枚の苞に抱かれる形で開花します。

特徴2.害虫もお手上げの硬い木の実

2つ目は木の実が非常に硬い事です。実は花が終わってから付きはじめ、秋、胡桃くらいの大きさになりますが、枝にがっちりと付いていて葉が落ちても実は木に残ったままです。硬いので手で割るのは難しく、また害虫もつきませんが、カラスなどの野鳥がこの実をつついて食べる様子を見ることが出来ます。実は特有の渋みがあって人が食するのにはむかず、害虫もお手上げのようです。

ハンカチの木とは/名前の由来

学名「Davidia」は神父の名前

ハンカチの木の学名Davidiaは、中国でハンカチの木を発見した19世紀のフランスの神父であり生物学者でもあるアルマン・ダヴィッド神父の名前に由来します。ダヴィッド神父がこの植物を発見したことで、彼を記念してDavidiaと命名されました。当時はハンカチの木は第四氷河期に絶滅したとされていたため、この発見は大変有名になりました。ダビット神父はのちにジャイアントパンダも発見しています。


ハンカチノキの名前の由来

ハンカチの木の名前は前述のように白い色の苞葉がハンカチのように見えるところからつきましたが、別名に「ハンカチツリー」や「鳩の木」、「幽霊の木」の名前もあります。苞葉が鳩のように見えたり、風に揺れる姿が幽霊のように見えることに由来しています。英語での名前も「Handkerchief tree」や、「Ghost tree」、「Dove tree」(鳩の木)の名前があります。

ハンカチの木とは/分類

植物の分類体系には大別すると数世代ありますが、それぞれの体系によってハンカチの木も科が変わってきます。

「新エングラー体系」の分類法

ドイツの植物学者アドルフ・エングラーが1900年頃提唱した「新エングラー体系」での考えは、花の構造が単純なものから複雑なものへ進化したと考える分類方法です。この分類方法ではハンカチの木は、「ハンカチノキ科」に分類されます。

「クロンキスト体系」の分類法

アメリカの植物学者アーサー・クロンキストが1988年に提唱した「クロンキスト体系」は複雑なものから単純なものへ進化したとする考え方で、この分類ではハンカチノキは「ミズキ科」に分類されています。

「新しいAPG植物分類体系」の分類法

これは、被子植物系統グループ(Angiosperm Phylogeny Group)という植物学者の団体名の頭文字をとり「APG体系」と呼ばれています。これは新エングラー体系やクロンキスト体系に替わる分類体系で、DNA解析による分子系統学に基づいて新たに構築された被子植物の分類体系です。この進化を考慮した系統的関係による分類は多くの分類学者にも評価されていますが、この分類ではハンカチノキは「ヌマミズキ科」に分類されています。

ハンカチの木とは/開花時期

ハンカチノキが成長し開花するまでには長い年月がかかります。開花までは、苗木から育てて10年から15年経ち、樹高が3mくらいに成長するまで待たなければなりません。そしてようやく開花するようになると、あとは毎年咲いてくれます。見頃の時期は4月下旬から5月頃で、休眠時期を超えて2年目の、固く木質化した前年枝(ぜんねんし)と言われる枝に白いハンカチのような花を咲かせます。開花して1週間前後の時期が見頃で、その後は苞が落ちていきます。

近年は成長が早いハンカチノキも

ハンカチノキは成長するとたくさん実をつけるのですが、その割には発芽率が低く、また前述のように成長し開花するまでに大変時間がかかるため、当時は栽培に苦労をしましたが、昨今では、短期間で観賞できるように改良され、若木のうちから花や実がつくという性質の「一才性」の園芸品種が出来、ハンカチノキも苗木のうちから開花が楽しめるものも出回っています。

ハンカチの木とは/花言葉

白い色の花/ハンカチノキの花言葉

花言葉は「清潔」。花によっては何種類か花言葉があるものもありますが、ハンカチノキの花言葉は潔く「清潔」の花言葉1つのみです。見た目にも美しいハンカチノキは、白い色が清潔なハンカチを連想させ、まさにピッタリの花言葉です。


白い色の花/ハンカチノキの誕生花は1月1日

ハンカチノキの花言葉は1つだけですが、誕生花も1月1日だけです。ではこの日生まれの人はどんな性格でしょう。まずカリスマ性がありリーダーとして尊敬を集めるタイプで、そのためには常に努力を惜しみません。適格な判断と常識から逸脱しない考え方が信頼され、人がついてきます。また、多芸多才な面を持ち話題も豊富で、さまざまな人と交流があります。しかし、自分の思い通りに活躍できるのは、陰で支えている人がいるからこそ、周りの人達への感謝の気持ちを忘れない事が大切です。

ハンカチの木とは/育て方①

ハンカチノキを苗から育てて成長を見守る

なかなかお目にかかれないハンカチノキですが、最近では苗木が市販されていますので、ご自宅で育てている方も増えています。成長まで時間はかかりますが、年々成長していく過程とその先の開花の楽しみが待っています。育て方も特に難しい事はありません。育て方などを見ていきましょう。

植えつけ

植え付けは庭植え、鉢植えともに11月~翌年の3月にかけての落葉期に行いますが、気温の低い地域では、気温が上がり始めた芽吹く前に行います。植えつけるときには庭植え、鉢植えともに、元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を施します。

日当たりと置き場

ハンカチノキは太陽が十分当たる場所を好みますが、乾燥を嫌うので湿気のある半日陰で育てます。また耐暑性もそれほど強くないので、夏の西日が当たる場所は避けて下さい。高山植物なので耐寒性はありますが、乾いた北風に弱いので置き場所に注意して下さい。

水やりと肥料

Photo by sorarium

ハンカチノキはもともと乾燥が苦手なので、苗で購入した場合、土の表面が乾いてきたら十分に水を与えて下さい。また空気が乾燥していたら葉水や周囲の地面へも水まきをしましょう。地植えで2年以上経っている株は水やりの必要はありませんが、日照り続きで地面が乾いてしまう場合はたっぷりと水を与えて下さい。肥料は鉢植えは3月頃に即効性が高い化成肥料を根元に追肥します。地植えは1月~2月中旬ごろに寒肥として有機質肥料を根の周辺に埋めておきます。

ハンカチの木とは/育て方②

用土

鉢植えは赤玉土中粒と完熟腐葉土を同量混ぜたものなどを使います。また夏に気温が高くなる地方では蒸れを防ぐため赤玉土中粒1:桐生砂中粒1:完熟腐葉土2の比率で混ぜたものなどを使い、植えつける鉢も空気を通す素材を選びます。地植えは特に必要ありません。

剪定

Photo byjackmac34

ハンカチノキは自然のままの樹形が美しく、特に剪定をしなくても良いのですが、大きく成長する樹木なので早めに剪定することで育てやすくすることもできます。剪定の時期は11月~2月の落葉後の時期が適していますが、剪定すると樹形が乱れやすくなるので、注意が必要です。また同じ年にたくさんの枝を切り戻すと、花芽もたくさん切り落とすことになるのでこちらも注意が必要です。


病気と害虫

植物は常に病害虫の心配があり、同じ白い花を咲かせるモクレンやコブシにも害虫のイラガやハバチの幼虫のような害虫がつきやすいですが、その点ハンカチノキは丈夫な木なので成長中も大きくなってからも病気や害虫の心配は特にありません。

ハンカチの木とは/見頃は植物園で!

ハンカチノキは日本原産でない事もあり、身近なところではあまり植えられてなく、まだまだ珍しい木です。この章ではハンカチノキを見ることが出来る有名な植物園を2つご紹介します。毎年ハンカチノキの見頃の時期になると、この珍しい花を見るために多くの人が訪れます。

小石川植物園

小石川植物園は元々江戸時代に薬になる植物を育てる目的で開園された小石川御薬園でした。明治10年に東京大学が開設された時に附属施設として小石川植物園と改称され、 その時から一般公開されるようになりました。正式名称は、「東京大学大学院理学系研究科付属植物園」です。ここには1958年に種から育てられた日本に存在する最も古いハンカチノキがあり、毎年きれいな花を咲かせています。ホームページでは花の見頃の時期などがわかりますのでぜひ参考にして下さい。ちなみに5月4日のみどりの日は無料開放日との事です。

新宿御苑

新宿御苑は明治39年に皇室の庭園として建てられましたが、戦後国民公園となりました。そして数少ない我が国の風景式庭園として多くの人々に親しまれてきました。苑内には3本のハンカチノキがあり、1944年に植栽された若いハンカチノキは、低い枝にもたくさんの花をつけていて、見頃の時期には花を近くで見ることができます。GW中の4月29日と、5月4日は、新宿御苑の無料開放日となっています。このころはハンカチノキの見頃の時期と言われています。

まとめ

ハンカチノキは最近では園芸店や通販などで見かけるようになり自宅で育てて楽しむことも出来るようになりましたが、少々まぎらわしい事に「コンロンカ」という植物を「ハンカチの花」や同じ名前の「ハンカチの木」という商品名で販売していることがあります。この植物も白く美しい花を付ける事が、この名前の由来のようですが、ハンカチの木とは別の品種で、アカネ科、コンロンカ属の熱帯植物です。購入の際はよく確認した上で、お求め下さい。

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