はじめに
アンゲロニア栽培のコツ!肥料やりや枯れる原因も
アンゲロニアは初心者でも扱いやすいとても育てやすい草花です。そのシュッと伸びた草姿や花つきが良いことから花壇の花としてもフラワーアレンジの花材としても人気があります。宿根性の多年草ですが日本の冬では環境が合わせるのが難しく枯れることもあるので1年草扱いで育てた方がよいでしょう。種まきでも育てることができるこの花の詳しい育て方を用土から水やり・肥料のコツと順をおってご説明しましょう。
アンゲロニアについて
この植物は熱帯から亜熱帯が原産地であるため暑さにはとても強い性質をもっています。その分寒さにはまったく適応できず日本では1年草扱いとなっている草花です。その開花時期や特徴と共に基本情報をご紹介しましょう。
アンゲロニアの基本情報
科・属:オオバコ科アンゲロニア属
原産地:アメリカの熱帯から亜熱帯地域
学名/英語名:Angelonia/Summer snapdragon
別名:エンジェルラベンダー
アンゲロニアの開花時期
この植物の開花時期は6月ころから秋も深まる11月初旬まで咲くものもあり非常に長いのが特徴です。開花時期がながければその分長く楽しめるもの。それがアンゲロニアの人気の理由のひとつとなっています。
アンゲロニアの特徴
アンゲロニアは草丈が1メートルほどにもなることがある背の高い草花で、花壇の後部に植えてもとても映えます。耐寒性は高くありませんが耐暑性や日差しに対する耐性は高く真夏でも元気に育ってくれるでしょう。原産地では宿根草で何年も生き続ける植物ですが日本の冬の寒さは苦手としているため、1年草扱いされることもしばしば。
アンゲロニアの育て方1.置き場所
真夏でも平気で育つだけでなく、日当たりにもあまりより好みしないのがアンゲロニアのよいところ。庭植えの場合の植える場所は日当たりよりも土質で選んだ方が無難に失敗なく育ってくれるでしょう。
アンゲロニアが好む日当たりは
この植物の育てやすいところは日当たりが多少悪くても日陰であっても生育してくれるところでしょう。明るければ日陰でも育ちます。土質に対しては多少好みはあるようですが、置き場所や日当たりに対してはある程度他の植物との折り合いがつき融通できる便利な草花です。
アンゲロニア栽培のポイント
開花させるには1日のうち日が当たる時間が3時間あれば大抵の場所で育成可能。庭植えであれば花壇の後方で塀ぎわなどで影になりがちな場所にも植えることができ、きちんと花が咲くのが嬉しいですね。しかし土の水はけに対しては気を使う必要が出てくるでしょう。
アンゲロニアの育て方2.用土
この植物用の用土は山野草に配合されたものが合います。多湿でありながら水はけがよく肥沃な土が好みです。自分で配合しても良いですし、鉢植えであれば山野草用のものを購入した方が無駄なく余った土の置き場所にも困ることがないのでおすすめです。ご自宅の状況や栽培する規模に合わせて選ぶといいですね。
アンゲロニアの用土
多湿でありながら水はけは良いという土がこの植物の好む用土。少し調整が難しいかもしれませんが、山野草の土などを参考に赤玉土と腐葉土の基本の草花用培養土に調整済みのピートモスを混ぜ合わせると良いでしょう。開花時期が長いので肥料は定期的にあたえる必要がありますが、元肥としても緩効性化成肥料を混ぜておいてください。
おすすめのアンゲロニア用土
ハナゴコロ 山野草の土 12L
ピートモスは土壌の酸性度を上げる必要があるブルーベリーやクリスマスローズ用の用土として用いられる土。一般の植物に使用する場合は調整ずみのものを用意する必要があり、初心者では単体で用意しても使い切れないことも。山野草の土としてすでに配合されているものが使いやすくて無駄もなくおすすめです。
アンゲロニア栽培のポイント
鉢植え用土として使うだけであれば、市販の培養土の方がお手軽でおすすめです。買ってすぐに使えて土の中和なども必要ないのであまり植物の数を増やしたくない用土を買っても持て余してしまいかちな方・忙しい人にもおすすめ。
アンゲロニアの育て方3.植え付け
アンゲロニア栽培は苗の植え付けから
種があれば種まきをして育てることもできますが、苗から育てた方が病気の心配のない元気で健康な株で開花時期も長く楽しめるでしょう。種をまき芽が出て生長する姿は見ていて愛着がわきますが、はじめて栽培するという方はまずは苗の植え付けからはじめてみることをおすすめします。
アンゲロニアの植え付け時期
植え付けは草花の成長期前におこなうことで、植えた後にうまく育たないという失敗が少なくなります。アンゲロニアの場合は5月くらいから7月までがその時期にあたりますが、苗が売られはじめる時期はたいてい少し植え付け時期より早めであることが多いです。少しくらい遅くても開花時期が多少短くなる程度ですが、できるだけ長く楽しみたいなら苗が出始めたらすぐに植え付けてしまってかまいません。
アンゲロニア栽培のポイント
1本立てで鉢植えで仕立ててもかわいいですが、群生させるとまたその良さが引き立ちます。ただしあまり密集しすぎると風通しが悪くなり病気の原因にも。場所による環境の違いや近くに一緒に植えている草花がある場合はその折り合いも兼ねてある程度は株間を広めにとって植え付けてください。
アンゲロニアの育て方4.水やりと肥料
この植物の日常管理は水やりよりも肥料を欠かさないことに重点を置いてお世話するとうまくいきます。肥料は緩効性化成肥料(8-8-8や10-10-10と書かれたバランスのもの)と液体肥料(リン酸が高いもの)の2種類を使ってください。
アンゲロニアの水やり
水やりの方法は地植えならばよほど乾燥が進んでしまわない限り必要はありせん。鉢植えの場合は土が乾いてからたっぷりと。多湿にならないように水はけのよい土で水やりは植物の様子もみながらあげすぎないよう注意が必要です。
アンゲロニアの肥料
水やりと比べて肥料は定期的にきちんとあげ続けるのが開花時期を長く保つコツ。緩効性化成肥料と液体肥料の併用がおすすめ。2ヶ月おきに固形肥料を株元に。液体肥料は10日に1度程度を目安に水やりのついでにあげるようにするとうまくいきます。
アンゲロニア栽培のポイント
アンゲロニアだけでなく開花時期の長い花はどうしても栄養不足になりがち。多くは水溶性の液体肥料だけでも良いですが、この花の場合は夏の暑さにも強いことから液肥だけでは不足ぎみに。固形肥料も欠かさず6-10月まで与える方が花つきが良く色鮮やかに咲いてくれます。
アンゲロニアの育て方5.その他のお世話
草丈がある・開花時期が長いという特徴を考慮しておこなうその他のお世話を2つご紹介します。1つは品種によっては不要な場合もありますが、草丈の高くなる植物には共通することなので覚えておくとよいですね。
アンゲロニアの支柱立て
パワフル支柱 10号(1セット)
品種によっては背が高いため倒伏してしまう場合もあります。購入した苗の草丈によく注意して支柱も用意しましょう。支柱の形や設置方法もいろいろで植え方も1本か群生させるか、鉢植えか地植えであるかによっても支柱のやり方を変えた方が良いことも。倒れて折れたりしなければ良いので、ケースバイケースで支柱立てをおこなってください。
アンゲロニアの花がら摘み
基本的に剪定は必要ありませんが開花時期が長いことから終わった花がら摘みはこまめにおこなってください。早めに切り戻すことで二番花や三番花が早くあがってきてたくさん楽しめます。
アンゲロニアの育て方6.増やし方
アンゲロニアの増やし方は2種類
温室など冬でも植物にとって暖かい環境を用意できる方であれば挿し木で増やすことも可能です。そうでない方も種を収穫して保存しておくことで翌年もまた同じ花を咲かせることができるでしょう。最後になりますが、アンゲロニアの増やし方を2種類ご紹介します。
種まき時期ややり方
花が終わったあと花がらを摘まずにそのまま成熟させることで種が出来収穫が可能です。この種を春まで保存しておけば、種まきで増やせるでしょう。種まきの時期は5-6月ころ。発芽・生育には20-25度くらいの温度が必要なのであまり早くまかないようにしてください。ポットに2粒ほどまいて良い方を残して間引き植え付けできる苗になるまで育てましょう。
挿し木時期ややり方
アンゲロニアの種は発芽率は良いのですが挿し木で増やす人の方が多いようです。挿し木の時期は6-7月ころ。2節を目安に挿し穂を切ってきて30分ほど水あげしたあと、切り口にルートンを塗って鹿沼土など挿し木用の土に差し日陰で1ヶ月ほど乾燥させないようお世話をしてください。4-50日で発根・活着しますのでポットにあげ、次第に明るいところに移動させ慣らして苗に仕立てます。
アンゲロニア栽培のポイント
種まきも挿し木もこの植物の適温を探して作業することになります。暑さが好きで寒いところが嫌いという特徴を考慮して、秋植え・秋まきなど気温の低いときの作業は室内で管理するか温室内で育てるなどの工夫をしてください。
アンゲロニアの育て方7.枯れる原因
アンゲロニアが枯れる原因1.寒さ
この植物は宿根草で上手に育てれば冬越しも可能ですが、多くが冬に枯れるのは一番の原因は寒さでしょう。10度以下になるようなところでは絶えられず枯れるようです。
アンゲロニアが枯れる原因2.寄せ植え
アンゲロニアは寄せ植えとしても使われることも多い花。スッとしたその花姿はデザイン的にはとても見栄えがよく立体的に仕上がるのですが、生育環境が合わない植物があるとどちらかが枯れることに。
アンゲロニアが枯れる原因3.病気
枯れた花や葉を取り除かずそのまま放置すると病気が原因の場合そこから広がって株全体が枯れることもあります。花がら摘みは見た目や栄養面だけの問題ではなくこのような病気のある枯れ方をした部位をできるだけ健康な部分から遠ざける意味でも必要なことです。
まとめ
アンゲロニアのきれいな花を長く楽しもう
花色や品種もたくさんあるアンゲロニア。ニーズに応じていろいろな使い方ができ花壇デザインのバリエーションも広がり役に立つ花です。初心者の方でも簡単に栽培できる栽培難易度ですので、はじめてお花を育てるという方にもおすすめします。花壇や鉢植えにする花を探している方は是非この植物も候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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