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バショウとは?バナナなの?その実態や栽培方法・食べ方などの基本知識を解説!

バショウと呼ばれる植物をご存じでしょうか?バショウはバナナと同じ仲間の植物ですが、バナナのように果実を食べることはあまりありません。このページでは、バショウについて、その特徴や栽培方法、食べ方などについてご紹介していきます。
2020年8月27日
のべじ
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はじめに

バショウと呼ばれる植物をご存じですか?バショウはバナナの仲間で、果物のバナナと同じような大きな葉をつけ、エキゾチックな雰囲気を持つ植物です。バナナと違い耐寒性があり、国内でも屋外で越冬できるため庭木やインテリアとしても人気があります。今回はバショウについて、バナナとの関係や栽培方法、剪定の仕方、食べ方などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

バショウとは

バショウ科の植物

バショウは、バショウ科に属する多年草で、高さ2~3mほど、葉っぱも1mほどに成長します。「ジャパニーズバナナ」の別名でも呼ばれますが、原産地は中国とされ、日本には1,000年以上前に渡来したと考えられています。耐寒性が強くく、古くから庭木として栽培される植物です。また、松尾芭蕉の名前の由来にもなった植物とも言われています。

バショウの花

バショウの花は、先に雌花が咲いて、その後バナナ状の果実ができ、最後に雄花が咲きます。これを雌性先熟とよび、雌花と雄花が違うタイミングで開花することによって自家受粉を避けると考えられています。しかし、バショウは子株を出して殖えるため、1株の苗だけでもどんどんと殖えていきます。

バショウの果実

バショウには大きさ5~6cm程度の小さなバナナのような果実がなります。しかし、バナナと違って実は綿のようになっていて、タンニンを多く含むため渋みが多いです。また、種が大きいため、果物として食べるには不向きとされています。しかし、追熟をすることによって甘みが出るため、食べることもできるようになります。

バショウの利用方法

沖縄地方では古くから、バショウの繊維を使って芭蕉布と呼ばれる織物に利用してきました。この芭蕉布は衣類などに使われ、かつては沖縄地方の重要な産業として成り立っていました。現在ではその数も減ってしまっていますが、芭蕉布が国の重要無形文化財として指定されているほど、沖縄地方に欠かせない植物です。

バナナとの違い

バナナとは

皆さんが思い浮かべる一般的な果物のバナナは、突然変異によって発生した種子がないバナナをさらに品種改良されたものです。日本では果物として生食することがほとんどですが、加熱用のバナナも存在し、東南アジアでは加熱用のバナナを野菜として食する場所もあります。また、花を食べたり、葉っぱを食器と利用するばいもあり、重要な役割をしている植物と言えます。

分布域の違い

バショウとバナナの違いはまず、分布している場所が違います。バショウはもともとは中国原産と考えられ、耐寒性があります。温帯性で熱帯地方には分布していません。反対にバナナは極一部の品種を除いて東南アジア原産で耐寒性がありません。沖縄などを除くと、加温設備なしでは栽培ができません。本州以北でバナナの木のような植物を見かけたら、そのほとんどはバショウであると考えて良いでしょう。

見た目の違い


バショウもバナナもぱっと見はそれほど違いはありません。しかしよく見ると、葉っぱの裏側が、バショウは緑色、バナナは白っぽい色をしています。また、苞と呼ばれる花の根元の部分がバショウは黄色で、バナナは赤紫色をしています。なかなか2つを見比べる機会はありませんが、ぜひ覚えておいてくださいね。

バショウの栽培方法①:植え付け

鉢は大きめに

成長期のバショウは非常に成長スピードが速く、グングンと成長します。そのため、あらかじめ少し大きめの鉢に植え付けましょう。3~4号鉢程度の苗を入手した場合は6号鉢を、6号鉢の大きな苗を入手した場合は10号鉢以上の大きな鉢を用意しましょう。最終的には12号程度の鉢で栽培することとなります。

用土は養分が多いものを

芭蕉の用土には、水はけ、通気性が、保水性が良く、養分が多いものが適しています。ホームセンターなどで販売されている、一般的な果樹用の配合土であれば問題なく使用できるでしょう。また、ご自身で配合される場合は、赤玉土と腐葉土を1:1の割合で混ぜ合わせましょう。腐葉土を使用することで、バショウが好む養分が高い用土を作ることができます。

植え付けの方法

バショウの苗の植え付けの方法は、一般的な植物と基本的には一緒です。鉢底に、軽石などを敷き、その上の配合土を入れます。古い鉢から苗を抜き取ったら根鉢を崩さないように新しい鉢に仮置きし、周りに改めて配合土を入れます。鉢を軽くゆすって土をならしたら、最後に水をたっぷりとあげましょう。

バショウの栽培方法②:日頃の管理

たっぷり追肥する

バショウは肥料を好む植物です。植え付けて1か月ほどしたら追肥を開始しましょう。骨粉入り油粕などの固形の有機質肥料を、1~2か月に1回規定量よりやや多いくらいに施しましょう。また、新しい肥料を施すときは、古い肥料を取り除いてください。

小まめに水やりを

バショウは水が大好きな植物です。そのため、こまめに水やりをするのがバショウを育てるコツになります。春や秋の涼しい時期は1日1回、夏の暑い時期は朝晩の1日2回を目安にたっぷりと水やりをしましょう。この時、葉っぱにも水がかかるようにすることでハダニの予防にも繋がります。

枯れた葉っぱを剪定する

バショウは強風が吹いたり、寒さに当たることで葉っぱが傷みやすいです。痛みが出ると、葉っぱが茶色くかれますので、剪定をしましょう。枯れた葉っぱを付けたままにすると、ハダニやカイガラムシなどの害虫が発生しやすくなるため、こまめに剪定を行いましょう。また葉っぱをむしって取ると、株自体が傷つくため、ハサミを使って剪定してください。

冬の管理について

バショウは、冬になると葉っぱなどを落とし、枯れたような見た目になってしまいます。しかし、春になれば新しい芽が芽吹いてきますので、心配しなくても大丈夫です。国内であれば基本的には屋外でも越冬可能ですが、苗が小さかったり、天候条件によっては対策をしましょう。一番確実なのは室内に取り込んでしまうことです。しかし、大きな苗はスペースもとるため、その場合は不織布を株全体に巻き付けるだけで効果があります。

バショウの栽培方法③:株分け


株分けについて

バショウは株の根元から子株出します。しばらくはそのままでもいいですが、少し成長したら子株を外して株分けを行いましょう。株分けをすることにより、鉢の中に余裕ができ、親株ともども成長が促されます。反対に、そのままにしておくと、お互いの成長を阻害してしまうため、注意しましょう。

株分けの方法

まず、鉢から株を抜きます。子株側の根鉢を崩し、根っこの付き具合を確認しましょう。その後、ノコギリを使い、なるべく子株に根っこが残る位置で切り分けます。切断後、根っこを傷つけないようにお互いを分け、親株は元の鉢に、子株は少し小さめの鉢に植え付けます。水分の蒸散を減らすために、子株は上の葉っぱを1枚、親株は上から2~3枚の葉っぱを残して剪定しましょう。

株分け後の管理

株分け後は、たっぷりと水やりをして、乾燥しすぎないように注意しましょう。1か月もすれば、それぞれ根付きますので、追肥や剪定など、日常の管理を行ってください。

増やしたくない場合

バショウは成長期になると次々に子株を出すことがあります。あまりバショウの苗が増えすぎても困るという方は、子株が大きくなる前になるべく早く外してしまいましょう。子株が付いていることによって、栄養分が子株に流れてしまい、成長が阻害されてしまいます。また、大きくなった子株を株分けすると、ダメージが大きくなるため、必要でなければ早めに外してしまうのが良いでしょう。

バショウの栽培方法④:果実の収穫

開花から2~3か月で収穫

バショウは、開花してから2~3月で果実の収穫時期となります。果実は最初は緑ですが、少しずつ黄色くなり、やがて真っ黒になります。黒くなってしまう前に早めに収穫しましょう。

房ごと収穫する

バショウの果実の色が変化しだしたら収穫しましょう。房の根元から包丁などを使って房ごと収穫します。この時、切り口から汁が出てきますが、この汁が衣類に付着するとシミになってしまうため、作業をするときは気を付けてください。収穫したバショウからも2~3日ほど汁がでますので、気を付けてください。

バショウの栽培方法⑤:地植えでの栽培

地植えでの栽培も可能

バショウは耐寒性もあり、国内でも北海道以外では屋外で越冬できるため、地植えでの栽培可能です。しかし、地植えをする場合は鉢植えと違い大きくなりやすく、環境によっては3m近くまで成長します。強風が吹くと折れやすくなりますし、日陰ができてしまうなどのデメリットもあるため、植える場所には注意しましょう。

植え穴には肥料分をたっぷりと

バショウは肥料がとても大好きです。地植えする場合も、あらかじめ肥料分をたっぷりと与えましょう。植え穴を掘ったら、腐葉土をたっぷりと入れ、掘り起こした土と混ぜ合わせます。その上にバショウの苗を仮置きし、上から土を戻して植え付けます。


地植えでの管理

地植えで栽培する場合も、鉢植えでの場合とそれほど管理の仕方に違いはありません。追肥や剪定に関しては、鉢植えと同じです。水やりに関しては、地面に保水力があるためそれほど気を使う必要はなく、1週間程度雨が降らない場合は株元に水やりをする程度で大丈夫です。

バショウの食べ方

追熟させる

バショウは、収穫してすぐに食べると、実に含まれるタンニンのせいで渋みが強くとても食べられません。そこで、追熟をする必要があります。追熟させるには、バショウの実を風通しのいい場所に紐やフックを使って吊るしておきます。収穫したタイミングにもよりますが、順調にいけば1~2週間程度で色が変化してきます。

真っ黒になったら食べ頃

追熟をさせて、バショウの実が真っ黒になったら食べごろです。皮をむいて、バナナのように食べましょう。しかし、バナナと違って種が大きいため、食べる際に注意してください。また、食べ頃を逃してしまうと果実がはじけ飛んでしまいますので気を付けましょう。

まとめ

以上、バショウについてご紹介しました。バショウはバナナの仲間ですが、普段目にする果物のバナナとは少し違うことが分かりました。初心者でもバショウの栽培は簡単で、庭で育てれば南国の雰囲気が出ます。食べるために育てなくても、庭木とやインテリアとしておすすめです。うまく果実が育てば食べてみるのもいいのではないでしょうか。ぜひバショウの栽培にチャレンジしてみてください。

バショウが気になる方はこちらもチェック

今回はバショウの栽培や剪定方法、食べ方などについてご紹介しましたが、その他にも様々な果物の育て方や食べ方に関する記事が沢山ありますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。