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カサゴを刺身にするためのおろし方とさばき方をご紹介!寄生虫の注意ポイントは?

刺身というとマグロやアジ、白身のヒラメやスズキ、最近ではサーモンが人気だと聞きます。カサゴ等の根魚の刺身はあまり一般的ではないようです。しかし流行の穴釣りやショアジギングのターゲット魚であるカサゴは上品な刺身になります。今回は釣ったカサゴが食卓に上るまでです。
更新: 2023年12月5日
kuma10
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カサゴってどんな魚?

顔が大きく愛嬌のある表情で浅場の岩礁地帯から釣り上がって来る「カサゴ」は、北海道から九州の南にまで生息するロックフィッシュ(根魚)です。簡単に釣れるので子供のころから釣り好きの方ならあまり珍しくない魚でしょう。

簡単に釣れる割には味が良く、値段も高いので今では超高級魚の部類に入っています。身は白身で、どんな料理にも合いますが、値段が高く店頭に並ぶことも少ないので、口にした事の無い方もわりと多いのではないでしょうか。

カサゴの生態

カサゴは北海道から九州の鹿児島まで(奄美を除く)の沿岸部に生息しています。泳力が弱いため体を隠す岩場やテトラポット、砂地に点在する沈み石、海草の林の中など潮の動きがゆるい場所に棲み付きます。

そのため磯場の足元で釣れたりもします。沖に行くほどサイズアップします。日本中の沿岸に生息するために場所によっての別名が多いのも特徴の一つです。ちなみにカサゴと呼ぶのは東京周辺になります。

カサゴの釣り方

流行りのカサゴ穴釣り

寺西達也さん(@tt_factory)がシェアした投稿 -

生息域の項でも説明いたしましたが、カサゴは何かの物陰に潜むことが多く、最近流行の「穴釣り」のターゲットになっています。近場の岸壁にテトラポットはありませんか?

ありましたらチャンスです。テトラポットの隙間に仕掛けを落としてみましょう。サイズは見込めませんが、うまくすれば一つの隙間で何匹ものカサゴがゲットできる「カサゴマンション」が発見できるかもしれませんよ。

カサゴ釣りの基本はブラクリ

カサゴの穴釣りの基本は「ブラクリ仕掛け」です。伝統的に菱型のオモリから針が出ている物が使われてきましたが、根掛かりの多い釣りですから画像のように自作される方も多くおられます。

ようは狭いテトラや岩礁の隙間に引っかからずに落ちて行ってくれる重さと形のものにエサと針が付いていれば良いのです。狭い隙間狙いの釣りですから取り回しの良い短竿と、小型のベイトリールのセットがベストマッチです。

カサゴの釣り方

カズヒコさん(@kazuhikong)がシェアした投稿 -

テトラポットのサイズにもよりますが、なるべく外洋に近い所から攻めていきましょう。テトラポットの隙間から、オモリの重みを使ってエサ(イソメやワーム)をするすると落として行きます。

底に着いたらステイでも良いですが、トントンと底を叩いても良いでしょう。ククンときたら「一気に」巻き上げましょう。狭い所に逃げ込まれてあの大きな顔でフックされたらなかなか出てきません。ちなみに15cm以下のサイズものは逃がしてあげて下さいね。

カサゴの釣り方がもっと気になる方はこちらもチェック!

今回簡単な穴釣りのご紹介のみさせていただきましたが、サイズアップを狙ったり、数釣りをするために他の釣り方も紹介しておきます。「暮らし~の」のサイトの中にカサゴ釣りに詳しい記事がありますので併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さい。

おろし方とさばき方の違いは?

三枚おろし?三枚さばき?

Eien Hunter-Ishikawaさん(@eienhi)がシェアした投稿 -


一般的に「おろし方」と「さばき方」の違いについて明確に説明できる方は少ないと思います。

国語的に言えば「さばく」には「残す」の意味がありますので、例えば三枚おろしなどは「三枚にさばいておろす」という用法が正確なのでしょうが、この記事でのおろし方の定義は「魚を分解するまで」を「おろす」とし、皮を曳き、口に入る形(刺身)にまで整える作業を「さばき方」「さばく」といたします。

カサゴのおろし方

お刺身の基本は三枚おろし

料理(刺身)をする上で必ず通る道が「三枚おろし」です。頭部を外した魚の身を中骨とフィレ2枚に分けていきます。まずは皮に傷をつけないようウロコを丁寧に剥がします。

ヒレの根元など狭い場所は包丁の刃先を使います。頭を落とし内臓を抜いたら良く洗い、中骨に沿って包丁を入れて柵を外して行きます。両側外したところで三枚おろしの完成です。後は腹骨を漉いてお刺身に切れる柵のできあがりです。

三枚おろしの裏ワザ

Rika Tanakaさん(@r.tanaka031129)がシェアした投稿 -

カサゴなどの根魚系を料理する時には特にそうなんですが、料理前にヒレなどを「ハサミ」で切っておくと料理し易いです。シッポも腹にある隠れ棘なども全部ハサミで切りましょう。

ウロコ落としの時など怪我をしなくて済みます。ウロコを剥がしたら肛門からハサミを入れておくと卵や内臓に傷を付けなくてすみます。小さいサイズのものなど特に重宝します。料理道具の中にキッチンバサミを一丁入れておくと便利ですよ。

カサゴのさばき方

お刺身用柵取り

柵に取ったカサゴをお刺身にしていく「さばき方」をご紹介いたします。皮を曳いてお刺身にする方法と皮を残して「皮霜」のお刺身にする方法を動画で確認して下さい。

皮を曳く前にまず側線に沿って入っている中骨を毛抜きで抜きます。次にまな板にピタッと乗せた半身のカサゴの尻尾を手前にして尻尾の先から1cmほどのところに包丁を少し喰いこませます。

刃を斜めに進め、皮と身の間に入れたら尻尾の先を押さえて身と皮を剥いでいきます。よく研いだ包丁を使えばすっと最後まで綺麗に皮が剥けますよ。

皮霜造り用柵取り

皮霜造り(霜皮造り)はカサゴなどの皮の旨い白身の魚などをお刺身にするときに使うテクニックです。

せっかくカサゴは皮が美味いのに生では硬いので、三枚おろしにして中骨を抜いた切り身に「熱湯をかける」「熱湯にくぐらせる」「バーナーで焼く」などの処置をして刺身に切り、皮ごといただきましょう。皮を曳く手間が省けますし、カサゴのコクのある皮目の味も楽しめるお刺身になります。

カサゴのお刺身①

カサゴは薄造りのお刺身が美味しい!

ccna.toさん(@ccna.to)がシェアした投稿 -

新鮮なカサゴの身は弾力が強く、例えるならばフグのお刺身のような食感です。ですからカサゴは厚切りのお刺身には向きません。カサゴをお刺身にする時には「薄くそぎ切り」にするとぷりぷりの食感が楽しめます。

厚切りにすると醤油やポン酢の効力が消えてしまってもいつまでも口の中に身が残ってしまい、美味しさが半減してしまいます。お値段の張るフグ刺身に負けない程美味しいですよ。

カサゴのお刺身②

皮霜造りのお刺身


カサゴの皮霜造りのお刺身は何種類か方法がありますが、おすすめは1、まな板にカサゴの柵を置きます。2、清潔な布巾で柵を覆う。3、まな板を斜めにして布巾越しに熱湯をかける。

4、冷水に柵を取る。の4ステップです。

熱湯にくぐらせたりバーナーで焼くなどは加減が難しく、特に熱湯に長く漬けてしまうと違う料理になってしまいますから注意して下さい。

旨味をさっと閉じ込め刺身に

威任 陳さん(@twnsushi27)がシェアした投稿 -

皮霜造りは一旦火(熱)を通すことで皮と、皮と身の間にある旨味部分を食べやすくしてくれます。弾力の強かった身もサクッと噛み切れる感じになります。

ですから普通のお刺身の時に比べて少し厚めに切れます。お刺身を盛りつけたときの見た目も楽しいですし、高級感も出ます。お値段に換算すると二割くらい上がる感じがしますね。

残ったカサゴのアラは味噌汁で

お刺身の残りで

カサゴのお刺身に切った残りのカブトや中骨は捨ててはいけません。お湯で煮出せばとっても美味しい「出汁(ダシ)」が出ます。特にカサゴのアラから出た出汁は味噌汁との相性が抜群で、小型サイズのものは丸のままで味噌汁にする人もいます。

おすすめの味噌汁の具は豆腐と長ネギです。細かいウロコなどが気になりますからカサゴはよく掃除してから使って下さいね。

お刺身をわざと大名おろしに

Kawahara Shunsukeさん(@kawashun620)がシェアした投稿 -

カサゴはお刺身も美味しいのですが味噌汁も魅力的です。ですから三枚おろしをする時にわざと中骨に身をたくさん残してさばくさばき方もアリです。

さばき方、おろし方を変えて、どうせならカサゴ1種類で何種類かの料理を楽しみたいですよね。ちなみに赤味噌ならいつもの味噌汁より薄めに、白味噌なら濃いめに作ると美味いですよ。サイズの小さいものなら値段もお手頃ですし、丸ごとお味噌汁でも良いですね。

カサゴの残ったアラは骨せんべいで

カサゴのアラは低温でじっくり

Noriko Tazakiさん(@inewroro)がシェアした投稿 -

カサゴをお刺身に切った残りのアラの使い道は味噌汁ばかりではありません。じっくりと油で揚げるとサクサクの骨せんべいが出来上がります。

カサゴは「唐揚げ」でも美味しい魚なのですが、買うとすればお値段の高い魚ですので何となくもったいない気がしちゃいます。そこでお刺身にした残りを揚げて楽しみましょう。味噌汁と同じようにサイズの小さいものならば丸のまま揚げても良いんですけれどね。

カサゴの骨せんべいレシピ

Yoshi Shimuraさん(@megane_zine)がシェアした投稿 -

お刺身の柵を取り分けた残りのカサゴのアラを掃除します。おろし方にもよりますが、カブトを二つに割る方法もあります。そして血合いや細かいウロコ、内臓の取り残しなど取り除いたらキッチンペーパーなどで水分を拭き取ります。

軽く塩胡椒をしたら薄く片栗粉をはたいて150~160度の低めの温度でじっくりと揚げていきます。油跳ねのピチピチした音が無くなったらできあがりです。ポン酢で食べるのがおすすめです。

カサゴの卵って食べられる?

冬場の抱卵カサゴ

結論から言えば卵は食べられます。しかしカサゴは「卵胎生」のために別名「腹パン」と呼ばれるほどお腹の張ったものはすでに中で孵化している可能性が高いのであまりおすすめできません。

お腹を軽く押した時に白やピンクっぽい卵が出て来た時には煮付けなどでいただけますが、緑色の卵はもう卵が稚魚になっていますから煮ても卵は固まりません。ちょっと気持ち悪いですし少し臭います。できれば卵を持っているカサゴは逃がしてあげましょう。


カサゴの寄生虫について

アニサキスはお刺身で目視(画像注意)

カサゴに限らず魚には寄生虫が入ることがあります。代表的な寄生虫が「アニサキス」ですが、これはあまりカサゴに入っている報告はありません。

もちろん100%ではないので気を付けなければなりませんが、アニサキスは魚が死んでから内臓からゆっくりと身に入って行く寄生虫です。

新鮮なうちに処理、刺身にしてしまえばまず心配はありません。また目視できるので、心配ならば「さばき方」の項でやった「薄造り」の時に刺身を光に透かして見てみましょう。

フィロメトラ(画像注意)

カサゴに入る代表的な寄生虫が「フィロメトラ」です。この寄生虫は主にカサゴの内臓(特に胃袋)に入ります。

ただこの寄生虫は人体に一切の影響を与えない寄生虫ですので、間違って食べてしまっても心配ありません。内臓を出す時に見つけると気持ち悪いですが、「おや、またお会いしましたね」くらいの軽い気持ちで捨てて下さい。

カサゴの別名

カサゴに別名は多い

カサゴは日本中の海に棲息する魚ですから当然別名も数多くあります。有名なところでは九州での別名の「あらかぶ」や関西での別名の「ガシラ」などがあります。

また山陰地方での別名は「ボッカ」や「ボッコウ」、四国地方での別名は「ガガネ」などと別名は多種に渡っています。九州地方の方の中には「カサゴ」を東京周辺の「別名」だと思っている釣り人もおられます。

美味しいカサゴで食卓を盛り上げましょう!

satoru kasugaiさん(@dsojisan)がシェアした投稿 -

カサゴをお刺身にする「おろし方」や「さばき方」と料理の仕方などを説明して参りましたが、現在高級魚としてお値段が張るカサゴです。

釣りの人気者として日本中のアングラーに愛されていますが、あまりにも普通に釣れてしまうためどれくらいのお値段なのか知らない釣り人も多くいます。

ぜひ高級魚のカサゴをご自分で釣って、さばいてお刺身にして食べて下さい。食卓の主役になること間違いなしです。

カサゴの食べ方がもっと気になる方はこちらもチェック!

今回カサゴのお刺身に特化しての記事となりましたが、カサゴはどんな料理でも美味しい魚です。ですから他の食べ方もご紹介いたしますね。「暮らし~の」のサイトの中にカサゴの食べ方に詳しい記事がありますので併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さい。