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鉋(かんな)とは?大工道具で気になる「鉋」の仕組みや使い方を解説!

「木材を削り、平らにする工具」として有名な鉋(かんな)ですが、鉋は何故平らに木材を削ることが出来るのか?鉋の手入れ方法は?どうすれば綺麗に削れるかはあまり知られていません、鉋の種類や使い方、手入れ方法や、更に「選び方」のコツまで紹介していきます!
2020年8月27日
咲良09
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この記事で紹介しているアイテム

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角利産業 角利二枚刃鉋模様白仕上 台寸法:幅65×長さ242×高さ63(33)mm、有効削幅:43mm、刃幅:50mm 41432

萬太郎 豆クシ鉋 18mm[EOS]

【千吉】鉋 二枚小鉋【40mmX210mm】

六兵衛 立鉋 45mm

大五郎 まめ鉋 極反り 平 (反鉋) 安来青紙鋼 15mm

鉋(かんな)とは

「鉋(かんな)」は大工道具

日曜大工や、軽いDIY程度では耳にしない工具、それが「鉋(かんな)」と呼ばれている道具です。鉋(かんな)は木材の表面を削り平らにし、凹凸を無くし使いやすくするという非常に大事な役目を担っており、本格的な大工仕事には欠かせない工具となっています。そのかけ方は奥深く、シンプルながら何処までも追及できる大工道具の1つです。

見た目はまるで「かつお節」

鉋(かんな)は、その独特の形状と削り方から、削った後に出来る木片の形もユニークで、薄く細長い、まるで「かつお節」のような形となります。実際、鉋(かんな)は形状と使い方が似ていることから、しばしば「かつお節削り器」としても併用され、鉋(かんな)と言う名は知らなくても「かつお節削りに使えそうな工具」と言えば通じることがあります。

鉋(かんな)の仕組み

ホームセンターでもよく見かけ、木材の加工には欠かせない鉋ですが、何故「鉋は木材を平らに削れるのか」という、鉋という工具の構造や仕組みについて、ざっくりとですが解説をしていきます。

鉋の「表と裏」

まず、鉋は「地金」と切るための刃を張り合わせて出来ており、木材にあて削る部分が表、そして内側にあり「力の調整などを行う」部分が「裏金」と呼ばれ、基本的には二枚刃の構造となっています。しかし鉋の種類によっては裏金がないものもあるため、必ずこの仕組みが適用されるとは限りません。鉋の「表と裏」は、切るための刃があるほうが表、境界線をはさみ、下になる部分が「裏」となります。

鉋台が四角い理由

鉋台は一部の例外を除いて、ほとんどが四角形で、さらに「角に手が当たる様」に作られています。木材に押し当てる形となるのだから、道具として使う場合は煩わしくなるのではないかと思ってしまいますが、鉋台が四角いのにはれっきとした仕組みが存在し、木の端は木材の形状や材質を問わず、下端に対し直角となっています。ここを作業台に擦り付けることで、材料を安定し直角に削ることが出来ます。ただし、鉋の種類によっては「四角くない鉋」も存在するため「多くは四角いもの」と覚えておきましょう。

鉋(かんな)の種類:基本編

DIY用の木材はすでに「鉋(かんな)がけ」がしてある、鉋の仕組みやかけ方を知らなくともDIY出来るものばかりですが、天然の木材を使用しようとするとそうもいきません。紙やすりで削るのも多大な労力を費やす為、本格的な日曜大工および、DIYを行うのであれば、必然的に鉋(かんな)のかけ方を覚える事が必要となってきます。そんな鉋(かんな)の種類は大きく分けて3種類。さらにその3種類から派生していきます。

種類①・最適鉋(かんな)

清水製作所 jump(ジャンプ) 最適カンナ ミニ j50 特殊用(B) デコラ・プラスチック 12064

出典:Amazon
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最適鉋(かんな)はその名の通り、購入した時点で最適の状態でセットされた、購入してすぐに使用できる鉋(かんな)のことを指します。鉋(かんな)のかけ方を学びたい場合や、購入で迷ったらとりあえず「最適鉋」を選ぶと覚えておけば、はじめての鉋選びでもミスすることはないでしょう。替え刃式で手入れや調整が簡単と言うメリットもあり、長期的な目で見てもおすすめ。使い方も「材料に密着させ手前に引く」と極めてシンプルなため、初心者にも熟練者にも使いやすい「鉋」です。


種類②・平鉋(かんな)

角利産業 角利二枚刃鉋模様白仕上 台寸法:幅65×長さ242×高さ63(33)mm、有効削幅:43mm、刃幅:50mm 41432

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
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最適鉋が「使いやすい鉋」とするなら、平鉋は名の通り、大工仕事に特化したオーソドックスな鉋。その中でも主流のものは刃部分が2枚になっているため、二枚刃鉋とも呼ばれます。刃の切れ味が悪くなったら交換する「交換式」のため、長期的な使用が見込めるというのもメリットで、さらに木目に対し逆に削る、いわゆる「逆目削り」でも材料が欠けにくいため、自分で一から木材を削り調整したいという方には欠かせない鉋です。

「裏金」の仕組み

平鉋もとい「二枚刃鉋」にある「裏金」は削るために作られた表の刃に対し、名の通りもう1つある小さな刃の事。いっけん無意味にも見える裏金ですが「裏金」があることで削るさい使用する刃がしっかり固定され、調整しやすくなり、さらに裏金部分を調整することで刃の高さを調整できるという「なくてはならない」道具の1つです。買ってきた二枚刃鉋の調子が良くない、ちゃんとしたかけ方を意識してるのに余り切れない、という場合は、まず裏金をしっかり固定してみましょう。

種類③・さくり鉋(かんな)

萬太郎 豆クシ鉋 18mm[EOS]

出典:Amazon
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さくり鉋は「しゃくり鉋」とも呼ばれ、平鉋や最適鉋が木材全体をまんべんなく削るのに対し「特定の個所をちょっと削りたい」ときに使用する鉋です。溝や側壁、隅などといった「通常の鉋では削りにくい/削ってもムラが生じてしまう」箇所で使用され、他の鉋と比べると限定的な使い方となっていますが、DIYではその「限定的な使い方」も欠かせないと言う事で、やや特殊ながらホームセンターでも度々見かける鉋です。

鉋(かんな)の種類:派生編

鉋の種類は大きく分けてしまうと3つとなりますが、さらに限定的な使い方や、大工用の道具として、調整できる面に目を向けるとさらに種類が増え、全ての種類を把握し使おうとすると膨大な数となります。その為、ここでは派生鉋の中でも特に有名で、特に使用する場面が多いであろう代表的な鉋の種類を上げていきます。

種類①・小鉋

【千吉】鉋 二枚小鉋【40mmX210mm】

出典:Amazon
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出典:Amazon
出典:Amazon
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小鉋は通常の鉋より小型に作られた鉋で、さらに手の中に納まるサイズの鉋は「豆鉋」と呼ばれます。小鉋は削れる面積が少なくなる分、工具としてまんべんなく削る事には不向きですが、小型なぶん細部まで削ることが出来ると「さくり鉋」の様に、限定的な場面で効果を発揮する鉋の1つです。さらに小鉋の特徴として、小型化の為「裏金がない」という特徴があります、裏金がないため、細かな調整が必要で、かけ方や削り方にも意識しなくてはいけません。

種類②・台直し鉋

六兵衛 立鉋 45mm

出典:Amazon
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台直し鉋は「刃」部分が直立しているのが特徴の鉋で、その名の通り鉋台の修正を行う際に使う、行ってしまえば「鉋の手入れに使う鉋」です。刃の形状が形状の為、木材に使用するのは不向きですが、長期的な使用により鉋台が削れたり、歪んだりしたさいに役立ちます。通常の木材では使用できない台直し鉋ですが、黒檀などの通常の鉋では刃こぼれする様な硬木を削る際にも用いられます。

種類③・反り台鉋

大五郎 まめ鉋 極反り 平 (反鉋) 安来青紙鋼 15mm

出典:Amazon
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反り返った形状がユニークな「反り台鉋」は円筒形の木材や曲がった木材など、通常の工具だけでは削り切れず「ムラ」が生じてしまうような癖のある木材に効果を発揮します。反り返った形状は木材を円周方向に削ることが出来、他の鉋には出せない「ユニークさ」がウリの鉋です。

鉋(かんな)の選び方

鉋選びのコツは、日曜大工やDIYの前に「どんな木材を使用し、どんな風に削りたいか」決めておくのがポイント。まずはサイズから選び、身幅(50~60ミリサイズ)の鉋を選び、そこからどんな風に削りたいのか決めていきましょう。工具という事で、手入れが簡単かつ、長期的に使用できるものを購入するのがポイント。初めて鉋を購入するという方は刃が交換できるもの且つ「最適鉋」がおすすめです。

鉋(かんな)の削り方

鉋の削り方は俗に「鉋がけ」と呼ばれ、基本的には最もオーソドックスな形状である「平鉋」で行われます。その為、この項目でも「平鉋かつ、右利きであること」を前提とする使い方を紹介しますが、基本的な使い方はどの鉋も同じため、すぐ応用ができるでしょう。

使い方①・刃を出す

まずは金づちで鉋を軽くたたき、刃を出しましょう。このとき、叩く力を調整することで鉋の刃の美調節が出来、0.2ミリほど出たら叩くのをやめ、鉋かけに取り掛かります。出した刃を引っ込めたい場合は鉋の最上部を同じように金づちで叩き刃を引っ込めましょう。ケガ防止のためにも、使用後はしっかり引っ込めるのが重要です。

削り方①・平面の削り方

平らな面を削る場合は、まず左手の二本指で鉋を固定し、残りの指を最上部にかぶせ、右手は鉋台のちょうど真ん中より少し下位を掴み、下端を削りたい木材に密着させ動かします。このとき左手でしっかり右手を抑え、鉋がブレないよう気を付けましょう。このときのポイントは躊躇なく、一発で削り切る様に動かす事、途中で手を止めると木材に「ムラ」が生じてしまうので、思い切り木材の上を滑らせましょう。

削り方②・端の削り方

端部分の削り方は少々コツが要り、まずは木材が動かないよう万力などでしっかり固定し、そこに鉋を密着させ「手首を固め、肘で引く」ように削っていきます。あらかじめ材料の下に平らな板を敷くのも有用で、とにかく端は失敗しやすいため、平面を削る時よりさらに集中し、一発で削り切ることを意識しましょう。

削り方③・木口の削り方

端部分よりもっと難度が高いのが「木口」を削る時、木口は鉋を平行に当て、密着させながら斜めに引くことで削っていくのですが、この「斜めに削る」ことが難しく、失敗が絶えない要注意ポイントです。木口を削る時はさらに慎重に、かつ大胆に鉋を動かすようにしましょう・

鉋(かんな)の手入れ方法


鉋は「大工道具」という性質から切れ味の劣化や鉋台のキズなど、長期的な使用を前提とした場合は必ず「手入れ」する方法が付きまといます。切れ味が落ちた鉋もきちんとした手順で研ぐことで新品同様の切れ味を発揮できるようになるため、まめな手入れを意識しましょう。

鉋の手入れ方法①・研ぎ方

鉋の刃は特殊な形状をしているため、手を切らないよう気を付けつつ、持ちやすい角度で刃を持ち「砥石」をぴたりと付けて研いでいく形となります。押すときに力を入れ、引くときは刃が丸くならないよう、力を抜くと、方向によって力を調整し、ゆったりと砥石を動かしましょう。

手入れ方法②・刃が短くなった場合

さらに何度か手入れを行い「削ったことで短くなり、切れ味が落ちてしまった」場合は、金盤と金剛砂、目振り台や金づちを用意し「新しい刃」を取り付ける手入れが必要です。この手入れ方法は、叩きすぎると金づちで刃が割れる、研磨の繰り返しなど「本格的な大工仕事」となるため、それが面倒と言う場合は刃そのものを交換してしまいしょう。

鉋(かんな)で本格的なDIYを

「大工で使用する木材を削る工具」として知られる鉋ですが、鉋の仕組みまで知っている人は少ないという印象があります。大工道具という事で敷居が高く感じる鉋ですが、実はその仕組みも、使い方も非常にシンプル、本格的DIYの手始めに、ホームセンターで加工済み木材を使用するのみでなく、自分で木材を削ってみてはいかがでしょうか?

他工具情報が気になる方はこちらもチェック

鉋の使い方や道具としての扱い方についてもっと知りたい!と言う方向けの、鉋の正しいかけ方や初心者向けの選び方を解説した記事の他、これからDIYを始めたい!と言う方にそろえてほしいおすすめ道具の数々、さらにあると便利な工具を紹介していきます。鉋のかけ方を覚え、DIYを極めてみましょう。