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F750GS、F850GS発売!ついに国内販売開始のアドベンチャーの魅力に迫る!

並列2気筒エンジンを搭載したBMWのアドベンチャーであるF750GSとF850GSが、ついに国内販売されました。オンロードの快適性を追求したF750GSとオフロードの走破性能を高めたF850GS。異なる性格を持つ2台のアドベンチャーの魅力に迫ります。
2020年8月27日
ironman17
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BMW新型F750GS・F850GSついに登場

2017年のミラノショーでの発表以来、ファンの間で待望されていたBMWの新型アドベンチャーモデルF750GS・F850GSがついに日本で発売となりました。他のBMWのバイクシリーズとはやや趣を異にするオリジナリティに溢れた新型バイクのスペックや、オンもオフも問わずに走れるその走破性など、F750GS・F850GSの魅力に迫ります。

BMWのF750GS・F850GSとは

BMWのFシリーズとは

BMWといえば”ボクサーツイン”の名で親しまれている水平対向の2気筒エンジンを搭載したRシリーズが有名ですが、このFシリーズは水冷ツインカムのシングルやバーチカルツインのエンジンを搭載したモデルのラインナップになります。オーストリアのエンジンメーカーであるロータックスと共同開発した小型軽量のエンジンを生かし、デュアルパーパスモデルやミドルクラスのオンロードモデルを中心に展開しています。

Fシリーズの新型アドベンチャー

ツアラーモデルのGT、ネイキッドスポーツのRに続くFシリーズのアドベンチャーモデルとして登場したのがGSです。BMWのアドベンチャーツアラーとして高い人気を誇るR1200GSに比べ、コンパクトなエンジンを生かした軽量で取り回しやすいボディと、オン・オフを問わない高い走破性で、瞬く間に人気モデルの仲間入りを果たしました。

F750GSとF850GSの違い

シリーズ名を表すFの後に続く数字はエンジンの排気量を想起させますが、このF750GS・850GSの場合はエンジンは共通の853ccの並列2気筒エンジンで、フレームも共通のものを使用しています。両車の違いは足回りの設定で、オンロードを快適にクルージングすることを得意とする750GSと、不整地などオフロードでの走破性を高めた足回りを持つ850GSに分けられるのです。

F750GS・F850GSのスタイリング

全体像

全体的なスタイリングはF750GS、F850GSともにほぼ共通です。パリダカール・ラリーでも活躍するBMWモトラッドのアドベンチャーモデルにふさわしくタフな印象ながら、コンパクトな車体のおかげかR1200GSほどの威圧感は感じません。並列2気筒のエンジンによるスリムなシルエットもあって、道を選ばず機敏に駆け回る軽快さをイメージさせるスタイリングとなっています。

ディテール

LEDの異形ヘッドライトが引き締まったフロントマスクを作り出しています。鳥のくちばしを思わせる尖ったフロントノーズからタンク、サイドカバーへと至るラインは、BMWのアドベンチャーモデル伝統のデザインを踏襲しており、タフな走破性をイメージさせてくれます。先代であるF800GSでは車体後部にあった燃料タンクが通常の位置に移動したことにより、テール周りもスッキリとした印象になっています。


F750GS・F850GSのエンジン

エンジンの特徴

F750GSとF850GSのエンジンは、これまでのBMWのFシリーズと同様に水冷の並列2気筒エンジンを搭載しています。ただしこれまでの360度クランクと異なり270度の位相クランクとなっています。これによりライダーは不等間隔爆発の心地よい振動と、エンジンのパワーがタイヤに伝わる独特のトラクションを実感することができます。またこれまでのウェットサンプと異なり、エンジンとオイルタンクが別体のドライサンプとすることで、エンジンもコンパクトになり、ライダーの取回しも容易になっています。

エンジンスペック

同じエンジンを持つF750GSとF850GSですが、オンロード性能重視のF750GSと、オフロード性能重視のF850GSでは、エンジンのスペックも微妙に異なります。

F750GSスペック

エンジン形式:水冷4ストローク並列2気筒
排気量:853cc
最高出力:57KW(77PS)/7,500rpm
最大トルク:83Nm/6,000rpm
全長×全高×全幅:2,255mm×1,225mm×922mm
シート高:815mm
車両重量:224kg

F850GSスペック

エンジン形式:水冷4ストローク並列2気筒
排気量:853cc
最高出力:70KW(95PS)/8,250rpm
最大トルク:92Nm/6,250rpm
全長×全高×全幅:2,305mm×1,356mm×922mm
シート高:860mm
車両重量:229kg

F750GS・F850GSの足回り

同じフレームに同じエンジンを持ちながらオンロード志向のF750GSとオフロード志向のF850GSと異なる性格の2台。その違いがもっとも如実に表れているのは足回りの性能といえます。

F750GSの足回り

オンロードでの走破性能を重視したBMWのF750GSは、ホイールトラベルはフロントが151ミリ、リヤが177ミリと短くフロントフォークは正立タイプを採用しています。ホイールは前後ともキャストホイールで、フロントには19インチに110ミリ幅のタイヤを履かせ、スポーツバイク並みのコーナーリング性能を実現しています。

F850GSの足回り


BMWのF850GSはフロントに204ミリの長いストローク量を誇る倒立フォークを採用。F750GSと比較しても細身のフロントタイヤもあいまって不整地走行での走破性を高めています。リヤサスペンションも219ミリと十分なホイールトラベルを確保。F750GSと異なりスポークホイールながらチューブレスタイヤを採用し、メンテナンス性も向上しています。ESA仕様を選択することで、ライダーの好みダンピングにボタン一つで設定可能です。

F750GS・F850GSの使い勝手

F750GSの使い勝手

ライディングモードはレイン、ロードのほかダイナミック、エンデューロを選択可能で、走行条件に合ったモードを選ぶことでライダーをサポートしてくれます。サスペンションのスプリングトラベルの短さもあってシート高は815ミリとF850GSより低く、小柄なライダーでも足つき性は良好です。ハンドルの切れ角も大きくコンパクトな車格もあって、バイクの取回しも比較的容易に行えます。

F850GSの使い勝手

6.5インチのTFT液晶フルカラーディスプレイは、必要最小限の表示内容にとどめることで視認性は良好です。オフロード性能を高めたがゆえにシート高はやや高めですが、シートはノーマルのSTDのほか、ローやコンフォート、ラリーなどを選択可能で、ライダーの体格に合わせた調整が可能です。ボディはF750GSと比べやや大柄ながら、アイポイントの高さもあって視界は良好で、アップライトなライディンブポジションで、長距離走行時のライダーの疲労を最小限に抑えてくれます。

F750GS・F850GSの走破性

F750GSの走破性

アドベンチャーモデルながらどちらかというとオンロード性を高めただけあって、F750GS舗装路での走行は非常に快適です。フロント19インチの旋回性能の高さや、軽量・コンパクトなボディ、高い路面追従性を持ったサスペンションのおかげもあり、ライダーはあたかもスポーツネイキッドのような走行フィールを体感することができます。

F850GSの走破性

F850GSは前後サスペンションのストローク量も十分確保されており、倒立フォークや21インチのフロントホイールのおかげもあり、オフロードでの高い走破性を誇ります。F750GSに比べ余裕のエンジンパワーも、オフロードでの力強い走りに貢献しています。前モデルとなるF800GSではシート後部にあった燃料タンクが通常位置になって重心バランスが良くなったことで、オフロードでのコントロール性も向上しています。

F750GS・F850GSのツーリング性能

BMWのF750GS・F850GSのツーリング性能はアドベンチャーバイクということもあり、非常に高いものがあります。オン・オフともに高い走破性に加え、広めのシート幅にリヤキャリアも装備し、荷物の積載性も良好です。アップライトなライディングポジションは、長距離ツーリングでの腰への負担を最小限にとどめることができます。6.5インチのTFTカラーディスプレイには、ナビゲーションをはじめとしてスマホとの接続など、ツーリングでライダーをサポートする機能が満載です。

F750GS・F850GSのライバル


ヤマハ テネレ700

ヤマハが2018年のミラノショーで発表した新型のアドベンチャーバイクがテネレ700です。エンジン形式は水冷並列2気筒で排気量も689ccと、F750GS・F850GSと似通っており、お互いにライバルとなり得るモデルといえます。かつてパリダカールラリーで優勝を飾ったXT500をルーツに持つこともあり、その走破性の高さは折り紙つきです。

KTM790アドベンチャーR

2017年のミラノショーで出展され、いよいよ2019年に国内販売が予定されているKTM790アドベンチャーRも、BMWのF750GS・F850GSのライバルと目されています。同社のネイキッドスポーツであるDUKE790のエンジンに、ダカールラリーで培ったKTMのオフロードバイクのテクノロジーが注入され、その高いスペックと走破能力はBMWのGSにとっては怖いライバルとなることが必至といえます。

スペック

エンジン形式:水冷4ストローク並列2気筒
排気量:799cc
最低地上高:233mm
シート高:850mm
車両重量:189kg

BMW R1200GS

同じBMWのアドベンチャーバイクであるR1200GSもF750GS・F850GSの立派なライバルモデルです。BMW伝統の水平対向エンジンによる重心の低さと、大きな排気量を生かしたハイパワー、威風堂々としたスタイリング、高い走破性やツーリング性能は、Fシリーズの存在を十分脅かす存在といえます。

スペック

エンジン形式:空水冷4ストロークDOHC4バルブ水平対向2気筒
排気量:1169cc
最高出力:125PS/7,750rpm
全長×全高×全幅:2,205mm×1,465mm×935mm
シート高:800mm
車両重量:252kg

バイク界の新たなムーブメントF750GS・850GS

ついに国内販売を果たしたBMWの新型アドベンチャーバイクであるF750GS、F850GSについてご紹介してきました。圧倒的なハイパワーのオーバー1リッターモデルや、軽いのが信条の軽量デュアルパーパスとは一線を画し、コントローラブルなエンジンパワーに扱いやすいボディを持ったF750GS・F850GSは、バイク界に新たな潮流を築いていくことが予想されます。オン・オフ問わずどこまでも走れる高い走破性を持ったF750GS・F850GSを、あなたの旅の相棒に加えてみませんか。