検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

常緑ヤマボウシを植えよう!植え方から育て方のコツ、手入れ方法をご紹介!

常緑ヤマボウシは、明るいグリーン色の葉っぱで庭木を明るくしてくれる植物。春には白い花、秋には赤い実がつくのも魅力的。ただし、落葉ヤマボウシよりやや寒さに弱いので気を付けましょう。常緑ヤマボウシの育て方や増やし方、苗木の選び方などをご紹介いたします。
更新: 2021年2月28日
Yukari.S
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

常緑ヤマボウシってどんな植物?

常緑ヤマボウシは、ミズキ科に属する常緑性の低木です。春になると白い花びらが咲くように苞があらわれます。その様子がまるで、僧侶が頭巾をかぶっているように見えることから「ヤマボウシ」の名がつけられました。僧侶に見立てられることから、縁起のよい庭木とされています。

ヤマボウシと常緑ヤマボウシの違い

常緑ヤマボウシと落葉するヤマボウシを比べて見ますと、常緑ヤマボウシのほうがやや耐寒性がなく冬を苦手とします。また、常緑ヤマボウシは落葉するヤマボウシと比べて少し成長速度が遅く、樹高も少し低めです。

常緑ヤマボウシの花の特徴

常緑ヤマボウシの花の咲く時期は、6~11月ごろです。常緑ヤマボウシの花の色は、白もしくはクリーム色。ただし、一見花のように見えているのは、実は苞(ほう)と呼ばれる花を取り囲んでいる部位です。花はそのなかにある小さな部分です。

常緑ヤマボウシの葉の特徴

常緑ヤマボウシの葉っぱの色は、明るいグリーン色です。黄緑色にも似た美しいグリーン色の葉っぱが、名前の通り一年中ついているため、庭のシンボルツリーとして人気があります。葉っぱの形は、やや細長い楕円形で先がとがっています。

常緑ヤマボウシの実の特徴

冬になる前に、小さく可愛らしい赤い実をつけます。ぶつぶつとした独特の雰囲気です。一見美味しそうには見えないのですが、食べることができ、実は美味。

皮は赤色ですが、なかの食べる部分はクリーム色から黄色で、バナナやマンゴーなどトロピカルフルーツに似た甘い味がします。なお、果実は生でも食べられますし、ジャムや果実酒に加工しても美味しくいただけます。

常緑ヤマボウシの基本データ

科名属名

ミズキ科ミズキ属

学名

Cornus hongkongensis

和名

常緑山法師(じょうりょくやまぼうし)

別名

ホンコンエンシス


英名

Hong Kong dogwood, evergreen dogwood

原産国

中国

常緑ヤマボウシの種類

日本で出回っている常緑ヤマボウシはいくつかあります。なかにはよく見る白い花ではない珍しい種類もあります。

種類1・月光

月光は、最もよく販売されている種類といっても過言ではないでしょう。花付き、実付きがとてもよいのでお庭が華やかになり、ガーデナーたちから大人気です。

種類2・リトルルビー

「リトルルビー」は、なんとルビー色の美しい花を楽しめる常緑ヤマボウシです。グリーン色の葉っぱは、秋には美しく紅葉します。とても珍しい種類。白いタイプと並べて植えておくのも素敵です。

種類3・ヒマラヤ

「ヒマラヤ」は、やや野生の雰囲気を味わえる常緑ヤマボウシです。花付きがほどほどで上品な趣きがあります。小さめに仕立てて鉢植えにしてもよいでしょう。

常緑ヤマボウシの育て方1・苗木の選び方

常緑ヤマボウシは、苗木を購入して植えつけるのが一般的です。常緑ヤマボウシは、成長速度がゆっくりな植物でもあり、スタートの苗木のよしあしはそのあとの成長に大切なポイントとなります。では、よい苗木の選び方のポイントをご紹介いたします。

選び方のポイント1

まず、ひとつめの選び方のポイントは、幹がしっかりしていて、樹高にあった太さのある苗木をチョイスすることです。ひょろひょろと間延びしたように成長している苗木はおすすめできません。

選び方のポイント2

ふたつめの選び方のポイントは、枝などが折れたり傷ついたりしていないかチェックすることです。基本的なことではありますが、ついつい忘れがち。できるだけ美しい苗木を選びましょう。

選び方のポイント3


常緑ヤマボウシは、株立ちで育てることができます。株立ちというのは、一株の樹木から、複数の幹が出る成長の様子を指し、自然な雰囲気を楽しめることから、庭木の育て方として人気があります。

苗木には、あらかじめ株立ちに仕立てられたものがありますので、もしも株立ちで育てたいという希望がはじめからあれば、そうした苗木をチョイスするほうがスムーズです。

常緑ヤマボウシの育て方2・土作り

常緑ヤマボウシは、水はけのよい土壌を好みます。庭木として人気の高い植物ですが、小さめに仕立てて鉢植えで栽培することもできます。

庭などに地植えにする場合は、植え付けたい場所の土を少し掘り起こして、腐葉土や川砂を少し混ぜ込んでおくのがベストです。鉢植えにする場合は、小粒の赤玉土に腐葉土や川砂を混ぜ込んだもの、もしくは市販の樹木用の用土を準備するとよいでしょう。

常緑ヤマボウシの育て方3・肥料

寒肥として、冬の寒い時期1~2月ごろに、肥料をほどこします。地植えにしている場合は、油粕など有機肥料がおすすめです。鉢植えの場合、有機肥料でもよいですし、穏効性の化成肥料をほどこしてもよいでしょう。

なお、地植えにしている場合は、そのあとの追肥はとくに必要ありません。鉢植えの場合、成長具合を見ながら、少し追肥をおこなってもよいでしょう。

常緑ヤマボウシの育て方4・水やり

庭木として植え付けた場合は、根がついたあとはさほど水やりの必要はなく、自然の雨水だけで十分です。よほど日照りが続くなど乾燥が気になった場合のみ水やりしましょう。

鉢植えにしている場合は、植えている土の表面が乾いたらこまめに水やりをおこないます。逆にあまり過度に水やりすると株を弱らせ花が咲かないこともあります。

いずれの場合も、真夏の暑い時期の水やりには注意が必要です。真夏の暑い時期は、比較的涼しい朝晩に水やりしましょう。気温の高いお昼間に水やりすると、水が地中であたたまり、植物の根っこを傷めてしまうことがあります。

また真冬の寒い時期は、水やりの頻度を落としましょう。

常緑ヤマボウシの育て方5・場所

日当たりのよい風通しのよい環境を好みます。とくにじめじめとした多湿の環境は苦手。病害虫が発生しやすくなります。ヤマボウシは自然の山に自生するくらい強い植物なので、そのほかはそれほど神経質になる必要はありません。

冬の寒さはやや苦手なので、冬の寒くなる前に株元にバークチップや落ち葉を敷くといった準備をして、上手に冬越しさせましょう。

常緑ヤマボウシの育て方6・植え付け

植え付けに適した時期は、3~5月もしくは10~11月ごろです。とくに常緑ヤマボウシは、通常のヤマボウシよりやや寒さに弱いため、冬の寒い時期の植え付けは避けるのが賢明。春の気温がしっかりあがってから植え付けします。

庭に穴を掘る、もしくは鉢植えに苗木を植え付けます。植え付けた苗木がしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい環境をキープしながら、水やりを続けましょう。

また植え付けてからしっかり根付くまでは苗木がぐらぐらすることがあるので、支柱を立てて誘引しておくと安心です。

常緑ヤマボウシの育て方7・植え替え

庭木として一度植え付けた場合は、とくに植え替えの必要はありません。鉢植えにしている場合は、根詰まりを防ぐため、定期的に植え替えをおこないます。ただし常緑ヤマボウシは比較的成長速度がゆっくりなので、数年に一度の植え替えでよいでしょう。

鉢底の穴を見て、根っこが出てきていたり、混みあっているのが見えたら植え替えします。植え替えに適した時期は、春から夏にかけてです。これまでよりひとまわり大きな鉢を準備して植え替えましょう。

植え替えた株がしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい環境をキープしながら、水やりを続けます。

常緑ヤマボウシの育て方8・剪定

自然のままに栽培していても、比較的樹形が整うため、さほどの剪定は必要ありません。栽培している株を観察しながら、枯れた枝やあまりに混みあったところがあれば、少し剪定しましょう。

なお、剪定に適した時期は12~2月の冬の時期。あまり遅くなるとせっかくついている花芽まで剪定で切ってしまうことになりますので、気を付けてください。

株立ちで育てる剪定方法

自然な趣きを楽しめる株立ち。樹木のなかでも株立ちで育てられる種類は限られているため、株立ちできる種類の樹木は、庭木として人気が高いです。春になると、根元から何本かの茎が出てきます。

あまりに細いものは、根元で切りとって剪定してしまい、ある程度成長のよい茎だけ残します。何年か、この剪定を続けていると、樹形のよい株立ちを楽しめるようになります。


常緑ヤマボウシの育て方9・病気

うどんこ病

うどんこ病は、じめじめとした多湿の環境で発生しやすい病気です。樹木やお花、野菜などいろいろな植物に発生します。うどんこ病にかかると、まさに名前の通り白っぽい粉のような病斑部があらわれます。

放っておくとあっという間に株全体に広がり、株が弱り枯れることもあります。うどんこ病におかされているところを見つけたら、切り取ってただちに処分しましょう。

常緑ヤマボウシの育て方10・害虫

あまり害虫がつかないことも庭木として人気の理由です。まれにアブラムシがつくことがありますが、株を枯らしてしまうほどの深刻な被害にはならないようです。

常緑ヤマボウシの増やし方1・種まき

秋に実った果実のなかから種を採取して種まきします。種が乾燥すると発芽率がぐっと下がりますので、種をとったらすぐに種まきしましょう。種の採取の前に、種まき用の土を入れた鉢などを準備しておくとよき、種をまきます。

日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けているとやがて芽が出てきます。

とくに幼苗のうちは寒さに弱いので、冬はあたたかいところに移動させましょう。ただし、この種まきからの増やし方は、なんと花がつくまでに7~8年の歳月がかかるため、かなり難易度が高いと言えます。

常緑ヤマボウシの増やし方2・接ぎ木

種まきより早く大きく苗木を作りたい場合は、接ぎ木がおすすめです。接ぎ木とは、丈夫な台木に増やしたい植物の枝を接ぐ植物の増やし方です。常緑ヤマボウシの台木としては、常緑ヤマボウシより強い通常のヤマボウシを利用することが多いです。

まず種からヤマボウシを育て、ヤマボウシの苗木に常緑ヤマボウシを接ぎ木します。常緑ヤマボウシの枝を10センチくらい切り取り、切り口を斜めにカットし、台木に沿わせたら、接ぎ木用のテープで固定します。

日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けていると、やがて台木に接ぎ木したものがくっついて成長し、接ぎ木苗が完成します。

常緑ヤマボウシはお庭のシンボルツリーに最適

一年中美しい葉っぱを楽しめ、さらに春には花、秋には実を鑑賞できる常緑ヤマボウシ。お庭のシンボルツリーとして大人気です。常緑ヤマボウシは、落葉性と比べると少し冬が苦手。

肌寒くなってきたら、株元に落ち葉などを敷いて、しっかり冬越しの準備をしてあげましょう。寒い冬を乗り越えて、春に白く可愛らしい花を咲かせてくれる様子に感動すること間違いなしです。

常緑ヤマボウシが気になる方はこちらもチェック