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長ネギ栽培のやり方は?家庭で育てるやり方と収穫までのコツを解説!

料理に使いやすいネギは家庭菜園で人気。特に軟白栽培の長ネギを収穫できれば家庭菜園上級者の仲間入り。種まきからも栽培収穫しやすいのも嬉しいところ。美味しい白色の長ネギには肥料(追肥)と土寄せをすることが必須です。長ネギの植え方や連作障害についてご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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ネギってどんな野菜?

ネギは、ユリ科に属する野菜です。日本だけではなく世界中で食べられている野菜で、料理には欠かせない存在と言えるでしょう。育てやすく季節を問わずスーパーなどで購入することができます。風邪をひいたときにネギを首にまくと治りやすいという言い伝えもあります。この効果は定かではありませんが、豊富な栄養成分が含まれているので、風邪の予防などによいというのは本当ではないでしょうか。体によく料理に使いやすいネギ。ぜひ家庭菜園で育ててみませんか。

ネギが家庭菜園での栽培に向く理由

まず、ネギは栽培面積をあまり取りません。さらに、根菜ではないのでそれほど深い土壌も必要なく、畑がなくてもプランターで育てられるのが家庭菜園に向く理由です。さらに種まきから発芽しやすく、苗を購入しても安価なのも家庭菜園向きと言えるでしょう。そのうえ時期をそれほど問わず収穫できます。家庭菜園とまでいかなくとも、キッチンプランツとして小さな鉢植えを台所に置くのもおすすめです。

ネギの基本データ

科名属名

ユリ科ネギ属

学名

Allium fistulosum L.

和名

ネギ(長ネギ)

別名

なし

英名

Welsh Onion

原産国

中国

ネギの栄養成分と効果効能

ネギには、ビタミンAやB群、Cなど豊富なビタミン類が含まれています。また、アリシンと呼ばれる成分が含まれていて血行促進に効果的なのだそうです。アリシンというのは、ネギ独特の香りをもたらす成分です。血行促進だけでなく、体内の乳酸を分解してくれるので疲労回復にも一役買ってくれるそうです。

ネギの種類

一言で「ネギ」と言っても、実は色々な種類があります。下記にいくつか代表的な種類をあげてみました。どれも台所でお馴染みのものばかり。ネギはお料理に欠かせないお野菜と言えるでしょう。なお、ここから先の育て方では、ネギのなかでも「長ネギ」について記載いたします。ほかのネギの育て方も長ネギに準じますが、太らせて収穫する長ネギは、土寄せをしっかりする必要があります。どれもネギの仲間なので、連作障害に気を付けましょう。


芽ネギ(青ネギを幼苗で収穫)

お寿司屋さんで、細長くて小さなネギが束になってのっている軍艦巻きを見たことはあるでしょうか。おもに和食店や料亭などで利用されている、ネギのミニバージョンと言えるのが芽ネギです。芽ネギという品種があるわけではなく、青ネギを密集させる植え方で小さく育てて収穫します。小さい分、風味がぎゅっと詰まっています。すぐに収穫でき、肥料(追肥)いらずで時期を問わずに育てられます。

青ネギ(万能ネギ・小ネギ)

お味噌汁や冷ややっこなどにトッピングする、よく見るタイプのネギです。どんな料理にも頻繁に使われるところから、万能ネギと呼ばれることもあります。庭の片隅やキッチン脇などに植えておくととても便利です。また、使い終わった根っこを水につけておくと、再び芽が出てお料理に使えます。春から秋まである程度の気温のある時期ならいつでも栽培可能です。長ネギと比べると肥料(追肥)の頻度は少なくて済み、家庭菜園でトライしやすいです。

長ネギ(太ネギ・白ネギ・根深ネギ)

冬の寒い時期にお鍋などに重宝する、太いネギです。太いところが白いので白ネギと呼ばれることもあります。白いのはもともとではなく、土に埋めながら育てる軟白栽培によって作られるものです。土のなかにあるため、硬くゴワゴワせず柔らかい舌ざわりを楽しめます。何度かのこまめな土寄せが必要なので、少し栽培の難易度があがります。また栽培時期が少し長いので、一般的に春の時期植え付けて冬の前の時期に収穫となります。収穫までの期間が長く手間がかかりますが、家庭菜園で成功したときの喜びはひとしおです。

アサツキ

長ネギとは種類が違います。どちらかというと山菜に属する種類で、野性味あふれた味が特徴です。辛みが強く、少し料理に加えるだけで、お料理の味が引き立ちます。野生に近い種類なので、それほど肥料(追肥)の必要はありません。

リーキ(西洋ネギ)

オランダやフランスなどヨーロッパでよく食べられているネギです。まろやかな食感で、煮込み料理などによく使われます。とろけるような舌ざわりがとても美味しく、最近では日本でも少しずつ栽培されはじめています。長ネギと同じく太らせるタイプなので、栽培時期が長く、肥料(追肥)や土寄せが必要です。

わけぎ

長ネギと玉ネギを掛け合わせた品種です。地表部分は長ネギとよく似ていますが、地中部分はミニ玉ねぎのようにぷっくりと膨らみがあります。関西地方で好まれ、酢味噌和えなどに使われます。香りがやわらかで辛みが少ないのが特徴です。地中部分をぷっくりさせるために、ある程度の肥料(追肥)が必要です。

チャイブ

おもにヨーロッパなどに自生するハーブです。青ネギより細く、香りもマイルドです。先端につくピンク色の花が可愛らしいので、食用ではなく観賞用としてガーデニングに使われることも多いです。

ネギ(長ネギ)の栽培方法1・土作り

長ネギの白い部分をきれいに仕上げるためには、水はけがよいと同時に保水性にも富む土質で栽培することが大切です。畑に植えるときは、低めの畝をたて粘土質ではないところに植え付けます。プランターなど鉢植えにする場合は、市販の野菜用培養土などを利用すると便利です。また、長ネギは何度かの土寄せが必要なので、あまり硬すぎる土は土寄せしずらいです。

 

ネギ(長ネギ)の栽培方法2・場所

ネギは基本的に日当たりのよい風通しのよい環境を好みます。とは言え、室内のそれほど日の当たらないところに鉢植えで栽培することも可能です。キッチンのそばにネギの鉢植えを置いておき、少しずつ収穫しながら料理に使うと便利ですし、ネギのグリーンでキッチンが華やぎます。また、ネギは耐寒性に富む野菜なので、春夏秋冬といつでも栽培や収穫可能です。

連作障害に注意

ネギには連作障害があります。連作障害というのは、毎年同じところで同じ野菜を連作して育てると、病気などが発生しやすくなり生育不良となることを指します。連作障害における同じ野菜というのは、同じ科名に属する野菜すべてを指します。たとえば長ネギで言うと、ほかの青ネギやわけぎなどを植えたあとに長ネギを連作して植えると連作障害が出る可能性が高くなるということ。連作障害を避けるためには、畑なら畝を毎年変えて連作障害を避ける、プランターなら土を毎年新しいものに更新して連作障害を避ける工夫をしましょう。


ネギ(長ネギ)の栽培方法3・種まき

長ネギは、初めから植え付けたいところに種まきする植え方と、あらかじめ育苗ポットなどで苗を仕立ててから苗を植え付ける植え方があります。どちらの植え方にも一長一短があります。はじめから種まきする場合は、種の発芽や苗の成長が揃わないことがあるのがデメリットでしょうか。種まきに適した時期は、3~4月頃です。ただし、寒冷地などでは少しずれることがありますので、種袋の裏の表記を確認しましょう。品種によっても多少種まき時期が異なります。

はじめから栽培したい場所に種まきする植え方

だいたい、2センチくらいの間隔ごとに2、3粒の種をまき上から土を軽く被せます。種まきから発芽するまでに1週間から10日くらいかかりますので、水やりを欠かさずに続けましょう。種まきしたものから発芽して数センチまで成長したら、程度のよいものを1本ずつ残してあとは間引きます。ちなみに、間引いたネギもお味噌汁などに浮かべると風味豊かで美味しいのでぜひ利用しましょう。間隔の列を作ります。

育苗ポットやトレーで苗を作る植え方

土を入れた種まき用の育苗ポットやトレーを準備します。ある程度の量を種まきする場合は、育苗トレーのほうがよいでしょう。種をばらまきして土を軽く被せたら、水やりをします。そしてその上から新聞紙を乗せておきましょう。乾燥を防ぐことができて早く芽が出ます。毎日水やりを続けていると芽が出てきますので、数センチくらいに成長したら、畑など好きな場所に植え付けましょう。

ネギ(長ネギ)の栽培方法4・植え付け

自分で種まきからおこなって苗を育ててもよいですし、シーズンになるとホームセンターなどで苗が販売されますのでそれを利用してもよいでしょう。できるだけ根っこを傷つけないように土から抜き取るのが、植え方のコツ。繊細な苗を一本ずつコツコツと植え付けます。ネギを植え付けたあとに、結構しっかり土をぎゅっと手で押さえておくのも植え方のポイントです。苗と苗の株間はだいたい5センチくらいあけるのがもうひとつの植え方ポイントです。植え付けた苗が根付くまで、こまめに水やりをおこないます。

ネギ(長ネギ)の栽培方法5・水やり

苗を植え付けてしっかり根付いたあとは、さほど水やりの必要はありません。とくに畑などに地植えにしている場合は、自然の雨のみで大丈夫です。よほど日照り続きの天候が続くときのみ少し水やりしてもよいでしょう。ただし、プランターなど鉢植えで育てる場合は、少し水やりをしましょう。土が乾いたなと思ったらこまめに水を与えます。

夏の水やりは朝夕に

真夏の暑い時期に水やりする場合は、朝夕の気温が低い時間におこないましょう。真昼の気温の高いときに水やりをすると、水やりした水が鉢やプランターのなかで温まってしまい、根っこを傷めることがあります。

ネギ(長ネギ)の栽培方法6・土寄せ

長ネギは、もともとグリーンと白のツートンカラーというわけではありません。普通に日光に当たって育つとグリーン色になるのですが、土寄せして土に埋めることで、埋めた部分が白くなります。白い部分はやわらかく、長ネギならではの魅力です。太った白い長ネギを収穫するために、こまめに土寄せをしましょう。

土寄せの頻度と高さ

土寄せは、苗を植え付けてから1カ月後くらいからはじめます。次の項目にある肥料(追肥)と同時におこなうと手間が一度ですみますのでおすすめです。土寄せする部分は、ネギの根元の株が分けつしているところまでで、だいたい根元から5センチくらいでしょうか。それより上まであまりに土に埋めすぎてしまうと、ネギの発育が阻害されてしまいますので気を付けましょう。なお、土寄せは肥料(追肥)とともに1カ月に1度の割合でだいたい4~5回おこないます。

ネギ(長ネギ)の栽培方法7・肥料

ネギは意外と肥料を好む野菜です。とくにしっかり太らせたい長ネギには定期的な追肥が必要です。追肥は土寄せと一緒におこなうと一石二鳥で、だいたい追肥と土寄せをはじめにおこなうのは、ネギを植え付けてから1カ月後くらいです。そのあと追肥と土寄せのセットを、収穫1カ月前までだいたい4セットおこないます。

ネギ(長ネギ)の栽培方法8・病気

ウィルス病


ウィルス病は、ネギの葉っぱなどに薄い黄緑色の斑点ができる病気で、一度かかると治癒は難しいものです。残念ながらウィルス病にかかってしまった場合は、その株を処分するよりほかありません。

さび病

さび病は、植物の葉っぱにまるでさびのような茶色い病斑部があらわれる病気です。カビ菌によるもので、一度発生すると治癒は困難。さび病が発生したところは切り取る、抜き取るなどして処分しましょう。

ネギ(長ネギ)の栽培方法9・害虫

アブラムシ

アブラムシは、小さな害虫で春から秋の気候のよいときに発生しやすいです。あらゆる野菜や植物につき、野菜や植物の栄養成分を吸い取ってしまいます。アブラムシに吸われたところは白っぽく変色します。また、アブラムシから出る排泄物は、ほかの病害虫を引き起こす要因ともなりやっかいです。アブラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。

ナメクジ

ナメクジはじめじめとした梅雨時期に発生しやすい害虫で、とても大食漢です。青臭いかなと思うネギもむしゃむしゃと食べてしまいます。またナメクジが通ったあとは独特の粘着物がついてしまいます。ナメクジを見つけたらすぐに駆除しましょう。

アザミウマ

アザミウマは、1~2ミリくらいの小さな細長い害虫で、植物の葉っぱなどを食べてしまいます。花につくことが多いのですが、どういうわけかネギにもつきます。アザミウマを見つけたらただちに駆除しましょう。

ネギ(長ネギ)の栽培方法10・収穫

長ネギがしっかり成長してきたらいよいよ収穫です。収穫は家庭菜園ならではの喜び。これまで何度となくおこなってきた肥料(追肥)や土寄せがうまく効いているか、はっきりわかるときです。収穫の目安としては、茎がしっかり太っていて、グリーンの部分が折れ曲がってきたり少し色が落ちてきたころです。あまり放っておくと先端にネギ坊主と呼ばれる種がつき、だんだんと硬くなってきますので気を付けましょう。

ネギ(長ネギ)の軟白栽培ができたら家庭菜園上級者かも

ネギは家庭菜園でよく植えられる野菜ですが、軟白栽培を必要とする長ネギは、青ネギの植え方より少し難易度が高くなります。というのも、栽培期間が長く収穫まで手間暇がかかるからです。年に4度ほどの肥料(追肥)と土寄せが必須になることがなんといっても植え方の手間ですが、その分白く柔らかい長ネギを収穫できたときは、家族や友達に自慢したくなるほど嬉しいものです。今度の春はぜひ長ネギ栽培にチャレンジしてみませんか。

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