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カブトムシが採れる木は?集まる木の見分け方とその種類・特徴をご紹介!

カブトムシを捕まえるために必要な木。木であれば何でも良いと言うわけではありません。カブトムシを捕まえる上で、カブトムシが集まる木を知っておけば採集の近道になります。今回はその木の見分け方とそれを利用したカブトムシの捕まえ方もご紹介いたします。
更新: 2023年7月25日
amarunba
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夏は終わり カブトムシ採集もシーズンオフ

シーズンオフに探すのは難しい

秋も深まり冬になろうとしている季節になると夏の虫たちは姿を消してしまいました。カブトムシ・クワガタ採集はシーズンオフと言ったところ。

ただ、クワガタに関しては成虫のままで越冬が可能な種類もいます。カブトムシに関しても幼虫の姿であれば見つけることは可能です。

無理な採集はオススメできない

倒木から採集するという採り方として「材割」というのも一応はあります。クヌギやコナラの倒木と言うのはカブトムシやクワガタの幼虫のエサです。クワガタの場合は越冬している成虫を見つけることもあるでしょう。

ただ、この方法はエサであると同時に産卵場所でもある倒木をバラバラにする方法。産卵場所そのものが消えてしまいますし、第3者の土地でそのような破壊行為をするのは違法です。かつてのクワガタブームにおける乱獲時に非常に問題視されていました。

今やるべきことは下見

ではシーズンオフ中はどうするのか?それはズバリ下見。採集できそうな場所の開拓です。秋も深まったことで雑木林の中で遭遇するスズメバチやマムシといった危険な生物との遭遇率も下がっていますので、雑木林に入りやすくなります。この時期に採集地の候補を決めておくと言う意味で行うのが下見というわけです。

カブトムシが集まる木ってなんだ?

カブトムシは広葉樹の樹液をエサにしている

カブトムシが集まる木を一言で言えば、エサになる木です。樹皮の割れ目から甘い樹液を出してくれる木のこと。つまりエサ場を探せって事なんです。その中で広葉樹であるクヌギやコナラの木というのが、カブトムシが集まる木として知られています。

カブトムシの生息地:広葉樹林・雑木林の見分け方

地図上での見分け方

そもそもカブトムシが集まる木が多い場所というのは、広葉樹林や雑木林と言われるような場所。広葉樹林はクヌギやコナラなどを含んだ広葉樹の森林の事で、雑木林もほぼ同じ意味になります。そして そのような場所と言うのは地図上で分かるようになっています。

使う地図は地図記号が書かれた地形図。WEB上からでも国土地理院の地形図を閲覧することが可能です。この中で「Q」に似た記号が広葉樹林となっている場所です。ただし、サクラ、イチョウ、カエデなども広葉樹ですので、お目当てであるクヌギやコナラの正確な位置までは、この見分け方では判断できません。
 

山を見て見分けるという方法も

カブトムシを探すための広葉樹林・雑木林の見分け方として、とてもシンプルな方法があります。それは直接山を見ると言う方法。そもそも雑木林というぐらいですから、葉の形や色が違う様々な木々が生えているわけです。それを遠くから見ればどうなるか?濃淡入り乱れた複雑な模様となります。

一方で人工的に植林された杉林は濃い緑色一色。不自然なまでに杉で統一されているような場所では、カブトムシを捕まえるのは難しい。よってそこは採集ポイントから除外できるわけです。

この見分け方は紅葉が深まるとより顕著。クヌギやコナラも葉が色付きますが、杉などはこの時期でも青々としています。このような点でも秋は下見をする季節としては非常に適しています。

カブトムシの生息地:「クヌギ」・「コナラ」とは?

カブトムシの生息地に不可欠な木


ブナ科の樹木で、「シイタケの原木」「木炭の木」として利用されています。昆虫採集をするのであれば覚えておくべき樹木だと言えます。

この木の樹液は成虫のエサになります。またこの木が落とす葉や朽ち果てた木がカブトムシやクワガタの幼虫のエサとなっていきます。つまりこの木がある場所はカブトムシの生息地となる上でのカギになるわけです。

クヌギとコナラの見分け方:樹皮

クヌギは縦に溝があるようなゴツゴツした樹皮が特徴。これが夏場になると樹液がにじみ出てきます。長年にわたって樹液を出している場合などはその表面が黒く変色していることがあります。
 

コナラも似たような樹皮をしています。と言うのも同じブナ科に属しているので、似ているのは当たり前。特徴としては深い裂け目のようになっていることなのですが、見分ける上での特徴としてはやや難しいでしょう。

クヌギとコナラの見分け方:葉・ドングリ

一番分かり易い見分け方は葉やドングリで見分ける方法。コナラの葉は先に向かって広がっていく楕円形。ドングリは特徴的な細長い形をしています。

クヌギの葉は細長くてトゲが目立ちます。かさの部分もトゲが目立つなど、栗に似た特徴を持ち合わせています。

「ドングリの木」と覚えておくだけでもOK

樹木の種類を覚えておくのは、カブトムシの生息地を探す上では便利です。ただ、一本の木を目の前にして「これはクヌギかな?コナラかな?」と深く悩む必要はありません。

ここでの見分け方というのは正確性ではなく、あくまでも「おおよその生息地を絞り込む」程度の事が出来れば十分。ホームセンターでシイタケ栽培の原木や、クワガタ用の産卵木がありますので、それでおおよその樹皮の特徴を掴んでおきましょう。

他のカブトムシが集まる木

ヤナギ

河川敷などでよく見られる木です。湿度の高い場所を好むヒラタクワガタが集まる木でもありますが、カブトムシもヤナギの樹液を好む傾向があります。一口にヤナギと言っても30を超える種類があるのですが、その中でもタチヤナギ・マルバヤナギなどの種類で採集されることが多いようです。
 

ミズナラ

クヌギ・コナラと同じブナ科の木です。樹皮の特徴も似ていますので、樹皮だけで見分けるのは難しいかと思います。コナラに比べて大きくなると言うことで「オオナラ」と呼ばれることもあります。

ハルニレ

ニレの中でもハルニレと呼ばれる種類の物は樹液の量も多く、多くの虫が集まります。サクラに似た葉を持つのが特徴。

果樹園の木(ブドウ・モモ等)


番外としてあげるなら果樹園の木と言うのもカブトムシが集まる木になります。とはいえ、この場合お目当てなのはブドウやモモの果汁で、木に集まるというよりは果実に集まると言えます。果樹園側からすればカブトムシやクワガタは、果実に傷を付ける害虫ということになります。

カブトムシの捕まえ方

樹液採集:下見した木をそのまま使う

まずはエサを使う種類の捕まえ方から。下見した木から出た樹液をそのまま利用する方が樹液採集になります。捕まえ方としては一番シンプルな方法だと言えます。樹液自体はは5月下旬から9月上旬まで出ていますが、カブトムシの活動期間は7月下旬頃から。早い時期ですとクワガタが多く見つかります。

バナナトラップ:人工的に作ったエサを用いる捕まえ方

樹液採集はその場にある木を使います。逆に言えば自然任せなので、「高いところに樹液が出ていて届かない」「雨で流れてしまった」というケースがあります。

そんな時に使うのがバナナ使った人工のエサ。バナナ・砂糖・焼酎などを混ぜ合わせ、夏の炎天下の元で発酵させたものを使います。他にもパイナップルやワインを使うレシピも存在しますので、試行錯誤をすると良いでしょう。
 

外灯採集:月明かりと勘違いした虫を捕まえる

光を使う種類の捕まえ方もあります。「飛んで火に入る夏の虫」という諺にあるように、虫は光に集まる習性があります。本来は月明かりに含まれる紫外線を目印にしているのですが、新月や曇り空などの月明かりが無いときに外灯の光を誤認し、結果として外灯の周辺に集まってしまうというものです。

外灯採集の条件としては「月明かりが無い日」「紫外線を発する光源」が必要です。紫外線を発する光源とは水銀灯や蛍光灯などの事です。

ライトトラップ:光源を自前で用意する

TV番組などでよく見られる方法。光源を自前で用意する捕まえ方です。広範囲から虫を誘き寄せることが可能で、虫や木を探し回るという必要が無い、待っているだけで虫が集まってくる捕まえ方です。

最近ではHIDやブラックライトLEDなどを省電力化が進んだ光源、小型で大容量のリチウムイオンバッテリーの普及などもあり、小規模なライトトラップというのも可能になりました。

カブトムシの採り方

安全にカブトムシを捕まえるために

カブトムシの採り方と言っても、それほど難しいものではありません。素手で捕まえられるならそれで良い訳です。しかし、道具をきちんとそろえたほうが、安全で確実に捕まえることが出来るのは言うまでもありません。

服装

カブトムシの生息地である雑木林には、スズメバチ、ムカデ、マムシ、ドクガ…様々な有毒生物などもいます。なので、雑木林に分け入っていく場合には肌の露出を少なくしていくのがベスト。その上で虫除けスプレーなどを使います。スズメバチを刺激しないという意味では白基調の物が良いでしょう。

これが外灯採集になってくるとラフな格好になっていきます。そもそも外灯がある場所は人の往来があるインフラ整備された場所なので、有毒生物との接触と言う機会は少ないです。

最後にライトトラップですが、自分で虫を引き寄せる強い光を点灯させる訳で、そこに白い服装で居合わせると光を反射してしまい、自分の体に虫が纏わり付いてきてしまいます。光源との立ち位置などを考えるか、やや暗めの衣装にしておくのが良いでしょう。

懐中電灯・ライト


LEDは特殊なものでない限りは紫外線をほとんど発しません。よって、この光で照らし出しても虫は寄ってこない=虫は反応し難いです。カブトムシを探す上でのサーチライトとしてはLEDが適していると言えます。

虫取りカゴ・ケース

捕まえたカブトムシを一時的に保管する虫取りカゴやケース。様々な種類がありますが、とりあえず持ち帰る分だけ入れられれば十分です。できることならケンカなどを避けるために個別で分けたほうが良いです。特にクワガタのオオアゴは殺傷能力が高いので、他の虫を傷つける恐れがあります。

採集道具

素手や虫アミを採集道具として使う採り方もありますが、私個人がやるのは長めの30cmピンセット使った採り方。これは私が素手で触れないから使うのではありません。皮膚にカブトムシやクワガタが爪を立てると中々引き剥がせなくて、それを嫌ってのものです。

カブトムシからすれば細くて掴み所が少ないピンセットにしがみ付くことは困難。なので、簡単に引き剥がしてケースへの移動も楽になります。隙間に隠れたクワガタを引っ張り出すという採り方もありますので、そこでもピンセットは活躍してくれます。

やってはいけない採り方

木を傷つける、環境を汚す

樹液を無理矢理出すために樹皮を傷つけたり、クワガタの場合は樹皮のめくれを剥がすと言う採り方が横行しています。これらはもちろん生息地を形成する貴重な木にダメージ与える行為で、他人の土地でやれば器物損壊などの罪に問われます。

当然の事ながら採集した後は後片付けをしていきます。バナナトラップにおいてストッキングなどを使用して放置されるケースがありますが、ストッキングはそのままでは自然には戻らないゴミです。回収が面倒だというのであれば、バナナトラップをそのまま木に塗りつけてしまえば、それをエサにする虫が全て片付けてくれます。

無思慮なトラップの設置

トラップは意図的に虫を誘き寄せる採り方。その集まってくる虫の中には様々な害虫も含まれています。トラップ実施に際しては民家はもちろんのこと害虫の被害が予想される田畑、果樹、家畜、養蜂などの施設等が無いかという配慮が求められます。

欲を出し過ぎない

昆虫採集をするのですから、ある種の欲求という物はあると思います。しかし、欲を出しすぎて必要以上に採集したり、他の採集者と争うような行動は乱獲につながります。結果として生態系のバランスを崩し、将来における採集を難しくするだけです。

カブトムシ採集は下見でスムーズに

クヌギやコナラはカブトムシが集まる木として外せません。幼虫のエサとしてもこれらの木が非常に重要で、カブトムシの一生を送る上では欠かせない樹木だからです。しかし「成虫が集まる」となれば話は別。

クヌギやコナラ以外にも、河川敷のヤナギの様な意外な場所。あるいは生息地から近い街灯や自動販売機などでも採集できます。カブトムシ採集で重要なのは、これらの採集ポイントとなるであろう場所を下見を重ねて把握すること。これだけで闇雲に歩き回るよりもずっと効率的で、確実にカブトムシに近づけます。