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庭木でも人気な「ツリバナ」の特徴と育て方!成長に合わせた管理方法とは?

ツリバナは春の花と秋の実がとても可愛らしくシンボルツリーとして重宝される落葉低木。株立ちで美しい樹形を楽しめるのもシンボルツリーとして人気のポイントです。こまめな剪定で美しい株立ちのツリバナを鑑賞しましょう。ツリバナの育て方や増やし方のコツをご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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ツリバナ(吊り花)ってどんな植物?

ツリバナ(吊り花)は、日本や中国を原産とする落葉低木で、日本国内では北海道から九州の山に自生しています。ツリバナ(吊り花)の樹高はだいたい2~4メートルくらい。放任しているとどんどん成長するので、自宅で栽培する際はこまめに剪定するとよいでしょう。ツリバナ(吊り花)は秋に実る可愛らしい実が素敵で、シンボルツリーとしても人気があります。

ツリバナ(吊り花)とマユミの違い

ツリバナ(吊り花)と同じくニシキギ科ニシキギ属に属する植物にマユミがあります。両者はとてもよく似ているのですが、比較すると大きな違いがあります。それは花の特徴です。マユミの花の花びらは4枚ですが、ツリバナ(吊り花)の花の花びらは5枚あります。

ツリバナ(吊り花)の花の特徴

ツリバナ(吊り花)の花の咲く時期は、5月ごろです。ツリバナ(吊り花)は、白から黄緑色をしたとても可愛らしい花を咲かせます。ちょうど新緑の頃に黄緑色の花を咲かせるため、少し目立ちにくいです。

ツリバナ(吊り花)の葉の特徴

ツリバナ(吊り花)の葉っぱは、美しいグリーン色をしています。ツリバナ(吊り花)の葉っぱの形はやや長い楕円形で、先がとがっています。ツリバナ(吊り花)の葉っぱは秋になると、明るい赤もしくはオレンジ色に紅葉します。

ツリバナ(吊り花)の実の特徴

ツリバナ(吊り花)は、9~10月ごろ、可愛らしい実をつけます。ツリバナ(吊り花)の実はグリーンから次第に赤く色づき、そのあとにパカッと裂けます。裂けたところからは小さな赤い実がたくさん出てきます。その姿はとても印象的で、ツリバナ(吊り花)という名前を知らずとも、実を見たことのある方もいらっしゃるようです。なお、ツリバナ(吊り花)の実は、秋に実ってから冬までずっと枝にぶら下がっているのでとても可愛いです。ツリバナ(吊り花)がシンボルツリーとして人気の理由が分かります。

ツリバナ(吊り花)の基本データ

科名属名

ニシキギ科ニシキギ属

学名

Euonymus oxyphyllus

和名

吊り花(ツリバナ)

別名


えりまき

英名

Spindle tree

原産国

日本、中国

ツリバナ(吊り花)の花言葉「片思い」

ツリバナ(吊り花)の花言葉は、「片思い」というロマンティックなものです。ツリバナ(吊り花)の真っ赤な実の垂れ下がる様子からイメージされてつけられました。

ツリバナ(吊り花)の育て方1・土づくり

ツリバナ(吊り花)は、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土やバーミキュライト、川砂を少し混ぜたものを準備するとよいでしょう。市販の草花用培養土や山野草植物専用の土を利用しても便利です。市販の土を利用するときも、少し腐葉土やバーミキュライト、川砂を混ぜるとベターです。

ツリバナ(吊り花)の育て方2・肥料

ツリバナ(吊り花)は、日本の山に自生する植物であり、ほとんど肥料を与えなくても順調に成長します。ただし、ツリバナ(吊り花)の花や実のつきをよくするためには、少し肥料をほどこすとよいでしょう。ツリバナ(吊り花)に肥料を施す時期は、2月頃。寒肥として穏効性の固形肥料を根元に少し与えるとよいでしょう。

ツリバナ(吊り花)の育て方3・水やり

ツリバナ(吊り花)は、水を好む植物です。ただし、ツリバナ(吊り花)はほとんど庭など地植えで育てることが多いため、それほど水やりをする必要はなく、だいたいの場合は自然の雨水だけで大丈夫です。よほど日照りが続き、乾燥が気になる場合のみ、少し水やりをしましょう。

ツリバナ(吊り花)の育て方4・場所

ツリバナ(吊り花)は、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。ツリバナ(吊り花)は強い植物で、山のなかで元気に自生して成長する植物です。少し日陰で育ててもすぐに枯れてしまうようなことはありません。ですが日当たりがよくないと、ツリバナ(吊り花)の花付きや実付きが悪くなります。とくにシンボルツリーとして美しい花や実を鑑賞したい場合には、日当たりのよいところに植えるのがベストです。

ツリバナ(吊り花)の育て方5・植え付け

ツリバナ(吊り花)の植え付けに適した時期は、4~10月ごろです。ただし真夏の暑い時期だけは避けておいた方がよいでしょう。ツリバナ(吊り花)を植え付けたいところの土を少し掘り返し、水はけがよくなるように腐葉土や川砂などを混ぜ込んだあと、ツリバナ(吊り花)の苗木を庭に植え付けます。植え付けたツリバナ(吊り花)の苗木がしっかり根付いて安定するまで、水やりを続けましょう。根が安定したあとは、とくに水やりの必要はありません。


ツリバナ(吊り花)の育て方6・植え替え

ツリバナ(吊り花)を庭などに地植えしている場合は、植え替えの必要はありません。シンボルツリーなどの庭木として用いられることの多いツリバナ(吊り花)ですが、盆栽として楽しむこともできます。盆栽など鉢植えにしている場合は、定期的に植え替えをしてツリバナ(吊り花)が根詰まりを起こさないようにしましょう。だいたい1~2年に一度の割合で植え替えをします。ツリバナ(吊り花)の植え替えに適した時期は、1~2月ごろです。これまでよりひとまわり大きな鉢を準備して、ツリバナ(吊り花)を植え替えます。植え替えた株が安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。

ツリバナ(吊り花)の育て方6・剪定

ツリバナ(吊り花)は、環境の合ったところに植え付けるとグングン成長します。邪魔な枝や混みあったところをこまめに剪定して美しい樹形を保ちましょう。ツリバナ(吊り花)の剪定に適した時期は、春から秋の気候のよい時期です。ただし、剪定をしすぎると花付きや実付きが悪くなることがありますので注意も必要です。

盆栽の剪定の場合

ツリバナ(吊り花)を盆栽で楽しむ場合には、4~5月に花芽がついた頃に剪定をおこないます。花芽を残しながら、枝の先を切り取って剪定しましょう。

株立ちの剪定の場合

株立ち(かぶだち)とは、一つの株の根元から複数の茎が分かれて出てくる様子を指します。ナチュラルな雰囲気を味わうことができるため、株立ちを楽しめるシンボルツリーは人気があります。株立ちは見た目が美しいだけではなく、シンボルツリーにはもってこいの栽培方法です。というのも、複数の枝に栄養分が分散されるため、成長しすぎず庭木として程よい樹高を保ちやすいからです。

ツリバナ(吊り花)を株立ちにするには?

ツリバナ(吊り花)は自然のままである程度株立ちの状態に成長します。ただし、成長に伴って、どうしても枝と枝がぶつかるようなところや脇にそれて四方に伸びる枝が出てきます。そうした枝は根元から剪定ばさみなどで切り取って、美しい株立ちの樹姿を楽しみましょう。剪定で切り取った枝を挿し木に利用するのもおすすめです。

ツリバナ(吊り花)の育て方7・病気

ツリバナ(吊り花)には、ほとんど病気の心配はありません。

ツリバナ(吊り花)の育て方8・害虫

アブラムシ

ツリバナ(吊り花)には、アブラムシが発生することがあります。アブラムシは春の暖かい時期に発生しやすい害虫で、ツリバナ(吊り花)の新芽やつぼみといったやわらかい部分に寄生します。アブラムシは群生して発生することが多く、あっという間にせっかくついたツリバナ(吊り花)の新芽やつぼみから栄養分を吸い取ってしまいます。また、アブラムシの排泄物には、ほかの害虫を引き寄せる甘い香りがあるため、二次被害を防ぐためにも、アブラムシを見つけたらできるだけ早く駆除しましょう。

カイガラムシ

ツリバナ(吊り花)には、カイガラムシが発生しやすいです。カイガラムシはとても小さな害虫ですが、群生して発生することが多く驚くほど早いスピードで、ツリバナ(吊り花)の栄養成分を吸い取ってしまいます。カイガラムシを見つけたらすみやかに駆除しましょう。ただし、カイガラムシはとても硬い殻で覆われた害虫で、市販の殺虫スプレーをふりかけてもあまり効果がありません。カイガラムシの駆除は、直接ブラシなどでこそぎ落とす方法が一番です。

カメムシ


ツリバナ(吊り花)の実には、キバラカメムシというカメムシの一種である害虫がつくことがあります。キバラカメムシは、せっかくの可愛らしいツリバナ(吊り花)の実に発生し、実を食害してしまいます。またカメムシは臭いにおいのする害虫なので、外に干した洗濯物などにつくと大変です。カメムシを見つけたら、害虫用のスプレーなどで駆除しましょう。

ツリバナ(吊り花)の増やし方1・種まき

ツリバナ(吊り花)の増やし方のひとつめは、種まきです。種まきは少し難易度の高い増やし方ですが、一気にツリバナ(吊り花)を増やすことができるのでぜひチャレンジしてみましょう。種まきによる増やし方に適した時期は、秋から冬です。ツリバナ(吊り花)の種はほとんど市販で出回っていないため、自家採取した種を利用する方法となります。

 

種の採取

育てているツリバナ(吊り花)の実が熟したら、なかから種を採取します。小さな赤い実の周りについている果肉を取るとなかから種が出てきます。出てきた種を水洗いして、きれいに果肉を取り除きます。ツリバナ(吊り花)の種は乾燥に弱いので、種を採取したら、すぐにその種をまきます。

種まき

種まき用の土を入れた育苗ポットや鉢に、採取したツリバナ(吊り花)の種を一粒ずつまきます。軽く土をかぶせたら水やりします。種まきした種から芽が出て苗が安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、乾燥させないようにこまめに水やりを続けましょう。

ツリバナ(吊り花)の増やし方2・挿し木

ツリバナ(吊り花)の増やし方のふたつめは、挿し木です。挿し木による増やし方は、種まきによる増やし方より簡単なので、初心者にもおすすめです。ツリバナ(吊り花)の挿し木による増やし方に適した時期は、3~5月もしくは9~10月ごろの気候のよい頃です。育てているツリバナ(吊り花)から、程度のよい枝を10センチくらい切り取り挿し木用とします。葉っぱを数枚残して、残りを取り除いたら、数時間水差ししておきます。水差しする際には、水に発根剤を入れておくとよりよいでしょう。挿し木用の土を入れた育苗ポットや鉢に挿し木します。挿し木したものから発根して安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。

ツリバナ(吊り花)はシンボルツリーにおすすめ

ツリバナ(吊り花)は、美しい株立ちの樹形と秋につくなんとも可愛らしい実が素敵で、シンボルツリーとして大人気の落葉低木です。ツリバナ(吊り花)はとても強く日本の山で多く自生しています。そのため園芸初心者も栽培しやすいのも魅力のひとつです。庭に一本ツリバナ(吊り花)を植えておくと、春には上品な花を、秋には鮮やかな赤い実を鑑賞でき、移ろいゆく自然の様、季節感を楽しむことができるでしょう。

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