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エピデンドラムの育て方とは?植え替えや増やし方など長く育てるコツを解説!

エピデンドラムという花をご存じですか?ランの仲間の花で、美しい花が長く楽しめます。エピデンドラムの栽培に適した環境や、水やり、肥料などの日々の管理、植え替え方法、増やし方などのコツをご紹介します。ポイントを押さえて長く育てましょう。
2020年8月27日
koro
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はじめに

エピデンドラムは洋ランの仲間の植物です。ランの花と聞くと、育てにくい上級者向きといったイメージが持たれがちです。しかしエピデンドラムはランの品種の中では丈夫ですし、育て方も特別難しくないのです。ガーデニング初心者でも挑戦することができますよ。

エピデンドラムの紹介

分類

エピデンドラムの分類は、ラン科のエピデンドラム属で、多年草です。元はメキシコやブラジルなどの中南米の地域に自生するランです。土の中に根を張って育つ植物とは異なり、樹木や岩の上に根を張ります。このようなランを着生ランと呼びます。

エピデンドラムの花

エピデンドラムの花はまっすぐの茎の上に咲きます。茎の上部は花茎になり、そこに小さい花がいくつも付きます。集合して花がさくので、ボール状に全体が丸い形となり、はなやかになります。花の色は、白、ピンク、黄色、オレンジ、赤で明るい印象があります。

その他の性質

エピデンドラムは株が成長していくと、茎から気根と呼ばれる根が出て、空中に伸びていきます。これは着生ランの性質の一つです。この性質を利用すると、挿し木の要領で比較的簡単に株を増やせます。

エピデンドラムの花言葉

花言葉

花言葉は、「可憐な恋」・「孤高への憧れ」・「判断力」です。花の名前の語源はギリシャ語で、「epi」には「上」という意味が、また「dendron」には「木」という意味があります。

花言葉の由来や意味

花言葉:可憐な恋

エピデンドラムのどの花言葉も、花の姿が由来になっています。エピデンドラムは、小さい花が集まっていて、かわいい見た目ですね。オレンジやピンクなど色も明るくて、これらの様子からは「可憐な恋」の花言葉が連想できます。

花言葉:孤高への憧れ

ちょっとイメージの難しい花言葉です。「孤高への憧れ」は、自然の中で育つエピデンドラムが数メートルも高く茎を伸ばし、その先に集まるように次々花をつけることが由来とされます。小さい花達が憧れているようなイメージかもしれません。

花言葉:判断力

「判断力」の花言葉にはどんな意味があるのでしょうか。ラン科の花には、花の向きが捻じれるものがありますが、エピデンドラムの花は方向が捻じれずまっすぐに向いて咲きます。その姿からあてはめられています。

エピデンドラムの品種について

エピデンドラムの歴史

エピデンドラムは鑑賞するためさかんに交配され、増えた品種は1000種以上にのぼります。原種は数メートルの背丈になり、中南米の熱帯・亜熱帯地域に自生しています。現在栽培されている品種は、鉢花や観葉植物の用途で楽しむため、成長を抑制しています。


エピデンドラム品種の紹介

ラディンカス系

日本でよく出回るのは「リードステムエピデンドラム」の系列交配種です。その中でも「エピデンドラム・ラディンカス」は、主な交配に使用されている原種で、ラディンカス系とも呼ばれます。茎が長く、花色が豊富にあります。

エピデンドラム・シンナバリナム

ラディンカス系の品種よりも株・花ともに大きくなるタイプの、原種の一つです。花色はオレンジです。

ヨーコヨコハマ

印象的な濃いピンク色の花が咲きます。交配種としては古い品種ですが人気があります。

プリンセスバレー・ブライトイエロー

名前の通り、明るい黄色の花が咲く、新しくできた品種です。明るく濁りのない黄色は珍しがられます。

ピーチバレー・ドリームソング

花色が明るいオレンジになる交配種です。株がコンパクトにまとまるので、家庭の鉢植えでも管理が容易な品種です。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ①環境

日当たり

エピデンドラムは日光がよくあたる明るく風通しのよい場所において育てます。しかし、強い直射日光にさらされると、葉が傷み、枯れてしまうので、遮光ネットなどで光の量を調節しましょう。日照時間の長さは花付きに影響します。

温度・環境

エピデンドラムは暖かい地域出身なので、温度15℃以上の場所で育てます。5℃以下になると枯れてしまうため日本では秋(11月ごろ)~冬の間は屋内に取りこみます。気温に合わせて移動できるようにします。真夏30℃以上が続くと休眠するので、日差しの量を調節したり、風通しの良い場所に移動するようにしましょう。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ②植え付け

植え付けの時期

エピデンドラムの植え付けは、寒さが消え暖かくなってきた4~6月に行います。春夏は生長する季節になるので、背が高くなることを考え、ある程度重さがあってしっかりした鉢を選んだほうが安心です。

植え付け方:土の場合

土での植え付けには、水はけの良いものを選びます。購入するなら細かいバークたい肥が適しています。鉢底に切った発泡スチロール片などを置き、排水を良くします。その鉢を準備できたら、根を全体的に覆いつつ、多めの土でしっかり包みます。植え込みが深くなり過ぎない注意が必要です。

植え付け方:苔の場合

苔について


ランの系統の花を植え付ける際の材料として良いものに水苔があります。水苔は水はけと水もちがちょうどよく、ランの栽培に適しています。また、水苔は土よりもやわらかい素材なので、やさしく保護することができて、根を傷めたりしません。根の周囲のpHを調節する機能も持ちます。

苔の使い方

水苔は乾燥してパックされ、園芸店などで購入できます。必要分をビニール袋などに取り分けて、ぬるま湯を加えます。水苔250gに水約1Lの割合にします。一晩くらい置いておくと、水苔がたっぷり水を吸っています。軽くにぎると、水滴がポタポタと落ちるくらいになれば大丈夫です。根の周りを覆い、少し押し付けるようにして鉢に植え付けましょう。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ③植え替え

植え替えの時期

植え替えのペースは、基本的には2年に一度くらいでしょう。植え込んでいる土や苔(培地)が傷んできたときや、根が伸びて鉢にまわり根詰まりを起こしているときも植え替えが必要です。植え替えに適した時期は、植え付けと同じく4~6月ごろです。

植え替え方法

植え替えの際は、まず傷んだ根や古い根を取り除き整理します。新しい土や水苔で培地を作り、根を覆い、鉢にいれます。植え替え直後2週間程度は、全体の水やりを控えて、葉に水を吹きかける程度にし、日陰に近い場所で管理をしましょう。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ④水やり

春・夏の時期

春から夏は、培地の表面が乾いているときにたっぷりと水を与えましょう。特に開花の時期は、培地が乾ききる前に鉢の中が濡れていても、早めに水をやります。エピデンドラムは、着生ランの仲間なのでその性質上、株の途中から空中に向かって気根が多く出てきます。水やりの際には気根の部分にも水をかけるようにしましょう。

秋・冬の時期

晩秋から冬の寒い時期、エピデンドラムは休眠状態になります。この時期は水やりを減らして乾燥気味にして育てます。培地が乾いてから2~3日後に水を与えるようにしましょう。秋冬に屋内に取り込むことになりますが、暖房の風が直接当たる場所だと、葉が乾いてしまう場合があります。霧吹きなどで時々葉に水を吹きかけ、葉の乾燥を防ぐようにしましょう。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ⑤肥料

肥料は、春4~5月に、緩効性肥料を置き肥として与えましょう。油粕を株元に与えてもかまいません。置き肥する場合は鉢の大きさに見合った量にします。また、4~9月の間に1~2週間に一度くらいのペースで液体肥料を与えましょう。市販の液体肥料の倍薄く希釈する方法もありますが、ラン専用の肥料が販売されているので、それを使うのがおすすめです。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ⑥増やし方

挿し木での増やし方

エピデンドラムの増やし方1つめは挿し木です。エピデンドラムは茎の部分から空中に気根(きこん)という根が出てくるので、これを挿し木に利用します。気根のある茎を10~15cm切り取り、水を含んだ水苔に挿し木します。根が出てくるまでは水苔が乾かないように管理します。その後、植え付けと同じように鉢に植え替えます。

株分けでの増やし方

エピデンドラムの増やし方2つめは株分けです。4~6月初めの時期に行います。植え替え時に、傷んだ根を取り除きながら、やさしく根をほぐすようにして株を分けていきます。細かく分けすぎると枯れてしまうので注意しましょう。茎の根本の太くなっている部分(バルブ)が3つ以上残るようにします。

高芽取りでの増やし方

エピデンドラムの増やし方3つめは高芽取りで、挿し木と似た方法です。高芽とは、茎の途中にできた花の芽が開花せず、葉になってしまったもので、気根が出てきます。気根が数センチ伸びたら、挿し木の場合と同じように高芽を外して株として鉢に植え付けます。

エピデンドラムの育て方・手入れのコツ⑦花の管理


花がら摘み

エピデンドラムは花が咲いている時期が長く、3か月以上花が咲き続けることもあります。一つの花がそのまま咲いているのではなく、小さな花が次々と出てきて開花していくので、咲き終わった花の花がらは、その都度取っていくようにしましょう。こまめに手入れを行うことでボール状の花を長く保てます。

花が咲かない場合

温度の調節

エピデンドラムは開花時期が長く、その間は花が次々と付きます。花が咲きにくい場合の原因の一つが温度です。気温が低くなっているのに屋内に取り込んでいない場合は花芽がつきにくくなります。また、常に温度が高い室内で最低温度が20℃以下にならない場合も、丈ばかり伸び、花芽ができなくなるので調節しましょう。

光の調節

エピデンドラムは光を好む植物です。置き場所が暗すぎると花付きが悪くなってしまいます。直射日光は避けなければいけませんが、十分に光が足りているか見直してみましょう。

肥料など

エピデンドラムは洋ランの仲間の中でも、比較的肥料の少なくてすむ種類です。肥料を間違って与えすぎると根を傷める原因となり、株が弱って花が付きにくくなってしまいます。肥料は、規定の量や間隔を守るようにしましょう。

害虫:アブラムシ・カイガラムシ

花や蕾にアブラムシが付きやすいです。少し放置するとあっという間に数が増えてしまうので、大量発生する前に、見つけたらすぐに取り除きます。カイガラムシは風通しが悪くなると発生しやすくなるので置き場所に気を付けましょう。害虫に合わせた市販の駆除剤などを使用してもよいです。

まとめ

出典: https://item.rakuten.co.jp/morimizuki/valentine/?iasid=07rpp_10095___e8-jmms67r6-27-5f15fc17-c18c-4eed-83ee-f50a65a1b631#valentine

いかがでしたか?エピデンドラムは、水やりや植え付けの培地の作り方などポイントを押さえておけば、比較的栽培しやすい花ですね。気根ができやすいというラン科特有の性質も知り、挿し木や高芽取りでの増やし方にも、ぜひ挑戦してみてくださいね。

栽培によく使われる水苔の使い方などについて気になる方はこちらもチェック!

今回ご紹介したように、ラン科の栽培に挑戦する際に初めて水苔を利用するという方も多いのではないでしょうか。水苔の使い方などについて詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてくださいね。