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外来種「カムルチー」とは?その生態や飼育方法を解説!食べられるの?

近年テレビで外来生物の特集が組まれたりと何かと話題になるカムルチーですが、実は古くから日本では別の名前でも知られており、近い種類が熱帯魚屋で販売されていることもあるので、見覚えのある人も多いかも知れません。今回はそんなカムルチーについて詳しく解説いたします。
2020年8月27日
HI-D
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カムルチーと言えば

皆さんはカムルチーという魚をご存知でしょうか?実は釣り番組にもよく登場し、YouTubeなどを探すとカムルチーを釣り、調理して感想を説明する動画などもみられます。料理サイトにレシピが載っていたりと、実は食べられる事も多いのです。飼育情報も多くみられますが、要注意外来生物なだけで特定外来生物には指定されていないので問題ありません。

カムルチーは雷魚の一種

カムルチーは実は雷魚とも呼ばれ、釣りのターゲットとして昔から人気です。雷魚というとほとんどがこのカムルチーを指す言葉ですが、実は他にもタイワンドジョウやコウタイと呼ばれる近縁種が日本に帰化しており、外来種として知られています。この中ではカムルチーが最も大きく、タイワンドジョウと外見がよく似ています。

タイワンドジョウ

カムルチーにぱっと見がよく似ていますが、より小型でずんぐりむっくりとしており、地色がやや薄いので見分けられます。食性や習性はカムルチーに似ており、カエルを捕食する事もあります。沖縄県、香川県、和歌山県、兵庫県に定着している外来種ですが、ハワイやマダガスカルにも定着しているようです。カムルチーとの雑種も見られるので、カムルチーの小型亜種である可能性もあります。

コウタイ

ナマズのような風貌ですが、白銀色の美しい斑点が特徴でキャリコスネークヘッドの名前で観賞魚として販売されることもあります。外来種ですが、沖縄や関西に局所的にわずかな個体が生息するのみでそれほど多くはみられません。しかし一度に1000個もの卵を産むため何かの拍子で大発生する可能性があります。

カムルチーの釣り方

カムルチーは大型肉食魚なので、生きた魚を餌にするか、ルアーで釣ることができます。特に釣り人にはルアーフィッシングのターゲットとして人気です。というのも普通のルアーだけでなく、カエル型のルアーにもよく反応するので水面でのアクションがど迫力なためです。しかし、引きが強いというよりはタイヤのように重いといった様な釣り感の魚です。

スピニングならドラグ調整が必要

スピニングリールを使う場合は糸が引っ張られたら切れる前に糸が出るように調整しておかなければいけません。つまり糸の張力の限界が来る前に糸が出るようにしておくことで、急な勢いで魚に引っ張られた場合に糸が切れることがなくなります。方法は簡単で、引っ張っても糸がでなくなるくらいにまでまずドラグを締め、次に引っ張るとギリギリ糸が出る程度までドラグを緩めます。ただし、竿に糸が通ってる場合と通ってない場合だとかかる力が違うので、一度竿に糸を通して調整すると良いでしょう。

カムルチーの食べ方


釣り上げたカムルチーの食べ方ですが、クセの無い魚なので様々な食べ方ができます。ムニエルや生姜焼きのような食べ方から、蒸してサラダに入れるなど様々な食べ方にとても良く合います。ブラックバスやブルーギルなど他の外来種よりも肉質がしっかりしているので、天ぷらなどの衣をつける食べ方よりも焼いたり蒸したり、魚そのものを味わえる食べ方が向いていると思います。

外来種は食べられるものが多い

カムルチーだけでなく、外来種の多くは食用にするために持ち込まれたものが多いです。青魚やレンギョは食用に有名ですが、ブルーギルに至っては今上天皇が皇太子時代に日本に持ち込み、食用として期待されて各地に放流された話は有名です。ブラックバスも食用になるので外来魚には食用になるものがほとんどです。

カムルチーの捌き方

カムルチーは力が強い魚なので、骨が強く捌くのにコツがいります。調理前にまずまな板の下に湿らせた布を敷き、滑らないようにします。魚を捌く前にヌメリをよく落とします。準備が出来たら頭を落とし、鱗とはらわたをとり、一度水洗いします。次に魚体の中心線に切れ目をまっすぐいれ、腹、背、背、腹の順に作どっていく5枚おろしにすると良いでしょう。なぜなら中心部に堅い骨が伸びているので大名おろしには向かないからです。

大名おろしとは

魚は中骨の先端が肉に食い込んでいますが、それを気にせずに3枚にまっすぐおろす方法を大名おろしと呼びます。簡単に3枚おろしにできるので多くの人が用いる手法ですが、中骨に身が多くついてしまい分止まりが悪いので料理人はアジやイワシなどの小魚以外に使う事はありません。

カムルチーの調理

カムルチーは皮が硬いので皮を引いて調理します。様々なレシピや食べ方がありますが、日本に外来種として入ってきているカムルチーは中国亜種なので、中華料理などにしても良いかも知れません。レシピによってはイタリアンやフレンチなどにも使えますし、味が良いので雷魚だと言われなければ鶏肉の様な味にも感じます。淡泊なので味の濃い料理にも良く合います。

カムルチーのレシピ:焼き料理

カムルチーは焼き料理に良く合います。塩胡椒を振って小麦粉をまぶし、バターで焼くだけでフランス料理のムニエルになりますし、焼いたカムルチーに、酢6:醤油5:砂糖3で合わせた甘酢をかければ南蛮料理風に、甘酢でといた片栗粉を加熱したあんかけをかければ甘酢あんかけになります。塩焼きにして醤油を付けて和風料理にしても良いかも知れません。

カムルチーのレシピ:蒸し料理


カムルチーは肉質が良いので蒸し料理のレシピにも利用出来ます。蒸したカムルチーに、醤油5:砂糖3:梅肉:5で合わせたソースを絡めるだけでちょっとした梅肉味のおつまみレシピになりますし、蒸した身をほぐしてサラダにのせてドレッシングをかければ洋風のレシピになります。ドレッシングは生卵、白ワインヴィネガー、砂糖、ニンニク、塩を合わせたドレッシングか、シーザードレッシング味に良く合います。

調理時の注意点

カムルチーは釣りのターゲットとして有名なので、キャッチアンドリリースされている個体も少なくありません。そのため、調理のはじめにはらわたを取り出す際、お腹の中に釣り針やルアーが見られる場合があります。手に刺さるとなかなか抜けないので注意しましょう。また、調理前にもヤスリ状の歯と鋭い牙を持つため咬まれないように注意した方が賢明です。調理中は骨で手を切る場合があります。味が良いのですがやや危険な魚ではありますね。

カムルチーの飼育

外来種ではありますが、カムルチーの飼育は可能です。ただし、カムルチーよりも外来種として有名なブラックバスやブルーギル、ウシガエルなどは特定外来生物に指定されているため、捕獲しても飼育は認められません。ブラックバスは黒鯛に似た味で、ブルーギルはキスに似た味なので食べてしまっても良いかも知れません。カムルチーは飼育が楽な肉食魚ですが大型になるのが注意点です。

カムルチーは観賞魚の仲間

実はカムルチーは観賞魚の仲間で、スネークヘッドと呼ばれる種類の一種です。レインボースネークヘッド、レッドスネークヘッド、ドワーフスネークヘッド、アーモンドスネークヘッドそれからフラワートーマンと呼ばれるオセレイトスネークヘッドなどが有名です。この仲間は賢く、人間に慣れ餌をねだる事もするので人気があります。小型種から大型種までいるのでライフスタイルに合わせて選ぶのが良いでしょう。

レインボースネークヘッド

インド原産の小型で15センチほどの種類です。複数の個体を一緒に飼育することも可能ですが、縄張り意識が強いためシェルターが多めに必要です。人に良くなれるのでペットとしてとても人気がありますが、美しい色合いの魚が多いので観賞魚としても優れています。

レッドスネークヘッド

東南アジア原産で最大130センチにもなる種類です。幼魚のうちは赤いラインが入りますが成魚になるとコバルトブルーに変化します。紋様が緑色に輝くのでダンディな雰囲気の魚体になります。カムルチーよりも巨体になるので外来種として猛威を振るう可能性があり、絶対に野外放流してはいけません。

ドワーフスネークヘッド

ドワーフスネークヘッドはインド原産でレインボースネークヘッドに近い種類です。広い地域のに分布しているためか色彩変異が大きく採集場所により柄や色が異なることが多いです。18~20センチにしかならない小型種です。ひれに派手な色があるくらいですっきりとした見た目なので、レインボースネークヘッドでは派手すぎるという人にオススメです。


アーモンドスネークヘッド

インドネシア原産で40センチほどの中型です。丈夫でおとなしい飼育しやすい種類ですが、寒さに非常に弱く20度以上の水温が必要です。よく泳ぐ種類なので大型の水槽だと安心です。エビやザリガニなど甲殻類を好むのでクリルに餌付けすると良いでしょう。

カムルチーの餌

カムルチーは肉食魚ですが餌付けにより人工餌も食べる様になります。3日餌を抜いて人工餌を水に浮かべると食べてくれるという話もありますが、スネークヘッドの餌付けに慣れた人でないと難しいかも知れません。基本的には動くものを食べるので、魚、エビ、カエルなどが良い餌になります。慣れてくると手に飛びかかって来たりもするので気をつけてください。人工餌はアロワナやナマズ用のもので問題ありません。

ひかりクレストシリーズ

栄養バランスがよく、大型肉食魚用飼料の定番にひかりクレストシリーズがあります。小粒で沈下性のひかりミニキャット、大粒タイプのひかりクレストビックキャット、食いつきを追及したというひかりクレストカーニバル、赤系色素をとりいれたクレストフリークレッドバル、水質が悪くなりにくいクレストフリークボトムズなどがありますが、カムルチーにはひかりクレストカーニバルが最適かと思います。

カムルチー飼育の注意点

まず大きくなると90センチを越えると言うことと、肉食魚であるため他の魚との混泳ができないということ。そして何より問題になるのが水面をジャンプすることが多いと言うことです。ドジョウと同様に空気呼吸が出来るので少々の時間であれば問題ありませんが、やはりそれが原因で命を落とすことが多い魚です。飼育には容器の蓋を頑丈にするか、大きい池などがあると良いでしょう。空気呼吸ができるので水質汚染に強いですが、空気呼吸が出来なくなると窒息死します。

まとめ

食用にも観賞魚にもなるカムルチーですが、ブルーギルやブラックバスなどの広範囲に繁栄している外来種と共通する特徴が一つあります。それは生まれた子供たちを親が守ることです。日本の淡水魚にはほとんど見られない特徴です。飼育すると人によく慣れ近寄ってくる様にもなるので、もしかすると愛情深い魚なのかも知れません。