検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

モッコクの特徴や育て方は?剪定の時期や方法、手入れまで徹底解説!

モッコクは「庭木の王様」として知られる美しい樹木です。成長速度がゆるやかでお手入れの手間も少ないモッコクは夏になると可愛らしい花を咲かせ、秋には紅色の麗しい実を結びます。モッコクとはどのような樹木なのか、その特徴や育て方、剪定の方法まで全て解説します!
2020年8月27日
石倉
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

【送料無料】 赤玉土 20L 2袋(40L) 小粒 プロも使う型崩れしにくい赤玉土です 植木鉢 鉢 バラ ばら 薔薇 園芸 庭 ガーデニング【smtb-TD】【saitama】 【あす楽対応_関東】

【1年間枯れ保証】【街路樹&公園樹】モッコク 0.6m15cmポット 【あす楽対応】

【大和】肥料 技 醗酵油かす【大粒 2kg】

はじめに

庭木は自宅の「顔」となる木

自宅の庭に植えられる木は、その家の雰囲気やカラーを決める重要な要素です。この植物はそんな庭木として植えられる樹木のなかでも特に人気があります。美しい樹形と四季折々で花や実を付けてくれる面白さがモッコクの人気の理由です。

モッコクはお手入れも簡単

「庭木なんて育て方が難しそう…」と戸惑う方もいることでしょう。ただ、心配はご無用です。モッコクはゆっくりと成長する植物で、お手入れも簡単なので育て方さえ正確に知っておけば初心者でも問題なく栽培できます。今回は「モッコクをこれから育ててみたい!」という方に向けて、特徴や育て方を全て解説していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

モッコクとは?

モッコクってどんな樹木なの?

分類 ツツジ目モッコク科モッコク属
学名 Ternstroemia gymnanthera/Ternstroemia japonica
英名 Japanese cleyera/Japanese ternstroemia
モッコク(木斛)は独自の分類項目を持ち、常緑性の美麗な樹形に成長する樹木です。また、庭木として利用するのなら葉の形状も樹形と同様に重要ですが、この植物の葉は光沢がありとても見栄えがよいのでおすすめです。

モッコクは「庭木の王様」

この植物を称する言葉として「庭木の王様」というものがあります。この樹木は古くは江戸の時代から「優秀な庭木である」と目を付けられていた存在です。「江戸五木」というカテゴリーの一つに数えられ、多くの武家屋敷で栽培されてきました。

モッコクの分布

モッコクは日本の風土に適した性質をそなえており、本州を中心に九州や沖縄にまで広く自生しています。ただ、寒風には弱く気温が低い場所には生育できません。日本以外でも台湾や朝鮮半島、中国をはじめ広く東南アジアやインドにまで分布している樹木です。

モッコクと人との関係

お手入れが簡単で成長速度もゆるやかなので剪定の手間もそこまでかからず綺麗な樹形に成長するため庭木として古くから利用されています。さらに、庭木以外でも適度な硬さと質感のある樹木は工芸品などの材料にも利用され、他にも樹皮は湯で煮込んで染料を抽出するなどさまざまな形で人の生活を支えてきました。

モッコクの特徴

モッコクの形態

モッコクは成熟した個体では樹の高さが最大で15メートルほどにまで伸び、幹の直径は80センチを超えます。ただ、平均的な個体の場合ではそれほどの大樹にまで成長はせず、おおよそ樹高にして6メートルほどの大きさで止まりますが、庭先で管理する場合には「それだけ大きく成長できる樹木である」ということを認知しておきましょう。

モッコクの樹形に見えられる特徴

モッコクは幹を直立に伸ばし、上部に向かうにつれて扇のように枝を広げる樹形に成長します。皮は目が多く、灰色と茶色を混ぜた淡い色合いをしているのが特徴です。

モッコクの葉に見える特徴

モッコクの葉は枝に互い違いに生えるのが特徴です。葉の全長は6センチ前後で、卵をひっくり返したような形状をしています。厚みがあり、葉の表面に薄っすらと光沢が見えるのも特徴的です。この葉は太陽光をたっぷりと浴びせると紅く色づき、庭木として植えた場合にはよいアクセントとなってくれます。

モッコクの花に見える特徴

モッコクの花は芳しい香りを周囲に漂わせます。この特徴も、モッコクが庭木として広く愛されている理由の一つです。花の大きさは2センチ程度で色は淡く黄色みがかった白色をしています。この花は、時期になると葉が生えている付近に咲き始めます。


モッコクの開花時期とは?

モッコクの開花時期は夏です。時期にして7月前後のころになると、モッコクは枝先に花を咲かせます。

モッコクの種子に見える特徴

開花の時期を過ぎると、モッコクは果実を結びます。時期にして9月から10月の秋になれば、枝先に複数の実を確認できるでしょう。この実の皮は厚みがあり、熟するとパクリと割れます。実の内部にある種子は綺麗な紅色をしておりモッコクの樹形に絶妙にマッチして庭木としての美しさを際立たせるのです。

紅い実から「アカミツキ」の別名でも呼ばれる

秋の時期になると結ばれるこの紅い実があまりに美しいために、モッコクは「アカミツキ」という別名が付けられました。この果実はヤマセミやカワセミなどの野鳥などにも愛されています。モッコクを庭に植えて上手に手入れをしてあげれば、これらの美しい野鳥を自宅で観賞できるかもしれませんね。

モッコクの花言葉

花言葉は「人情家」

この樹木の花言葉は「人情家」です。人情家とは、人との縁を大事にする者を評する言葉ですね。もともとモッコクは縁起がよい植物として広く知られている樹木であり、モッコクという名前も「(縁を)持つ濃く」という意味が込められているというのが通説です。

花の咲く姿は「あたたかい心をもつ人」に例えられる

まるで首を垂れて涙をこぼすようにクリーム色の花弁を傾ける咲き姿は、友の悲しみに肩を貸して一緒に頬を濡らす姿のようだとよく例えられます。江戸の時代から名木として認知され、多くの武士らの邸宅にて栽培されていたこの樹木。義理と人情を重要視する武士道に通ずる庭木なのです。

モッコクの育て方①:管理場所

モッコクは庭の中央に植える

モッコクは頑丈な性質を持っている植物です。そのため、管理場所はある程度の融通がききます。ただ、耐寒性はそこまで強くないので寒波がきつい土地で栽培するには向きません。管理場所として最適なのは、庭の端よりも中央の風や日差しが安定している場所です。

寒波にあたると枯れる原因になる

庭木には、風通しがよい場所で管理した方がよい品種もありますが、この樹木はむしろある程度、風が遮られるような環境で管理した方がよく成長します。前述したように耐寒性が弱いので冬の冷たい北風が直接あたるような場所で栽培すると、最悪枯れる原因にもなりますので周囲に塀や他の樹木があるような場所で管理するとよいでしょう。

暖かい場所を好むが強すぎる太陽光は逆効果

また、太陽光についても日中のほとんどの時間照らされるような場所で管理すると葉が変色しすぎてモッコクの生育が悪くなる原因になります。そのため、目安としては日照時間の半分程度の割合で太陽光があたるような場所で管理するのがおすすめです。

モッコクの育て方②:種まき・植え付け

モッコクの種は市販されていない

一般的に、モッコクの種は市販されていません。基本的には後述する苗の状態から植え付ける方法で栽培を開始するわけですが、モッコクは広く山野に自生している樹木です。そのため実や種を入手することも他の庭木より比較的容易ですので、今回は種まきで栽培を開始する方法も簡単にご紹介します。

種からモッコクを育てる場合には時間を要する

この樹木の種は11月前後の時期に採取できます。この種は、時間を置いて乾燥させてしまうと発芽能力が弱くなり生育不良を起こして枯れる原因になりますので、採取後にはすぐに種まきをするようにしましょう。種からモッコクを栽培する場合には、60センチほどの樹高にまで成長するのに5年から6年ほどの歳月を要しますので、じっくりと腰を据えて栽培したい方ならおすすめです。


モッコクの植え付けに最適な時期とは?

モッコクは春から秋口にかけて植え付けできます。時期にすると4月から9月までの間に植え付け作業を行いましょう。やはり、寒さに弱いので秋でも早めに寒波が訪れた場合には、庭に地植えするのは避けた方が無難です。苗の状態で寒さに当てられると枯れることもあるので、気温が微妙な場合には鉢植えで栽培を開始し、春になってから庭に植えましょう。

モッコクは雌雄異株

モッコクは雌株と雄株の区別がある樹木です。そのため、苗を購入する際にはその株が雌なのか、それとも雄なのかを確認するようにしましょう。雄株では、モッコクの魅力の一つである紅い実は付きません。

モッコクの植え付け手順

庭に植える場合には、苗の大きさよりも3割ほど広く深い穴を用意しましょう。その穴を含めた周囲の土をよくクワなどでほぐしてからモッコクの苗を植えていきます。そこに後述する用土をしっかりと被せれば植え付けは完了です。鉢植えで栽培する場合には、苗よりも少し大きめの鉢を用意してそこに植え付けていきます。

倒木して枯れるのを防ぐために支柱を立てる

モッコクは苗の状態で市販されているのが一般的ですが、まだ若い苗のまま植え付けた場合には風や振動などで倒木する可能性があります。倒木した状態で時間を置きますと枯れる原因になるので、あらかじめ支柱を立てておき、苗が倒れるのを防ぎましょう。

【1年間枯れ保証】【街路樹&公園樹】モッコク 0.6m15cmポット 【あす楽対応】

モッコクの育て方③:土作り・水やり

モッコクを栽培するのに最適な土とは?

モッコクは栄養豊富な粘りのある土壌を好んでいます。ただ、完全に粘土質の土壌では保水性が高すぎて過剰に根に水が供給されてしまい、根が腐敗して枯れる原因になるため、水はけも考慮した土作りを行う必要があります。

モッコク栽培におすすめの用土

保水性や水はけのバランスがよい赤玉土の小粒と、栄養豊富で適度に粘りのある堆肥をブレンドして土作りをするのがよいでしょう。庭に植える場合にはもともとあった土壌に、堆肥を4割程度混ぜて土を作るのがおすすめです。堆肥がなければ市販されている腐葉土などで代用できます。

【送料無料】 赤玉土 20L 2袋(40L) 小粒 プロも使う型崩れしにくい赤玉土です 植木鉢 鉢 バラ ばら 薔薇 園芸 庭 ガーデニング【smtb-TD】【saitama】 【あす楽対応_関東】

水やりの頻度は天候による

モッコクは基本的に湿り気のある土壌で根を張る植物です。特に鉢植えで栽培する場合には乾燥しやすいため、土の表面が白く乾燥してきたなら十分な量の水を与えましょう。ただし、庭に植える場合には自然の雨や湿度などで十分に水分を確保できます。過剰な水やりは病気の原因になるので、日照りが続くなどの偏った天候が続いたときだけ水やりを行うようにしましょう。

モッコクの育て方④:肥料・剪定

モッコクに肥料を与えるのなら

基本的に肥料は不要です。ただ、もしも葉の茂り方や花の数が少ないなと感じたり、元気がないように見えたりする場合には園芸用の油糟や、ゆっくりと効果を発揮する遅効性の肥料を2月から3月の間に与えるようにしましょう。

【大和】肥料 技 醗酵油かす【大粒 2kg】

モッコクの剪定に最適な時期とは?

成長速度がゆるやかでお手入れの頻度も少なくすむのがこの植物の魅力でもありますが、それでもやはり定期的に剪定を行って樹形を整えておけば、より美しい樹形を保てます。モッコクの剪定を行うのに最適な時期は年に2回あります。それは6月前後と11月前後です。剪定はこの時期に年2回行いましょう。

剪定の手順

モッコクは新しく芽を出す力が他の庭木に比べて強くないので、剪定のやりすぎは樹木自体の生命力を弱らせてしまいます。そのため、剪定は古くなって変色した葉を取り除いたり、枝同士で絡んだものを切り払ったり、3本に分かれている枝の中央を切断したりといった程度で十分です。目安として、枝や葉を除去した後で樹木の反対側が透けて見える状態にまで剪定を行えば、それ以上手を入れる必要はありません。

剪定を怠ると病気や害虫が発生する原因に

モッコクは剪定などのお手入れの頻度が少ないことで知られる樹木ですが、剪定を全くしないままにしておくと枝や葉で樹木上部の密度が高まり蒸れて病気や害虫が発生しやすい環境に陥ります。最悪の場合枯れることもあるので最低でも年1回は剪定をして樹形を整えるようにしてください。


モッコクの育て方⑤:病気・害虫

モッコクに発生する病気「すす病」

モッコクの枝や葉の表面がまるで「煤(すす)」がかかったような状態に変色する病気です。この病気にかかった箇所は再生しませんので早めに除去しましょう。この病気の原因はカビです。この病気を発生させるカビは害虫の糞を好物にして繁殖するため、もしも樹木に害虫の姿を確認したならば、はやめに薬剤などを散布してください。

モッコクに発生する害虫「ハマキムシ」

名前のとおり、糸を生成して葉をまるで葉巻のように巻き合わせ食べてしまう害虫です。夏の蒸れる時期に大量に発生することが多いので、やはり剪定をしっかりと行って樹木の通気性をよくしておくのが大切です。一度発生すると駆除するまでに時間を要するケースが多いので特に夏の時期は葉が食われていないかを注意深くチェックしましょう。

モッコクを挿し木で増やそう!

挿し木に最適な時期とは?

挿し木は、同じ性質の株を増やせるおすすめの手段です。モッコクは種まきの方法でも株を増やせますが雌雄どちらの株となるかは完全にランダムで、さらに成長にも時間を要するので挿し木で増やすのがよいでしょう。モッコクの挿し木は4月から10月まで行えます。

挿し木のポイント

挿し木は剪定で出た枝を使用して行いましょう。初心者が挿し木を行う場合には、失敗することも多いので1本のみではなく10本以上まとめて行うのがおすすめです。

まとめ

モッコクはお手入れ簡単な庭木の王様

美しい樹形の庭木はたくさんありますが、そのなかでもモッコクはお手入れが簡単で四季折々の変化を楽しめるので特にのんびりとガーデニングを楽しみたい方におすすめの植物です。もしも庭木をどれにしようかと悩んでいる方がいれば、「庭木の王様」と称されるモッコクを選ばれてはいかがでしょうか。

シンボルツリーについて知りたい方はこちらもチェック!

庭木として植えられる樹木のなかでもそのご家庭を象徴するシンボルツリーとなりえるものは数が限られています。モッコク以外にもユニークで美麗な樹木についてまとめたおすすめの記事をいくつかピックアップしておきましたので是非ご覧ください。