検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

まるで大トロ!「アブラボウズ」とは?釣り方やおすすめの食べ方をご紹介!

日本の深海に潜むアブラボウズを知っていますか?一般には滅多に目にする機会があまりなく、ふてぶてしい顔つきですが、刺身は大トロ級で高級魚のひとつと知られます。旬の時期の釣りも料理も、色んな意味でアブラボウズを試したい方、必見です。
2020年8月27日
はぐれ猫
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

アブラボウズの正体

また見たことも、食べたこともない人が多そうなアブラボウズ。その正体を知ると、ちょっとえーっ?と思ってしまうかもしれませんよ。

アブラボウズの大きさ

アブラボウズは大きくなると180センチを越え、体重は90キロを超えるものが現れます。個体によってはまさにマグロにも匹敵し、ヘビー級、力士級な大きさとも言える魚なのです。

アブラボウズの外見

アブラボウズのボディは、若い頃は白い模様の色が目立っていますが、大きくなるとだんだん落ち着き払うのか、灰色の模様に代わります。顔つきはかなり太めなずんぐり型。顔の半分がくちびるのようで、メガマウスの親類か、とツッコミたくなるほど特徴的です。

巨大なカサゴみたいなもの

何の魚の仲間なのかと思ってしまいますが、実はこのアブラボウズ、カサゴ目ということで、カサゴの仲間なのです。言われて見れば確かにカサゴの顔つきとそっくりです。カサゴなのに、とんでもない太っちょの大ボスに進化してしまったのですね。

アブラボウズの名前

ところでアブラボウズが、どうしてアブラの坊主という油ギッシュな名前が付いてしまったのか、この理由をご存知ですか。

脂が乗ってるからアブラボウズ

アブラボウズはたいへん脂がよく乗っている魚で、刺身にすれば大トロ級と言われるのもそのためです。深海に適応するため、体脂肪率を40%にまで高める進化を遂げたのです。焼いてみれば、脂がじゅわっと溢れて火がつくほど。だからこそアブラボウズなのです。

アブラボウズの別名

一般にはアブラボウズと呼ばれていますが、東日本の太平洋側では、呼び名が異なっています。神奈川から静岡にかけては昔からオシツケ、オッツケと呼ばれています。おっつけるとは相撲用語であり、アブラボウズは体型同様、力士に関係するようです。

アブラボウズはどこにいる?

ちょっと魅力的に見えてきたアブラボウズ、日本近海では、いったいどこらへんで多い魚なのか、知っていますか。

相模湾ではちょっと知られた魚

相模湾から伊豆大島の近海にかけて、アブラボウズが釣れた情報が、SNSにも度々登場しています。銚子漁港や小田原漁港など、南関東の漁港では時々水揚げが期待できる魚です。

とくに神奈川県の小田原市では、アブラボウズを小田原の特産魚として、日々売出しを図っています。町のスーパーでも普通に売っているほどです。

深海域に生息している

相模湾は湘南の砂浜から遠浅に広がりますが、相模トラフの最深部は、500mから1,500mほどの深さがあります。日本近海では、かなり深めな海なのです。アブラボウズは500mより深い、付近の岩場を好んで生息しています。彼らは、水深1,000mを超える深海まで潜るといいます。

じつは北太平洋の深海に広く分布

アブラボウズは、英語圏ではSkilfishという名前で知られます。実はこの魚、日本周辺の深海のみならず、北太平洋の深海の岩場ならば、意外と広範囲に生息しています。


アブラボウズのクエ偽装問題

クエという大型の魚とよく似ているのがアブラボウズです。そのために昔から、偽装販売が絶えなかったわけなのです。一体どうしてクエに偽装されてしまうのでしょう。

高級魚クエに偽装し儲けたい魂胆

クエと言えば超高級魚として有名で、特に関西地方の高級料理屋や料亭などで、クエ料理が登場することがあります。クエに似ていて美味しく、クエより安価なのがアブラボウズです。だからクエだから食えと売りつけ、儲ける魂胆の業者や料理店が、これまでに度々登場して問題となっていました。

共通点と違い

ハタ科のクエと、カサゴ目ギンダラ科のアブラボウズは、確かに巨体でずんぐりとし、口が大きいといったところで共通点があります。しかしよく見ればクエは口先が尖って背びれがギザギザと目立つのに対し、アブラボウズは口先が丸みを帯びています。ヒレの形状も違っているようです。

アブラボウズの釣り

アブラボウズはエサ釣りでも、スロージギングでも狙っていける魚です。釣るためにはまず道具を揃えて、船の予約もしないといけません。

基本的に船釣り

もしアブラボウズを釣りたいとなったら、磯釣りは不可能です。神奈川県や静岡県の釣り船に乗って、アブラボウズを狙うのが基本です。特に相模湾の釣り船では、アブラボウズの釣果が上がっています。

アブラボウズ釣りの旬な時期

船釣りでアブラボウズの旬な時期は、海水も冷たい1月から3月にかけてです。この旬な時期は産卵シーズンを迎えています。そのため普段より浅めな、水深400メートル前後まで生息域を移動させているので、ヒットしやすいというわけです。しかし旬とは関係なく、1年を通じて釣果が期待されます。

アブラボウズのルアー釣り

アブラボウズのスロージギングの場合、ディープジギング用のロッド、ベイトリールが必要です。道糸はPE3~4号の1,200mが好ましいです。メタルジグは700~1000gのものを用いますが、深海でも光を受けて、キラキラと光るタイプにします。

アブラボウズのエサ釣り

深場根魚用のロッド、それに大型の電動リールが基本です。道糸はPE3~4号で1,200メートルのもの、仕掛けは赤色LEDランプを用いたものです。重りは捨て糸の先に、2キロ程度のものを取り付けます。エサはスルメイカなどイカが好まれます。

アブラボウズをヒットさせるには

釣りはアブラボウズが泳ぐ、海底の岩場付近を狙いますが、魚群探知機には映らないようです。経験の長い船長が、釣りポイントや釣り方についてアドバイスをくれるはずです。ルアーは海底面から10メートル間で、ゆっくり上下動を繰り返す動きを付けるのが基本です。

アブラボウズの味

まだ未体験な人も多いというアブラボウズ、一体どんな味をしているのか想像することができますか。

味はギンダラに似ている

クエとまで行かなくても、高級魚として取引されるのがアブラボウズです。その理由は、柔らかく甘みがあって美味だから。カサゴ目ギンダラ科なだけあり、ギンダラに似た味と評されます。

白身の成分はグリセリドが多い

脂質40%で実にあぶらっこいアブラボウズですが、食べまくることには若干危険性があります。アブラボウズの身の脂は不飽和オレイン酸のグリセリドという種類が大部分です。昔からあまりに多く食べると、お腹を壊してしまう魚と言われているのです。


肝臓は食べられるけれど・・・

アブラボウズを捌くと、どうしてもキモ(肝臓)に目が行ってしまいます。他の魚と同様に、アブラボウズのキモを煮て食べる人もいるようです。しかしアブラボウズの肝臓はまさに脂肪肝なわけではないですが、脂質が多くてお腹をこわす可能性があるため、食べない人のほうが多いようです。

アブラボウズの捌き方

捌き方は料理人によって異なっているようです。アブラボウズの調理前の、代表的な捌き方をご紹介します。

頭と内蔵を取り三枚におろす手法

基本的には腹を裂き、内蔵を全て取り除くと同時に頭を落とし、血合いを切って洗い、三枚におろす手順でも構いません。大きな魚なので三枚におろす調理は一苦労です。三枚におろしたあと、刺身にするなら全体の皮を削ぎ落とすようにします。

全体の皮を最初に削ぎ落とす手法

アブラボウズを刺身として食べるなら、最初に頭の方まで含め、全体の皮を削ぎ落とす捌き方があります。これは三枚におろしてから皮をむく調理の面倒を、なくすことができる方法です。その後に内蔵と頭を分離して、三枚におろす過程は同じです。

アブラボウズのおすすめ食べ方①

アブラボウズの刺身

大トロにも似た食感と言われているのが、アブラボウズの刺身です。綺麗な白身魚で、アブラボウズの純粋な味覚が待っています。旬の新鮮なアブラボウズが入手できたなら、まずは刺身として味わってみてください。

小型のアブラボウズが美味しい

アブラボウズは、ただ巨大なら良いというわけじゃありません。あまり大きすぎても解体に困ったりします。一番の理由は、大きいものより10キロほどの小型なアブラボウズのほうが、身が美味しいという現実です。釣りの時、もし小型が釣れた時も盛大に喜んでください。

刺身のレシピ

アブラボウズの刺身の調理は簡単です。三枚におろしたアブラボウズの切り身は、適当な大きさに切り分けます。やや厚めに切るのが、美味しく食べるポイントです。わさび醤油、生姜醤油などで味わいます。

アブラボウズのおすすめ食べ方②

アブラボウズの寿司

三枚におろしたならば、いっそのこと寿司の食べ方にしてしまっても構いません。旬なアブラボウズの寿司は、ちまたのお寿司屋さんでも滅多に味わえない贅沢な料理です。

アブラボウズの寿司のレシピ

アブラボウズは三枚にしたものを用意し、寿司として最適な大きさに切り分けます。酢飯を作ったら、アブラボウズの身を握りやすい大きさに切り分け、しゃりの上に乗せて軽く握れば完成です。お好みでわさびを乗せていただきます。

アブラボウズのおすすめ食べ方③

アブラボウズの塩焼き

簡単な焼き物にして旬のアブラボウズを食べるなら、塩焼きの食べ方がベスト。塩焼きならばレシピも単純なので、あとは白いご飯や味噌汁などを用意したら、和の食卓も完璧です。

アブラボウズの塩焼きのレシピ

まずアブラボウズの下ごしらえでは、皮を削ぎ落としても、削ぎ落とさなくても構いません。アブラボウズの身を、食べる分だけ切り分け、塩をまぶします。炭火焼きにすると脂が大量に落ちて大変なことになるので、屋内ではグリルを使うのがおすすめです。全体にカリッと焼き色が付けば完成です。


カブト焼きも行ける

頭の部分にも身が詰まっているのがアブラボウズ。だから兜焼きにしてみてもいいのです。まず調理では切断した頭部を用意、真っ二つに割いてよく洗います。塩をまぶし、そのままグリルに投入します。綺麗な焼き加減になったら、兜焼きの出来上がり。

アブラボウズのおすすめ食べ方④

アブラボウズの味噌漬け

保存食にもなる、アブラボウズの味噌漬けの食べ方も行ってみましょう。味噌漬けに調理することにより、冷凍保管で1ヶ月は鮮度を保つことが出来ます。味噌の味が染みたアブラボウズの身を焼けば、ごはんに乗せて食べたくなります。

アブラボウズの味噌漬けの材料

料理に使うのは三枚におろしたアブラボウズのほか、味噌、酒、みりん、さとう、山椒、かつおだしを用意します。味噌のレシピでは、赤味噌、白味噌、辛味噌などお好みでブレンドしてもよいです。

合わせ味噌のレシピ

味噌など全ての材料を混ぜ、合わせ味噌を作るところから調理が始まります。まず味噌に酒とみりんを入れてまろやかにしてから、他の材料を投入してください。味見をしながら、味噌の程よい味を作り上げます。

長期保存の味噌漬けのレシピ

日持ちさせる場合のレシピです。タッパーなどの容器に味噌を広げ、そこにアブラボウズの切り身を置きます。さらに身の上にも味噌をかぶせたら蓋を閉じます。タッパー内にラップを敷いて、全体をラップで包み込むように調理しても良いです。

食べる時には洗わずに、表面の味噌をやや落として、グリルにて焼きます。表面の味噌が焦げる程度になったら完成です。

すぐ食べる味噌漬けのレシピ

すぐに味噌漬け焼きを食べたい場合です。合わせ味噌少量をアブラボウズの両面全体に塗り、ラップやパックで包み込んで、2~3日冷蔵庫で寝かせます。食べる時はパックから出し、合わせ味噌が付いたままグリルで焼いてください。

アブラボウズ狙ってみたい

アブラボウズのことを知って、もう釣りに行きたい気分が湧いてきませんか?船釣りでは釣りごたえが十分であり、刺身や寿司や焼き物の料理として、高級な食材になるなんて、恵まれすぎています。とりあえず今度の船釣りは、アブラボウズで決定です。

深海が気になる方はこちらもチェック!