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磯釣りの王者「メジナ」とは?その生態と旬の時期を解説!実は美味しい?

外見は美しい色のメジナですが美味しい魚ではないと思っていませんか?メジナの生態について知る時「実は美味しい魚!」といわれる理由が見えてきます。メジナの美味しさは調理方法ではなくメジナに隠されていたのです。そのカギは〇〇を見極めることでした!
2020年8月27日
KERA
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目次

メジナとは?

メジナの分類

メジナは海水魚です。スズキ目メジナ科メジナ属に属しています。フナのような体つきをした魚で、背面は黒でうっすらと青みがかっており、腹面は白いのが特徴です。釣り人に人気が高い魚で「グレ」という通称で通っています。庶民の間ではそれほど有名な魚ではなく、食卓に上ることが少ない魚です。

メジナの種類

国内ではクチブトメジナ、オナガメジナ、オキナメジナの3種類のメジナに分類でされています。この3種類は非常によく似ています。磯で釣れるメジナの多くはクチブトメジナとオナガメジナです。一般的に「メジナ」という時には「クチブトメジナ」を指しています。

メジナの呼び名

「メジナ」という呼び方は関東の呼び方です。グレ、クシロ、クロ、クロヤ、チカイ、ツカヤなど地方によってさまざまな呼び方がされている魚です。

メジナの生態

生態

メジナの産卵期は2月~8月です。単体のものも、群れになって泳いでいるものもいます。稚魚から成魚まで岩礁地帯に1年中見られる魚です。そのためさまざまなサイズのメジナがまじりあっています。夏場の水温が上昇する時期に独特の磯臭さを放つ魚です。

体長

メジナ3種類のなかで最も大きく成長するメジナはオナガメジナです。日本国内では80㎝を超える記録が残っています。その次がクチブトメジナで最高は60㎝を超えています。最も小さいのがオキナメジナで40㎝前後です。成長するスピードはほとんど同じで、1年で10㎝程度、3年で20㎝程度、7年で30㎝程度、10年で40㎝程度になります。長生きの魚です。

メジナの餌

メジナは雑食の魚なのでエビやカニなどの甲殻類から小魚、海藻類も食していることが分かっています。岩についている海藻を食べるのに都合がよい口の形をしています。クチブトメジナは年間を通じて主に海藻を食べることが多く、オナガメジナはオキアミなど肉食を好んで食べています。

特徴

ウロコが硬いのが特徴で、皮は分厚く調理の際は簡単に皮を引くことができます。体の色が黒いため、鮮魚店などで一匹売られている場合は外見で鮮度を見分けるのが難しい魚でもあります。エラの中をみて鮮やかな赤い色をしているメジナを選びましょう。

メジナの生息地

メジナの生息地は浅い岩礁地帯です。日本各地に生息している魚として知られています。北海道から九州までの日本海側沿岸、茨城県から九州までの太平洋沿岸、瀬戸内海、琉球列島などにも生息しています。

メジナの評価

市場には1年を通じて流通しますが、安価です。夏場のメジナは非常に安い値段で取引されます。食用として知名度がある魚というより、釣り人たちの間で知名度が高く人気がある魚です。定置網などでまとまって網にかかることがあります。

メジナの旬


メジナは旬の時期だけ食す魚

多くの魚は旬を外すと味が落ちる程度ですが、メジナの場合は旬を外すと、磯臭くてまずくなるのです。これが、「メジナは美味しい」という人と「メジナは美味しくない」という人がいる理由です。メジナは必ず旬の時期のメジナを食しましょう。磯臭さから絶品に変化する不思議な魚です。

メジナがおいしくなる時期とは?

メジナの身がおいしくなるのは冬です。11月~3月が旬です。この時期のメジナを「寒メジナ」と呼びます。脂がのり、刺身でも火をとおしても美味しい白身になります。皮目や血合いもおいしい魚です。熱を通してもふっくらしやわらかい白身を楽しめます。白子や卵巣も美味とされています。

メジナ釣りの魅力

1、強烈な引き

メジナの引きは同じサイズの魚の中ではトップクラスです。その引きを生み出すのはメジナの体高と尾びれの大きさです。そのため針が折れてしまうこともあります。メジナ釣りで最初の目標になる20㎝でも十分な引きを楽しめます。

2、簡単なのに奥が深い

メジナはどこの磯にも大抵生息していてビギナーでも簡単に釣れる時があるのに、何十年もやってきた釣り人を悩ませることもある魚です。つまり、水温、潮の流れ、天候などに敏感に反応している魚なのです。長年メジナ釣りをしていても、すべてのパターンを把握できない難しさが釣り人を魅了します。

メジナの釣り方

メジナの釣り方はウキを使ったフカセ釣りで、1本針を使います。エサはオキアミで、まき餌にコマセと配合餌を混ぜたものを使用します。警戒心が強い魚なのでハリスは細いハリスを使用します。磯釣りがメインですが20㎝前後のメジナまでは防波堤付近からも狙えます。

メジナ釣りの時期

メジナは1年中狙うことができる魚です。時期や水温によって活性が左右される魚でもあります。季節ごとの状況を簡単にまとめてみます。

春は水温が低くメジナの活性が下がる時期です。メジナ釣りで厄介なエサ取りの活性も同時に下がるため、深いタナまで餌を落とし込むことが可能になります。そのため超大型のメジナを狙うならこの時期の磯です。

夏場はメジナの活性が一気に上がる時期です。コマセに対する反応がよく、水面付近までメジナは出てきます。小型のメジナに交じって大型のメジナも姿を現すため、潮によっては大量のメジナを釣ることが可能です。ところがこの時期のメジナは美味しくないのが残念です。

一般的に秋がメジナ釣りの開幕とされます。寒メジナが釣れ始めるからです。エサ取りが多く釣りにくい時期でもあります。メジナの活性も高く大型のメジナが水中に見えることも多々あります。メジナに喰わせるのに技術がいる時期です。

いわゆるメジナ釣りの本格的なシーズンです。旬を迎えた美味しいメジナが釣れる季節です。冬だけメジナ釣りを楽しむ釣り人もいます。状況によってメジナのタナが変化しやすく、難しいコンディションも多くなります。言い換えるとメジナ釣りの奥深さを味わえる時期で、メジナに魅せられた釣り人はその難しい釣りを楽しみます。

メジナの食べ方

メジナは生で食べても、火を通して食べても美味しい魚です。いろいろなレシピがあるメジナですが、ここでは一般的な食べ方と地方による変わった食べ方を紹介します。

一般的な食べ方


刺身

メジナの食べ方で一番人気があるのは刺身です。新鮮なメジナの身は弾力があるので、刺身にする場合は薄くそぎ切りに盛り付けます。刺身醤油でも美味しいが、ポン酢にもよく合います。宮崎県の一部では刺身を酢味噌で食べるようです。

たたき

高知県などでは刺身でも美味しいメジナをたたきにします。三枚に下したメジナの切り身の皮目をあぶって熱いうちに塩を振って手でたたきます。それを削ぎ切りにして、皿に盛り付けワサビ醤油で食べます。玉ねぎスライスやニンニクスライスなどを盛り付けポン酢で食べても絶品です。

塩焼き

塩焼きは刺身と並んでオーソドックスな食べ方です。メジナの白身の美味しさを十分に味わうことができます。簡単な調理方法のため釣り人に人気がある食べ方です。

ソテー

ある程度のサイズのメジナであれば三枚に下して、塩こしょうをしてバターでこんがり焼き上げます。メジナの皮目の美味しさを引き立てることができる料理方法です。

煮付け

脂がのる寒い時期のメジナは煮つけにすると最高です。煮汁の馴染みもよく、美味しい白身の煮魚を楽しむことができます。

伝統的な食べ方

べっこう寿司

伊豆大島にはべっこう寿司という食べ方があります。白身のメジナを醤油漬けにして握りずしにする食べ方です。家庭で調理される場合はそのまま食べたり、丼ものにして食べられることもあります。

まーす煮

沖縄では少量の塩水で魚を煮付ける「まーす煮」という調理の仕方があります。豆腐などと共に煮ます。トウガラシの泡盛漬けと一緒に食します。

味噌汁

沖縄ではメジナを味噌汁にします。それが主食として食卓に上ります。メジナの身からでるダシは味噌汁の味わいを引き立て、メジナの身は煮ても硬くならないので絶品です。

水炊き

適当な大きさに切ったメジナの身と野菜や豆腐を鍋に入れ、昆布だしで水炊きにします。味噌汁にする場合同様、特に冬場の脂がのったメジナを使用するとよいダシが出て、白身の味わいが楽しめる鍋になります。

セビチェ

ラテンアメリカでは細く切ったメジナの身をライムと塩で締め、トウガラシやアーリ―レッド(赤玉ねぎ)などと一緒に盛り付けます。

メジナの料理レシピ①

刺身


刺身の料理レシピ

【材料】

  • メジナ
  • 刺身醤油
  • ワサビ
【料理手順】
①メジナを三枚に下します。②皮を引きます。③新鮮なメジナであれば薄く削ぎ切りにして皿に盛り付けて完成です。

調理のコツ

メジナの身は下処理をして冷蔵庫で1日~2日寝かせると柔らかく、ねっとりとした食感になります。人によって好みがありますが、新鮮な場合は薄く、寝かせたものはある程度分厚く切り分けるとおいしくいただけます。醤油の代わりにポン酢を付けても美味しく食べられます。冬の時期の美味しく脂がのっているメジナを使用しましょう。

メジナの料理レシピ②

漬け丼

漬け丼の調理レシピ

【材料】

  • メジナ
  • 醤油   大さじ4
  • みりん  大さじ2
  • ワサビ  適量
  • 白米   適量

【料理手順】
①メジナを三枚に下して、皮を引きます。②身を削ぎ切りにします。③醤油とみりんを混ぜ合わせ身を漬け込みます。冷蔵庫で一晩程度寝かせます。④ご飯を盛り、切り身とワサビをのせて完成です。
 

調理のコツ

新鮮なメジナの身は弾力があるので下処理した柵の状態か漬け汁に付け込んだ状態で冷蔵庫で寝かせると、ねっとりとした食感になりご飯とよりマッチします。漬けにすると夏場の磯臭さがあるメジナでも美味しく食べることができます。お好みでネギ、シソ、ミョウガ、ゴマなどをふりかけるとアクセントになります。

メジナの料理レシピ③

甘酢あんかけ

甘酢あんかけの調理レシピ

【材料】

  • メジナ
  • ピーマン   1個
  • ニンジン   1/2個
  • 玉ねぎ    1個
  • ガラスープ  200㏄
  • 酢      50㏄
  • 醤油     大さじ2
  • 砂糖     大さじ1
  • 片栗粉    大さじ1
  • 片栗粉    切り身にまぶす用

【料理手順】
①メジナを三枚に下します。②適当な大きさに切り分けたら片栗粉をまぶして揚げます。③野菜を炒めます。④野菜が炒まったら調味料を入れ煮立たせたら、水とき片栗粉を少しずつ入れてとろみをつけます。⑤揚がったメジナをお皿に盛り付け、あんかけをかければ完成です。 

調理のコツ

皮を引かずに揚げると皮目の美味しさも味わえます。メジナのうろこは硬いので三枚に下す前にしっかりきれいにうろを取り除きましょう。唐揚げは臭みが引き立ってしまうので、夏の時期の臭みがあるメジナはこの料理に向いていません。旬の時期の美味しいメジナを使いましょう。

まとめ

磯釣りといえばメジナといえるほど釣り人から愛されている魚ですが、その神経質な性質が釣り人を本気にさせます。トーナメントなどの大会も頻繁に開かれています。美味しくないというイメージが先行する魚ですが、旬のメジナはどんなレシピでも美味しくいただける魚に変身します。冬場のメジナの上質な刺身を一度お楽しみください。