クリトリアってどんな植物?
クリトリアは、インドや東南アジアを原産とする植物で、亜熱帯熱帯地域に多く自生しています。クリトリアは、日本には江戸時代にはいってきました。クリトリアは、本来多年草に属する植物で、原産国のインドや東南アジアでは時期を問わず花を咲かせます。ですが、クリトリアは、日本の冬を越すことができず、日本では一年草として扱われています。クリトリアはツル性の植物で、草丈は100~200センチくらいになります。クリトリアは種まきによる増やし方も簡単で、育てやすく初心者にもおすすめの植物です。なお、クリトリアの花付きをよくするためには、摘芯が有効的です。
クリトリアの花の特徴
クリトリアは、鮮やかな青い花を咲かせます。クリトリアの花の開花時期は、夏から秋にかけての6~10月ごろです。クリトリアは、春に種まきすると長いあいだ花を咲かせてくれます。さらに、クリトリアはほかの植物がパワーを落としがちな真夏の時期にも、元気に花を咲かせてくれることから、ガーデナーに重宝されています。青い花が一般的なクリトリアですが、品種改良により、白やピンク色のものや八重咲きのものもあります。なお、クリトリアのひとつのお花は大小の花びらから成っており、大きい花びらを「旗弁(きべん)」、小さい花びらを「竜骨弁(りゅうこつべん)」と呼びます。
クリトリアの花は染料になる
クリトリアの鮮やかな青い花は、原産国タイでは染料として重宝されています。クリトリアは種まきによる増やし方も簡単で、冬の来ない東南アジアやインドなどでは一年中育てることができるので、ある程度の量の染料を採ることができます。クリトリアからなる染料は、布を染める染め剤として人々に愛されてきました。さらに、白髪染めやまゆずみとしても重宝されてきました。またクリトリアのブルーは、ジュースやカクテルの色付けにも使われ、タイではクリトリアを使った、とても美しいトロピカルジュースが売られています。
クリトリアの葉の特徴
クリトリアの葉っぱの形は楕円形をしています。クリトリアの葉っぱは、茎に互い違いに映える「互生」と呼ばれるものです。クリトリアの葉っぱはやわらかく、家畜の飼料として利用されます。クリトリアは、真夏も衰えることなくぐんぐんと葉やツルを伸ばすので、最近ではグリーンカーテンとして用いられることも多いです。日よけしながら、可愛らしい青い花を愛でることができるので、とても人気が出てきています。
クリトリアの実の特徴
クリトリアの花が咲いた後には、長さ10センチくらいのインゲン豆のような莢(さや)がつきます。クリトリアの若い莢(さや)はやわらかく、食用とされています。
クリトリアはハーブティとしても人気
クリトリアの青いお花には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれています。アントシアニンは抗酸化作用に優れた栄養素です。クリトリアのハーブティは青い色と豊富な栄養素から、原産地タイの女性のあいだで大人気です。
ブルーベリーの4倍のアントシアニンが含まれる
アントシアニンが多く含まれるものとしてはブルーベリーが有名ですが、クリトリアにはブルーベリーの4倍のアントシアニンが含まれているのだとか。クリトリアから作られたハーブティは、眼精疲労の改善や、活性酸素を抑制し生活習慣病の予防、エイジングケアによいとされています。
南国情緒あふれるブルーカラーのハーブティ。癖のない味なので、はちみつなどで少し甘みを足してもよいでしょう。お酒の色付けにして自家製カクテルを楽しむのも素敵です。
クリトリアの基本データ
科名属名
マメ科チョウマメ属(クリトリア属
学名
Clitoria ternatea
和名
クリトリア
別名
蝶豆(ちょうまめ)
英名
butterfly pea
原産国
インド、東南アジア
クリトリアの花言葉「小さな恋」
クリトリアの花言葉は「小さな恋」です。とても素敵な花言葉ですね。この花言葉はクリトリアの花姿に由来するもので、少しエロティックとも言えます。クリトリアの花は女性器に似ていることから、クリトリアの花を女性に見立てて「小さな恋」という花言葉がつけられました。
クリトリアの花名の由来
クリトリアの英名や属名の由来は、どれもクリトリアの印象的な花姿に由来するものです。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
英名「butterfly pea」の由来
クリトリアの英名である「butterfly pea」は、クリトリアの花姿に由来します。クリトリアの花の開花している様子が、まるで蝶々のようなことから、「butterfly pea」という英名がつけられました。
別名「蝶豆」の由来
クリトリアの英名である「butterfly pea」をストレートに直訳して、「蝶豆(ちょうまめ)」という別名がつけられました。
属名「Clitoria ternatea」の由来
クリトリアの属名は「Clitoria ternatea」。「Clitoria 」はギリシア語の「clitoris」に由来します。「clitoris」はギリシア語で「女性の性器」を意味し、クリトリアの花姿が女性の性器に似ていることからつけられました。
クリトリアの育て方1「土づくり」
クリトリアは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土や川砂を混ぜたものを準備しましょう。市販の草花用培養土を利用しても良いでしょう。
クリトリアの育て方2「肥料」
クリトリアは、丈夫な植物でそれほど多くの肥料成分を必要としません。クリトリアを植え付ける際に元肥として、暖効性の固形肥料を少し施すとよいでしょう。なお、クリトリアに肥料を施す際には、根元より少し離れたところに固形肥料を置きます。クリトリアの根っこ近くに肥料を与えると、肥料成分が強すぎて根っこを傷めてしまうことがあります。
クリトリアの育て方3「水やり」
クリトリアは、丈夫な植物なので、それほど水やりに気を配る必要はありません。クリトリアを植え付けている土の表面が乾いたら水やりをしましょう。ただし、夏の暑い時期にはあまり乾燥しすぎないように注意しましょう。なお、夏の水やりは、朝夕どちらかにするとよいでしょう。気温の高くなりがちな昼間に水やりすると、水があたたかくなりクリトリアの根っこを傷めてしまうことがあります。
クリトリアの育て方4「場所」
クリトリアは、南国の植物なので日当たりのよい場所を好みます。一日中しっかり太陽の光が届くところに植え付けてあげましょう。クリトリアの栽培適温は20~30度。暑さが好きで寒さを苦手とします。本来多年草のクリトリアですが、日本の冬は越せず一年で枯れてしまいます。
クリトリアの冬越しに挑戦してみよう
ただし、冬のあいだクリトリアの株のうえに藁(わら)などをしっかりかぶせて寒さ除けをしてやると、うまく冬越しできることもあります。冬越しできたクリトリアは、春になるとまた芽吹きはじめます。このスタンスを数年続けることができると、クリトリアの茎はまるで木のようにしっかりしたものに成長します。
クリトリアの育て方5「摘芯」
クリトリアは、シーズンに二度摘芯をすることで枝数や花数を増やすことができます。摘芯とは、植物の芽先を摘み取ることです。クリトリアの一度目の摘芯は、植え付けたクリトリアの草丈がだいたい10センチくらいに成長した時期におこないます。一度目の摘芯をすると、摘芯したところから、新しく脇芽が発生して伸びてきます。二度目の摘芯は、この新しく発生した脇芽が成長してしっかりと伸びてきた時期におこないますす。シーズンに二度の摘芯をおこなうことで、クリトリアはしげしげと成長し、よりたくさんの花を咲かせてくれます。
クリトリアの育て方6「植え付け」と「植え替え」
クリトリアは移植を苦手とする植物です。クリトリアは種まきから育てるのが一般的。はじめの種まきがクリトリアの唯一の植え付けとなり、そのあとの植え替えはしません。
クリトリアの育て方7「支柱立て」
クリトリアは、ツル性の植物なので、ツルがしっかり絡むことのできるよう、支柱やフェンスを立ててあげましょう。植え付けたクリトリアのそばに支柱を立てるのですが、その際に植え付けた株の根っこを傷めないように注意しましょう。鉢植えのクリトリアには、あんどん仕立てを使うのも便利です。あんどん仕立ては、丸い形状の仕立てで、あさがおなどによく使われることで知られています。
クリトリアの育て方8「病害虫」
クリトリアには、アブラムシが発生することがあります。アブラムシは、春から秋にかけて発生しやすい害虫です。アブラムシがつくと、クリトリアのやわらかい葉っぱやせっかくついた花芽を食べてしまいます。アブラムシは、群生して発生しやすい害虫で、あっという間に植物を食べてしまいます。さらに、アブラムシは甘い香りのする排泄物を出し、ほかの害虫や病気の発生源となり、二次被害をもたらすことがあります。アブラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。
クリトリアの増やし方「種まき」
クリトリアの増やし方としては、種まきが挙げられます。クリトリアは種まきによる増やし方でたくさん育てることができます。クリトリアの種まきに適した時期は、5月ごろです。クリトリアは熱帯の植物なので、春しっかり気温があがってきた時期に種まきしましょう。
クリトリアの種に傷をつけよう
クリトリアの種は皮が固くそのまま種まきすると発芽しにくいです。クリトリアの種まきをする前に、種にナイフやカッターで軽く傷をつけて、クリトリアの発芽をサポートしてあげましょう。種に傷をつけるときに、種の中身まで傷つかないように注意することが、種まきによる増やし方のポイントです。クリトリアは移植を苦手とする植物なので、はじめに種まきする際に、これからずっと育てる場所に種まきをおこないます。傷をつけたクリトリアの種を、1か所に2~3粒まきましょう。種まきしたクリトリアが発芽したら、そのなかのよいものを選んで残し、ほかの苗は間引きます。あとはクリトリアの花が咲くまで、水やりや肥料などの管理を続けましょう。
クリトリアはハーブティにもなる可愛らしいお花
クリトリアは、とても強い植物で種まきによる増やし方が簡単。クリトリアの花言葉は「小さな恋」というロマンティックで少しエロティックなもの。クリトリアの鮮やかなブルーのお花は、ほかにはない美しさを持ち、一度見たら忘れられないものです。クリトリアは春に種まきすれば、夏から秋までロングスパンで楽しめる嬉しいお花。ほかの植物が元気をなくしがちな真夏の時期にもぐんぐん育ち、可愛らしいお花で見るものを元気づけてくれます。さらにクリトリアの花にはアントシアニンがたっぷり含まれていてハーブティとしても魅力的です。