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ハロゲン電球とは?その原理から温度、寿命などの特徴や使い道まで解説!

ハロゲン電球とはどのようなものかを紹介します。ハロゲン電球の原理や温度、寿命な特徴など、素手で触って良いのかなど、購入するうえで必要になる情報満載です。これからハロゲン電球の購入を検討している方におすすめの記事となっています。
更新: 2021年2月23日
tryyua
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はじめに

ハロゲン電球は照明などを代表として今でも様々な場面で活躍しています。今回はそんな照明などに使われるハロゲン電球がいったいどういう電球なのか、その原理やメリット・デメリット、そして様々な種類のハロゲン電球の説明します。名前は知っているけれど具体的に説明はできない、そんな方にぜひ読んでほしい記事です。

ハロゲン電球とは

ハロゲンタイプの電球

ハロゲン電球とはハロゲンタイプの電球のことです。ハロゲンタイプ、つまりハロゲンガスを利用して明かりを生み出す電球の種類で、白熱電球などと比較されるタイプになります。店舗で使われるライトや自動車のライトなど、幅広い分野で需要のある種類の電球、それがハロゲン電球です(詳しくは後述)。

ハロゲン電球の仕組み

ハロゲン電球は白熱電球と同様の仕組みで発光します。ハロゲン電球内にはフィラメントと呼ばれる糸のように細い形状をした金属部品があり、このフィラメントに電気を通すとフィラメントが白熱するのです。

白熱させたときに光が発生する(発光する)、この原理を利用して電球(ライト)としての役割を果たしています。ここまでは白熱電球と同じ仕組みですが、ハロゲン電球の特徴は使われているフィラメントです。

ハロゲン電球のフィラメントにはタングステンと呼ばれる素材(原子の1種)が採用されています、これは白熱電球と変わりないのですが、電流を流されたフィラメントが発光(明かりを発する)した後にタングステン原子がフィラメントから発生・蒸発するのです。

さらにこの蒸発したタングステン原子がバルブ内のハロゲンガスと結合することでハロゲン化タングステンと呼ばれるものが誕生します。

ハロゲン化タングステン(WX2) はバルブ内を移動しており、電流を通されて高温状態(140℃以上)のフィラメントに近づくとハロゲンとタングステンに分離し、タングステン原子が再びフィラメントに戻るのです。

蒸発したタングステン原子がバルブ壁にくっついて黒化(バルブの黒化)しないので、白熱電球より明るいだけでなく寿命も長くなっています。これら一連のサイクルが通称ハロゲンサイクルと呼ばれるものです。

ハロゲン電球の特徴

特徴その1:寿命が長い

ハロゲン電球の特徴の1つは電球の寿命が長いことです。上記で少し触れましたが、ハロゲン電球の中にはハロゲンガスが充填されています。

そのハロゲンガスがフィラメントの発光時に発生したタングステン原子の蒸気と結合し、高温状態のフィラメントにその結合物が近づくことでタングステンを再利用します。そのため他の電球よりも長寿命となっているのです。具体的には、白熱電球やシリカ電球の2-3倍の寿命と言われています。

特徴その2:明るい

ハロゲン電球の特徴2つ目は明るいことです。フィラメントの蒸発で発生したタングステン原子がガラス管などに付着する原理はすでに紹介したとおりですが、実はこの付着が原因で光束量(ルーメン)が減少するのです。

しかし、ハロゲン電球はガラス管(又はバルブ)の黒化が減少するのでルーメンが減らず、その分明るさを保つ(=明るくなる)なります。ハロゲンサイクルの仕組みを利用すればフィラメントをより高温にできるので、それも合わさって明るさに優れているのです。


ハロゲン電球のメリット

電球の交換頻度を減らせる

ハロゲン電球のメリットの1つは電球の交換頻度を減らせることです。黒化が原因のルーメン減少量も少なく寿命も白熱電球の2-3倍となっているのでこれまで白熱電球を使っていた方であればその倍以上長く使えることになります。

交換頻度がこれまでの半分になれば手間も半分となりますので、メンテナンスに費やす時間が少なくなって合理的です。

明るさがほぼ継続する

もう1つのメリットは寿命が終わるまで明るさがほぼ一定である点です。黒化によるルーメンの減少が少ないため、寿命間近になっても明るさがほとんど変わりません。寿命が終わるまでルーメンの減少が少なく、明るく照らせる、それがハロゲン電球のもう1つのメリットなのです。

ハロゲンの光は波長を持つ電磁波

光の定義

私たちは光るものを光と広義していますが、実際には電磁波が持つ波長によって光となるかどうかを判断するのですが、光の波長は10nm(10×10-9m)~10万nmで、この範囲の波長を発するものを光源と呼びます。

つまり電磁波の波長によって私たちの身の回りの電磁波は定義されるのです。一般的に私たちが光と言っているものは400nm~750nmの波長をもった可視光線という電磁波になります。

波長で決まる定義

同じ光でもこの波長の長さで名称が異なるのです。10nm~400nmの可視光線より短い波長の光は紫外線と呼ばれ、750nm~10万nmで可視光線より長いの波長は赤外線と呼ばれています。このように、同じ光でも波長が異なるだけでなく名称も違ってくるのです。

ハロゲン電球のデメリット

ガラス管の温度が高く素手で触ると危険

ハロゲン電球のガラス管(=バルブのこと)は白熱電球よりも温度が高くなります。ガラス管の温度上昇に対応するためにガラスに石英ガラスが採用されているのですが、900-1200℃もの温度にも耐えられるほどです。

素手で触れたり近づくと、非常に高温で危険です。高温度のため、素手で触って肌に触れると火傷する可能性もあります。素手で触らないようにしましょう。また、素手で触ると手の油がバルブに付いて放熱性が低下、寿命が短くなります。素手では基本さわらないほうが良いです。

他の電球より価格が高い

ハロゲン電球はシリカ電球などと比べて10倍近く高い価格なのです。ハロゲン電球は基本的に1,000円以上の価格となっており、これはシリカ電球の価格が100前後であることを考えると、非常に高価格となっています。

ハロゲン電球の価格は他の白熱電球よりも10倍近くなっているにもかかわらず寿命は2-3倍ということを踏まえると、寿命の割に価格が高いということになるのです。


ハロゲン電球の用途

商業施設・テナント

商業施設やテナントではハロゲン電球が多く使用されています。これらの場所でハロゲン電球が使われる理由はスポットライトを必要としているからです。スポットライトの使用にあたって輝度の調整が重要となります。

輝度の高さやその調整にハロゲンライトの原理が適しており、今でも活用されているのです。LEDを使ってハロゲンのような光を再現できないという理由もあります。

定番のスポット照明

ある空間にある物の中で一部の物を強調したい、そんな時にこのスポット照明が役に立ちます。雑貨屋やショールームに脚を運ぶとわかりますが、薄暗い空間の中でスポットを当てられて際立って目立つのです。後述しますが、対象物によっては高温の光を嫌うものもありますので物体に合わせて光を調節できるハロゲン電球もあります。

車のヘッドライトにも

私たちが日常的に使用する車のヘッドライトにハロゲン電球が使われています。近年ではLEDライトを使っているユーザーも多く見られますが、ハロゲン電球を使ったヘッドライトはその原理から温度が高くなりますので積雪地域などではよく使われているのです。

ヘッドライトに雪が積もってもその熱で雪が溶けるのが理由となっています。ハロゲン電球を使ったヘッドライトを素手で触ってみるとその温度の高さがわかります。

ハロゲン電球の種類その1

ダイクロハロゲン電球

ダイクロハロゲン電球は小型のハロゲン電球です。ダイクロハロゲンの形は円錐形になっています。この種類のハロゲン電球の特徴は光の指向性を調整できる原理が特徴です。様々な指向性(=角度)のハロゲン電球があり、電球交換のみで場面ごとの使い分けが可能となります。

対象物に合わせて選ぶ

ダイクロハロゲンの中にもさまざまな製品があります、例えば赤外線カット機能を備えた電球や食品を照らすのに向いている電球といったタイプのものなどです。高温度の照明を避けたいものにも対応したタイプを用意しているなど、幅広い商品に対応しているハロゲン電球、それがダイクロハロゲン電球と言えるでしょう。照明には必需品です。

ハロゲン電球の種類その2

ミニハロゲン電球

ミニハロゲン電球は小さな形状のハロゲン電球です。円筒状のマルチレイヤと発光管が楕円の形をしたマルチレイヤPROという2つの形状に分けられます。マルチレイヤPROはマルチレイヤよりもエネルギー効率性に優れているのが特徴的です。E11タイプの口金やピンタイプのものがあります。寿命は2,000-3,000時間ほど長寿命です。


省エネルギーでエコ

マルチレイヤとマルチレイヤPROに共通しているのは、どちらもガラス管に赤外反射膜が構成されている点です。フィラメントが発する赤外放射をこの赤外反射膜が跳ね返し、電球内にあるフィラメントに戻すことで省エネルギーの発光を可能とします。

発光管形状の違い(マルチレイヤPROは楕円形状)でマルチレイヤPROはマルチレイヤよりもより省エネルギーなのです。

ハロゲン電球の種類その3

ローボルトハロゲン電球

ローボルトハロゲンは一般的な100V電圧ではなく12V電圧で使用する種類のハロゲン電球です。ローボルトハロゲン電球のメリットは小型で長寿命であることになります。小型ハロゲン電球のメリットは照明などのデザインを工夫してライトアップ・装飾を行うのに活躍する点です。

100V電圧を12V電圧に変更するには変圧器が必要となるためそのコストは必要となります。とはいえ変圧器さえあれば融通の利く使い方できる、便利なハロゲン電球なのです。

ライフセレクトトランスで使い分け

ライフセレクトトランスと呼ばれる電気供給機能を調整する機器を合わせて使えばローボルトハロゲン電球の寿命をより伸ばすことが可能です。

演出場面に応じた輝度の選択やハロゲン電球を長時間使うために寿命が長いなど、メリットがあります。これらのように、同じハロゲン電球でも使用用途や目的、照らす対象物によって使い分けることが重要なのです。

まとめ

ハロゲンガスを活かした原理で発光を促進するのがハロゲン電球、白熱電球よりは寿命に優れ、寿命近くになってもルーメン値が少なくなくて便利なのがハロゲン電球です。

しかし、同じルーメン値でもLEDのほうが省エネルギーとなってしまいました。とはいえルーメンだけでなく、ハロゲン電球が生み出す照明に必要な絶妙な輝度はLEDよりも現時点において優れています。今後のLED技術の進歩によって減少していくかもしれませんが、ハロゲン電球はまだまだ活躍が期待されそうです。

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