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久住山の登山情報まとめ!アクセスや初心者の楽しめるルートとは?

大分県は九重町と竹田市にある九重連山、久住山は日本百名山のひとつで標高1786.5mの山。初心者でも無理なく楽しめるおすすめ登山ルートとアクセス情報を紹介します。 久住山頂からの360度の大パノラマは息をのむほど美しくて感動するに違いありません。
2020年8月27日
Gaty煌
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日本百名山 九重連山・久住山

日本百名山のひとつに選ばれている九重連山、久住山ですが日本百名山とはいったい何なのかあなたはご存知でしょうか。 1903年に石川県加賀市に生まれた小説家(随筆家)であり登山家でもあった深田久弥(1903~1971年)本人が実際に登頂した日本各地の山々の中から自らが定めた基準に基づいて選び執筆した随筆集が「日本百名山」ですが、その選定基準の一部をご紹介します。

出典: http://www.shinchosha.co.jp/book/122002/

随筆家でもあり登山家でもあった著者自らが50年の歳月をかけて登った山々から厳選された日本百名山。その真意を探るべく現代の登山愛好家たちがまた登る。やはり「そこに山があるから」なのでしょう。

日本百名山の選定条件とは

随筆家で登山家でもある深田久弥が日本百名山を選ぶにあたり自らが決めた選定基準とは、「品格・歴史・個性」があり標高1500m以上の山としています。 人間にも一人ひとりに人格があるように山にも「山格」あるとし誰が観ても立派な山で感嘆(かんたん)する山であることを山格とし、昔から人間とのかかわりが深く崇拝され山頂に祠(ほこら)が祭られているような山であり、その山の歴史を尊重する意味も含め「山の歴史」を選定基準のひとつとしています。 そして「個性ある山」では山容、現象、伝統といったことを重視しており、ほかにはないような顕著な「個性」を持っていることも基準としています。 これらを選定基準としたうえで深田久弥自身が約50年の歳月をかけ選んだものであり、登山用に開発された山霊のすみかがなくなっているような山は選ぶわけにはいかないとの信念から47都道府県すべてから選ばれているわけではありません。 このような厳しい基準から選ばれた日本百名山のひとつである九重連山の主峰である久住山。登山する際の豆知識として持っていれば一層、楽しめることでしょう。

久住山の登山スタイル

久住山は九重連山の中で南に位置する角閃石安岩が露呈したトロイデで九重火山群の主峰でもあります。 そんな久住山の登山スタイルは、山頂を目指すピークハントとして楽しむ人たちもいますが、トレッキングやハイキングとして初心者から楽しめるルートもありますので、あなたの経験や目的に応じて登山スタイルを選択できるのも久住山登山の魅力のひとつです。

久住山は初心者でも大丈夫?

久住山はベテランから初心者、老若男女問わず楽しめる山として人気があります。そんな久住山には数々の登山口とさまざまなルートがあり、それぞれ難易度も違いますが初心者でも安心して楽しめるルートもあります。

久住山 初心者におすすめの登山ルート

久住山に数ある登山口、ルートの中で初心者におすすめするのは、久住山北西側中腹、牧ノ戸峠登山口から始まる牧ノ戸ルートです。牧ノ戸峠登山口は1330mに位置し久住山1786.5mの山頂との高低差457m、距離4800m、登山時間にして約2時間半、少ない高低差に対し距離はありますが急こう配なポイントは登り始めと山頂手前の2ポイントであり、それ以外はゆるやかな登坂となっていますので初心者に限らずファミリーハイキングにもおすすめのルートとなっています。 また、九重連山最高峰1791mの中岳を経由することができるのもおすすめポイントのひとつです。

久住山登山・牧ノ戸ルートでの見どころ

久住山登山・牧ノ戸峠登山口から登り始め第一展望所付近の1423mまでは、やや急な登り坂が続きます。その間、背の低い広葉樹林帯を進むこととなり四季折々の景色を楽しむことができます。広葉樹林帯をしばらく進むと視界も開け第一展望所となり小休止しながらの眺望を楽しむことができます。

次のポイントとなる「沓掛山」まではゆるやかな登り坂となりますが途中の第二展望所からは岩まじりの尾根を進むことになり登山雰囲気もモチベーションも上がってきます。そしてこの岩場を抜けた大岩の上が沓掛山、山頂となります。


次に目指すは九重連山最高峰である中岳となりますが、沓掛山から向かう途中には「ミヤマキリシマ・オオカメノキ・ショウジョウバカマ・スミレ・シャクナゲ・ワレモコウ」などの樹木や草花を楽しむことができます。 また、天気のよい日は「星生山(せっしょうさん)」や「岩井川岳」などを眺むこともできます。

中岳山頂へ向かう途中、久住分れに向かって一旦、下ったところが西千里の山小屋とトイレがあります。 こちらの山小屋は、けっこう古いのですがこれまでどれだけの登山者を迎え入れたのでしょう。そう考えると古さが気になるよりも山小屋への感謝の気持ちさえ湧きあふれてきます。また、こちらのトイレは最近リニューアルされたばかりとのこと。山小屋同様に登山者になくてはならないものですのでキレイに使うように心がけましょう。

そして山小屋を出発し久住分れから正面には主峰、久住山が堂々とそびえたち日本百名山の貫禄すらうかがえ、道中から眺む火口壁も迫力ある景色です。

久住分れから直接、久住山へ向かうこともできますが、九重連山最高峰1791mの中岳を経由しても時間にして30分と変わりませんのでぜひ経由してみましょう。 最高峰、中岳へ向かうその途中に現れる「御池」、火山帯から観る御池はたいへん美しく見逃すことはできません。また、この御池は冬になると池一面が氷結しその上を歩くこともできます。

日本百景のひとつでもあり九州の屋根ともいわれている九重連山最高峰の中岳山頂からは九州本土すべての山々を見下ろせます。最高峰を制覇しモチベーションも最高潮にあがります。

中岳から久住山へは久住分れ(山小屋方面)へ一旦戻り山頂を目指しますがここから「ガレ場」を登ることとなり最後はちょっぴり「クライミング」気分を味わえることも久住山登山の醍醐味です。30分ほど進み最後の岩場を登り切れば久住山頂。 360度の大パノラマ。天気の良い日は九重連山はもとより、由布岳、祖母・傾連山、阿蘇山など観ることができ山頂まで登り切った満足感とその眺望に感動することでしょう。

久住山 四季の顔

久住山の登山において牧ノ戸峠登山口から山頂までの道中にはさまざまな景色、樹木、草花と自然を満喫できる見どころ満載のルートですが、その景色をはじめとする自然は四季によって顔色を変えます。そんな久住山の四季の顔を紹介します。

春の久住山は緑に染まる

春の久住山、毎年3月頃には野焼きが行われあたり一面真っ黒になった大地に「サクラソウ」や「キスミレ」などの花が咲き落葉小高木の「マンサク」も花をつけはじめると同時に久住山の春がはじまります。 落葉広葉樹林帯である久住山は5月頃からあたりは新緑の緑に染められ多くの生物も活動期となり、清々しく登山を楽しむことができます。

夏の久住山は紫に染まる

夏の久住山といえば「ミヤマキリシマ」が花を咲かせ、山頂付近からあたり一面を紫に染めます。 「ツツジ」の一種であるこのミヤマキリシマは九州の高山にしか咲かないことから全国から多くの登山者が訪れる時期となっており、ぜひご覧いただきたいシーズンです。


秋の久住山は紅に染まる

秋の久住山は草原の植物が咲きはじめることで、その季節の訪れを知らせます。10月中旬、山頂付近から順に紅葉がはじまり、11月初旬には見事なほどに紅に染まります。徐々に秋も深まり高原の「ススキ」の穂が風まかせに揺れ季節は移り替わっていきます。

冬の久住山は白銀に染まる

11月中旬には初雪が降り、いよいよ冬の久住山へと季節は移ります。 冬でも暖かいイメージのある九州地方ですが、ここ久住山の冬は-20℃を観測することもあり久住分れからほど近い御池は全面氷結しその上を歩くこともできます。 また高原では50㎝以上の雪が積もり、あたり一面を白銀に染め、その頂に目を向ければ、あの「マッターホルン」を思わせます。野生動物の足跡も見られ冬ならではの久住山を満喫するのもよいでしょう。

久住山での宿泊

久住山登山を計画するうえで悩みのひとつとなるのが宿泊です。 あなた自身が久住山近郊からの登山者であっても早朝からの登山を計画しているのでしたら登山口周辺での前日からの宿泊を視野に入れるでしょうし、県外から行かれるのであればなおさらのことでしょう。 また、下山時間によっては宿泊し体をゆっくり休ませながらその日の登頂談に花を咲かせるのも楽しみのひとつとして計画するのもよいのではないでしょうか。

昔ながらの温泉旅館とリゾートホテル

久住山には牧ノ戸峠登山口、九重登山口(長者原)、猟師岳登山口、赤川登山口など数多くの登山口がありますが、どの登山口を利用するにしても近いところに宿泊施設があります。 ホテルのタイプはさまざまで近代的なリゾートホテルや昔ながらの旅館とがありどちらも温泉などを楽しめ疲れた体も十分に癒されることでしょう。また、登頂前日の宿泊の場合、予約をすれば昼食用のお弁当を準備してくれる旅館などもあります。

出典: http://www.resonate.co.jp/

阿蘇・くじゅう国立公園内の大自然を満喫できるリゾートホテル。 満天の星空・大草原での乗馬を堪能できます。

出典: http://sujiyu-daikokuya.jp/

昭和の雰囲気が昔ながらの温泉旅館を彷彿させる、どこか懐かしい旅館です。

出典: https://www.facebook.com/takarayaryokan/

リーズナブルなのにくつろげる。昔懐かしいたたずまいです。

久住山でのテント泊

久住山登山での宿泊でホテル、旅館に加え忘れてはならないのがテント泊です。 登山初心者であればテント泊への憧れと不安と両方あるかもしれませんが、テント泊ができればより一層、久住山登山を満喫できるに違いありません。

坊がつる・法華院温泉

久住山で登山でテント泊をするのであれば絶対的におすすめなのが「坊がつる」です。坊がつるは九重連山のほぼ真中に位置し、とても広いことから1000以上ものテントを張ることが可能であり、たいへん人気の高いテント泊スポットです。 坊がつるでテント泊する際の登山ルートは牧ノ戸峠登山口からのルートのほかに九重登山口(長者原)からのルートもおすすめとなります。九重登山口(長者原)をスタート地点とした場合は森林道を通ることで牧ノ戸ルートとはまた違った景色を楽しみながら登頂することができます。そのほかのルートでも坊がつるへ行くことは可能ですが、どのルートを選んでも絶対に忘れてはいけないのが坊がつるより約5分の場所にある山小屋「法華院温泉山荘」です。


法華院温泉山荘は山小屋宿泊施設ですが、何よりも九重連山の真中で温泉に入れることが疲れた体にはありがたいものです。この温泉は日帰りでも利用できますのでぜひ利用してください。(入浴時間 10:30~21:30 / 入浴料 ¥500 ) ※ 坊がつるに到着したらまずはテントを設営してから法華院温泉山荘に行くとよいでしょう。

坊がつるからの夜景・そして日の出

坊がつるにテント泊するうえでの最大の楽しみ、そして忘れてはいけないのは満天の星空を観ることと翌朝の日の出を観ることです。大自然の澄んだ空気が手伝って都会では決して観ることのできない天然のプラネタリウムは息をのむ程の美しさです。そして山の朝は早いため翌朝の日の出に備え、早めに就寝するようにしましょう。

テント泊に必要なもの

テント泊するうえで必要なものは「テント・ザック・シュラフ」などありますが詳細および選び方などについては下のリンクでたいへんわかりやすく紹介されていますのでぜひ、参考にご覧ください。

久住山へのアクセス方法

久住山へのアクセスですが、本州からですと飛行機で大分空港へ飛び空港から高速バスで別府へ、別府からは「亀の井バス・産交バス」の2社が牧ノ戸峠と九重登山口行きのバスを運行しています。 大分空港への直行便のない地域から行かれる方は福岡空港から別府への高速バスがあります。また同じように熊本県の阿蘇駅からも牧ノ戸峠と九重登山口行のバスが運行されています。 電車ではJR九州の九大本線にて豊後中村駅もしくは九州横断特急で豊後竹田駅まで行きタクシーにて各登山口へ行くことができます。一部、バスの運行もありますが本数が少ないため、事前に確認しておくとよいでしょう。 マイカーでのアクセスは本州から行く場合は大阪南港からサンフラワーフェリーにて別府港もしくは大分港まで行かれると大変便利です。また九州自動車道、九重インターチェンジから約18㎞で行くこともできます。

九重連山アクセスマップ
九重連山アクセスマップ

久住山の魅力を満喫するために

初心者でも久住山登頂は難しいことではありません。しかし相手が大自然であることを忘れずに計画を立てルールを守り敬意を払って日本百名山に名を連ねる久住山の魅力を満喫してみてはいかがでしょうか。