ポピーってどんな花？
ポピーには、一年草と多年草の種類があります。ポピーは、美しい花模様とともに、古くより実を「ポピーシード」という名前で食用として重宝されてきた植物です。ポピーにはさまざまな種類があり、日本では、鑑賞用や食用に育てられる園芸用の種類をポピーと呼び、麻薬の原料になる種類をケシと呼んで区別しています。現在出回っている園芸品種は、アイスランドポピーが多いようです。
育ててはいけないポピーがある
ポピーが属する「ケシ科ケシ属」のなかには、アヘンやヘロイン、モルヒネといった麻薬成分の含まれているものがあります。こうした麻薬の原料となるポピーの栽培は、日本で厳しく規制されていて、限られた公共研究機関、大学薬学部でのみ栽培されます。一般で育ててはいけないポピーは3種類。ソムニフェルム種・セティゲルム種・ブラクティアタム種です。ポピーの種を購入する際は、安心な園芸用のものを選びましょう。
ポピーの花の特徴
ポピーの花の開花時期は春、4～6月の季節のよい頃に、大きめの可愛らしい花が開花します。ポピーの花びらは一重咲きの4枚のもののほか、八重咲のものなどさまざまなタイプがあります。またポピーの花の色は、白や赤、黄色、オレンジなどがあります。
ポピーの葉の特徴
ポピーの葉っぱは、切れ込みのはいった特徴的な単葉もしくは複葉です。ポピーの葉っぱの色は明るいグリーンです。
ポピーの花言葉
全体の花言葉1・「いたわり」
ポピーの品種のなかには、麻酔や睡眠作用のある種類があります。その昔、ポピーから抽出された乳液を赤ちゃんの食事に混ぜて眠らせていた歴史があります。そうしたポピーの特徴から、この花言葉がつけられました。
全体の花言葉2・「思いやり」
思いやりという花言葉も、ポピーの麻酔、睡眠作用に由来しています。
全体の花言葉3・「陽気で優しい」
ポピーの花が風にゆれるさまは、とても可愛らしいものです。赤や黄色などのポップな花色とあいまって、陽気で優しいというイメージがなされ、この花言葉が生まれました。
全体の花言葉4・「恋の予感」
ポピーのいろとりどりの花は、なんとも言えず魅力的です。花束にしてプレゼントすれば、恋が始まりそう。そんな花姿からイメージされて恋の予感と言う花言葉がつけられました。
ポピーの色別の花言葉
白い花の花言葉1・「忘却」
忘却と言う花言葉は、やはりポピーの麻酔、睡眠作用から由来してつけられました。
白い花の花言葉1・「眠り」
その昔、ギリシアではポピーから摂れる乳液を、麻酔薬、睡眠導入薬として使っていました。ポピーのそうした特徴ずばりの花言葉です。
赤い花の花言葉・「慰め」
ギリシア神話の女神デメテルは、悲しいことがあるといつもポピーの花を摘み、心をなぐさめていたそうです。慰めは、この女神の物語に由来する花言葉です。
赤い花の花言葉・「感謝」
ポピーの赤い花色は、明るくてとても鮮やかです。赤いポピーを摘んで花束にして贈れば、相手に感謝の気持ちを伝えることができるでしょう。ポピーの美しい赤色と丸みを帯びた花模様から連想されてつけられた花言葉です。
黄色い花の花言葉・「富」
ポピーの花の黄色は、とても明るくて、まるで太陽のようでありコインのようであり。そんな花姿からイメージされて富と言う花言葉がつけられました。
黄色い花の花言葉・「成功」
黄色は、記憶力や集中力をアップさせる効果があるとされるカラーです。記憶力や集中力が高まれば、ビジネスシーンなどでの成功が期待できるというもの。ポピーの花の黄色は、とても美しくて混じりけのない黄色です。そうしたポピーの鮮やかな花色から、成功という花言葉が生まれました。
ポピーの基本データ
科名属名
ケシ科ケシ属
学名
Papaver
和名
ポピー、ひなげし
別名
虞美人草（グビジンソウ）、コクリコ
英名
Corn poppy、Corn rose、Field poppy
原産国
ヨーロッパ、西アジア
ポピーの花の種類
ポピーには、およそ60種類の品種があります。オーソドックスな赤や黄色の一重咲きのものから、とても珍しい花色の園芸品種までバラエティに富んでいます。ちょっと個性的なポピーをガーデンで育てるのも楽しいでしょう。
マザーオブパール
マザーオブパールは、淡いニュアンスカラーがはかなげでとても可愛らしいポピーです。
ロイヤルウェディング
開花すると真っ白な花びらの真ん中に、紫色が美しい、まさにロイヤルウェディングの名前どおりの花色です。
ダウンコーラス
「ダウンコーラス」とは、明け方の小鳥のさえずりという意味。赤やピンク、紫といろとりどりの花色に、八重咲の花模様がとてもキュートなポピーです。
ポピーの花の育て方・土づくりと肥料
育て方1・土づくり
ポピーは水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土を混ぜたものを準備しましょう。市販の草花用培養土を利用してもよいでしょう。またポピーは、酸性土壌を苦手とする植物なので、植えつける土にあらかじめ苦土石灰を混ぜてPH調整しておきます。苦土石灰を施したあとは、しばらく寝かしておくとよいでしょう。
育て方2・肥料
ポピーには、ほんの少し肥料を施す程度で充分です。はじめにポピーを植えつける際に、元肥として緩効性の化成肥料を施すとよいでしょう。そのあとの追肥は、特に必要ありません。逆にポピーは過度に肥料を施しすぎると、草丈だけが大きくなり花付きが悪くなるといったいわゆる「草ぼけ」という症状があらわれます。
ポピーの花の育て方・水やりと場所
育て方3・水やり
ポピーを植えている土の表面がしっかり乾いたのを確認して水やりしましょう。ポピーは多湿の環境を苦手とします。過度な水やりは、根や葉っぱの蒸れを引き起こし、病害虫の発生につながることがあります。
育て方4・場所
ポピーは、日当たりのよい風通しのよい場所を好む植物です。逆に、ポピーは、じめじめした多湿の環境は苦手です。鉢植えの場合、太陽の光がよく届く場所に置きましょう。庭植えにする場合には、水はけのよい場所に植えつけましょう。
ポピーの花の育て方・植えつけと植え替え
育て方5・植えつけ
ポピーの植えつけに適した時期は、春もしくは秋の季節です。だいたい3～4月もしくは10～11月の気候の良い時期に植えつけを行いましょう。ポピーの苗をポットなどから、すっと取り出してすみやかに植えつけます。その際、できるだけ根っこについた土を崩さないように注意しながら、そのままスムーズに植えつけましょう。
種類ごとの大きさの違いに注意
なお、ポピーは種類によって、育つ大きさが異なります。草丈が70センチ以上に大きくなるものは、株間を30～40センチとしっかりあけましょう。70センチ以下のものは、株間を20～30センチほどあけるとよいでしょう。
育て方6・植え替え
ポピーには、一年草と多年草の種類があります。一年草に属するポピーは、植え替えの必要はありません。多年草に属するポピーは、とくに鉢植えの場合に、植え替えをするとよいでしょう。ポピーの植え替えに適した季節は秋、9～11月頃です。植え替える株を鉢から抜いたら、根っこについた土を崩さないように注意しながら、これまでよりひとまわり大きな鉢に植え替えます。
ポピーの花の増やし方・種まきと株分け
増やし方1・種まき
ポピーは、こぼれだねからも自然に発芽するほど、生命力にあふれた植物なので、種まきにより比較的簡単に増やすことができます。ポピーの種まきに適した時期は、その品種により違いがあります。例えばアイスランドポピーの種まきは秋、9～10月に行います。またオニゲシの種まきは、春と秋の季節におこないます。種袋の注意書きなどを参考に、種まきの時期を決めましょう。
土をかぶせないのがポイント
なお、ポピーの種は、「光発芽性」であり、太陽の光を浴びることで発芽します。種をばらまきしたあとは、土をかぶせません。種まきをした育苗ポットを日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。数週間で発芽するでしょう。
増やし方2・株分け
多年草に属するポピーの場合、株分けにより増やすことができます。株分けに適した時期は10～11月。株分けしたい株を抜き取り、適度な大きさで分けます。次に植えつける場所は、これまでと違う場所にするとあとの成長がよいしょう。
ポピーの花を育てて花束をつくろう
春の穏やかな日差しのなかで、風にゆらめく赤や黄色の丸いポピーの花は、なんとも美しいものです。ポピーの花びらは少し透明がかったようにも見え、太陽の光を浴びキラキラと輝いて見えます。ポピーは、種まきから発芽しやすい植物。たくさん育てて、色とりどりの花を摘んでポピーの花束を作ってみませんか。ちょっとしたプレゼントにしても素敵です。