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輪作とは?作物が上手に育つサイクルや相性の良い作物をご紹介!

輪作をご存知ですか。輪作とは作物がうまく育つためのサイクルを考えて栽培する方法です。作物のもつ特性を生かして栄養豊富でおいしい作物を育てるための輪作方法や害虫病気の被害に合わない方法など詳しくご紹介していきます。必見です!
2020年8月27日
keipower
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輪作と連作ってなに?輪作・連作を知る

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輪作と連作について

輪作ってなに?連作ってなに?と思う方も多いのではないでしょうか。まず、輪作と連作の違いについて詳しくご紹介します。

連作とは何か

作物を育てるとき同じ場所で育てることありませんか。そのとき昨年と同じもしくは毎年同じ場所で同じ作物を育てることを「連作」といいます。ほとんどの作物で連作は、あまり良い効果を生みません。

連作障害がおこる原因

作物を毎年同じ場所に植え連作することで、作物に栄養が行き届かないことがおこり土壌の栄養バランスが崩れてしまいます。また、作物が病気になりやすく害虫被害が出るなどの障害をおこします。これが、「連作障害」です。

輪作とは何か

出典: https://cdn.pixabay.com/photo/2017/09/17/15/00/vegetables-2758670_960_720.jpg

輪作とはローテンションです。

輪作とは、連作障害をおこさないために作物の種類を分け、年数ごとにローテーションを考え栽培することをいいます。

輪作・連作障害の関係

連作障害は、同じ場所に同じ作物を植えることで起こりやすい障害ですが、野菜にはイネ科ウリ科など大きな種類に分かれるので遺伝的に近い野菜を植えることや栽培頻度が多い野菜を同じ場所で育てることでも起こります。

輪作で対策する

このように遺伝的に近い野菜や栽培頻度が重ならないようにするためにあらかじめ一年目に何の野菜を植えるか二年目、三年目…といったふうに輪作計画をたてることで栄養豊富なおいしい野菜を収穫することができます。

輪作のメリット

出典: https://cdn.pixabay.com/photo/2015/05/04/10/16/vegetables-752153_960_720.jpg

輪作は、おいしい作物を育てる

連作障害を避ける目的以外にも輪作にはさまざまなメリットがあります。

輪作のもつ効果①

輪作により特定の雑草の繁茂を防げることができます。

輪作のもつ効果②

野菜はそれぞれ根の張り方、発育状態、栄養吸収に違いがあります。輪作を計画することで土壌の栄養吸収バランスも異なるので同じ場所で違う野菜を育てることで土壌の微生物が多様化すると考えられ病害虫の発生が抑制されます。

輪作のもつ効果③

輪作により病害虫が減り、農薬を使わなくてもよくなります。それだけではなく土壌の栄養バランスもよくなるので、化学肥料に頼りすぎないで栄養豊富な野菜ができます。

野菜の「科」を知って輪作

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「科」が同じ野菜とはなにか

輪作を計画する上で大事なことは野菜の持つ遺伝的な特性「科」の種類を覚えておくことです。同じ科の野菜を植えることで連作障害が起こります。野菜の収穫ができなくなるということを避けるために代表的な「科」の種類をご紹介していきます。

アオイ科

オクラ、モロヘイヤ

アカザ科

ホウレンソウ、スイスチャード、テーブルビート、オカヒジキ

アブラナ科

カブ、カリフラワー、キャベツ、コマツナ、ダイコン、ブロッコリー、ハクサイ

イネ科

トウモロコシ、サトウキビ、レモングラス

ウリ科

カボチャ、キュウリ、ゴーヤ、スイカ、メロン、ツノニガウリ、ズッキーニ、トウガン、マクアウリ、ユウガオ(カンピョウ)


キク科

ゴボウ、シュンギク、レタス、チコリ、フキ、ヤーコン

サトイモ科

サトイモ、コンニャクイモ

ショウガ科

ショウガ、ウコン、ミョウガ

セリ科

ニンジン、パセリ、ミツバ、セリ、シャンツァイ、コリアンダー、アシタバ、チャービル、ディル

ナス科

ナス、ジャガイモ、トウガラシ、トマト、ピーマン、ペピーノ、パプリカ、ホオヅキ(食用)

バラ科

イチゴ

ヒルガオ科

クウシンサイ、サツマイモ

マメ科

インゲン、エダマメ(ダイズ)、エンドウ、ソラマメ、ラッカセイ、アズキ、アメリカホドイモ、ササゲ、ナタマメ、フジマメ、ヒラマメ、アオアズキ

ユリ科

タマネギ、ナガネギ、ニラ、ニンニク、ワケギ、アスパラガス、ユリネ

同じ野菜の「科」のもつ特性

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作物の特性を知って輪作

野菜は、「科」ごとに特性が似ています。この特性を知ることで輪作をする時の目安になります。

人工授粉ができるのはウリ科

たとえば、ウリ科のキュウリ、スイカ、メロンなどは蔓が伸び、雄花、雌花が同じ株の中に咲きます。そのため、人工授粉がしやすいという特性を持ちます。

支柱を立てて栽培はナス科

ナス科のトマト、ピーマン、ナスなどは、支柱を立てて栽培する特徴があるので、それぞれの「科」の特性を生かし輪作するとうまくいきます。

連作障害を起こさないようにする輪作方法

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連作しても良い作物と不向きな作物

連作障害をおこさないようにするためには野菜がもつ特性を知ることが必要になります。連作をしても大丈夫な野菜もあれば連作を嫌う野菜があります。

野菜の休栽年を知ると輪作がうまくいく

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休ませる期間を知ると輪作計画がたてやすい

輪作をする上で連作にならないように計画をたてます。その際、同じ場所にどのくらいの期間同じ野菜を植えてはいけないのかがわかると輪作計画が立てやすくなります。

連作障害が出にくい野菜

カボチャ、サツマイモ、シソ、タマネギ、トウモロコシ、バジル、オクラ

1~2年程度休んだほうが良い野菜

レタス、ダイコン、ナガイモ、ニンジン、シュンギク、ネギ、ホウレンソウ、リーフレタス、ミツバ


2~3年程度休んだほうが良い野菜

ハクサイ、インゲン、オクラ、カブ、カリフラワー、キャベツ、ジャガイモ、ブロッコリー

3~4年程度休んだほうが良い野菜

イチゴ、エダマメ、キュウリ、トウガラシ、ピーマン、メロン

4~5年程度休んだほうが良い野菜

サトイモ、ショウガ、トマト、ナス

5年程度休んだほうが良い野菜

エンドウ、ゴボウ、スイカ、ソラマメ

輪作にすると良い野菜の相性

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コンパニオンプランツを活用する

野菜の病害虫や土壌の栄養バランスを整えてくれ、お互いに利益を生み出してくれる野菜の組み合わせ栽培方法を「コンパニオンプランツ」と言います。

輪作に最適なコンパニオンプランツ

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相性の良い野菜とはお互いの利益を得る組み合わせ

輪作計画を立てる時、このコンパニオンプランツの組み合わせで栽培していくとさらに農薬に頼らなくても良くなります。

アブラナ科×セリ科

ダイコン、カブなどのアブラナ科のそばにニンジンのセリ科を植えると、アブラナ科を好むモンシロチョウの幼虫(アオムシ)とセリ科を好むキアゲハの横縞模様の特徴のある幼虫が寄り付きにくくなります。幼虫同士の相性が悪いので野菜は害虫被害に合いにくくなるのです。

ナス科×セリ科

ナスにつく害虫は、セリ科のパセリなどが近くに植えてあるとその独特の臭いに近づけなくなります。

アブラナ科×キク科

アブラナ科のカブ、コマツナなどの野菜とキク科のシュンギク、レタスなどを植えることでキク科からでる香りがアブラナ科を好むモンシロチョウを遠ざけ幼虫(アオムシ)による被害を防ぐことができます。

イネ科×マメ科

イネ科のトウモロコシとマメ科のエダマメの組み合わせで植えると、トウモロコシの実を食べ尽くしてしまうアワノメイガの幼虫が寄り付きにくくなります。また、マメ科の根の部分につく「根粒菌」が栄養を吸収してくれる働きをします。

ナス科×マメ科

ナス科のトマトやピーマンと相性が良いのがマメ科のラッカセイです。ラッカセイの根にもマメ科特有の「根粒菌」がつき土壌を良くしてくれます。「根粒菌」は、根っこにコブ状のものがたくさんつく状態をいいます。

「根粒菌」とは

「根粒菌」は、根っこのコブの根粒の中にバクテリアの種類のひとつである「根粒菌」(微生物)が住み着いている状態のことです。この「根粒菌」が空気中の窒素を固定し肥えた土壌にしてくれます。

輪作で野菜の収穫時期を逃さない方法

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収穫時期を知っておくと食べごろと栽培期間がわかります。

輪作計画を立てるのに役立つのがそれぞれ野菜の収穫の時期を把握しておくことです。野菜でもキュウリのように若い実をとる野菜があります。野菜により収穫時期が違うので、段階に合わせて輪作計画をたてておくと多くの野菜をうまく収穫することができます。


キュウリの収穫時期

キュウリは完熟してしまうと太く黄色くなってしまいあまりおいしくないので、スーパーなどでも並ぶこともありません。おいしいキュウリは長さが18cm~24cmくらいで開花後から7~10日が収穫に適した時期になります。

ナスの収穫時期

中長品種だと10~12cm程度で開花後から20~25日が収穫時期になります。

トウモロコシの収穫時期

トウモロコシは、錦糸が茶褐色になり錦糸抽出後20~25日が目安になります。

スイカの収穫時期

スイカは、開花後40~50日が収穫時期と言われています。スイカは、収穫時期が早すぎると中が白っぽくなり、遅すぎると完熟しすぎておいしくなくなります。

カボチャの収穫時期

カボチャは、果梗(ヘタ部分)が茶色く固くなり筋が入って来る頃で、開花後40~50日が収穫時期です。

輪作を極めるためのコツ!

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上手に作物を育てるコツ

輪作をうまく活用するためのコツがあります。「間作」「混作」を上手に組み合わせるやり方などです。詳しくご紹介します。

間作とは

輪作を計画する時、作物の栽培時期を見計らって2種類の野菜の畝を交互に作る方法があります。たとえば、麦の畝と畝の間にスイカを植え、麦の収穫が先に終わるとその後は、スイカ畑になるという感じです。

混作とは

ひとつの畝にいくつかの野菜を並べて育てる栽培方法が混作です。混作は限られた場所でも多くの種類の野菜を植えることができるので便利です。その際は、相性の良い野菜同士を隣に植えることがポイントです。

輪作の裏技

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作物の助っ人です。

野菜にはお互いに利益を与える組み合わせと阻害してしまう組み合わせがあります。野菜同士以外にも土壌のセンチュウを防ぐことができる植物が「マリーゴルド」です。違う野菜の間にマリーゴルドを植えるのもおすすめになります。

輪作で役立つ助っ人野菜①

輪作をするとき「つる割れ病」などのトラブルを防ぐことができるのが、長ネギです。特にウリ科の野菜の間に長ネギを混作すると良いでしょう。

輪作で役立つ助っ人野菜②

長ネギのように「萎凋病(いちょうびょう)」を防ぐことができるのがニラです。特にナス科の果菜の株元にニラを植えると成長を助けてくれます。

輪作を知っておいしい野菜を作るには

輪作計画立てるには野菜の特性をよく知ることがポイントになります。輪作計画をたてる時に多年草のような植えかえなくても良い野菜、春蒔き、秋蒔きの野菜のサイクルをうまく活用できるように記録をつけておくのも良いでしょう。