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ハナカイドウとは?特徴と育て方をご紹介!枯れた・花が咲かない時の原因は?

華やかに咲き誇るハナカイドウは、ぜひ手元に置いて楽しみたい花木の一つです。でも、どんな育て方をすればいいか悩んでしまいますよね。そこで、この記事ではハナカイドウの特徴と育て方、枯れた・花が咲かない時の原因などを解説します。
更新: 2023年5月1日
kashuyu10386
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目次

ハナカイドウとは

ハナカイドウまたはカイドウと呼ばれる、桜に似た可憐な花を咲かせる落葉高木です。花の色は桜より濃い淡紅色で、古来より美人を指す言葉として謳われるほどの美しさで知られています。

桜の花が終わる頃に咲き始め、枝が花の重みでしなだれるほど、見事に咲き誇ります。また、スズランのようにうつむき加減に咲く、しとやかさを持ち合わせています。

開花時期

開花時期はだいたい4月中旬~5月上旬で、桜と入れ替わりで咲き始めます。花が終わると結実し始め、9月~10月頃に赤い実が熟します。ただ、結実しないことがあり、実が成熟しても味は保障できません。

桜と似た姿ですがハナカイドウは桜とは違い、花を開ききらずに、半開きで咲きます。つぼみの時期は紅く、開花時は淡紅色へと色が移ります。

基本情報

だいたい5m~10mの高さに成長する、桜と同じバラ科リンゴ属の落葉高木です。江戸時代に原産地の中国から日本へ伝わって以来、日本における名称も中国名の海棠が使われています。実が生る実海棠と区別するために、花海棠と呼ばれました。

別名はスイシカイドウまたはナンキンカイドウです。寒さに強く、日本のほとんどの地域で生育可能な品種です。増やし方は挿し木よりも接ぎ木の方法を使います。

ハナカイドウの園芸品種や近縁種

園芸品種

ヤエカイドウ(八重海棠)、オオヤエカイドウ(大八重海棠)、ミツバカイドウ(ミツバカイドウ)またはズミ、フイリカイドウ(斑入海棠)、シダレカイドウ(枝垂れ海棠)、ウケザキカイドウ(受咲き海棠)です。

ミツバカイドウは別名をズミとも言い、白い花を咲かせます。フイリカイドウの葉は斑が入っており、ウケザキカイドウは、うつむき加減のハナカイドウとは異なり、上を向いて咲くのが特徴です。

近縁種

近縁種は、ホンカイドウ(本海棠)、ノカイドウ(野海棠)、ミカイドウ(実海棠)ヒメカイドウ(姫海棠)です。このうちカイドウの名で知られていたものは、その時代、国ごとに違います。

原産国の中国ではホンカイドウ、江戸時代の日本ではミカイドウ、現在の日本ではハナカイドウ、とその時ごとにカイドウの通り名をも持つものは変わってきました。

ズミとも呼ばれるカイドウ

ズミは、染みまたは酢実、という意味があり、かつてその樹皮を染料として収穫していたことや、酸っぱい実であることが由来です。ズミはカイドウと同じくリンゴの近縁種であり、一部のカイドウもズミの別名を持つものがあります。

また、ズミは、接ぎ木の台木として使用されることが多い品種です。ミツバカイドウ(三葉海棠)、ヒメカイドウ、ミヤマカイドウ(深山海棠)などがズミと呼ばれることがあります。

ハナカイドウの育て方!植え付け〜増やし方まで徹底解説

ハナカイドウの育て方1:植え付け


植え付け時期と場所

植え付け時期は12月~2月の落葉期が理想ですが、寒冷地は土が凍る恐れがあるため、作業は3月まで待ちます。植え付けに適した場所は、西日の強くない、日当たりのよい所がいいでしょう。

夏の強い西日に弱く、半日陰も花芽が日なたに比べて圧倒的に減るからです。苗木の大きさによって植え付け方法が少し変わります。

植え付け時の用土

ハナカイドウは水はけの悪い土を嫌い、最悪根腐れを起こして枯れる恐れがあるので、植え付け時の土は重要です。鉢植えなら赤玉土(小):腐葉土を6:4または赤玉土:腐葉土:黒土を4:3:3の割合で混ぜ合わせた土と好物の堆肥を準備します。

地植えなら根がよく広がるよう、大きめに掘った穴に堆肥と腐葉土を入れて、庭土としっかり混ぜ込みますが、庭土が粘土質ならば、川砂などの水はけを改善する土を追加しましょう。

植え付け方法

植え付け前にはハナカイドウにしっかりと水をやっておきましょう。苗木なら、枝を半分ほどに剪定し、根も伸び過ぎた分だけ切り詰めます。

接ぎ木した部分がコブになっているので、その部分を土でしっかりと覆うようにして植えることがポイントです。

中株からは、同じく根の切り詰めを行い、表層の根が地表に見える程度の浅さで植え付けましょう。伸び過ぎた根は、適度に切ることでハナカイドウの負担を減らせます。

ハナカイドウの育て方2:管理方法

水やり・肥料

植え付け後も水やりをして、土を馴染ませます。根付いたら、鉢植えは土の表面が乾いた時と夏場の水やりは朝夕にします。庭植えは、よっぽど雨が降らない日が続く場合を除き、水やりはほとんど必要ありません。

肥料は、花の終わる頃に化成肥料、2月と8月下旬に化成肥料と有機肥料を混ぜたものを追肥します。化成肥料は効き目がゆっくりなものを、有機肥料は骨粉と油かすを混ぜたものがいいです。

管理場所

ハナカイドウは、西日が強くない日当たりのよい所へ置きます。日当たりの悪い、日陰や半日陰では花付きが途端に減少するので気を付けましょう。また、病気対策のため、湿度の高い場所には置かず、通気性のよい所に置きます。耐寒性があるので、鉢上げやマルチングの冬越し準備をせずに済みます。

植え替え時期

植え付け時と同様、落葉期である2月頃に行います。鉢植えで赤玉土を使用しているなら、土の形が崩れきると水はけが悪くなるという土の要因もあるので、植え替えの頻度には土の様子も見て決めます。

通常は2年に1回か、鉢いっぱいに根が張り巡らされた時に植え替えを行います。土は植え付け時と同様の土で構いません。

ハナカイドウの育て方3:剪定

ハナカイドウは日当たりの悪い所が大の苦手です。それは他の遮蔽物によるものだけでなく、ハナカイドウ自身が自分に対して日当たりを悪くしてしまうことがあります。葉が生い茂り過ぎると、陽の光が幹に届かなくなり花付きが悪くなること、通気性が悪くなって病害虫を呼ぶ可能性があがります。


剪定の仕方と時期

ハナカイドウの花芽は、花がすべて落ちた頃にでき始めます。この時期は大きな剪定は控え、伸び過ぎた細い枝を少し切る程度にしましょう。本格的な剪定は落葉期の12月~2月です。花芽がつくのは短い枝ですので、花芽の付いていない枝や伸び過ぎた部分を切ります。

ハナカイドウの育て方4:病害虫と対策

主な病気

主な病気は赤星病、うどんこ病です。赤星病は4月~6月頃の間に発生し、その名の通り、葉の表面にはオレンジ色の星型の斑点が、病気が進行すると裏には丸い羽毛だった病斑がぶつぶつと現れ、葉を腐らせます。

うどんこ病は、まさに白い粉のような斑点が葉の表面に現れ、葉を枯らしていく病気です。跳ねた水滴経由で菌が他の葉に付着して、さらに増え広がる厄介な病気で、その被害は葉のみならず実にまでおよびます。

主な害虫

主にな害虫としてテッポウムシとアブラムシ、カイガラムシがあげられます。テッポウムシ(カミキリムシ)は木の内部を食い荒らす、ガーデニングにおいては厄介な虫です。この虫の見つけ方は、幹に穴があり、近くにおがくずのようなものが散らばっていないかで判断します。

アブラムシとカイガラムシは、木の汁を吸う上に病気を媒介する害虫です。早期に予防と対処をしないと枯れたり、花が咲かないといった被害に遭います。

対策方法

病気が発祥または害虫が見つかった場合、薬剤散布や虫なら直接水やヘラでこそぎ落とすなどの対処ができます。病気も被害が少ない段階ならば、病気になった葉のみを燃やすだけで済むでしょう。

うどんこ病と赤星病、アブラムシに対しての共通する予防は、風通しを良くすること、窒素分の多い肥料を与え過ぎないことです。カミキリムシに対しては、あらかじめ幹に不織布を巻いて侵入させないようにします。

ハナカイドウの育て方5:トラブル

咲かない理由1:剪定の仕方が間違っている

花が咲かない原因の一つとして、剪定の仕方が間違っていることがあげられます。せっかくできた花芽を切り落としていたら、次の年の花は期待できません。かといって切らずにいても、自ら日差しを遮る壁になってしまっては、花の数を減らすだけです。

剪定は、ハナカイドウにとってもデリケートなことですから、適切な時期や長さを守って行いましょう。

咲かない理由2:管理場所が悪い

日陰だと花芽の数が日なたに比べると圧倒的に減ってしまい、花が咲かない原因になります。半日陰でも同様なのですから、ハナカイドウにとって日光は、花を咲かせるために本当になくてはならない存在でしょう。満開のハナカイドウを見るためには、まったく影のない、日なたに置くことが最適です。

枯れた・咲かない理由:病害虫または根腐れ

木の内部を食い荒らすカミキリムシや徐々に木を蝕んでいく病気や吸虫も、ハナカイドウが枯れたりまたは花が咲かない原因の一つです。病害虫はどちらも放っておくと、ハナカイドウから生気を奪い、最悪の場合、枯れたり花が咲かない恐れがあります。

ハナカイドウは、土が加湿だと根腐れを起こすので、土の状態にも気を付けましょう。

ハナカイドウの育て方6:増やし方


実は、他の植物なら有効な、挿し木による増やし方ができません。挿し木を成功させることは極めて難しいので、接ぎ木による増やし方が一般的です。この方法はリンゴの木にも使われています。

接ぎ木には台木となる植物が必要になり、その台木にハナカイドウの枝を接ぎ木することで、新たにハナカイドウを増やせるのです。ズミと呼ばれる、同じバラ科リンゴ属の植物を台木として用意します。

ハナカイドウの育て方7:好き嫌いのまとめ

ハナカイドウの好きなもの

まず一つは「日光」、しかも光が陰によって遮られないように置き場所にも剪定にも気を配る必要があること。それから「水はけのよい土」、「水やりは庭植えにはほぼ要らず、鉢植えなら夏場は朝夕の2回」、好物の「肥料は8月と2月に与える」ことがポイントでした。

また、増やす際には挿し木不可なので、接ぎ木の際には時期を守って行うと、新たなハナカイドウにも台木にも負担が少なく済みます。

ハナカイドウの嫌いなもの

まずは「日陰」と「強い西日」です。日光が当たらない場所もですが、強い西日も葉を痛めるので嫌います。それから、土の「加湿」と「乾燥」で、根腐れを起こすほどの水はけの悪さや水やりは嫌いますが、土が乾燥するのもハナカイドウに負担を掛けます。

最後は、食害や病気で枯れたり、咲かなくなる可能性が高い「病害虫」が大嫌いなものでした。

まとめ

ハナカイドウは本当に見惚れるほどに可憐で、桜のように楽しませてくれる植物ですが、それだけに適切な育て方も必要な花木です。だからこそ、人間のように身なりを整えることで、一層際立った美しさを披露してくれます。

残念ながら、ハナカイドウの株を増やしたくても、挿し木のように簡単な増やし方はできませんでした。しかし、それだけに今ある株が枯れたりしないよう、大切に育てようと思えるのではないでしょうか?

病害虫の対策が気になる方はこちらもチェック!

ハナカイドウを育てる上で避けて通れない病害虫の対策は、難しく思えるかもしれません。しかし、当サイト「暮らし~の」では、ガーデニングにおいて大敵である病害虫の記事をいくつも扱っています。下記リンクの記事などから病害虫対策の参考にしていただき、ハナカイドウを守る助けになれれば幸いです。