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トクサの育て方!上手な植え方や増やし方とは?増えすぎに注意?

日本庭園などで涼やかな雰囲気を醸し出してくれるトクサ。大変丈夫で繁殖力の強い植物です。むやみに増えすぎるのを防ぐため植え方に工夫するのが育て方のポイントです。植え方のコツや育て方、剪定などのお手入れの仕方、トクサの種類などをご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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トクサの基礎知識1・特徴

トクサはシダ植物

トクサは、常緑性の植物です。つくし(スギナ)と同じシダ植物の種類のひとつで、日本の北海道から本州の山間部に自生しています。夏になると、茎の先端に胞子葉群がつき、そこから胞子を飛ばします。

トクサの茎

トクサの茎にはたくさんの節があり、一見すると竹のような雰囲気です。茎のなかは空洞で、丈は1メートルくらいまで成長します。茎を上に引っ張ると、節の部分でスコンと抜けます。トクサの茎は枝分かれせず、まっすぐ上にのびます。ただし、茎の先が傷むなどして先に伸びられなくなると、枝分かれすることがあるようです。見栄えの悪い茎は剪定などの手入れをしましょう。

トクサの葉

トクサの茎にある節の部分に、その周りを囲むようなギザギザのハカマが存在します。トクサの葉はこのハカマの部分です。

トクサの根・増えすぎに注意

トクサは繁殖力の非常に強い植物なので増えすぎに注意しましょう。トクサは地下茎によりどんどん増殖しますので、植える場所を慎重に選び、くれぐれも増えすぎないように管理することが大切。一度増えてしまうと、すべてを駆除するのが大変なほどです。こまめに根っこごと抜いていっても、少し地下茎が残っているだけで、そこから新しい芽がでてきます。やむを得ず、除草剤をまいても、すぐにはなくならないくらいの強さを持っています。鉢植えにしたものを楽しむことをおすすめします。

地下茎で伸び、畑の厄介者である雑草「スギナ」。お百姓さんの間では、スギナの根が深さから「地獄草」という別名で呼ばれるほど。スギナは、実は、トクサと同じトクサ科トクサ属、つまり同じ種類です。このことからもトクサの繁殖力はすさまじいものと頭に入れて増えすぎには重々注意しましょう。

トクサは日本庭園や生け花に人気

夏の暑い時期にも涼やかな姿を見せてくれるトクサ。その独特の和風の花姿から、盆栽や生け花などに人気の植物で、鑑賞用の切り花専用に栽培されているそうです。また、日陰でも育ちお手入れも簡単なので、日本庭園の下草としても重宝されています。苔玉に仕立てる、水辺に植えて雰囲気を感じるなど、幅広いシーンで楽しむことができます。

トクサはヤスリとして利用される

トクサの茎の表面はざらついています。この特性から、トクサは古くより、茎を乾燥させてヤスリとして利用されてきました。ツゲの櫛を作る際など、主に木工品などを磨いていたそう。 まさに100パーセント「天然素材」の紙やすりです。

トクサの基礎知識2・花名の由来

和名の由来

トクサは漢字で「砥草」と書きます。トクサの茎はざらざらしています。その特徴を生かして古くより、木材などを砥ぐ役割を果たしてきました。このことから「砥草」と名付けられました。

別名の由来

トクサは、別名「ハミガキグサ(歯磨草)」とも呼ばれています。昔、トクサの茎を歯磨きするのに使っていたそうで、このことからつけられた名前です。

属名の由来

トクサの学名は「Equisetum hyemale(エクイセツム」です。はラテン語の「エクース(馬)」と「セタ(剛毛)」を合わせたものが語源となっています。からなり、トクサのハカマ状の葉っぱが、馬のかたい尻尾の毛に似ていることに由来しているそうです。

トクサの基礎知識3・花言葉


トクサの花言葉は「率直」です。トクサの茎は、空に向かってまっすぐ上に成長します。葉っぱは一応ありますが、目立たないもの。そうした姿からつけられた言葉でしょう。もうひとつの花言葉は「非凡」。トクサはザラザラした茎の特徴から、ヤスリや歯ブラシの代わりとして人々に重宝されてきた植物です。この特性からつけられた言葉です。

トクサの基礎知識4・基本データ

科名属名

トクサ科トクサ属

学名

Equisetum hyemale

和名

砥草・木賊(トクサ)

別名

ヤスリグサ・エダウチトクサ・ミガキグサ・ハミガキグサ

英名

Common horsetail

原産国

北半球の温帯地域

トクサの基礎知識5・効能

トクサには、パルストリン、ジメチルスルフォン、無水ケイ酸といった成分が含まれています。目の病気に良いと言われ、漢方の世界でも利用されています。結膜炎による充血やかすみ目、流涙症に効果が期待されています。また、止血剤として使われてきた歴史もあります。古来日本では、腸の出血や痔の出血、月経過多の際に、利用されていました。トクサを水洗いして日陰干ししたものを煎じて服用します。

トクサの育て方1・トクサの種類

トクサのなかでも、日本に存在しているのは9種類なのだそうです。種類によって大きさや植え方などが少し異なります。

トクサ

スタンダードな種類のトクサです。鉢植え、地植えどちらでもよく育ちます。乾燥させないこと、根詰まりしないように定期的に植え替えをすることが植え方のポイント。特に鉢植えの場合、乾燥しすぎると枯れることがあります。生育旺盛なので、剪定などを施し、こまめに手入れして美しい立ち姿をキープしましょう。


ヒメトクサ

ヒメトクサ(姫砥草)は、通常のトクサよりかなり茎が細くて短いのが特徴です。草丈は10~20センチ。北海道などの湿地に自生しています。ミニマムなかわいらしさから、愛好家の間で人気があります。植え方の例として、鉢植えのほか、コケ玉や盆栽などに取り入れるとインテリアとしても素敵です。特に、盆栽などは、手入れする時間も楽しいもの。上手に手入れして増やしたものを、コケ玉にしてプレゼントにするのも素敵です。

ミズトクサ

ミズトクサ(水砥草)は、名前のとおり、水中の浅いところや湿地で生育します。日本では、北海道から本州中部の湿地に自生しています。ミズトクサの植え方のコツとしては、水をきらさない環境を作ることが何より大切です。ビオトープやガーデンの池などに植えると、水辺に素敵な雰囲気をもたらしてくれます。コケ玉にして水盤に飾るのもおすすめの植え方でしょう。

トクサの育て方2・土づくりと肥料

土づくり

トクサは、水はけの良い土を好みます。赤玉土に川砂を混ぜたものを使うとよいでしょう。また、市販の山野草の土を用いるのもおすすめです。

初心者さんにもおすすめなのが、市販の山野草の土です。必要な材料がブレンドされ、程よい水はけを保ってくれます。

肥料

トクサは、大変たくましい植物。鉢植え、地植えいずれの場合も、肥料をさほど必要としません。生育状態を観察しながら、どうしても心配な場合、春から秋の間の数カ月に1度、液体肥料を少し施すとよいでしょう。

トクサの育て方3・場所と水やり

場所

トクサは、直射日光の当たらない、半日陰を好みます。特に夏の時期のギラギラした日差しが苦手でまれに枯れることも。逆に、ほかの植物が育ちにくい日当たりの悪い場所でも成長します。トクサは、本来、湿地に自生する植物です。乾燥している場所は苦手で、ちょっとじめじめした場所が好きです。また、地植えにして増えすぎが心配な場合、鉢植えにしたトクサをガーデンに置くという植え方もおすすめです。

水やり

トクサは水を好む植物です。トクサの生育時期にあたる春から秋の間は、たっぷり水を与えましょう。トクサは強い植物なので、少し乾燥したくらいで枯れることはありませんが、極端に乾燥した場合は枯れることもあります。地植えの場合はほとんど心配ありませんが、鉢植えの場合は極端に乾燥しないよう管理しましょう。なお、トクサの休眠期にあたる冬の時期は、心持ち水やりを控えましょう。冬に過剰に水を与えると、根腐れを起こして枯れることがあります。

トクサの育て方4・植えつけと植え替え

植えつけ

トクサの植えつけに適した時期は4~8月頃です。トクサは繁殖力の強さから増えすぎに注意すべき植物。植えつける前に、植える場所を慎重に選びます。鉢植え、地植えともに、水はけの良い環境を作ります。根を傷つけないように注意しながら、トクサの苗をポットから取り出します。深さ50センチくらいの穴を掘り、苗を植えつけます。鉢の場合、少し深いタイプを選びましょう。

植え替え

生育旺盛なトクサ。同じ鉢のままにしておくと根詰まりを起こして株が弱り、やがて枯れることもあります。できれば1年に1度、一回り大きな鉢に植え替えることで、枯れるのを防ぎましょう。植え替えに適した時期は3~5月です。

トクサの育て方5・剪定


トクサは涼やかな見栄えが魅力的な植物。剪定して手入れすることで、より美しい姿を保つことができます。トクサは強い植物ですから、しっかり剪定して大丈夫です。トクサの茎はまっすぐのびるのですが、風などで折れてしまうことがあります。そうした見栄えの良くない茎は、こまめに手入れして剪定しましょう。また、春になるとトクサは新しい新芽を出しはじめます。古い親の茎は刈り取って剪定してしまうと良いでしょう。

トクサの育て方6・株分けと挿し木(増やし方)

トクサは生育旺盛な植物で、増やし方も簡単です。増やし方は2つあります。株分けと挿し木です。どちらの増やし方も成功しやすく、初心者にもおすすめです。

株分け

トクサの増やし方としてまずあげられるのが、株分けです。株分けに適した時期はは3~5月。トクサの株を植えてある鉢や地面などから抜き出します。抜き出した株の地下茎をはさみで適度な大きさに切り分けます。トクサの茎が2~3本ずつついているくらいが一株の目安です。トクサは丈夫な植物なので、比較的大胆に株分けしても大丈夫です。切り分けた株を好きな場所に植えつけましょう。

挿し木

トクサのもうひとつの増やし方が、挿し木です。挿し木に適した時期は3~5月。トクサは切り花としても人気なのですが、花器に生けてあるものから発根してくるくらいのパワーを持っています。挿し木は成功しやすい増やし方と言えるでしょう。トクサの茎をだいたい2節くらいの長さに切り取ります。このとき、切り口がスッパリと切れるよう、よく切れるナイフなどを使うのが挿し木のポイントです。

挿し木の時は上下に注意

また、トクサは切ってしまうと上下が分かりづらくなります。上下が逆さになると枯れるので、注意することが、挿し木を成功に導くもうひとつのポイントでしょう。切り取った茎の下側を、発根剤入りの水に1時間くらいつけておきます。そして、挿し木用の土を入れた育苗ポットなどに挿します。直射日光のあたらない場所で水やりをしながら管理します。10日前後で根が出てきますので、好きな場所に植えつけましょう。

トクサの育て方7・病気と害虫

病気

トクサは、強い植物であまり病気の心配はありません。

害虫

トクサにはあまり害虫はつきません。

育て方のコツを知って、トクサを上手に楽しもう

トクサは、その和風モダンな草姿から、生け花やフラワーアレンジメントの世界でも人気の植物です。まっすぐ空にのびる凛とした雰囲気が美しいトクサ。トクサは元々、湿原などで自生している植物なので、水切れに注意しましょう。また生育旺盛なので、増えすぎないよう工夫します。いったん鉢植えにしたものを庭に置くなどの方法がおすすめ。コケ玉にしてお部屋で鑑賞するのもいいですよ。