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ロードバイクのコンパクト・ノーマルクランクを徹底比較!ギア選びのコツとは

ロードバイククランクの、ノーマル・コンパクトとは何か?比較すると何が違うのか?ノーマルクランクとコンパクトクランクそれぞれのメリットとデメリットを比較し、歯数やギア比といったところからロードバイクをより楽しむためのクランク・ギア選択・交換について解説します。
2020年8月27日
おおかみ
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この記事で紹介しているアイテム

SHIMANO 105 ミッドコンパクトクランク

クランクってロードバイクのどの部品?

ロードバイクにおけるクランクとは

まずクランクとはどの部品かを見ていきましょう。下の写真にあるような形をしている部品がクランクです。長く飛びだしている部分(クランクアーム)にあいた穴にペダルを締込み、自転車にはそのペダルを踏むことで推進力に変換される踏力を入力します。ペダルから入力された踏力は、クランクのギア(チェーンリング)に掛けられたチェーンを通してリアホイールに付けられたスプロケットを通してホイール・タイヤを回転させ自転車を進める推進力に変わります。クランクは、ペダルとともに入力された踏力を最初に受け止める場所です。強い力がかかる部品なので、一定以上の剛性と軽量性が求められる自転車パーツの中でも高額になりやすい部品です。

SHIMANO 105 ミッドコンパクトクランク

ノーマルクランクとコンパクトクランクって?

そもそもノーマルクランクとコンパクトクランクって何なのでしょう?一言でこの疑問に答えるのであれば、比較した時にその違いとして現れるものはギア歯数の違いと答えることができるでしょう。近年ロードバイクにおいて常用されるクランクは、そのギア歯数によってノーマルクランク・コンパクトクランクとその中間のミッドコンパクトクランクに分類することができます。そのギア歯数によって生まれる、ノーマル・コンパクト・ミッドコンパクトそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

ノーマル・ミッドコンパクト・コンパクトクランクはそれぞれどんなもの?

ロードバイクにおけるノーマルクランクは、クランクアームに組み合わせる二枚のチェーンリングのギア歯数が、53Tと39Tの物を指します。この組み合わせを、53ー39Tというように表記します。ミッドコンパクトのチェーンリングのギア歯数は52-36T、コンパクトクランクはチェーンリングのギア歯数が50-34Tのものを指す言葉です。

クランクのギア歯数が違うと何が違う?

ロードバイクのギア比という概念について

ノーマル・ミッドコンパクト・コンパクトそれぞれのクランクのメリットデメリットを比較するためには、ギア比という概念を理解しておく必要があるでしょう。ギア比とは、リアのギア歯数でフロントのギア歯数を割った数字です。ギア比は、クランクを1回転させた時にスプロケット(つまりはホイール)が何回転するかということを表す数字です。


出典: http://www.podium.co.jp/orbea/bike/orca-omp-tia.html

ノーマルクランクを例にすると

例えば、フロントの歯数が53Tの時、リアは25Tのギアを選択していたとします。この時、ギア比は53÷25ですから、2.12になります。クランクが一回転すると、ホイール(スプロケ)は2.12回転する計算になります。このギア比が高いほど、少ないケイデンスでたくさんホイールが回転するので、スピードを出すことができる一方、強い力をペダルにかける必要があります。最大/最小のギア比は部品を組み付けた時点で決まってしまうので、山に行く時であるとか、平坦しかないようなレースに出る時とでは、求める最大/最小ギア比は異なります。そのため、求める最大/最小ギア比を部品を交換することで手に入れます。リアと違い、ロードバイクのフロントは基本的に二枚のチェーンリングしかないので、クランク(チェーンリング)の選択は難しいところでもあります。

ノーマルクランクのメリット・デメリット

ノーマルクランクは、様々な道を走ることを想定されているロードバイクという乗り物の中でも、平坦路を早く走ることを意識したギア歯数構成になっているチェーンリングを使ったクランクと言えるでしょう。

出典: http://www.podium.co.jp/orbea/bike/orca-omp-tia.html

ノーマルクランクのメリット

他のクランクと比較して大きな歯数のチェーンリングを装着しているので、リアの歯数を揃えて他のクランクと比較した際に最も大きなギア比を作ることができます。つまり、少ないペダル回転数で大きなホイール回転数を得ることができます。一度速度に乗せてしまえば、速度の落ちる要素が少ない平坦路に適したギア比を作るためのクランクです。

ノーマルクランクのデメリット

ノーマルクランクを選択したロードバイクは、最小ギア比でも高いギア比になってしまうことがデメリットと言えます。高いギア比でのゼロ発進や加速には大きな踏力が必要になるので、脚への負担が大きくなります。頻繁に加減速し最高速が上がりきらないコースや、常に重力によって減速され、加速し続けることが必要になる山道などのコースでは、その真価を発揮することは難しく早くに疲労してしまうというデメリットが現れるでしょう。

コンパクトクランクのメリット・デメリット

出典: http://www.podium.co.jp/orbea/bike/orca-omp-105.html

コンパクトクランクのメリット


コンパクトクランクは、他のクランクと比較して小さな歯数のチェーンリングを持つクランクです。リアのギア構成も合わせて、最小ギア比を最も小さくできることがメリットと言えるでしょう。小さなギア比を選択してクランクを回すと、クランク1回転で進む距離は減りますが、少ない力で回す事ができます。疲労を最小限に抑えてそのコースを乗り切るため、あるいは山道のように常に踏力をかけ続けなければならない場面で、長い時間力をかけ続けるために一踏みにかける力を小さくするために有用なギア比を構成するためのクランクです。

コンパクトクランクのデメリット

コンパクトクランクのデメリットは、他のクランクと比較するとどうしても低くなってしますその最大ギア比でしょう。最大ギア比が低くなることはそのまま最高速度の限界が低くなることを意味します。理論的には、クランクを回す速度を上げればその分最高速は上がるのですが、実用的なペダル回転数は多めに見積もっても110rpmといったところでしょう。平坦路・短距離でのハイスピードな展開のレースになると、十分なギア比を取れずに足の回転が増し心肺が疲労してしまう…なんてことも考えられます。

ミッドコンパクトとノーマル・コンパクト

ミッドコンパクトクランクは、名前の通りノーマルクランクとコンパクトクランクの中間のような存在です。組み合わせるスプロケットの歯数にもよりますが、最大ギア比はノーマルクランクより低く、最小ギア比はコンパクトクランクより大きく…となることが多いです。というのも、リアの歯数でも常用されるものは最小(最大ギア比に関係)11・12T、最大(最小ギア比に関係)25・28・30・32Tといったあたりの組み合わせになることが多いからです。ミッドコンパクトクランクは、メリットとデメリットがどちらも大きく出過ぎない、様々な性格を持つコースに対応するためのチェーンリングを持つクランクと言えるでしょう。

ロードバイクのチェーンリング交換について

出典: http://www.diatechproducts.com/rotor/aldhu_3d+set.html

ノーマル・コンパクト・ミッドコンパクトの各クランクの差を生み出しているのは、チェーンリングの歯数です。メーカーによって異なりますが、クランクはチェーンリングを交換することでノーマル⇆コンパクトとその性格を変化させることができるものもあります。その際注意しなければいけない点を見ていきましょう。

①コンパクト・ノーマルクランクのPCDについて

PCDとは、クランクアームにチェーンリングを固定するために開けられたネジ穴をつなげて円を描いた際にできる円の径の数値です。ロードバイクのクランクにおいては、PCD110とPCD130の二つが主なPCDの規格です。交換する際は、このPCDがクランクアームとチェーンリングで合致していないと交換することができません。ノーマルクランクとコンパクトクランクでこのPCDが異なる場合は、チェーンリングのみの交換はできないので、クランクを丸ごと交換することになります。

②クランクのアーム数について

これはクランクのモデルを見て、同じモデルのチェーンリングに交換すれば何も問題になりません。ですが、SHIMANOやCAMPAGNOLOのメーカーは、ロードバイクのクランクにおいてネジ止めか所が5か所から4か所に変更に成っています。異なる世代の同モデルだと、ネジ止めか所が違うことがあるので注意が必要です。

ロードバイクのクランク選び


これまで、ノーマル・ミッドコンパクト・コンパクトと三つのクランクを見てきました。これら三つのクランクから自分に合ったものをどのように選ぶのでしょうか?クランク選びの際の視点を幾つかご紹介します。

①何に使うロードバイク?

そのクランクを付けるロードバイクに乗る目的は何なのでしょう?それを考えると、クランクやギア比をどれにするか固まってくると思います。ポタリングをしたいなと思うのなら、信号の多い市街地で出せるスピードや、ストップアンドゴーになる再加速の疲労を考えればコンパクトクランクの方が向いているでしょう。逆に、広い河川敷でのトレーニングや、高速域でのレースに出るなら、ノーマルクランクで周りのスピードについていけるギア比を確保すべきでしょう。

②どこに行くロードバイク?

ロードバイクに乗ると往復100kmくらいは軽く行動範囲に入ってくるので、様々な場所・道が行き先になるでしょう。その道の性格に合わせてギア比やクランクの選択をしたいものです。峠越えを含むルートならコンパクトクランクの方が楽でしょうし、快調に飛ばせる緩い下りが多いならノーマルクランクの方がいいでしょう。バリエーションにとんだコースであればミッドコンパクトという選択もいいでしょう。

ロードバイクや機材もいいけれど…

山も行くしレースも出るし、ポタリングも全部一台、一つのギア構成でやっちゃいたい!この考えでもいいと思います。コンパクトクランクでもレースに出れますし、ノーマルクランクでも山は登れます。どっちに向いているのかというだけの話です。ですが、軽いギアはいくらあっても困りませんが、重いギアは平坦で踏めない時点で使える場面が大きく限られてしまいます。自分の脚力で適切な回転数を出せるギア構成というものを乗りながら探っていくことも、ギア構成を含んだロードバイクのカスタマイズの楽しさではないでしょうか。乗っているうちに脚力がついて重いギアが欲しくなることも考えられます。

まとめ

自転車の速度を決定づけるギア比・クランクについての記事でした。自転車の速度の機械的限界を変えるのであればスプロケットやクランクの歯数を変えることで限界は変わります。あとは乗り手が踏めるか、回せるかの問題です。自転車とは言ってもロードバイクの部品はチェーンリングひとつとってもいわゆる自転車とは値段が高額なので、慎重になる気持ちはよくわかります。下手するとチェーンリングで自転車一台買えてしまいますからね。とはいえ慎重になりすぎる部品でもないとは思うので、乗り込んで自分に合うギア構成を見つけることをお勧めします。