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ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方!種まきから上手に増やす方法までご紹介!

ミヤコワスレ(都忘れ)は、日陰のスペース有効活用に使える花。ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方をチェックして、素敵なシェードガーデン(日陰の庭)を作りませんか?種まき、植え替え、挿し木や株分けなどの増やし方まで、育て方の手順とコツをご紹介します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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ミヤコワスレ(都忘れ)とは

ミヤコワスレ(都忘れ)とは、あたたかな春の時期に咲くキク科ミヤマヨメナ属の園芸品種です。中心部は黄色く、淡い紫色の花びらを放射状に付けます。薄紫の他にも、白、ピンクといった美しいカラーバリエーションがあります。多年草なので、1度植えれば毎年たくさんの花を咲かせてくれますよ。 「植えっぱなし」で栽培できる、ミヤコワスレの育て方をご紹介します!挿し木や株分けなどの増やし方、開花の期間を長くするコツにも触れていますよ!

ミヤマヨメナとの違い

ミヤマヨナメとは、日本の野原に咲くキク科の植物です。このミヤマヨナメを観賞用に改良したものが、ミヤコワスレになります。ミヤコワスレはミヤマヨナメよりもカラーバリエーションが豊富です。共通する代表色は薄紫ですが、ミヤコワスレにはピンクや白のものもあります。

栽培難易度

中級者向きです。特別難しい管理は必要ないのですが、暑さにやや弱く、合う場所をきちんと見極めてあげる必要があります。

ミヤコワスレ(都忘れ)の栽培スケジュール

苗を植える時期

春の終わり(5~6月)か、秋の初め(9月~10月)に植え付けます。開花するのは春なので、苗が入手しやすいのも春です。ただし、春に植え付けるときは、夏の暑さで枯らさないように注意してください。

開花時期

4~6月上旬頃に開花します。他の植物と一緒に育てるなら、開花時期が重なるものとの組み合わせを考えることでより美しく観賞できます。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方1.種まき

ミヤコワスレの種まきはマイナー?

種まきから育てるのはマイナーな方法です。ミヤコワスレの種自体、そもそも流通量が多くないため、苗から育てるのをおすすめします。すでに育てているミヤコワスレを増やしたいときは、株分けか、挿し木を用いましょう。「増やし方」の項目で詳しく解説しています。

種まきをするなら

ミヤコワスレの種まきをするなら、セルトレーや小さいポリポットにまき、苗が大きくなってきたら移植します。

種まきの注意点

発芽するまで、土を乾かさないようにしてください。日当たりが良すぎる場所では土の乾きも早いので、明るめの日陰がおすすめです。


ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方2.日当たり

半日陰が適しています。山野草の多くは耐陰性に優れており、ミヤコワスレもまた元々は野に自生していたミヤマヨナメを改良したものです。なので、よく日が当たる場所より、木陰や1日の半分だけ日が当たる場所向きです。日が当たりすぎる場合に苗を植えたいなら、遮光すると良いでしょう。日陰がちなお庭で楽しめる、いわゆる「シェードガーデン」向きの花です。陰気な印象にしたくないときは、ピンクのような明るい花色のミヤコワスレを植えてみましょう。

日当たりが良すぎると

日当たりが良すぎると、ミヤコワスレは暑さにやられてしまうことがあります。その反面、寒さへの耐性はそれなりに持っています(ただし寒冷地では霜よけをしましょう)。ガンガンに日が当たるところは気温が上昇してしまうので避け、やわらかな光が当たる場所に植えてください。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方3.土

やや酸性ぎみの土を好みます。酸性の鹿沼土やピートモスを少しだけ混ぜた土作りをすると良いでしょう。水はけが悪いと病気にかかりやすくなるので、粘土質ぎみの土壌であれば、赤玉土を多めに混ぜます。元肥には、緩効性の化成肥料を使ってください。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方4.水やりと肥料

乾燥に弱い植物です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。夏場は朝晩にチェックするのがおすすめです。土が乾きやすいという意味でも、日が当たりすぎる場所は適しません。

肥料

植え付けのときに混ぜておく肥料とは別に、成育中に与える肥料のことを「追肥」といいます。肥料が切れると花つきが悪くなるため、開花前の時期に液体肥料を数回与えると良いでしょう。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方5.開花と観賞

あたたかな春の時期になったら、いよいよミヤコワスレの開花です!画像は、他の植物と一緒に植えられたミヤコワスレ。オルレア、アストランティア、ノコギリソウ等が一緒に植えられています。混み合ってきたら植え替えをする、剪定して切り花として楽しむ、等の工夫をしながら、長く美しく楽しみましょう。開花期間を長くする方法については、切り戻しの項目で解説しています。

ミヤコワスレの切り花

ミヤコワスレを切り花にすると、こんな風に飾れます。開花時期が重なる庭のお花と組み合わせて、美しく生けてあげてください。切り戻し・剪定と兼ねることもできますよ。直射日光の当たらない、涼しいところに置きましょう。こまめに水を交換してあげてください。水替えをサボってしまうと、しおれるのも早くなります。また、しおれた花から順に摘みとりましょう。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方6.病害虫

ハダニに注意

画像は、病害虫「ハダニ」の被害を受けてしまったミヤコワスレです。被害に遭っているのを見つけたら、見える範囲で駆除し、薬剤(オルトラン等)を散布してあげてください。キク科の植物はハダニの被害に遭いやすい(ミヤコワスレはキク科です)ので、育てる際は注意して観察してあげてください。マーガレットやヒマワリ、ガーベラもキク科です。それから田舎では畑の隅で仏花として育てられることも多いキクも、言うまでもなくキク科。これらの植物がハダニに侵されてしまった場合も、同じくオルトランが有効です。


ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方7.増やし方①

株分け

当然ですが、植物によって増やし方は異なります。ミヤコワスレは多年草なので、育て方さえ悪くなければ1年きりで枯れたりはしません。その苗からさらに数を増やしたいときは、「株分け」と呼ばれる方法を取りましょう。株分けは、ミヤコワスレのような多年草を増やすときに多く用いられる手段です。大きくなってきた株を根ごと2~3個に分けてしまい、それぞれ別々の場所に植え替えます。

株分けは、植え替えと同時に行おう

株分けをするなら、「別の場所に植え替えたい」という時、一緒に行ってしまうのが吉です。株が大きくなると、だんだん混み合った感じになって蒸れてしまい、病気につながりやすくなります。植物の健康のためにも、植え替えをするなら同時に株分けを行い、しょっちゅう掘り返さず株を弱らせないよう配慮してあげると良いでしょう。

株分けの注意点

・鉢植えなら、できるだけ新しい土に交換してあげます。 ・株を切り分けるときは、細かく分けすぎず、2~3に分けてください。 ・新しい場所にうまく定着するまで、こまめに観察しましょう。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方8.増やし方②

挿し木とは

もうひとつ増やし方があります。「挿し木」です。これは、茎の一部を切り取り、切り口から発根させる方法です。新しい株として育てていきます。

挿し木の手順

・まず、挿し木に使う茎を苗からカットします。挿し木は5月下旬頃~6月頃が適切な時期です。 ・カットしたら、いったん切り口から水を吸わせます。花瓶や空き瓶に水を入れ、そこにカットしたミヤコワスレを挿してください。水に付いてしまう部分の葉は、取り除いておきます。ただし、全部の葉を取り除かず、数枚は残してください。 ・数時間吸水させたら、赤玉土に挿します。しばらく置いておき、うまく発根したら、鉢に植え替えましょう。これを新しい株として育てていきます。

ミヤコワスレ(都忘れ)の育て方9.切り戻し

もっと元気に育てるには「切り戻し」!

「切り戻し」とは、かんたんに言うと、花の頂点部分をカットしてしまうことです。ちょっともったいなく感じられるかもしれませんが、切り戻しをすることで、わきからたくさんの新しい芽が出てくるんですよ。

切り戻しのメリット

例えば、早めに開花した花がだんだんしおれてきたとします。そんな時は、「切り戻し」をすれば、わきから新しい芽が出てきて、また沢山の花を楽しめる……というわけです。結果的に、開花期間を引き延ばすことができます。

花がら摘みもしよう

花が終わると、植物は種を作ろうとします。種ができてしまうと、株が老化してしまい、開花の期間も短くなります。これをくい止め、できるだけ長く花を楽しむためにも、しおれた花はそのつど人の手で摘みとりましょう。病気を予防する効果もありますよ。

ミヤコワスレ(都忘れ)の品種を紹介


江戸紫

ミヤコワスレの定番品種といえば、これ!その名の通り、紫色の花を咲かせる品種です。ミヤコワスレで1番王道なカラーは紫なので、初めて育てる方にもおすすめですよ。苗選びに迷ったら、この品種を選ぶと良いでしょう。

浜乙女

かわいらしいピンク色の花を咲かせるミヤコワスレです。ピンク色のミヤコワスレの中では、こちらも定番の品種。江戸紫と組み合わせて植えても素敵ですよ!

みのり紫

ちょっと大きめの品種をお探しなら、こちらの「みのり紫」はいかがでしょうか。背も花のサイズも、平均より大きくなります。切り花にすると見応えがありますよ。リビングやトイレ、玄関先に飾って楽しみたくなる品種です。

ミヤコワスレ(都忘れ)の豆知識

名前の由来

「ミヤコワスレ(都忘れ)」、特徴的な名前ですよね。これは鎌倉時代に島流しになった、順徳天皇に由来すると言われています。佐渡に行かなければならなくなった彼は、この花を見ることで、「都のことを少しの間だけでも忘れることができる」と感じたそうです。かつて過ごした都のことを忘れることができる美しさを持つ花なので、「ミヤコワスレ(都忘れ)」なのです。

ミヤコワスレ(都忘れ)にちなむ歌

順徳天皇は、島流しにされる際にこんな歌を詠みました。 「いかにして契りおけん白菊を都忘れと名づけくるも憂し」 この歌に詠まれている花こそが、都忘れです。

ミヤコワスレ(都忘れ)の花言葉

都忘れにはいくつかの花言葉があります。『しばしの慰め』『しばしの別れ』『また会う日まで』等々です。どれも都忘れの名前の由来である、順徳天皇の気持ちを連想させます。会社を離れる人や、卒業してしまう先輩、引っ越しで遠くへ行ってしまう人に想いをこめて渡したいようなお花です。都忘れにはいろいろなカラーバリエーションがあるので、相手のイメージに合わせて選んでも素敵ですね。

ミヤコワスレ(都忘れ)を育てよう!

いかがでしたか?「日当たりの悪いスペースを有効活用したい!」という方におすすめな、耐陰性の高い多年草がミヤコワスレです。日陰でも育てられる植物というと、なんとなく陰気な感じのものや、花が小さく地味なものが正直多いのですが、ミヤコワスレならピンクのような華やかなカラーバリエーションがあります。ぜひ、他の植物が育てにくいところに植えてみてください。見た目が悪くなってきたら、植え替えをする、株分けや挿し木などの増やし方にチャレンジしてみる、等をすることで、ずいぶん前に買った苗も長く楽しめます。余ってしまっている庭のスペースを有効活用しましょう!