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ツキヨダケとは?ヒラタケとの見分け方、食べた時の症状などをご紹介!

山登りの楽しみかたとして、新鮮な山の幸を食してみるのも山登りの醍醐味の一つと言えます。そんな中注意してほしいのが、ツキヨダケとヒラタケです。ツキヨダケは毒をもった毒キノコで、ヒラタケは食用キノコです。今回はその2つのキノコについて紹介します。
2020年8月27日
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目次

キノコの基礎知識

スーパーでは野菜とともに並べられているキノコですが、実は植物ではなく「菌類」属する生物なのです。菌類は、光合成や捕食などによって栄養を摂取するのでなく、吸収によって栄養を摂取するのが特徴の生物なのです。さらに私たちがキノコをと聞いてイメージする目に見える部分はキノコの実体といい、キノコの本体ではありません。地中や木材の中に根を張り、広がる菌糸自体が本体であり、実体は子孫となる胞子を作る、植物でいう花のような役割を果たしている部位と言えます。

ツキヨダケの特徴

ツキヨダケは普段私たちが食用として食べている、シイタケやヒラタケなどによく似ているため、中毒事故が多い猛毒のキノコです。また月夜茸(ツキヨダケ)という名前だけに、ヒダは暗闇の中で青白く光る特性があります。傘の形は半円形~腎臓形で、色は暗褐色。表面にはロウ状のつやがあります。柄は短く、ヒダと柄の間にリング状のツバがあります。

なぜ、キノコが光る!?

なぜキノコが光るんでしょうか?ホタルなどの一部昆虫や深海魚などが光ることは、よく知られていますが、キノコの発光が確認されたのは、割と最近のことだそうです。光る理由は、さまざま考えられているようですが、一般的に光ることで昆虫を呼び寄せ、胞子を遠くまで運ぶ手助けをさせるためだと言われています。しかし、まだまだ未知の部分が多く、その生物学的意義は十分に分かっていません。

神秘的な光るキノコ

光るキノコの明るさは肉眼では確認しずらい弱い光です。満月の夜は月の光に負けて、確認できないそうです。夜の山の中に立ち入り、懐中電灯も消した完全な闇の中にぼわっと光るキノコの明かりは、非常に神秘的で虫だけでなく、人も引き付けてしまう魅力的で幻想的な光です。


ツキヨダケの食中毒事故は年間60件以上

ツキヨダケの食中毒事故の件数は毎年、年間60件以上報告されています。他の毒キノコに比べて圧倒的に多い事故件数です。その原因として、他の食用のキノコと非常に似ているため見分け方が困難なためです。ある程度知識のある人でも、個体差から見分け方を誤ることもあるそうです。十分注意し、判断が微妙な時は専門の人に相談するか、きっぱり食べるのを諦めましょう。

ツキヨダケの食中毒症状

毒性は極めて強く、イルジンS・イルジンMなどの毒成分を含んでいます。ツキヨダケの毒性は古くから知られており、平安末期に成立した「今昔物語集」に〈和太利〉という名前で登場し、毒殺未遂の顛末が描かれています。食中毒症状といしては、食後30分~1時間で嘔吐や下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状がみられます。幻覚や痙攣を伴う場合もありますが、翌日から10日程度で回復するそうです。

ヒラタケの特徴

ヒラタケの特徴として、傘は5~15cmで、饅頭形から開いて貝殻形~半円形、時には漏斗状になる。表面の色は、はじめはほぼ黒→灰色→灰褐色→白色に変化する。柄は短く、傘の端についてることから「カタハ」と呼ぶ地域もあります。そのほかに「カンタケ」「カタヒラ」「ワカエ」などと呼ぶこともあります。穏やかな香りと淡白な味から幅広い料理に向いているため、広く人工栽培され、若いものが「しめじ」の名で販売されています。ただし、天然物のほうが、歯ごたえも風味もしっかりしており、人工物よりおいしいと評判が良いそうです。世界中に分布しており、広葉樹の切り株や倒木から、いくつか折り重なって発生します。

ヒラタケの調理方法

基本的にどんな調理方法でも可能で、鍋や味噌汁などの汁物や煮物、ニンニクを効かせバターやオリーブオイルでソテーなんてのもおすすめです。また色々なキノコや野菜と炒め物にも使えます。太いので手で裂くなどして素焼きにして食べても非常に美味しいです。その他天ぷらやフライなどの揚げ物にも使えます。下処理の仕方として、濡れたタオルペーパーなどで軽く汚れをふき取るか、さっと水洗い程度にしましょう。カットしてからバシャバシャと水洗いしてしまうと、風味が飛んでしまうので注意しましょう。

ツキヨダケとヒラタケの見分け方


ツキヨダケとヒラタケの見分け方は、非常に難しいそうです。見た目だけでは判断がつきにくいキノコです。見分けるポイントとしては、柄を裂いてみましょう。ツキヨダケには内部に黒いしみが現れるので、必ず確認しましょう。しかし、個体差がありはっきりと判別しにくいものもあります。もし、判別がつきにくいものに関しては、専門家に同定してもらうか、食べるのを諦めましょう。

もし、ツキヨダケを食べてしまった場合の対処法

食中毒の症状が現れるタイミングは、キノコの毒のタイプや人によって個人差があります。ツキヨダケの場合は、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器系の毒なので、まず、ぬるま湯などを大量に摂取し、指先を喉の奥に差し込むなどして、食べてしまったキノコをできるだけ早く吐き出しましょう。そして、すぐに救急車を呼びましょう。その後も利尿効果を促すために薄めた緑茶などを多く摂りながら様子を見ましょう。少し具合が改善しても、必ず医師の診断は受けましょう。また、食べたキノコは原因究明のために残しておき、医師に伝えましょう。

キノコ狩りのマナー

キノコ狩りのマナーとして、絶対に山を荒らしてはいけません。国有林・民有林・私有地を問わず、林内に入るには管理者の許可が必要です。キノコは自分の食べる分だけ採ることを心掛け、地下の菌糸は傷つけないよう、掘った土は戻し、よけた落ち葉は元通りにしましょう。山の恵みに感謝し、山を大切にしましょう。そして、無許可での立ち入りや採取は犯罪にあたります。十分注意しましょう。

キノコの歴史

キノコは世界中に数万種類あるとそうです。そして、その中で食べられる種類は1000種類ほどで、全体のたった5%ほどなのです。そして、日本人とキノコとの歴史は非常に古く、発掘作業などによって1000年以上昔から食べられていたことが明らかになっています。そんな歴史の深いキノコですが、世界ではどうでしょう。日本だけでなく世界のキノコとの関わりを紹介します。

神の食べ物だったキノコ

ヨーロッパでは古くから「神様の贈り物」として、高く珍重されていたそうです。毒キノコのもつ幻覚作用が宗教儀式などに広く利用されていたそうで、人々の信仰や生活に古くから根付いていたようです。当たり前ですが、毒キノコの持つ幻覚作用は非常に危険です。軽い気持ちで絶対に食べないでくださいね。


キノコはいつから食べられていた?

古代ローマの時代では、きのこは「神々の食べ物」といわれて、戦士たちに力をつけさせるために多く食べられていたと言われています。紀元前800年前後の話なので、およそ2800年前にはキノコは食べられていたことになりますね。

世界で一番食べられているキノコ

世界で一番食べられているキノコは、マッシュルームだそうです。17世紀半ばにフランスで栽培され、大量に出回るようになったのが普及のきっかけだそうです。うまみ成分のグアルニ酸がシイタケの3倍も含まれ、独特の味わいで洋風料理によく合うのが人気の理由です。マッシュルームは疲労回復効果があるビタミンB2と、コレステロール値を下げてくれる食物繊維が多く含まれています。健康食品としても広く認知されている人気のキノコの一つです。

ヨーロッパでは不人気の松茸!?

日本では高級食材の一つである松茸。今では、中国、ヨーロッパ、メキシコなど世界各国から輸入された海外産の松茸でさえ、かなりいい値段が付きますよね。しかし、ヨーロッパでは松茸は不人気で、日本人が重宝する松茸の香りを軍人の靴下の臭いがするとまで言われています。国が違えば、味のし好もかなり違いますね。

まとめ

ツキヨダケだけでなく、キノコに関して、一概に毒キノコといっても様々です。加熱などを行えば毒を取り除けるものがあれば、飲酒を伴った場合に毒になるものや、少量では症状が現れず、たくさんの量を食べ過ぎた場合に毒になるものもあります。アウトドアを楽しむうえで、山の幸・海の幸を堪能するのも、醍醐味の一つと言えます。しかし、醍醐味の反面、危険も伴います。もし事故が起こってしまうとと、楽しい時間が台無しです。正しい知識と備えを忘れないように、楽しみましょう。