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サギソウの育て方!まるで白鷺のような綺麗な花を咲かせる方法をご紹介!

サギソウは日本原産の野生ランです。まるで空を優雅に飛ぶ白鷺のような美しい造形と、真夏に清涼感を与えてくれる純白の花が人気の山野草で、古くから日本各地で親しまれてきました。今回はサギソウのご自宅での育て方や基本情報をご紹介します。
2020年8月27日
chika44
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目次

サギソウとは

盛夏にまるで白鷺(シラサギ)のような形の優雅な花を咲かせる、日本自生のランです。日当たりのよい低地の湿地などに生息しています。かつては、本州~九州に広く自生しており、190円切手のデザインにもなっていたくらい日本を代表する花でしたが、近年は乱獲や土地開発により自生地はとても少なくなってしまっています。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されている貴重な花です。園芸店で販売されている球根や苗は、生産者が球根から栽培し、繁殖させているものです。

科名

ラン科サギソウ属(ミズトンボ属と分類される場合もある)

学名

Pecteilis radiata(Habenaria radiata)

花名由来

その名のとおり、純白で繊細な切り込みが入った花の形が、まるで白鷺が翼を広げて飛んでいるように見えることに由来します。英語名でも、「White egret flower(シラサギの花)」と呼ばれています。

サギソウの花言葉・開花時期

花言葉:清純

サギソウは、「清純」「繊細」「夢でもあなたを想う」という素敵な花言葉を持っています。

由来

「清純」「繊細」は、その純白で細かい切り込みが入っている花姿が、きよらかで繊細なことに由来しているといわれます。

開花時期

7~9月、盛夏の季節に涼やかな純白の花を咲かせます。根元から細い茎が伸び、そのてっぺんに1~5輪の花が咲きます。唇弁(しんべん)と呼ばれる花弁の先端は3つに割れて、その左右の裂片には多数の細かい切れ込みが入り、まさに白鷺が飛んでいるような花です。


サギソウの育て方・栽培方法

難易度

普通です。水切れにさえ気をつければ、初心者にも育てられます。

時期

1~2月の休眠期に、毎年球根を植え直して今年の花を育てます。

植え付け

サギソウは球根を植え付けて育てます。親株からランナー(走出枝)を伸ばし、その先端に新しい球根が育ちます。鉢底のほうに育っている球根を取り出し、鉢に植え付けます。 用土は、保湿性の高い赤玉土や鹿沼土に水苔を等量混ぜ込んだものでもいいですし、水苔単体に植え付けるのもおすすめです。平鉢の1/2くらいまで水で濡らした水苔を敷き、その上に横向きに球根を2~3cmの間隔を開け並べます。その上に水苔を4~5cmかぶせます。

種まき

サギソウは球根で増える植物です。花後に種はできますが、そちらに栄養を取られ新しい球根に栄養が行き渡らないことがないよう、花後はすぐに花ガラ摘みをしましょう。

水やり

もともと湿地で育つサギソウは、乾燥に弱いです。水を切らさないように育てましょう。芽が出始めてから地上部が枯れるまで、用土が乾いてきたら水をたっぷりと与えます。(鉢底から流れるくらい)夏は、朝夕の一日2回与えましょう。また、真夏の高温期には、鉢を1cmほどの浅い受け皿に水を張ったもののに置き、水苔が乾かないよう注意します。冬場も、球根を乾燥させないように、月2~3回程度水やりを忘れないようにしましょう。

肥料

あまり必要としません。5、6月に1回ずつ、チッ素が控えめの薄めの液体肥料を水代わりに与えます。また、花ガラを摘んだ後も、新しい球根を育てるため、9月まで同様に液体肥料を与えます。

剪定


サギソウはその年の球根からは一回しか花を咲かせません。花が終わったら、新しい球根を作るので、そちらに栄養を送るために、種を付ける前にすぐに花ガラを摘みましょう。

増やし方

毎年、ランナーに2~3個の小豆大の球根がつくので、それを取って植え替えて増やします。

場所

日当たりと風通しのよい場所で育てます。ただし、真夏の直射日光に当てると葉焼けを起こしてしまうため、30~50%の遮光ネットをかけた場所で育てたほうがよいでしょう。冬は室内などに移し、球根を凍らせないように注意します。

寄せ植え

サギソウは山野草です。ほかの山野草とあわせれば、風情のある寄せ植えを作れます。高さのあるサギソウをメインに、ヒメオトギリなどの背の低い山野草や、苔などを使うのも素敵です。

植え替え

その年に咲いた花は一年で枯れますので、株ことの植え替えはしません。新しくできた球根を翌年の冬に掘り出して植え替えます。

病気・害虫

ウイルス病にかかることがあります。草全体がよじれたり葉が萎縮してしまいます。かかってしまったら治癒が難しいので、他の株にうつらないよう、株こと抜き取ります。 ナメクジや、アザミウマ、アブラムシの被害にあうことがあります。蕾や葉を食べてしまうため、見つけ次第駆除します。

サギソウの特徴

特徴のある花の形

サギソウの花の下には長い距(キョ)と呼ばれる部分が垂れ下がり、この部分に花の蜜がたまります。この蜜を吸いにくるのは、蜜を吸いやすいように口が長くなった蛾などです。この蛾が花粉を運う役目をしています。

サギソウの品種・原種


原産地

サギソウは日本原産の野生ランです。かつて多くが自生していた土地は、サギソウを指定の花にしている自治体もあります。たとえば、東京都の世田谷区にはかつて大規模な自生地が存在していたため、サギソウを「区の花」に指定しています。他にも、兵庫県姫路市や福島県猪苗代町などがあります。

分布域

日本、台湾、朝鮮半島に分布しています。

サギソウ「銀河」

葉に白い覆輪が入る、斑入りの園芸品種です。

サギソウ「飛翔」

獅子咲きと呼ばれる側花弁の下側が唇弁になる華やかな品種です。

まとめ

山野草は育て方が難しそうと躊躇している方も多いかと思いますが、サギソウは水切れにさえ気をつけ、毎年球根を植え替えれば、比較的簡単に育てられます。ぜひ、繊細で美しい花をご自宅で育ててみてください。