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アザミの特徴や基本情報まとめ【植物図鑑】

アザミは、日当たりと風通しにさえ気をつければ手間をかけずに栽培できます。花を楽しめる時期も長く暑さや寒さに比較的影響を受けず、とても育てやすい植物です。 ガーデニングはビギナーという方は、初めての栽培アイテムとしてアザミを育ててみてはいかがでしょう。
2020年8月27日
kaorin007
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アザミとは

アザミの仲間は、世界中に300種類以上り日本でも100種類以上あるといわれます。分布域の広いアザミは、その地域で交雑し多種多様な亜種や変種を生み出すのが特徴です。 日本で最も多く栽培されているノアザミは、開花期間が長く春から秋まで花を楽しむことができます。また、切り花などで良く使われる「ドイツアザミ」は、このノアザミの改良種です。

科名

キク科

学名

Cirsium Cirsiumは、ギリシャ語の「cirsion」が語源です。アザミが、「cirsos(静脈腫)」に効果のある植物と似ていたことから名付けられたといわれています。 日本で見かけられるノアザミは、Cirsium japonicumという学名です。

花名由来

アザミの花名は、「驚かせる」や「興ざめする」という意味の「あざむ」が由来とされています。鮮やかな可愛らしい花に魅かれて、つい手を出したものをアザミのトゲが驚かせ興ざめさせることから名付けられたというのが通説です。 沖縄地方では、トゲのことを「アザ」ということからトゲの多い木という意味の「アザギ」が転じてアザミになったといわれています。

アザミの花言葉・開花時期

花言葉:「独立」

アザミの花言葉には、 ・独立 ・報復 ・厳格 ・触れないで という意味があります。

由来

「独立」や「報復」は、スコットランドがノルウェーに攻められた際にアザミのトゲが敵から祖国を守ったことが由来です。それに因んで、アザミはスコットランドの国花にもなっています。 「厳格」や「触れないで」という花言葉は、やはりアザミのトゲから来ているのでしょう。摘み取ることを躊躇させるアザミのトゲは、まさに「触れないで」と言っているようです。

開花時期

アザミの開花時期は、一般的に夏から秋にかけてです。ノアザミの場合は、開花時期が長く4月~10月頃まで花を楽しむことができます。

アザミの育て方・栽培方法

難易度


アザミは、耐暑性や耐寒性の両方に優れているから栽培しやすい植物です。ガーデニングのビギナーにも簡単に育てることができるでしょう。

時期

植え付けや植え替え時期は、2月~3月が適期です。種まきは、春蒔きと秋蒔きがあります。春蒔きで2月~3月頃に蒔くと夏に花を楽しむことができます。秋蒔き時期は、9月~10月頃です。この頃に種を蒔くと、翌年の春頃には素敵な花を愛でることができます。

植え付け

アザミは、大きなものだと120cmほどに育ちます。そのため苗を植え付ける際には、30cm以上は間隔をあけて地植えしましょう。 鉢植えの場合は、直径18cm前後の鉢に1株植えるのが目安です。植木鉢のサイズは、おおむね5号~6号程度になります。

種まき

アザミの種まき時期は、地域によって変わるのが特徴です。暖かい地方では、秋蒔きの9月~10月が適期です。少し寒冷な地方や高地では、春蒔きの2月~3月におこないます。 種まきの際には、種子の状態に注意しましょう。古くなった種子は、発芽の力が弱まっていることが多いです。出来るだけ新しい種子を使うことが、種まきのポイントです。

水やり

庭植えの場合、乾燥がひどくなければ水やりを気にする必要はありません。自然の雨水などで充分水分を補給することができます。 鉢植えなどでノアザミを育てる場合は、土の表面が乾燥し出したら充分に水を与えてあげましょう。湿地で育つ性質のアザミは、浅い腰水にしておくと乾燥を防ぐことができます。 アザミは、春~秋にかけて良く成長するため水分補給が大切です。冬は、少し水分をひかえ乾かし気味の状態にしておくとよいでしょう。

肥料

芽が出て株が成長する時期の鉢植えには、チッ素・リン酸・カリウムの3大要素を含む緩効性肥料を与えます。5号鉢で3つまみ程度が適量です。また、月に2回ほど草花用の液体肥料を与えてやると丈夫に成長するでしょう。液体肥料での追肥は、1000倍ほどに薄めた薄いものをおすすめします。窒素分の多い肥料を与えすぎると、葉や枝ばかり茂ってしまい花付が悪くなるので気をつけましょう。

剪定

アザミの花を増やすためにも「摘心」をおすすめします。「摘心」で生長した芽を切り落とすことにより、わき目を増やしたり株を大きくすることが可能です。わき目が増えることで、たくさんの可愛らしいアザミの花を楽しむことができます。

増やし方

アザミの増やし方は、種まきと株分けです。 種まきは、地域によって蒔く時期が異なります。温かい地域なら秋まきがおすすめです。9月~10月に蒔いた種は、順調に成長すれば翌年の春頃に花を付けます。 株分けで増やす場合は、株を掘り起し自然に分かれている部分から株分けします。自然に分ける個所が見つからなければ、根がついたまま切り分けられる部分からナイフなどを使い分離するとよいでしょう。

場所


アザミを育てる場所を決める時には、日当たりを充分に考慮しましょう。日陰や日当たりが悪い場所では、茎の成長が悪くなったり花付がよくなかったりします。 アザミは、耐暑性・耐寒性ともに優れているためその点を心配する必要はありません。風通しが良く日当たりが良好なら、育てる場所として充分です。直射日光が当たらない場合でも、半日蔭までなら育てることができます。

植え替え

地植えをおこなった場合は、ほとんど植え替えの必要はないでしょう。ただし、鉢植えの場合は1年で根がいっぱいに回るため植え替えが必要です。株を抜いた際に、株が大きすぎるようなら株分けしておくとよいでしょう。

アザミの特徴

アザミは、キク科のアザミ属に属する種類の総称です。つまり、「アザミ」という単体の植物として存在していません。 つぼみを包んでいる総苞などにトゲがあり、触れると痛い草としても知られています。花からもおしべとめしべが突出し、針の先を思わせる姿が特徴です。そのため、別名「刺草」とも呼ばれています。 花色は赤紫が一般的ですが、ピンクや白などの種類も存在します。

アザミの品種・原種

アザミの種類は、多種多様にあります。その中でも一般家庭で栽培されるのが、ノアザミです。その他には、最も大きな花をつけるフジアザミや湿地・水辺に生息するキセルアザミ、低地から高い山まで広域に生息するナンブアザミなど様々な種類が存在します。

原産地

日本に生息するアザミのほとんどは、日本固有の原種です。その数は、100種類を超えるとも言われています。

分布域

生命力の高いアザミの分布域は広く、北半球のほとんどに生息しています。日本でも海岸沿いから高地にいたるまで、広い範囲で見かけられます。

アザミの種子を取る方法

アザミは、そのままにしておくと虫により近くの雑草と交配されるので注意が必要です。生粋のアザミの種子を採取するには、花が咲く前に袋をかけておくとよいでしょう。 花が咲いてから、人工的に授粉させそのまま袋をかけて種子が出来きる頃に採取します。

アザミの効能・効果

アザミには、生薬として効果が期待できます。よく言われる効能・効果は、利尿・止血・解毒作用です。 昔から中国などでは、止血をはかるためにアザミの生葉や生根を擦り潰し患部に当てたり、整腸剤として煎じて飲んだりしています。また、アザミの根に含まれるフラボノイドは、肝臓の解毒作用を高める成分としても知られています。

アザミ茶を楽しむ


アザミの中でも「マリアザミ」には、肝機能を修復する効果があるといわれています。このマリアザミを使った身体によい「アザミ茶」の作り方をご紹介します。 まずは、熱湯を180cc~200cc用意します。マリアザミの種子は、スプーン1杯分が目安です。10分~20分程度すれば、マリアザミの成分がお湯の中に広がりアザミ茶を味わうことができます。 1日2回朝食前と夜の寝る前に飲むのが、おすすめです。胃腸を整えデトックス効果も期待できるので、ためしてみるのもよいでしょう。

アザミをおいしく食べる

「アザミって食べられるの?」と思った方もいるでしょう。実は、アザミも食べられるのです。春先に芽吹く若芽は、天ぷらなどにすると美味しくいただけます。 熱湯でさっとゆでたアザミを好みのサイズに切り分け、和え物などにするのも美味です。また、アザミの根は「ヤマゴボウ」としても販売されておりきんぴらや味噌漬けなどに向いています。

アザミのその他おすすめ情報

アザミに関する神話

アザミには、その花が生まれた由来となるギリシャ神話が残されています。 その昔、伝令神ヘルメスと精霊との間に生まれた羊飼いのダブニスは、溺愛されて育ちます。彼の美しい姿とは裏腹に、彼の性格は傲慢で人を愛することを知りません。そんな彼に愛と美の女神アフロディーテがエケナイスという精霊を引き合わせます。

しかし、しばらくするとダブニスは、非情にもエケナイスを捨ててしまったのです。それに激怒した女神アフロディーテは、ダブニスから大切な視力を奪います。視力を奪われたダブニスは、悲しみのあまり自らアナポス河へと身を投じるのでした。 そんなダブニスの死を悼み、神々や大地により生み出されたのがアザミの花だといわれています。

アザミに関する逸話

アザミがスコットランドを敵国から守ったことは、今も逸話として残されています。 スコットランドとノルウェーの戦いにおいて、ある日スコットランドはノルウェー軍の夜襲をうけます。その時、ノルウェー軍の兵士がアザミのトゲを踏んでしまったため声をあげてしまうのです。その声を聞きつけたスコットランド軍は、夜襲を未然に防ぐことができノルウェー軍を追撃することで自分たちの国を守ったのです。 確かに、闇夜の中でアザミのトゲを踏んでしまうと、ノルウェー軍でなくともびっくりして声をあげてしまうかもしれません。

まとめ

暑さや寒さにも比較的耐性のあるアザミは、ガーデニング初心者にはおすすめのアイテムです。地植えにするなら、あまり手間もかかりません。開花期間も長いので、紫や赤紫の花がお庭のアクセントとにもなるでしょう。 アザミは、半日蔭でも育てることができるため場所選びに悩むこともありません。ただし、鉢植えの場合は、すぐに大きくなるので植え替え時期に気をつけておきましょう。株が大きくなりすぎているようなら、植え替えの時に株分けしておくことをおすすめします。