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【チヌ】落とし込み釣り入門!始める前に知っておきたい5つのポイント!

チヌの落とし込み釣りとは、岸壁沿いに蟹やイガイなどを落として釣る方法です。手軽なタックルでビックリするくらいの大物チヌが釣れてしまう不思議な釣りです。チヌを釣りに行く前に、しっかりと準備をして、チヌの落とし込み釣りを楽しみましょう。
更新: 2021年4月25日
hanbaishi
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そもそも、チヌ(クロダイ)ってどんな魚?

チヌ(クロダイ)とは、北海道の南部から朝鮮半島・日本列島の沿岸全体に生息する、 スズキ系スズキ目スズキ亜目タイ科ヘダイ亜科クロダイ属の魚です。 太古の昔、鯛の一族は沖に残った真鯛と、 沿岸に向かったクロダイと、更に河口近くまで生息域を広げたキビレに 分化していきました。 チヌ(クロダイ)は海老や蟹、虫類からコーン、スイカまで食べる雑食性です。 生まれたときは全て雄ですが、15~20cmくらいになると、雄雌の両性型になります。 その後2歳くらいまでは雄として過ごし、3年目ぐらいから雄雌が分かれます。 関西では昔、大阪湾のことを「茅渟の海」と呼んでおり、 そこに多くいたことからチヌの名がつけられたと言われています。 現代ではクロダイというより、 チヌという名前のほうが普及しているかもしれません。

チヌの落とし込みってどんな釣り?

釣り方の原理

チヌ(クロダイ)は、春の産卵シーズンに海の浅場にやってきます。 その後も浅場に留まり、夏になると、更に岸壁近くまでやってきます。 そして、岸壁に付着したカキやイガイ、そしてそこに住む蟹や虫類が、 岸壁から落ちてくるのを待ち受けています。 そこで、岸壁から針につけた蟹やイガイを落としてやると、 かなり高い確率で喰ってくるわけです。 魚は全般的に上から落ちてくる餌に弱く、 反射的に喰ってしまうという性質があります。 まさに、チヌ(クロダイ)の生態を知り尽くした、 効率の良い釣り方であるといえます。 また、原理的にはとてもシンプルで、投げなくても良い釣りなので、 初心者向きとも言えます。

釣れる魚

この釣り方のターゲットは、チヌ(クロダイ)がメインですが、 近種のキビレ(キチヌ)や、シーバスなどもヒットします。 メバルが掛かることもあります。

落とし込み釣りとヘチ釣り

チヌ(クロダイ)の落とし込み釣りに似た釣り方に、 「ヘチ釣り」という方法があります。 落とし込み釣りから目印掛けを外したものです。 つまり、道糸からいきなりハリスを結んだだけの釣り方です。 落とし込み釣りは、目印の動きでアタリを判定しますが、 ヘチ釣りの場合は、道糸のふけや動きでアタリを感じ取ります。 どちらも基本的には同じ釣り方なのですが、 落とし込み釣りは比較的浅い層を狙いますが、 ヘチ釣りは表層から海底まで広く狙えるというメリットがあります。 しかし、糸の変化は初心者にはわかりにくく、 おすすめできません。 初心者がチヌ(クロダイ)を狙う場合は、 落とし込み釣りで慣れてからのほうが良いでしょう。

チヌの落とし込み釣りの魅力① 【デイゲームで釣れること】

チヌ(クロダイ)は、真夏から秋にかけては、岸壁沿いの浅い層におり、 積極的に捕食活動を行います。 チヌは本来警戒心の強い魚ですが、 反面好奇心も強く、 上から落ちてくる餌にガンガン反応します。 この時期には昼間も活発に捕食します。 おかっぱりの釣りで大物を狙う場合は、 シーバスにしても太刀魚にしても、夜間がメインですが、 チヌはデイゲームで十分狙えます。 ここらへんが、おかっぱり釣師には嬉しいですね。

チヌの落とし込み釣りの魅力② 【装備がカンタンなこと】

チヌの落とし込みは、タックルが非常にシンプルです。 仕掛けとしては目印という仕掛けとハリスを結ぶだけなので、 簡単この上ない装備です。 道糸と目印仕掛け、目印仕掛けとハリスを結ぶ場合も、 「8の字ノット」という結び方で良いため非常に簡単です。 その部分の結節を極小サルカンのほうが良いという考え方もあります。 仕掛けを落とすとき、餌がクルクル回転してチヌに違和感を与えるのを 防ぐ効果がありますが、 初心者はそこまで気にするほど釣果に影響はないでしょう。

チヌの落とし込み釣りの魅力③ 【コストパフォーマンスが良いこと】

ロッドやリールなど、初期費用に少し掛かるものの、 仕掛けはシンプルですし、 餌は蟹やイガイなど固くて落ちにくいものが多いため、 餌の消費も少なく、余りお金も掛かりません。 初心者にとってはありがたいですね。 また、蟹やイガイなどは現地調達も出来るため、 かなり釣行コストが抑えられます。 チヌの釣り方としては、フカセ釣りやチニングに比べても、 リーズナブルな釣り方と言えます。

チヌの落とし込み釣りの魅力④ 【大物が釣れること】

落とし込みの魅力は何と言っても大物が釣れることです。 チヌなら30~40cm以上で、「年なし」も珍しくありません。 シーバスなら50cm以上のフッコクラスも釣れます。 特に最盛期の夏は、数も見込めます。 サビキでアジ釣りを楽しんでいるファミリーなどは、 ビックリして覗き込んできます。


チヌの落とし込み釣りのシーズンはいつ頃?

チヌの落とし込みシーズンは梅雨明けから晩秋までです。 その中で、最盛期は夏です。 落とし込みの世界では、チヌは夏の魚といえるでしょう。 秋を迎えると大型が狙えます。 数は少なくなりますが、体に脂を蓄えたずっしりとした魚が釣れます。 冬になると、深場に落ちていきます。 岸壁近くにいる個体についても、底付近にまで落ちていきます。 この時期にどうしても釣りたいとなると、 落とし込みではなく、ヘチ釣りになります。

チヌの落とし込み釣りのポイントは?

チヌの落とし込みのポイントは主に港湾部や河口の岸壁、テトラポット周り、沖の堤防です。 いずれも岸壁にカキやイガイなどの生き物が付着していることが条件になります。

チヌの落とし込み釣りで知っておきたいこと① 【ロッドの知識】

落とし込み釣り用ロッドの特徴は、 穂先が柔らかく、バットが強いことです。 基本は3.6〜4.5メートルの長竿を使います。 道糸とハリスの間に2~3mの目印仕掛けをつけるため、 この長さが必要になります。 そして、出来るだけ肘当てがついているタイプが良いでしょう。 落とし込み釣りの場合、一日中ロッドを片手で操作し、 ヒットした場合も片手で合わせるため、肘当てがあると楽です。 ロッドはヘチ釣り用の短い竿でも可能ですが、 目印仕掛けが短くなること、足場が高いと使いづらいといった デメリットもあります。

チヌの落とし込み釣りで知っておきたいこと② 【リールの知識】

軽めで口径の大きめのタイコリールを使います。 巻き取るときはハンドルを使いますが、 糸を出したり止めたりするのは基本的には指です。 ドラグ機能のあるリールもありますが、 自分の指のほうが瞬時の対応はしやすいでしょう。 タイコリールを使う理由は、道糸に巻き癖がつかないようにするためと、 一日中片手で操作するために、軽い必要があるためです。 また、チヌの強烈な引きに対応して瞬時に糸を出す必要があるため タイコリールがおすすめです。 チヌの落とし込みは、目印をつけた仕掛けをウキのようにして 当たりを取るため、道糸に癖が残ると、アタリが分かりにくく、 合わせが遅れるためです。 スピニングリールでも不可能ではありませんが、 スピニングではどうしても巻き癖が出来て、アタリが分かりづらくなります。

チヌの落とし込み釣りで知っておきたいこと③ 【仕掛けの知識】

道糸

道糸はフロロカーボンの2号かナイロンの3号程度が良いでしょう。 海面に浮かせていくため、視認性の高いイエローやオレンジ色が初心者には特におすすめです。 ラインの号数というより、視認性が大切です。

目印仕掛け

落とし込み釣りで最も重要な仕掛けです。 2号~3号くらいのナイロンラインに、 20cmくらいの間隔でウキの役割を果たす小さなテープを付けた仕掛けです。 竿の長さや足場の高さ、狙う層を考慮して2~3mくらいのものを選びます。 初心者は、まず市販品で試してみましょう。その後自分の好みで自作も可能です。 自分で作った目印でチヌが釣れた時の感動はひとしおです。

ハリス

ハリスはフロロカーボンの1.5号~1.75号がおすすめです。 イガイの層に根ズレることが多いので、 フロロカーボンのハリスが必須になります。 初心者からすると、号数が小さいので心配な感じもしますが、 1.5号のハリスで充分50cmクラスのまで釣れます。


チヌ針や海津針、伊勢尼針と色々ありますが、 初心者はまずチヌ針から始めると良いでしょう。 針はチヌ針の3号~4号に2B~3Bくらいのガン玉を打ちます。 針の号数は小さめのほうが食いが良く、 掛かりも良いようです。

ガン玉

ガン玉も落とし込み釣りには重要な要素です。 自然に餌が落ちていく様子を演出するために、 ガン玉による重さの調整が必要だからです。 ガン玉は基本は2Bですが、風が強かったり、 潮の流れが少し早い時は、 3B以上のガン玉を使います。 冬場などは底にいるチヌを狙うため、 5B以上のガン玉を使用する場合もありますが、 落とし込み釣りでは比較的表層を狙うので、 そのようなサイズのガン玉を使用することは ほとんどありません。

チヌの落とし込み釣りで知っておきたいこと④ 【餌の知識】

餌の選択

餌の種類は蟹、イガイ、フジツボ、パイプ虫、青虫など多彩です。 基本的にはその場所に付着している餌が理想です。 マッチザベイトという意味では、釣れた魚の胃袋を確認することが 一番ですが、まず一枚上げることがゴールであれば そうもいきません。 そこでおすすめなのが蟹餌です。 チヌの落とし込み釣り餌としては万能です。 実際に食べている餌が別のものだとしても、 蟹には反応してきます。

餌と針とガン玉の関係

チヌの落とし込み釣りは非常にシンプルな仕掛けですが、 餌の種類が変わると、針の種類・ガン玉の付け方も変わります。 蟹の場合は針の下のほうにガン玉を打ちますが、 イガイの場合は上のほうにガン玉を打ちます。 これは餌の構造上の違いからきています。

チヌの落とし込み釣りで知っておきたいこと⑤ 【釣り方の知識】

仕掛けの落とし方

仕掛けは岸壁から30cm以内に静かに落としていきましょう。 岸壁についた貝類から餌が自然に落ちていったように演出するためです。 岸壁の内側を擦るように落としていくと良いでしょう。 その時の注意点として、以外の層などに根がかった場合は、 無理に引っ張らず、沖方向に竿を突き出したりして「チョンチョン」と 軽くしゃくってみましょう。 結構簡単に外れます。 もしどうしても取れない場合は、道糸を手で引っ張ってハリスから切れるようにしましょう。 目印仕掛けだけでも使えると助かりますね。

当たりの取り方

アタリは基本的に目印仕掛けに出ます。 その当たりのパターンは多く、 最初初心者には判別できにくいものですが、 その微妙なアタリが、この釣り方の味わいでもあります。 アタリパターンとしては、 ■目印が途中で止まるアタリ 仕掛けが落ちていく途中でチヌが食いつき、止まっている状態です。活性が良い時のアタリです。 ■目印が急に引き込まれるアタリ チヌが餌を咥えたまま横に走った時のアタリです。こういう場合は口の横にフッキングします。 ■目印が「ツン」とわずかに震えるようなアタリ。 この場合はチヌが餌をかじった瞬間です。呑み込んでいない場合もあるので、バレることもあります。 その他にも、穂先が「ブルッ」と震えたり、引き込まれたりもします。 何ともバラエティに富んだ当たり方です。 ここらへんが釣り人をやきもきさせますね。

合わせ方

アタリが出たら、「聞き合わせ」を行います。 聞き合わせとは、アタリを確認するための合わせといえます。 いきなり大きく合わせると、それが根掛かりだった場合、 穂先を痛めてしまあことになります。 聞き合わせで軽くあわせた後、本合わせを行います。 本合わせを行わないと、チヌの口にしっかりフッキングせず、 バラシの原因になります。

取り込み

フッキングした後も、強気でチヌと戦いましょう。 チヌは体高が高くビックリするほど引きます。 最初の引きはシーバス以上でしょう。 しかし、ここでチヌに合わせるだけではだめです。 初心者は、あまりの引きの強さにビックリして、 竿を維持するだけで精一杯ですが、 ここは敢えて早い段階でリールを数回巻きましょう。 そのことによってチヌに主導権を奪われないようにするためです。 針が小さく、ハリスも細いため、心配しすぎると、 あっという間にチヌに主導権を握られ、 イガイの層でハリスを切られます。 1.5号のフロロカーボンのハリスは意外に強いものです。 信じて強気に巻きましょう。 その後、強い引きは収まり、空気を何度か吸わせると、 大人しくなります。 ここで初めて玉網を出し、取り込みにかかります。 しかしまだ安心はできません。 取り込みで大切なことは、チヌを玉網で迎えに行かないことです。 玉網が近づくと、最後の力を振り絞って抵抗します。 玉網の位置は、チヌを寄せてくる手前に自然に置き、 玉網を動かさず、魚が自然の流れで網に入るようにしましょう。

チヌの落とし込み釣り 必須アイテム


ロッドやリール、仕掛けなどの他に、必ず必要になるアイテムを紹介します。

ライフジャケット

チヌの落とし込み釣りは、岸壁沿いをひたすらラン&ガンしますので、 転落の危険性があります。 夢中になって海に落ちそうになることがあります。 ライフジャケットは必ず着用しましょう。

フィッシュグリップ

チヌは非常に多くの歯をもっています。 イガイや蟹を噛み潰して食べるためです。 指を口に差し込むと、怪我をする可能性があります。 必ずフィッシュグリップで口とエラの間を挟んで 針外しなどを行いましょう。

チヌを釣った後の処理・保管方法

チヌの保管方法

釣れたチヌは、すぐクーラーに入れても良いのですが、 時合いが続きそうなときは、タイムロスになります。 その時は、釣れたチヌをストリンガーを使って生かしておくことをおすすめします。 ストリンガーを使えば、数匹分を生かしておくことが出来ますので、 タイムロスが減り、数が狙えます。 ストリンガーに魚を繋いだ際は、必ず最後のフックを忘れないようにしましょう。 せっかく釣れた魚にまんまと逃げられてしまいます。

チヌを締めること

釣った魚をそのままクーラーに入れると、 暴れて傷つき、血が回って美味しくありません。 現場で締めて、血抜きをしてから持ち帰りましょう。

チヌの落とし込み釣りまとめ

落とし込み釣りの入門編として、 初心者が知っておきたい知識をまとめてみましたが、 いかがだったでしょうか? チヌの落とし込みは、あまりメジャーではない釣り方ですが、 撒き餌で寄せて釣る釣りとは違い、 何だか「プロの釣師」という雰囲気もありますね。 しかし、一見難しそうに見えるこの釣り方も、 実は手軽でリーズナブルな釣りであることが ご理解いただけたと思います。 忍者のように岸壁を歩いていたと思ったら、 いきなりチヌとのパワーゲームです。 そんなドキドキワクワクを、 是非、落とし込みで味わってみてください。