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カニビルとは?蟹の甲羅につく気持ち悪い「黒いブツブツの」正体は寄生虫?

カニの甲羅に無数のブツブツが付いていることがありますが、それらはカニビルと呼ばれる生物です。とても気持ちが悪く食欲が減退してしまいますが、果たして安全なのでしょうか?そこで今回は、カニビルの正体を解説し、安全に食べられる方法をご紹介します。
更新: 2024年2月8日
Nov
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黒いブツブツの正体に迫る!

ブツブツの正体を解説

Photo by lilyfan

時々カニの甲羅には黒い塊が付着していることがありますが、彼らの正体はカニに寄生する寄生虫です。とても気持ち悪く、食べてしまったら最後、激しい腹痛に悩まれそうな見た目をしていますが、実は人体に無害だという話もあります。

しかし、見た目のインパクトから安心して食べられない方も存在しているため、多くの人から恐れられている生物だともいえます。

果たして安全なのか!?

Photo by Richard, enjoy my life!

今回はおいしいカニを安心して食べられるよう、黒い塊について詳しく解説していきます。魚の中には毒を持つ個体がいたり、寄生虫が潜んでいる場合がありますが、それらと比較しても優しい存在となっております。

気持ち悪いだけでなく、購買者として嬉しい情報もありますので、彼らの正体や生態について理解し、上手く調理しておいしく食べてみましょう!

カニビルとは?

黒い塊の正式な名称

Photo by PYONKO

新鮮な甲羅には黒いブツブツが大量に付着していることがあります。それらの正式な名称は「カニビル」と呼ばれているもので、甲羅に付着して成長する気味の悪い生き物です。

寄生虫といえばアニサキスなどの人体に害を及ぼすものが思い浮かびますが、主に彼らは甲羅に寄生する習性を持っているため、可食部に影響を及ぼすことはありません。しかし、見た目のインパクトが凄いので、見たくないという方も大勢いるのも事実です。

気持ち悪いけど安全

Photo byTeroVesalainen

非常に気持ち悪いビジュアルをしているものの、人体に悪影響を与えることはありません。寄生虫の中には魚類の商品価値を大きく下げたり、食中毒をもたらす危険な個体もいますが、通常は破棄する部分に寄生することから人体に入ってくる心配もありません。

逆にたくさん付いている個体の方が新鮮だという噂もあるので、気持ち悪いだけでなく嬉しいポイントもあります。

カニビルの生態

実は成虫でなく卵

Photo by lilyfan

実は黒いブツブツ自体が成虫なのではなく、ブツブツは卵の抜け殻となっています。彼らは名前の如く海の中に生息し、甲羅に寄生して成長する生態を持ち、卵を産み付ける以外では影響を与えることはありません。

その他の寄生虫の中には成虫の状態で水揚げされ、魚類の体内にいる様子を目撃できますが、彼らを成虫で目撃することはごく稀で、市場に出回るのは卵の状態のものがほとんどです。

良い噂もある

Photo by Richard, enjoy my life!

「ブツブツが多い蟹はおいしい!」という噂があるように、たくさん付着している個体はおいしいといわれており、消費者の中には彼らの有無でカニの良し悪しを決めるという方も存在しています。

先ほど説明したように、人体に害のない存在である上に、可食部には影響がないため、意外にも役に立つ寄生虫であるともいわれています。

カニビルの卵


カニビルの卵とは?

Photo by lilyfan

実は彼らは異なる場所にも卵を産み付ける習性を持っていて、貝類や岩場でも目撃できます。

名前の通り、多くの個体はカニに寄生する習性を持っていますが、全ての個体がそういうわけではなく、彼らの生息地域付近に存在している「固いもの」に寄生する習性を持っています。

また、甲羅に付着している卵は既に孵化した後のものが多く、肝心の内部は空洞になっているというパターンも多いです。

脱皮で除去される

Photo by keiichi.yasu

宿主であるカニは脱皮する習性を持っているため、脱皮直後の個体に付着していないという特徴もあります。また、脱皮する間隔は半年に一度のスパンで、甲羅がきれいな個体は脱皮直後であることが考えられます。

逆に大量に付着している個体はそれなりに長い期間を過ごしてきたという証拠でもあり、「活きの良いもの」として見られています。

カニビルの成虫

成虫の特徴

Photo by Richard, enjoy my life!

成虫は白みを帯びた色合いをしており、数センチほどの大きさを持っています。彼らは卵の時だけ蟹に寄生しており、成虫は魚類の表面に付着して体液を吸いながら生きています。

甲羅に大量に付着している卵ですが、成虫の状態で見かけることは非常に稀で、市場に出る前には取り除かれていることもあって、なかなかお目にかかれないレアな存在でもあります。

カニビルの成虫の生態

成虫は魚の体液を吸うほかに、海底の砂に潜む生態を持っています。彼らが卵を産むには固くて安定した場所が必要で、砂場に卵を産み付けることができません。

そこで見つけたのがカニの甲羅で、近くに生息しているカニに付着する習性を持っていることからそう呼ばれるようになりました。また、生態に関してはいまだに謎な部分が多く、現在進行形で調査途中の生き物であるともいわれています。

カニビルに害はある?

毒も何もない!

Photo byClker-Free-Vector-Images

いかにも毒がありそうな外見をしていますが、実は人畜無害の存在です。黒い見た目から辟易されがちですが、人体に被害を与えることはないので、購入を考えている人は安心して選んでください。

先ほど解説した通り、市場に出回るカニに付着したもののほとんどはすでに抜け殻になっていますので、中身が急に飛び出してくるということもありません。

特に危険はないが?

Photo by veroyama

口にしても被害のないカニビルですが、唯一害があるとすれば「見栄えが悪い」ということが挙げられます。味や品質に関係しませんが、気持ち悪いという理由で商品価値が下がる可能性もあり、見た目を損ねてしまうという害もあります。

黒いブツブツが苦手な方も多く、食欲が減退してしまうというパターンもあるため、全くの無害であるとはいえない存在です。

カニビルは食べられる?

口に入れても大丈夫

Photo bySamuel1983

別の寄生虫の場合は人体に深刻な被害をもたらす可能性がありますが、彼らは食べても無害であるといわれています。また、多くの場合は加熱して食べるので、少なくとも加熱した状態であれば人体に無害であるとされています。

どうしても興味があるという方は一度食べてみる価値があるかもしれませんが、あくまで自己責任でお試しください。

成虫を食べるのは難しい

人々の手に入る範囲の個体のほとんどは抜け殻なので、残念ながらまともに食べることはできません。また、成虫はの生息場所は別の地域へと移っており、市場で見かけることはめったにありませんので、食べるのは非常に難しいと考えられます。

卵に関しては無害であることが証明されていますが、成虫に関してはまだ不明な点が多いため、もし見つけたとしても食べないことを強くおすすめします。

カニビルの味

卵は食べられる?

Photo byClker-Free-Vector-Images

気になるの卵の味は無味で、残念ながら香りもなければ深い味わいもありません。まれに卵の中身が入っている場合もありますが、味はおいしくないようで、好き好んで食べる人もいません。

そもそも卵を食べるという文化はどこの国を探しても見つからないため、好奇心旺盛なゲテモノマニアでなければ食べるのをおすすめしません。

食べないことをおすすめします

Photo by lilyfan

ただ気持ち悪くておいしくないというだけなら問題ありませんが、いまだ研究途中の寄生虫なので、食べたときのリスクは保証されていません。

卵の抜け殻に毒がないというのは証明されていますが、カニビルの成虫はその他の寄生虫と同様にお腹の中で被害をもたらす可能性もあるので、食べないことをおすすめします。また、もし食べたい人も生食は控えて必ず加熱処理をしてから口にするようにしてください。

カニビルの多い蟹はおいしい?

カニビルの多い蟹がおいしい理由

Photo by lilyfan

カニビルの多い蟹がおいしい理由は「カニの成長過程」がポイントとなっています。先ほど説明したように、彼らは脱皮を繰り返して成長する習性を持つので、カニビルが多い個体は殻を取ったシーズンから時間の経過した元気な個体であるといえます。

殻を外した後は体力を消費している上に身の入りが良くないので、おいしくないといわれており、逆に時間が経過した個体は元気で味がいい個体であるといわれています。

関係ないという噂も

カニビルの多いものは味がいいという話がある裏で、その噂は関係ないという話もあります。そもそも、殻を外した時期を計算する方法はなく、あくまで目安にしか過ぎないともいわれています。

殻が取れた直後にカニビルが大量に付着する可能性もある上に、運よくカニビルがつかないまま水揚げされる個体も少なからず存在しているので、「カニビルが多い=味がいい」というのは言い切れないという声もあります。

カニビルの取り方

こすって取る

Photo by danbri

しつこくこびり付いていそうなカニビルですが、実は手で取り外すこともできます。カニビルの取り除き方はたわしやブラシで擦れば剥がせますので、気になるという方はブラシで根気強くこすってみてください。

見た目が気になるという方はブラシで取り除けばいいですが、万が一カニビルが口に入ってしまっても被害はありませんので、見た目を気にしないという方は放置して頂いて結構です。

手間のかかる作業


Photo by lilyfan

実はカニビルと取る作業は手間が掛かかるので、根気強くブラシで除去する必要があります。特にカニビルが多い個体はなかなか剥がせないので、どうしても取りたいという場面以外では放置することをおすすめします。

漁港で大量に水揚げする漁師さんたちが手を焼く工程でもあるので、カニビルを剥がしたいという方は意を決してブラシを手にして下さい。

おいしい個体を見分けよう

生きた個体の見分け方

Photo by Kentaro Ohno

カニビルが多い個体はおいしいとされていますが、その他にも見分け方があります。生きた個体の場合は動きは活発なのはもちろんのこと、甲羅の硬さや色合いもポイントとなります。

甲羅の硬さに関しては脱皮からの期間を経て硬くなっているものが好ましく、色合いに関しては白色の部分が少し黄ばんでいるものが身の入りがよくおいしいといわれています。

茹でた個体の見分け方

Photo by Lucy Takakura

茹での場合は、活きとは異なる要領で見分けてみましょう。殻の硬さに関しては生きた個体と同様に硬いものが好ましいですが、色合いに関しては白色部分が白い個体の方がおいしいといわれています。

また、甲羅にキズが多い個体は長い期間を過ごしてきた証拠でもあるので、硬さの他にもキズが多い個体を探すのもポイントです。

まとめ

安心して食べよう!

Photo by masatsu

黒いブツブツが気持ち悪いですが、カニビルは人体に無害なので、調理する場合は安心して食べてください。

気持ち悪いだけでなくカニの元気さの証でもあるので、カニビルの多い個体を「おいしいもの」として見れば、カニビルがラッキーな存在に見えてくるのではないでしょうか?

少々気持ち悪いものの利点も多いので、明日からはカニビルに好意的な目を向けてみてあげてください!

寄生虫が気になる方はこちらもチェック

当サイトではカニビル以外にもさまざまな寄生虫の情報を掲載しています。魚類を安心して食べるためにも種類や危険度を頭に入れて安全に食事を楽しみましょう!