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チカとはどんな魚?その特徴や旬な時期、美味しい食べ方まで解説!

チカという魚は北海道ではほぼ100%の知名度なのですが、関東以南ではよく知られていません。ワカサギみたいな魚というとイメージしやすいでしょうか。チカはどんな魚なのか。その生態や釣り方、美味しいチカ料理の調理法・レシピまで詳しく教えたいと思います。
更新: 2023年12月21日
蛙屋
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目次

チカについて

女の子の名前のような魚のチカ。よく知らない人も多いはず。いったいどんな魚なのでしょうか?

ワカサギに似た魚

キュウリウオ科に属するチカは、同じキュウリウオ科で冬の釣りの定番になっているワカサギとよく似ています。湖の氷に穴を開けて釣る、あのワカサギです。チカは流線型の体に、きれいなV字の尾の魚です。

銀色のボディーの上部(背部)が灰色で、大きなものは20cm以上もあります。10cm程度のワカサギよりずっと大型なのです。なので、ワカサギでは見られない刺身でも食べることができます。

ひどい扱いをされていた

姿が似ていることで、チカもワカサギと区別なく売られていました。それだけでなく、チカは一時シシャモとして売られていたこともあります。成りすましというわけではありませんが、他の小魚とゴチャゴチャになっていたんですね。最近ではきちんと分けられ、別な魚としてそれぞれの食べ方や釣り方が楽しまれています。

北海道では大衆魚

チカを漢字で書くと「千魚」となります。意味ははっきりしないのですが、いくらでも獲れる数が多い魚であることが由来ではないかと推測されています。ちっこい(小さい)魚で「ちか」になったという説もあります。

岩手県の一部では「シラウオ」とも呼ばれますが、もちろん踊り食いが有名なシラウオとは別物です。北海道を主に、北東北でもとても漁獲量が多く、北国では珍しくありません。

チカとワカサギの違いは?

姿も調理法もあまり変わらないチカとワカサギ。見分け方を教えましょう。

チカは海水、ワカサギはどちらでも

ワカサギはどんなに大きくても15cm以下ですが、チカは20cmほどになり、体もふっくらしています。また、湖での釣りが知られる海淡水両方に棲むことができるワカサギと違い、チカは海水でしか見られません。ただし、海と繋がった汽水の湖では、ワカサギのようにチカも氷の穴から釣れることがあります。

背びれ腹びれで区別できる

チカとワカサギの決定的な違いは背びれと腹びれです。チカは腹びれのほうが背びれより前方にあります。ワカサギは逆に、背びれのほうが前にあるのです。顔もチカは前方に向けてついていますが、ワカサギはメダカのようにやや上向きで、そのため背中の部分がじゃっかん直線的に見えるのも見分けやすい特徴でしょう。

出典: http://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/gyosei/chosei/leasure/wakasagi.html

チカの味と旬

チカの味や旬もワカサギと変わらないのでしょうか?釣りに適した時期も知っておきたいですね。

身は癖のない白身

チカの身は柔らかく、淡白な味わいの白身です。ワカサギより大きいので刺身や焼き魚でも調理でき、ワカサギ料理の定番天ぷらにもされます。また、甘露煮のようにじっくりと味を沁みこませる料理にも適しています。骨がちょっと硬いのが欠点ですが、食べ方はワカサギよりずっと幅広いといえますね。

チカの栄養価は?

チカは骨ごと一匹丸々食べることができ、カルシウム不足を補うことができます。他に利尿への効果。血圧低下や骨密度増加に欠かせないカリウムも豊富。さらに健康食品でお馴染のDHA、EPAを多く含み、学習能力を高めたり、アレルギーの改善にも役立つとされています。


北海道冬釣りで人気

チカの釣りは冬の楽しみ。北海道では地域にもよりますが、10月頃からチカのサビキ釣りをする釣り人で、堤防が賑わいます。釣りの旬は晩秋から春になります。湖での穴釣りでチカが釣れることもあり、真冬でも家族連れでフィッシングできる魚なのです。

冬に食べたい魚

食の旬も水揚げが増える冬といえるでしょう。この時期はお店にもチカが並びます。チカは春に産卵する生態で、この頃には岸の近くにいます。堤防釣りにもいいのですが、子持ちのチカが食べられるのも2~4月で、旬の最高潮といえるでしょう。値段は安く、北海道では旬期になるとよく調理されます。

チカの釣り方

いろいろな釣りが楽しめるのがチカの魅力。それぞれの釣りを解説します。

チカのサビキ釣り

チカ釣りの一番人気はなんといってもサビキ。初心者でも手軽にできる簡単な釣りで、100匹超えも狙えます。用意するのは万能竿か渓流竿。長さは4~5mがいいですね。

1号か2号のミチイトに、チカ用のサビキ仕掛けを繋げるだけです。堤防・築港以外にも磯などでやれます。揚がっているチカのサイズを見て、針のサイズを大きめにするか小さめにするか決めるといいでしょう。

チカの一本釣り

チカは一本釣りでも可能です。2~3mほどの振り出し竿に、ミチイト1号、市販の針、そしてウキとオモリ(15gもあればじゅうぶん)です。餌はオキアミで、撒餌してチカを誘います。ウキ下の長さは食いを見て調整しましょう。サビキよりも経験が求められる渋い釣りですが、なかなか面白いですよ。

チカの穴釣り

オホーツク海側の湖ではチカの穴釣りも人気です。竿やリールはワカサギ釣り用のものを使ってください。仕掛けはサビキでもいいのですが、餌をつけるチカ仕掛けのほうが釣果がいいでしょう。

餌はサシ(小さなウジですが釣り餌用で汚くありません)。ワカサギ釣りと同様に穴を開けて、そこに糸を垂らすだけです。穴釣りではキュウリウオやカレイまで釣れることがあります。

チカ釣りの注意

チカ釣りは冬が旬。北国の寒空の下の釣りです。当然ですが、とにかく寒い。完璧な防寒をしてください。特に釣りで細かい作業をするために、手の指を出していることも多く、血行が悪くなることがあります。テント内ならストーブ、屋外ならカイロやキャンプ用の暖房器具などで、冷えすぎない工夫をしてください。

チカの下処理

チカを調理する前に、下処理の仕方も覚えておきましょう。いろいろな食べ方ができますよ。

捌きは意外と簡単

大きいチカは約20cm。刺身にもできる大きさですが、捌くとなるとちょっと小さくて、やりにくそう。でも難しくはありません。ウロコを除いてから頭を落とし、腹を開いて、中骨と内臓を取るだけなのです。刺身にするなら、その開きの状態から皮引きして身を取ればいいです。あとは適当に切り分けて、刺身にすればいいでしょう。

寄生虫チェックはどうする?


刺身の場合、心配なのは寄生虫ですね。チカは寄生虫がついていることも少なくないんです。調理の前は、蛍光灯の光に身を透かしてみましょう。寄生虫の影が見えると思います。これは刺身を味わう前に必ずチェックしたほうがいいです。気になる方は刺身は外食で食べるか、火を通す食べ方でいただくことです。

チカの干物作り

チカの干物は上の開きでも、エラと内臓を取っただけで開いていないものでも同じように作れます。下処理したチカの血合いをよく洗い、塩水につけます。この塩水の濃度は10~15%。チカなら30分もつければじゅうぶんでしょう。お好みで調整してください。あとは吊るして半日から一日も干せば完成です。そのまま焼いて食べられますよ。

チカ料理1:刺身

釣りたてでも冷凍物でもチカの刺身は絶品です。

チカの刺身について

チカの刺身は歯応えがあり、脂が乗って美味しいのです。身のしっかりした新鮮な刺身もいいですが、おすすめは一度凍らせたチカの刺身。溶けて、トロリとした身をいただく北海道名物ルイベがとにかく美味しい。スッキリタイプの辛口のお酒がほしくなること間違いないといえる食べ方です!

刺身は薄味がいい

刺身にレシピというのは特にありませんが、大葉などに巻いて食べるのもいいでしょう。また、好みではありますけれど、醤油とワサビ以外に、酢あるいは酢醤油で食べるのもオツです。チカの味が淡白なので、醤油が強すぎると感じることがあって、薄い味が合う傾向はありそうです。

チカ料理2:焼き魚

チカはワカサギと違って大きいので、焼いても美味しい魚です。

干物焼きと塩焼き

下処理の項目で紹介した干物なら、レシピもいらず、ただ焼くだけでそのまま食べられます。干物にする前のものでも塩を振って、塩焼きでも大丈夫。焼くときのコツは、チカは大きいといっても15~20cmの小魚なので、長く焼きすぎて焦がさないようにすることです。

焼きチカの洋風な食べ方

ちょっと工夫すれば、焼いたチカを洋風にできます。例えばパン粉焼き。レシピはフライパンにオリーブオイルを敷き、塩、パン粉、粉チーズなどを適量まぶして焼くだけです。塩・コショウと小麦粉をまぶし、バターで炒めればソテーになりますし、ソースをからめて焼く食べ方もあります。調理レシピは意外と多い魚なんですね。

チカ料理3:甘露煮

煮魚にするには小さいチカは、甘露煮にするのにうってつけです。

チカは甘露煮にしやすい

北海道ではチカやワカサギはよく甘露煮されます。ワカサギは醤油と砂糖で煮詰めて、佃煮でもいいのですが、チカは佃煮に調理するには大きいので、甘露煮が一般的です。頭や骨までガブリと食べられますから、カルシウムの摂取にもなり、ご飯が進むおかずとなるでしょう。


チカの甘露煮のレシピ(チカ300g)

・チカはウロコ、エラ、内臓を取り、流水でヌメリを落とします。
・洗ったチカをグリルかオーブンで10分素焼きします。(煮くずれ防止のため)
・水800㏄に、酒・みりん・醤油50㏄ずつ、砂糖40gで煮汁を作る。
・煮汁にチカを入れ、落し蓋をして、弱火で煮詰める。
・水分が少なくなれば完成です。
*骨まで柔らかく煮詰めましょう。圧力鍋を使う調理法でもいいです。

チカ料理4:天ぷら・唐揚げ・フライ

チカ料理といえば、ワカサギと同様に一番は天ぷらです。唐揚げ、フライも美味しいので、一緒に紹介します。

揚げは下処理が大事

釣ったワカサギを、そのまま衣をつけて揚げる食べ方は有名ですが、チカは内臓が苦く、骨も硬いので、下処理したものを天ぷらにします。唐揚げやフライも処理済みのチカを使ってください。

チカの天ぷらのレシピ

・水と卵:小麦粉を1:1の割合で衣を作る。天ぷら粉だと楽です。
・チカを天ぷら粉にくぐらせて、油で揚げます。
*油は180℃以上でカラッと揚げましょう。
 

チカの唐揚げ・フライのレシピ

・唐揚げは片栗粉をまぶします。(小麦粉でも可)
・フライは小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけます。
・180℃の油でキツネ色になるまで揚げましょう。
*二度揚げすると骨付きでも食べられますよ。
 

補足

唐揚げは南蛮漬けにも転用できます。チカの唐揚げと玉ねぎ、ニンジン、ピーマンなどの千切りを一緒に、酢・醤油・砂糖を3:3:2の割合で作った調味液に、輪切りにしたトウガラシを入れたものに漬けるだけです。10分も漬ければ、美味しくなるでしょう。

チカのまとめ

冬の北海道でチカを楽しもう

チカはワカサギより値段が安く、代用品という扱いです。しかし、味はワカサギに劣るものではないですし、食べ応えもありますから、食べ方によってはチカのほうがいいこともあるのです。

チカ釣り、チカ料理は北海道・東北以外で経験するのは稀かもしれませんが、旬の時期の冬に北国を訪れることがあれば、絶対に釣ったり食べたりして損はない魚です。