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対戦車兵器「パンツァーファウスト」とは?その威力や構造、使い方を解説!

対戦車兵器とは、歩兵が戦車を撃破できるだけの威力を有する武器のこと。パンツァーファウストはドイツが開発した対戦車兵器です。戦車を破壊できるだけの威力と単純な構造、そして簡単な使い方から後世の兵器開発に大きな影響を与えたパンツァーファウストについて解説します。

2018年10月17日更新

石倉
石倉
釣りやガーデニング、DIYや登山などをメインに初級者の方から上級者の方まで満足できるような記事作成を心がけています。幅広いテーマを扱い、他サイトにはない情報と印象に残る記事を提供していきたいです。
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目次

  1. はじめに
  2. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」とは
  3. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の基本情報
  4. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の威力
  5. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の構造
  6. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の使い方
  7. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の戦果
  8. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の欠点
  9. 対戦車兵器「パンツァーファウスト」の後世への影響
  10. まとめ

はじめに

歩兵は戦車に勝てないのか?

klaustrifiroさんの投稿
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「歩兵が戦車に勝てるわけがない!」と考えていませんか?それは大きな間違いです。

対戦車兵器ならば歩兵でも戦車に勝てる!

lordofmountdoomさんの投稿
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戦場を侵攻して勝敗に大きな影響を与える兵器が戦車です。頑丈な鉄板と強固な構造により支えられた戦闘用車両は、通常の弾丸など簡単に弾き返してしまいますが、対戦車兵器として開発された特殊な武器であれば話は別です。

従来の作戦を変革した対戦車兵器

erik_thackrey98さんの投稿
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前大戦でドイツ軍が開発したこの兵器は、対戦車兵器として後世にまで影響を与えるほどの優秀な性能を備えています。従来の歩兵運用を根本から変えたとまで言われるほどの「パンツァーファウスト」についてご紹介しましょう。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」とは

「戦車への鉄拳」

purahistoriaさんの投稿
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この兵器の名に込められた意味は「戦車への鉄拳」です。その名が示すとおり、戦車を撃破できるだけの威力を備えた兵器で、歩兵が容易に携行できるだけの重量と取り回しの容易さから、大戦末期のドイツでは銃よりもこの兵器の方が兵士への配備数が多かったことで知られています。

第二次世界大戦のなかで生まれた対戦車兵器

panzerkampfwagen44さんの投稿
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前大戦でのドイツの勝敗は、皆さんご存知のとおりですよね。この兵器は大戦で敗北を喫したドイツで開発されました。資源に乏しく、金銭的な余裕もないドイツが試行錯誤の末に開発したもので、単純な構造と絶大な威力により多くの標的を撃破しています。

画期的な戦車撃破の方法

realsteelairsoftさんの投稿
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もともと対戦車兵器としては、アンチマテリアルライフルや榴弾砲が使用されてきましたが連合国軍側も車両の装甲をより分厚く改良するなどの対策を講じてきたために、従来どおりの方法では標的を撃破することが困難になっていました。

パンツァーファウストならば厚い装甲も撃ちぬける!

tomgervais87さんの投稿
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そこで開発されたのが、この対戦車兵器です。これは歩兵でも携行できる程度の重量(3キロ~)で単純な構造と部品をしており、貫通力を徹底して強化されたもので、連合国軍側のほとんどの車両の装甲を撃ちぬくことを可能としました。

歩兵が戦車を撃破する時代に

europeanmilitaryhistoryさんの投稿
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特に大戦初期はこの兵器が猛威を振るいました。歩兵が携行できるだけの重量と簡単な使い方で戦局の構図は確かに変わったのです。歩兵が物陰に潜みながら進軍し、戦車の死角に入りこの兵器で撃破するという作戦が現実のものになりました。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の基本情報

重量が軽く歩兵が携行しやすい形状

ww2_historypicsさんの投稿
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この兵器が世に生まれたのは1943年です。重量が軽く、携行しやすい形状をしているため、一人の歩兵が複数個を装備し、戦場で身を隠しながら数多くの標的を撃破していきました。当時の連合国軍はさぞ恐怖だったことでしょう。

使い捨ての対戦車兵器

reibert.infoさんの投稿
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基本的にこの兵器は使い捨てで、歩兵は一度発射すればその場で廃棄していました。ただ、完全に一度きりの兵器というわけではなく、工場で整備すれば再利用は可能です。

発射後には即離脱が作戦の基本

heer_historianさんの投稿
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もっとも、射程が短く一度発射したら即離脱するか、速やかに身を隠す必要があるこの兵器を、わざわざ戦場で持ち帰る歩兵はほとんどいませんでしたが。

パンツァーファウストの鹵獲運用は危険!

reenactmenttruppschillさんの投稿
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ただ、配備数が多いこの兵器は戦時中にその多くが連合国軍側に鹵獲されています。ただ、容易とはいえ使用方法も不明瞭な状態での運用は多くの誤射や暴発を発生させ、ついにはアメリカからこの兵器の鹵獲運用を禁止されました。

30メートルの射程を60メートルにまで改良した

marek_galajさんの投稿
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この兵器にはいくつかのバリエーションが存在します。例えば、最初期に開発されたこの兵器は「パンツァーファウスト30」。さらに、そこから貫通力を向上させたものや、射程距離を伸ばした60型など、さまざまな種類が生み出され作戦に使用されました。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の威力

グレネード無反動弾は絶大なる威力

keinotronicsさんの投稿
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この兵器の弾薬は対戦車用のグレネード無反動弾です。グレネードとは小型に改良された榴弾を意味します。もともとは戦車砲に装填される弾を歩兵が運用する作戦に使用しやすいように改良したもので、威力も他の歩兵が携行する銃などとは比較にならないほど絶大です。

最初期のパンツァーファウストは射程が短い

ww2_battlefront_finlandさんの投稿
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例えば、最初期に開発されたこの兵器は、厚さ140ミリの装甲を容易に貫通します。ただし、射程距離は30メートルほどしかありません。

無反動弾は厚さ200ミリの装甲を撃ちぬく!

tank_ripさんの投稿
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より性能に改良を施されたこの兵器はそこからさらに貫通力を向上させることに成功しており、厚さにして200ミリまでの装甲を撃ちぬくことが可能となっています。

敵戦車の装甲は60ミリ程度の厚さ

shadows_of_the_easternfrontさんの投稿
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ちなみに前大戦中に対ドイツ侵攻作戦で1942年から運用を開始されたソ連製の傑作車「T-70」でも装甲の厚さは60ミリ。この兵器の前では、まさに紙同然の防御力しかありませんでした。

「パンツァーファウスト60」は射程60メートル

sigmarfranzさんの投稿
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その後、さらに改良が施され、貫通力を損なわずに射程距離を倍以上にまで伸ばすことに成功しています。「パンツァーファウスト」の兵器名の後に数字が付けられており、この60や100、250といった数字はそれぞれの最大射程距離(メートル)を表しています。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の構造

発射後には棒の部分だけが残る

dominikkrajsaさんの投稿
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この兵器の構造はユニークです。形状は棒の先端にどんぐり状の弾頭が付いており、発射後は棒の部分のみが手元に残ります。

照準をつけるスコープ付きの構造

heer_historianさんの投稿
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基本的には、この棒と弾頭からなる単純な構造をしていますが、棒の部分に照準をつけるためのスコープが付いているタイプのものも多く開発運用されていました。

棒の部分の火薬で発射する

stursopronさんの投稿
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この兵器は「無反動砲」に該当します。「バズーカ砲」の場合は、弾頭そのものに推進剤が組み込まれており、発射後は弾頭自体が燃料を噴射しながら目標に向けて飛んでいきます。この兵器の場合は、発射のための棒の部分に火薬が組み込まれており、そのエネルギーで弾頭を射出します。

発射の際にはバックファイヤが発生する

20th_century_conflicts88さんの投稿
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ただ、これだけでは無反動とは言えませんよね。この兵器の場合にはさらに、棒の後方から反動を相殺するためのガスが噴射されます。これによって、発射の反動を軽減し、幼い子供から老人まで手軽にあつかえる武器に仕上げられているのです。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の使い方

発射する前に後方をよく確認する

30thdivさんの投稿
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この兵器を使う場合には、後方へのガス噴射を味方に浴びせないように周囲をよく確認します。そして、脇に棒をしっかりと挟み込むか肩にのせ、手などで固定してから目標に向けて発射するのです。

無反動弾は弾速が遅い

derheerreenactorさんの投稿
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この兵器は弾頭の速度が遅く、真っ直ぐに飛ばない兵器です。放物線を描きながら目標に向けて飛んでいくため、射程距離限界の標的を正確に撃ちぬくには熟練の技が要求されます。

パンツァーファウストはお手軽な武器ではない!

davidefabbri0さんの投稿
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さらに、最初期のものでは射程距離30メートル以内にまで接近する必要があり、敵の目を欺きながらの歩兵の接近はまさに命がけでした。接近しすぎれば弾頭の爆発に歩兵も巻き込まれてしまうため、使用方法自体は容易ですが、そこまでお手軽な兵器だとは言えません。

命中率の低さを歩兵の数でカバー

history_michiganさんの投稿
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もっとも、この兵器の強みは大量生産可能なコストの安さです。前大戦終結までの間に約560万もの数が開発され作戦で運用されました。この兵器の使い方を示す当時のマニュアルによれば敵車両一台を撃破するのにこの兵器での無反動弾による攻撃を複数人で行うように規定されています。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の戦果

歩兵4人対戦車30台の戦い!

finnishwarheroesさんの投稿
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この兵器で多大な戦果をあげた人物として「グスタフ・ヴァレ大尉」が有名です。イルツェン近郊で大尉は3名の部下を引き連れて、イギリスの戦車大隊を迎え撃ちました。大隊の総数は30車両、これを物陰からこの兵器による無反動弾の攻撃で次々に撃破し、30車両のうち22車両を戦闘不能にしました。

パンツァーファウストで戦車に勝利した

germogli_riccardoさんの投稿
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グスタフ・ヴァレ大尉と3名の部下は負傷したものの全員生還し、ドイツ軍の騎士鉄十字章を授与されました。このエピソードは後世の前大戦を描いた映画にも影響を与えています。

その後も終戦まで運用された

us.military.historyさんの投稿
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他にもこの兵器はドイツの重要拠点であるベルリンを防衛するために大量に投入されました。この兵器による戦果は諸説ありますが、40車両程度の標的を撃破したとされるデータがあります。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の欠点

優秀な対戦車兵器ではあるのだが

wehrmacht_and_ww2_footageさんの投稿
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ただ、カタログスペックでは優秀なこの兵器ですが、ベルリンが陥落したことからも分かるように現実にはそこまでの戦果をあげられていません。これにはいくつかの理由があります。

欠点①:射程距離の短さと命中率の低さ

artebelicoさんの投稿
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まず、射程距離の短さと、命中率の低さが理由として挙げられます。特に戦争が激化し、熟練の兵士が多く失われ、練度の低い若年兵士が多く駆り出されてくると、ますますこの兵器の運用は困難なものとなっていきました。

練度の低い歩兵では扱いきれない!

ww2_axishistoryさんの投稿
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当時の運用マニュアルにおいては、この兵器を確実に命中させるには標的から10メートル程度にまで接近する必要があったとされています。ただでさえ練度の低い兵士がここまで敵に接近するのはほぼ不可能でした。

欠点②:パンツァーファウストには粗悪品が多かった

war_daily_historyさんの投稿
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さらに、当時のこの兵器は急ごしらえで大量生産をしたために兵器自体の品質も悪く、カタログスペック通りの性能を備えているものが少なかったのも戦果が伸びなかった理由です。

発射時に不具合が頻発する!

tabletop.channel.by.jcさんの投稿
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命がけで歩兵が標的に接近しても、暴発や不発が頻発するなど、とても兵器として信頼できるシロモノではありませんでした。

欠点③:戦車に護衛用の歩兵をおかれはじめた

tank_ripさんの投稿
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運用初期は多数の敵を撃破したこの兵器ですが、「接近しなければ当たらない兵器」だということが連合国軍側に露見した後は、車両の周囲に護衛用の歩兵をおくなどで対処され、作戦などでもほとんど脅威とはみなされませんでした。

パンツァーファウストは不遇の兵器である

military_vintage_photographyさんの投稿
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総じて、本来の性能を発揮しきれなかった不遇の兵器であると言えますね。

対戦車兵器「パンツァーファウスト」の後世への影響

後世の対戦車兵器に多大な影響を与えた

ww2.germanstuffさんの投稿
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前大戦が終結してからもこの兵器の技術は後世の兵器開発に多大な影響を与えています。

対戦車兵器「RPGシリーズ」の雛型になった

例えば、設計開発はされていたものの終戦までに運用が間に合わなかった「パンツァーファウスト」の250型は、終戦後にソ連に接収され、有名な対戦車用の歩兵携行平気「RPGシリーズ」の雛型になったとされています。

発展改良型の「パンツァーファウスト3」

german_warfareさんの投稿
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そして、大戦終結から半世紀以上を経た現在でもこの兵器は軍により運用配備されています。1955年に創設したドイツ連邦軍の要請により開発された「パンツァーファウスト3」は、ロケットブースター付き無反動弾を射出する発展改良型の兵器です。

パンツァーファウスト3は陸自でも配備されている

csi.cosplay.groupさんの投稿
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大戦時の反省点を生かし、より兵器としての信頼性を高め練度の低い兵士であっても容易に運用できるように改良されたパンツァーファウスト3は、陸上自衛隊でも積極的に配備が進められています。

21世紀でも運用される対戦車兵器

swiss_militaryさんの投稿
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ドイツや日本が辛酸を舐めた前大戦の傑作兵器が、改良され今でも現役で運用されているのは何とも言えない気分にさせますね。

まとめ

パンツァーファウストの進化はとまらない!

ship_raiderさんの投稿
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パンツァーファウストについてはいかがでしたでしょうか。歩兵が戦車を相手に奮戦できる可能性を生み出したこの兵器は、これから先もさらなる改良と発展を続けていくことでしょう。果たして、それがよいことなのかは疑問ですが、戦うための道具はいつまでも人の傍らで進化を続けていくのです。

戦車の弾について知りたい方はこちらもチェック!

zebra_hatさんの投稿
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無反動弾をはじめとする弾頭についてまとめた記事を以下に2つピックアップしております。興味のある方は是非ご覧ください!

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