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ゴンドラ・ロープウェイで行く!森吉山の登山・ハイキングコースを紹介!

秋田の森吉山は、冬はスキーと樹氷の名所、夏と秋には登山の名所で知られます。頂上まで森吉山ロープウェイが伸びているため、初心者も山頂付近のハイキングを楽しみやすい環境です。森吉山の初心者も安心な登山コースと山にまつわる知りたい情報、全部お伝えします。
2020年8月27日
はぐれ猫
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森吉山は紛れもなく秋田の名峰

夏には高山植物の花が咲き乱れる北秋田市の森吉山は、秋田県でかなり存在感のある山なのです。その理由とは?

登山者を引きつける花の百名山

日本には花の百名山と呼ばれる、高山植物の花の景観が素晴らしい名山がありますが、森吉山もそのひとつに数えられます。森吉山は登山・ハイキングをしつつ、絶景と高山植物の花を見に行くべき山なのです。

冬はスキーの名所だから

森吉山は冬になれば、秋田県を代表するスキー場となります。阿仁スキー場は初心者向けコースも、標高1,200メートルから滑走する上級者コースまで、7つのコースを備えている本格派です。森吉山の山頂までも、根こそぎスキー場になってしまうのです。

樹氷が見られるから

日本の樹氷と言ったら山形県の蔵王が有名ですが、冬の森吉山も日本三大樹氷に数えられ、ロープウェイに乗って樹氷を見に行けることでも有名でなスポットです。標高1,200メートルの樹氷平ではいったいどんな樹氷が待っているのか、確かめてみたくなります。

森吉山のアクセス

そんな森吉山までは、どんな風にアクセスしたら良いか、森吉山を訪れるまでの道のりをガイドします。

車で訪れる場合

秋田自動車道の五城目八郎潟インターから、国道285号線を東へひた走ります。阿仁合駅近くの交差点から、阿仁スキー場へ向かう山道に入ります。宿泊ならば、阿仁スキー場に隣接のホテルやコテージ、キャンプ場などがおすすめです。

電車とタクシーで訪れる場合

森吉山と阿仁スキー場の最寄りの阿仁合駅から、タクシーが出ています。阿仁スキー場に行く場合、1名1,100円、 2名以上は900円です。また、JR鷹巣駅や大館能代空港からの場合は、タクシーか観光ハイヤーを使い、 片道1名3,200円、2名以上2,700円です。利用は予約をするとスムーズです。

森吉山周遊タクシー

森吉山の地質と地形

森吉山は火山である

森吉山は山頂部の険しさが見られるように、大昔に噴火した火山です。最初の噴火時に外輪山である一ノ腰と前岳と石森ができたと言います。その後の噴火で、最高峰の向岳が顔を出しました。しかし人間の有史以来、噴火したという記録は存在していません。

主峰と外輪山

最高峰の向岳は標高1,454メートル。1,500メートルに届いていれば、日本百名山にも入ったと言われます。

出典: http://www.kumagera.ne.jp/moriyoshizan/m_samada.htm

取り巻く外輪山は、東側に標高1,326メートルのヒバクラ岳、西側に1,308メートルの石森と、1,264メートルの一ノ腰があります。尾根で連なって、頂上付近ほどハイキングしやすい地形です。

森吉山の歴史と伝説

森吉山には鬼や巨人にまつわる伝説もありました。誰も知らなそうな歴史も知って、現地で同行者に解説してあげてください。

森吉山の鬼と坂上田村麻呂

平安時代のこと、蝦夷(えみし)の首長だった大滝丸が、森吉山の地を支配していました。大滝丸は森吉山を参拝する人々から鬼として恐れられていたので、時の征夷大将軍だった坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が、退治したとの伝説があります。

森吉神社と冠岩

標高1,300メートル付近には森吉神社が鎮座しているのも見所。この神社は坂上田村麻呂が大滝丸を退治したことを讃えて、建立されたとのことです。高さ6メートルの冠岩は森吉神社の御神体で、大滝丸が積み上げたと伝わります。要するに大滝丸も巨人なのです。

巨人伝説

山頂部には、山人平(やまひとだいら)という場所があり、お花畑の名所です。かつてこの場所に、山人という巨人が住んでいたと、地元で伝えられてきました。巨人とは、冠岩を積み上げた大滝丸のことかもしれません。

森吉山の別名

一般に森吉山ですが、地元では秋田山と呼ばれて親しまれてきました。山頂の向岳の名前も、森吉山の別名です。春には山頂部が雪でまだら模様に見えることから、地元ではマダラべコ(斑牛)との名も伝わっています。


森吉山のロープウェイ

阿仁ゴンドラとも呼ばれている森吉山ロープウェイは、北秋田市阿仁高津森の阿仁スキー場に伸びています。1年を通じて、多目的に使われているロープウェイです。

ロープウェイの特徴

阿仁ゴンドラは、1987年に阿仁スキー場の施設として使われ始めました。ロープウェイは全長3,473メートルあり、阿仁ゴンドラは銀色の6人乗りです。森吉山の山麓駅から南西斜面をのぼって、標高1,167メートルの山頂駅までを結んでいます。

ロープウェイの目的

当初からスキー場の施設として、スキーヤーを山頂へ運ぶために使われていますが、1年を通じて乗れるのが阿仁ゴンドラです。夏と秋には登山、高山植物の花、紅葉などを見に行くために乗ったり、冬には樹氷を見るために乗ることができます。

ロープウェイの利用

阿仁ゴンドラに乗り込むなら、車はスキー場の駐車場に停めます。森吉山山頂駅まで行くなら、山麓駅舎にて乗車券を購入します。チケットは片道、往復とあり、往復の場合はおとな1,800円、こども800円です。団体や障害者ならば、若干の割引が適用されます。

森吉山ゴンドラ散歩 ゴンドラ料金

森吉山の高山植物のお花畑

6月から7月にかけの暖かな季節は、森吉山の山頂で高山植物の花が咲き乱れます。秋田県を代表する花の百名山の花々を、とくと拝見したいものです。

山頂のお花畑の花の種類

山頂の標高1,200メートルを超える稜線付近で、綺麗な紫色のうつむいた花を咲かせているのがイワカガミ。白くて小さくかわいい花と言えば、ヒナザクラやチングルマ。湿地ではザゼンソウやミズバショウも見られて、多様な高山植物が一か所に集まるお花畑は必見です。

代表的なお花畑

森吉山の山頂の東側の、標高1,326メートルのヒバクラ岳には、ヒバクラ湿原のお花畑があります。標高1,454メートルの向岳に接する山人平も、お花畑の名所となっています。6月~7月上旬ころの登山コースでは、お花畑を加えるのがおすすめです。

森吉山は樹氷がきれい

森吉山で見られる樹氷について、もっと知ってみましょう。森吉山では樹氷ができるシーズンになると、こんな現実離れした光景が見られるようになります。

神秘的な樹氷の景色

森吉山で神秘的な樹氷が木々に形造られるのは、毎年1月の上旬から3月上旬にかけて。ロープウェイでマイナス20度の厳寒な樹氷平へ向かえば、一面に樹氷が立ち並ぶ異世界に直面します。自分が樹氷にならないよう、ご注意ください。

樹氷の観賞

阿仁ゴンドラで山頂駅まで到達すると、そこからはしばらく樹氷平まで雪の道を歩きます。樹氷観賞の時には、スノーシューを足に装着することも一般的で、これによりあるきやすさが増します。

圧雪車の樹氷観賞ツアー

阿仁スキー場ではゲレンデから山頂まで、圧雪車に乗って夜の樹氷を鑑賞するツアーも用意しています。斜面を傾きながらもぐんぐん登っていく大迫力の圧雪車と、夜間の樹氷の凄さの両方を体感してください。

森吉山の登山コースガイド①

阿仁ゴンドラ~一ノ腰コース

春から秋にかけて、登山初心者や気軽な短時間ハイキングを希望する人には、一番無理のないコースがこちら。ロープウェイの阿仁ゴンドラ山頂駅から、北の一ノ腰の尾根を目指します。このコースは森吉神社と御神体、山頂からの絶景に出会えるのおすすめハイキングコースです。

コースの地図

ロープウェイ山頂駅を出たら、20分ほど登っていくと標高1,308メートルの石森の尾根です。5分西へ下ると、森吉神社と冠岩を見ることができます。神社の隣に森吉避難小屋があり、バイオトイレも使えます。避難小屋からは北へ30分ほど進めば、一ノ腰に到着します。

コースの見所ガイド

大滝丸の冠岩を是非見て、冠岩の胎内潜りをしてみたいならこちらのコースを選ぶべきです。一ノ腰からの眺めは、お見事と言われる絶景なのも訪れたい理由です。

森吉山の登山コースガイド②


阿仁ゴンドラ~山人平の花畑コース

特に6月の高山植物のお花畑が見られる季節、おすすめできるのが山人平のお花畑を目指すハイキングコース。最高峰の向岳を越えていくので、阿仁ゴンドラに乗って、楽ちんと言ってばかりもいられません。

コースの地図

阿仁ゴンドラ山頂駅から北の石森へ向かい、石森からは東の標高1,454メートルの向岳を登ります。石森を越えたところに、阿仁避難小屋があって、トイレ休憩ができます。向岳の登りがきついところですが、尾根を超えればあとは下って山人平にたどり着きます。所要時間は片道2時間程度です。

コースの見所ガイド

森吉山で一番てっぺんまで気軽に行けるのが、このコースの醍醐味の1つ。そして6月から7月にかけては、山人平のお花畑が一番の目的地になります。7月ころまで残っている残雪と涼やかな空気が、下界の酷暑の日々を忘れさせてくれます。

森吉山の登山コースガイド③

阿仁ゴンドラ~ヒバクラ岳コース

阿仁ゴンドラの山頂駅から、少し長めに歩いてみたいとなったら、東の高峰ヒバクラ岳を目指すハイキングはどうでしょう。このコースは2つのお花畑に出会えるのが魅力的です。

コースの地図

山頂駅をでて石森から東の向岳を越え、山人平を過ぎてヒバクラ岳までは、片道で2時間半程度の行程です。途中きついのは、向岳とヒバクラ岳の山頂付近のみです。

コースの見所ガイド

6月のお花畑は、山人平とヒバクラ岳山頂部に広がっています。7月までは特に雪も残っているのがこのあたり。秋には紅葉も美しい森吉山だから、ハイキングはお花畑だけをお目当てにすることもありません。

森吉山の登山コースガイド④

阿仁スキー場・ブナ帯コース

阿仁スキー場のロープウェイに沿って、ブナ帯コースと呼ばれる登山ルートがあります。出発地点はスキー場横のブナ帯キャンプ場で、そこから山頂駅付近を通過して向岳を目指します。

ブナ帯キャンプ場の駐車場

出発地のブナ帯キャンプ場までは、阿仁スキー場前から伸びる山道を東に向かいます。ブナ帯キャンプ場には、30台の駐車場があります。トイレも設置してあるので、登山の準備は万全にできます。

コースの地図

キャンプ場を出発したら、ブナ林、オオシラビソの林を抜け、山頂駅を過ぎて石森へ。休憩は地図で示した森吉避難小屋か、阿仁避難小屋でトイレが使えます。そこから東へ向かえば向岳です。片道でおおむね2時間少々で向岳山頂となります。ロープウェイに沿っているから、遭難信号を出す心配もなしです。

コースの見所ガイド

オオシラビソはマツ科の針葉樹で、春に紫色の松ぼっくり型の花を咲かせます。森吉山の山麓では、春にはブナ林の新緑、秋はブナ林の紅葉が楽しめます。

森吉山の登山コースガイド⑤

こめつがコース

森吉山の西山麓、標高800メートルのこめつが山荘を始発点とする登山コース。地図の通り森吉山で唯一の北ルートで、森吉スキー場の旧ゲレンデを登って、最高峰の向岳を目指します。比較的に緩やかに登れるので、こめつがコースは初心者から無理のないハイキングになります。

こめつが山荘の駐車場

こめつが山荘には20台の駐車場があり、ここで登山届を提出することも、トイレの利用もできます。訪れるなら阿仁スキー場側からでなく、国道105号線の阿仁前田駅前から県道309号線に入り、森吉四季美湖から森吉山へと向かいます。現地まではナビや地図を見て、迷わないようにしてください。

コースの地図

こめつが山荘から旧スキー場のカラ松が生えるゲレンデをのぼっていくと、ブナ林に入ります。やや上りが急になりますが、一ノ腰までは1時間半の行程です。そこから30分で森吉神社と、森吉避難小屋の休憩ポイントです。向岳までは片道でおよそ3時間ほどです。途中、脇道の勘助道が伸びています。

コースの見所ガイド


ブナ林の春から夏にかけては濃い緑が、秋は紅葉が美しい場所です。一ノ腰から見る景色が素晴らしく、森吉神社と冠岩を訪れることができやすいのも、このハイキングルートです。

森吉山の登山コースガイド⑥

ヒバクラコース

出典: http://www.kumagera.ne.jp/moriyoshizan/siki-haru-sinnryoku.htm

森吉山の東山麓から、ヒバクラ岳を経由して登頂する代表的なコースです。太平湖の近くの湯ノ沢温泉は、登山後に立ち寄るには好都合です。ヒバクラ岳近くでは眺望が最高の場所が多いなど、人気の登山コースになります。

ヒバクラ岳登山口駐車場

出発点となるヒバクラ岳登山口までは、森吉山の北側に通る県道309号線の、太平湖の近くの山道に入ります。沢沿いにのぼって、青少年野外活動基地親子キャンプ場を若干過ぎたところが登山口です。15台の小規模な駐車場と、仮設トイレも使えます。

コースの地図

立ヶ森や立川見晴を過ぎて、ヒバクラ岳の斜面をのぼります。2つのお花畑を過ぎれば向岳の山頂です。休憩ポイントの、阿仁避難小屋まで行きます。ヒバクラ岳登山口から阿仁避難小屋までは、片道4時間半を要します。山頂でのキャンプや、避難小屋での一泊も考えたいところです。

コースの見所ガイド

出典: http://www.kumagera.ne.jp/moriyoshizan/siki-haru-sinnryoku.htm

地図上の立川見晴は、立川渓流の見事な景観の眺められる場所です。ヒバクラ岳の山頂からは、遠く八幡平や岩手山までの眺望が見事です。6月なら山人平のお花畑も見られるなど、地図のとおりに見所が多くなります。

森吉山で使える休憩所・山小屋情報

ゴンドラ山頂駅

ロープウェイで森吉山に登ってきた人が、休憩を取る最初のポイントがここ。休憩所やバイオトイレ、案内所も備えているので、登山者もここで準備を怠らないでください。

森吉避難小屋

標高1,275メートル、大滝丸の伝説の森吉神社のすぐ横にある、利用者の多い避難小屋です。地図を見なくてもわかりやすい場所にあります。避難小屋は収容人数40名で、一年中の利用者があります。

阿仁避難小屋

石森と向岳のあいだの、標高1,131メートルの避難小屋です。収容人員は20名で、水場、トイレなども確保できます。小規模ですが、1年を通じて吉避難小屋よりも利用者の多い小屋です。

森吉山にはいつでも行きたい

樹氷の冬、残雪と新緑とお花畑の春、登山日和の夏、紅葉の秋と、森吉山は1年中いつ訪れても自然の景色に恵まれています。阿仁ゴンドラに揺られて行ったら、ハイキングは体力的な負担も最小限です。森吉山には、どんな季節に泊りがけで行ってみたいですか。

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