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世界の人類未踏峰の山6選!未だに登頂できない危険な山の実態とは?

人類が世界最高峰のエベレストを攻略してから半世紀以上が経ちました。しかし、世界には標高はエベレストよりも低いものの人類未踏峰の山がまだあります。世界の人類未踏峰の山6選を、なぜ登頂できていないのかその理由と一緒に紹介します。
更新: 2024年3月15日
すがや
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人類未踏峰の山がある

エベレスト攻略から半世紀以上

人類が世界最高峰の山であるエベレストの攻略に成功してから半世紀以上も経ちます。エベレストは今では、登山ルートも確立されて、少なくない登山家が登頂ができるようになりました。

人類未踏峰の山を紹介

世界最高峰のエベレストの登頂を果たしたとはいえ、世界には人類が登頂に成功していない山が存在します。これだけ科学や技術が進歩した時代においても、その頂きに立った人間がいない山があります。世界の人類未踏峰の山を紹介します。

人類未踏峰の理由に迫る

山の危険性と宗教的理由

人類未踏峰の山には、未踏峰の理由があります。その理由は大きく2つに分けられ、山そのものの危険性と宗教的な理由がその最たるものです。人類未踏峰の2つの理由をそれぞれ紹介します。

未踏峰の理由1:山そのものの危険性

未踏峰の理由として山そのもの危険性があります。厳しい自然との闘い、登山ルートの未確立、山自体の登山が困難な形などがその理由です。未踏峰の山は登山に失敗した場合は命も失いかねません。このような困難が未踏峰の理由のひとつです。

未踏峰の理由2:宗教的な理由

人類未踏峰の山のいくつかは宗教的な理由が大きいです。宗教的に神聖的な山として崇められている場合も多く、入山許可が下りないということもあります。登山が盛んな日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、山を信仰に関わるレベルでまで神聖に捉えるという文化が海外にはあります。

世界の未踏峰の山1:マチャプチャレ

世界で最も美しいと評される山

マチャプチャレはネパールのアンナプルナ山系に属する山で、標高は6993メートルです。非常に美しい山容が特徴的です。壮大な自然とも相まり、世界で最も美しい山とも評されます。アルプス山脈のマッターホルンに形が似ていることからネパールのマッターホルンとも言われています。

登山許可が下りない

マチャプチャレが未踏峰の山の理由として、登山許可があります。マチャプチャレは神聖な山として崇められており、ネパール政府から登山許可が下りないという状態です。

山頂手前50メートルまで登る

そんなマチャプチャレですが、過去に山頂手前50メートルまで登ったという記録が残されています。1957年にイギリス人のJ・ロバーツによる記録です。彼は登山する上で山頂まで登らないという約束を交わしており、その約束を守ったためと言われています。

世界の未踏峰の山2:ガンケルプンスム

世界の最標高未踏峰の山

ガンケルプンスム(ガンカー・プンスム)は、ブータンと中国のチベット自治区の国境にガンケルプンスムはあります。人類未踏峰の山の中で最大の標高を誇ります。ガンケルプンスムの標高は日本最大の標高の富士山の約2倍の7570メートルになります。

2つの登山ルート

ガンケルプンスムも現在登山することが非常に困難な山です。ルートはブータンからのルートと中国チベットからのルートの2つがありますが、ブータンからのルートは登山許可が下りずに、中国チベットのルートも国境がはっきりとはわかりにくい地域であるため、許可が降りないという現状です。

過去の挑戦は全て失敗

過去はブータンからの登山許可が降りたこともあり、1980年代に日本を含むいくつかの登山隊がガンケルプンスムに挑戦しました。しかし、7000メートルよりも手前で下山を余儀なくされたようです。標高が高いことに加えて登山の非常に難しい山であるようです。

世界の未踏峰の山3:梅里雪山

6000メートルを超える山々が連なる

海里雪山(メイリーシュエシャン)は雲南省デチェン蔵族自治州にあります。太子13峰とも呼ばれ、6000メートルを超える山々が約30キロメートルも連なっています。これらの連なる山が全て未踏峰になります。最大の標高は6740メートルになります。

厳しい気候が攻略を困難に

梅里雪山もチベット仏教の聖地であるため登山家を嫌う傾向がありますが、それでも過去には幾人もの登山家が梅里雪山に挑戦しました。しかしその全てが失敗に終わっています。モンスーンによる厳しい気候が攻略をさらに困難なものにしているようです。

過去に日中合同の登山隊が遭難

梅里雪山では1991年に日中合同の17人の登山家が遭難するという事件もおきています。日中合計で42名が登山に挑戦し、その内17名の登山家が遭難しました。遺体は7年以上も経ち、発見されはじめましたが、未だに見つかっていない遺体もあります。

世界の未踏峰の山4:カイラス山

独立峰の人類未踏峰

先程紹介した梅里雪山ががいくつもの山々からなる未踏峰の山なのに対して、カイラス山は独立峰の人類未踏峰の山になります。カイラス山はチベット高原の西部にあり、標高は6656メートルです。標高4500メートルあたりには巡礼路があり、観光客をはじめ多くの人が訪れています。

巡礼路が人気

カイラス山も登山許可が下りない山です。またアクセスも非常に困難な場所にあります。一方で、巡礼路としては人気で山を囲むように一周するコースが多くの人に親しまれています。とはいえ、この巡礼路も一周52キロメートルあるので一周するのは簡単なことではありません。

伝説では登頂の記録あり

カイラス山は人類未踏峰の山とされていますが、伝説レベルでは登頂の記録が残っています。11世紀に仏教修行者のミラレバが登頂したという記録があります。もしも本当であれば未踏峰の山ではなくなりますが、いずれにしても登頂が困難であることには変わりはないでしょう。

世界の未踏峰の山5:ザンスカール

インド北部にある未踏峰

ザンスカールはインド最北部にあります。この土地はチベット仏教が主な宗教で、冬季はガイドがいないと旅行は非常に難しいですが、夏季は気候も穏やかで全域を訪れることができます。

2012年、日本人登山家が攻略

ザンスカールには登頂までのルートが2つあり、その内のひとつであるPT6165という標高6165メートルへの登頂は2012年に成功しています。登頂に成功したのは日本人の山岳会学生部で、大学生4人のグループが攻略しました。

登頂まで残り300メートルで断念

PT6165の攻略に成功したグループはもうひとつのPT6045という標高6045メートルの登頂にも挑戦しましたが、こちらは天候不良のために断念することとなりました。このとき5700メートル付近まで攻略していたようで、まさに攻略まであと一歩のところまで来ていたようです。残り300メートルを残し、ザンスカールは人類未踏峰の山であり続けています。

世界の未踏峰の山6:キュンガリ

ヒマラヤ山脈に属する山

キュンガリはヒマラヤ山脈に属する山です。標高は6599メートルです。位置的には中国チベット自治区とネパールの国境付近にあります。ヒマラヤ山脈の中央山のひとつであるキュンガリは未知の山としても知られており、現地の登山地図にキュンガリが掲載されないということもあるそうです。

2013年に日本人登山家が挑戦

近年では2013年秋に日本の登山家の辻秀信がキュンガリに挑戦しています。しかし、この挑戦は残念ながら失敗に終わりました。現地でも知られていない山ということもあり、山容を確認するところから始めなければならなかったようです。

2010年に未踏峰の山を攻略

キュンガリの攻略に失敗した辻秀信さんですが、2010年にヤカワカンという当時未踏峰だった山の登頂に成功しています。登山家としての実績を持つ辻秀信さんでも、キュンガリの攻略は現状では難しいようです。

その他の登頂が困難な山を紹介

今もなお残る未踏峰の山

人類が未踏峰の山を6つ紹介しました。今でもなお人類が登りきった山があるというのはロマンを感じますね。いつの日か登頂される日がくるのか、あるいはこのまま未踏峰のままなのか気になるところです。

登頂された山でもまだまだ登頂は難しい?

上記で紹介した未踏峰の山以外にも登山家を苦しめてきた様々な山があります。ここからは趣向を少し変えて、登頂に成功されているものの、それでも今なお登頂が困難な山を紹介します。

世界一高い山、エベレスト

5000人以上が登頂に成功

エベレストは言わずと知れた世界一標高の高い山です。その標高は8850メートルと圧巻の標高です。1953年に登頂が成功するまでは未踏峰の山でしたが、以降は多くの人がエベレストに挑戦し、登頂を成功させています。なんとこれまでに5000人以上が登頂に成功しているといわれています。

最高齢登頂は日本人

5000人以上が登頂に成功しているエベレストには年齢層や登り方など多岐に及びます。最年長のエベレスト登頂は日本人の三浦雄一郎さんで80歳で登頂を成功させています。その他、義足での登頂、スキーやパラグライダーでの下山など様々な記録があります。

今でも命を落とす登山家も

登山ルートが開拓されたかのように思えるエベレストですが、今でも危険な山であることには変わりはありません。登山者の死亡率は4パーセントと言われており、少なくない登山家がエベレストで命を落としています。登頂成功から半世紀以上が経ちますが、それでも山の脅威がなくなることはありません。

世界一登山が難しい山、K2

19世紀末まで存在すら知られていなかった山

K2は標高はエベレストに次ぐ世界第2位の8611メートルですが、エベレストよりも登頂が難しいと言われています。その難しさは名前からも予想され、奥地もあるため19世紀末までほとんど存在が知られず名前がなかったほどです。K2という名前はインド測量局によってつけられた測量番号になります。

半世紀以上をかけて登頂に成功

K2は1892年に登頂への挑戦が始まったと記録されています。そして登頂に成功したのは1954年のことです。半世紀以上もかけて挑戦し続けての登頂成功でした。なお冬季における登頂はまだ達成されたことがないそうです。気候や雪崩、ルートなど登山における多くの困難な要因がK2にはあります。

これまで登頂成功者は306名のみ

K2の登山者の死亡率は約4分の1と言われています。登山した人の4人に1人は命を落とす計算です。2012年の段階でK2の登頂に成功した人数はわずか306名と、エベレストの17分の1程度の人数です。死亡者は81名とK2の攻略の困難さを物語っています。

世界一死亡率が高い山、アンナプルナ

別名キラー・マウンテン

アンナプルナはネパールにある山です。標高は8091メートルで、世界で10番目に高い山です。アンナプルナというのはサンスクリット語で「豊穣の女神」という意味で一見危険とは縁がなさそうですが、キラー・マウンテンという別名も持つ非常に危険な山になります。

登頂成功者は200人以下

アンナプルナは死亡率が最も高い山として知られています。登頂に成功した人数は200人に満たず、死亡率は40パーセントにも達すると言われています。登山の非常に困難な山容に加え、激しい気候と雪崩が登山者たちを襲います。

1950年に初登頂

今でこそキラー・マウンテンとまで称されるアンナプルナですが、実は8000メートル超えの山で初めに登頂に成功された山だという歴史があります。1950年にフランスの登山隊によって登頂されました。しかし、アンナプルナ攻略は凄惨を極めるものであったようです。2人の登山家は合計30本と指を凍傷で失ったと言われています。

世界一死亡者数の多い山、谷川岳

日本百名山のひとつにも数えられる

谷川岳は日本の群馬県にあります。標高も2000メートル弱と決して高くはなく、日本百名山にも数えられる風景も非常に綺麗な山です。冬にはスキーもできるので、1年を通して多くの人が訪れる山です。都心から約100分というアクセスの良さも魅力です。

8000メートル超の山の合計死亡者数を上回る死者数

そんな谷川岳ですが、死亡者数のワースト記録を持っています。2012年までに805名の死亡者が確認されており、この数は8000メートル超えの山の合計死亡者数よりも多いです。このように多くの登山家の命を奪っていることから、魔の山や死の山、人食い山などとも呼ばれることもあります。

一般的ルートであれば初心者でも攻略可能

一般的なルートでの登山は初心者でも攻略が可能で、遭難者や死亡者の多くはクライミングルートによるようです。そのため一般的なルートを登るのであれば大きな危険はないといえるでしょう。しかし、自然の脅威はいつ襲ってくるとはわかりませんので、一般的なルートからの登山でも十分に準備してから登りましょう。

登攀の聖地、アルプス三大北壁

聖地と言われるアルプス三大北壁

アルプス三大北壁はアルプス山脈の3つの山の北壁でロッククライミングやアイスクライミングといった登攀の聖地と言われています。アルプス三大北壁も未踏峰というわけではないのですが、登攀が非常に難しい種類に分類されます。

アルプス三大北壁1:グランドジョラス

グランドジョラスはフランスとイタリアの国境に位置します。標高は4208メートルです。アルプス三大北壁の中では最も知名度が低いですが、3つの中で最も難しいという声もあります。

アルプス三大北壁2:マッターホルン

マッターホルンはスイスとイタリアの国境に位置します。標高は4478メートルです。ピラミッドのような形をしており非常に美しい山です。しかし北壁への挑戦は、この特徴的な形により非常に難しいと言われています。なおマッターホルンの登頂成功はアルプス山脈の山の中では比較的新しく1865年のことです。

アルプス三大北壁3:アイガー

アイガーはスイスにあり、標高は3970メートルです。アルプス三大北壁の中で標高は最も低いですが、登攀が困難なことから死の壁と称されることもあります。1921年に日本の登山家たちが当時まだ未登攀だった北東山稜ルートの攻略を成功させたことでも知られています。

人類未踏峰への挑戦は続く

今も多くの登山家や冒険家が挑戦

このように世界にはまだ人類未踏峰の山があります。そして、多くの登山家や冒険家による命を賭した挑戦が続けられています。未踏峰の山々を人類が登頂に成功する日は訪れるのか、今後も注目されます。