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ネイルガン(釘打ち機)は武器になる?殺傷能力や威力などその真相に迫る!

ネイルガンは釘を板などに打ち込む工具のひとつです。決して他人を殺傷するための道具ではありませんが、ゲームの中では武器として描かれることもあり「改造したら武器になるのでは」と考える人もいます。ネイルガンの殺傷能力や威力・飛距離などをご紹介します。
更新: 2023年12月21日
佐藤3
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ネイルガン(釘打ち機)に殺傷能力はあるのか

ネイルガンはガン(銃)という名前が付けられていますが、釘を打ち込むための工具です。実際に生き物に向けて打ち込む目的で作られたものではありません。

しかし、映画やゲームなど非現実の世界ではチェインソーやネイルガンなどの工具も立派な武器としてゾンビ相手に活躍している場面を目にすることもあるでしょう。 実際にネイルガン(釘打ち機)に生き物を殺傷する能力はあるのでしょうか。

ネイルガン(釘打ち機)について

ネイルガンは電気やガス、専用空砲を打ち出すための火薬を使って釘を打ち出します。ネイルガンというのはアメリカで一般的に使われる言葉で日本では釘打ち機という場合もあります。

日本で一番最初にネイルガンを製造販売したマックス株式会社は発売した当初は「ネイラー」という名前を付けて販売をはじめました。

この他、コの字型の大型のホチキスの芯のようなものを打ち付けて木材などを固定する同様の工具はネイルガンではなく「タッカ」と呼ばれているものもあります。

ネイルガンの能力・威力

まずはこちらの動画を御覧ください。日本よりもずっとネイルガンの規制が甘い海外で行われたネイルガンの能力、飛距離などの検証動画となっています。

動画を見ていただくとわかるとおり、打ち出すスピードは早いですが、1mほどしか離れていないダンボールの標的にも刺さらないくらい飛び筋が安定せず傷をつけることは出来ていますが、刺さることはありませんでした。

ネイルガン(釘打ち機)を武器とした作品

思いもしない凶器で殺人がおこなわれる映像は見る人の注目を引きつけます。映画やドラマなどの映像作品の中では意外な凶器としてネイルガンなどの工具で殺人事件がおこなわれる描写を時折見かけます。日本とアメリカ2つのネイルガンが武器として登場する映画作品をご紹介します。

アンフェア the answer


実際にネイルガンを武器として使用している映像作品として日本のドラマ「アンフェア」を上げる人も多いです。篠原涼子がクールな主人公、雪平夏見刑事を演じるシリーズとして一世を風靡した人気ドラマでした。その劇場版2作目として発表された「アンフェア the answer」の中でネイルガンを使った連続殺人事件が登場しています。

リーサル・ウェポン2/炎の約束

日本の作品だけでなく、1989年にアメリカで公開された映画「リーサル・ウェポン2」という刑事(奇しくもこちらも刑事が主人公)映画でもネイルガンで犯人の頭を撃ち抜くという描写がされています。

このシーンで「ネイルガンが武器になる」と思い込んでいる人も多いでしょう。 しかし、あくまでもこの2作品は映画としての作り事です。実際には動画でご紹介したように、ネイルガンの先を押し当てないように改造したとしても、目標に当てることすら難しいというのが現実です。

ネイルガン(釘打ち機)の仕組みと能力

海外ではネイルガンから釘をピストルの弾丸のように飛ばすことも可能ですが、日本の製品は動画のように自由に飛ばすことすらできません。日本の主なネイルガンの仕組みと能力を2種類ご紹介します。

コンタクトトリップ・トリガー式

ネイルガンの中で一般的な仕組みを持つものにコンタクトトリップ式があります。これは、ネイルガンの引き金と釘を打ち出す先端部が同時に押されることにより釘を射出します。釘を打ち出すために2つの動作が必要になるという仕組みで、ネイルガンの誤射による事故を防ぐための対策がされています。

シーケンシャルトリップ・トリガー式

コンタクトトリップ式よりもさらに安全性が強化されたネイルガンにシーケンシャルトリップ式のネイルガンがあります。コンタクトトリップ式よりも更に安全性を高めたタイプで、一度引き金を引くと1度しか釘を打つことができないという仕組みになっています。

これによって、連射(誤射を含む)ができなくなっているというのがコンタクトトリップ式との主な違いです。

ネイルガン(釘打ち機)の飛距離と威力


外国製のネイルガンや改造した日本製ネイルガンで釘が飛ばせたとして、その釘の飛距離と威力はどの程度のものなのでしょうか。ネイルガンを武器にするには重要な飛距離と威力については以下のようになっています。

飛距離はほぼ20m程

先ほど見ていただいた動画では1mの距離でもまっすぐには飛びませんでしたが、目標物がなくフリーな状態であればネイルガンから打ち出された釘は約20mほどの飛距離があるといわれています。

威力は太い板も撃ち抜く

さらにその威力は動画の中で分厚い板に軽々と釘を打ち込んでいることでもわかるとおり、密接していればかなりの威力を発揮します。人の体であっても密接していることで釘を打ち込むことも可能でしょう。

飛距離と威力は十分だが

20mの飛距離と板を打ち込む威力があれば武器として使えるものといえるでしょう。しかし、実際にネイルガンを武器として使用するには問題がたくさんあります。その問題点を解消するためには改造も必要となるでしょう。 次の章では、ネイルガンを武器として使えるようにするのに必要と考えられる改造について見ていきます。

ネイルガン(釘打ち機)の改造

ネイルガンを生き物の殺傷目的で改造するとすれば、まずは先端が打ち込む物に押し付けられていないと釘が発射できないという点を改造することが必要でしょう。日本のネイルガンは安全性を非常に高められた設計になっているので銃のように離れた目標に向かって打ち出すことができないようになっています。

精度

その次に改造するなら標的に向かってきちんと飛ぶ「精度」も必要となるでしょう。打ち出すことが出来たとしても、それが目標に当たらなければ意味がありません。それどころかどこか近くの物に当たって自分に跳ね返ってくる可能性すらあります。


バランス

実際にネイルガンを銃のように打っている動画では釘が当たっている場所はバラバラでした。このように精度が安定しないには1本の釘の重さが先端よりも頭の方が重いこともあるでしょう。

先が重いのであれば安定して飛ばすことも出来るでしょうが、それでは釘打ち機としても武器としても全く意味がありません。目標に当てるには釘のバランスを改造する必要も出てきます。

重量

ネイルガンを武器として使用するのであれば、もっと問題になるのはその重量にあるでしょう。自由に場所を移動して使用することができるガス式や電気式のネイルガン(ヒルティ GX120-ME)の重量は3.8kg。ほぼ4kgの重さがあります。

これを片手でしっかりと支えるにはかなりの筋力を必要とします。目標に向かって持ち運ぶことを考えると重量に対する改造も必要となってくるでしょう。

連射

連射できないという点ではピストルも同様ですが、日本のネイルガンは2度打ちの誤射を避けるために一度釘を打ち込んだあとは引き金を元に戻してもう一度引かないと釘が発射されないという仕組みになっているものもあります(シーケンシャルトリップ式)

日本製のネイルガンは、このように実際に武器のように使用しようとするならば、いくつもの改造が必要となってきます。

まとめ

ネイルガンは押し当てて使えば人を殺傷するだけの能力は十分ある危険な工具です。実際にネイルガンを使って仕事をされている建築関係者の中には釘の誤射で怪我をしたという人もいます。

しかし、日本のネイルガンは安全面を考慮された作りになっていることから遠くから飛ばして釘を打ち込むということをしようとした時には、いくつかの点で改造が必要となってきます。

以上のことからまとめると「殺傷能力はあるが、実際に武器として使うには改造が必要となり簡単に武器となる物とはいえない」となるでしょう。 くれぐれもネイルガンで人を傷つけたりしないよう、また使用する時は誤射による怪我に留意して自分を傷つけないようご注意ください。