スターム・ルガー社の代表的ハンドガンの歴史と性能を徹底紹介!のイメージ

スターム・ルガー社の代表的ハンドガンの歴史と性能を徹底紹介!

1949年創業のアメリカの銃器メーカー、スターム・ルガー社。第二次大戦後にハンドガンメーカーのS&W社やCOLT社より後発で創業した、銃器メーカーとしては比較的新しいスターム・ルガー社の、これまでのあゆみと代表的なハンドガンを紹介します。

2018年09月30日更新

荒石 誠
荒石 誠
趣味は自転車のロングライドと料理と鉄砲全般。AppleとMac大好きです。どうぞよろしくお願いします。
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目次

  1. スターム・ルガー社とは?
  2. スターム・ルガー創業時の特徴
  3. スターム・ルガーの製品の特徴
  4. やがてコルト社やS&W社に匹敵する銃器メーカーに
  5. スターム・ルガー社のハンドガン
  6. スターム・ルガー・スタンダードの特徴
  7. スターム・ルガー22LRのバリエーション
  8. 法執行機関用のスペシャル・モデルも存在
  9. スターム・ルガーのその他のハンドガン
  10. スターム・ルガーまとめ

スターム・ルガー社とは?

出典: https://ruger.com

ルガー社のロゴマーク

スターム・ルガーはアメリカの銃器メーカーです

出典: https://en.wikipedia.org

スターム・ルガー創業者の二人

左がウィリアム・バターマン・ルガー氏。右がアレクサンダー・マコーミック・スターム氏

1949年、スターム・ルガー社はアレクサンダー・マコーミック・スタームとウィリアム・バターマン・ルガーによってアメリカで設立されました。その二人の名前をとって、スターム・ルガーという社名になりました。ちなみにドイツの有名なピストルであるLuger P08を開発したオーストリア人技師のゲオルク・ルガー氏とはまったく関係のないアメリカの会社です。(ルガーのスペルがRとLで違います)

1951年にスターム氏が肝炎のため早世

出典: https://en.wikipedia.org

創業者ウィリアム・バターマン・ルガー氏

残念なことに、創業間もなく共同創業者のアレクサンダー・マコーミック・スターム氏が亡くなり、以後ウィリアム・バターマン・ルガー氏の主導によりスターム・ルガー社は業績を拡大していきました。同社のエンブレムはアレクサンダー・マコーミック・スターム氏が生前にデザインしたもので、元は現在のように赤色でしたが、スターム氏の没後にルガー氏が追悼の意を込め、黒に色を変更したという逸話があります。

スターム・ルガー創業時の特徴

出典: http://www.gunblast.com

スターム・ルガー・スタンダード 50th Anniversary

画像はスターム・ルガー・スタンダードの創業50周年モデル。グリップのメダリオンが創業当時と同じで赤い

スタートは小規模な工場から

戦後のアメリカで設立間もない頃のスターム・ルガー社は、レンタルした工作機械を使う小規模なファクトリーでしたが、やがてロストワックス製法やインベストメント製法とよばれる、鋳造製法による大量生産方式を採用し、市場に低価格で良質な製品を供給するようになりました。

スターム・ルガーの製品の特徴

出典: https://en.wikipedia.org

スターム・ルガー・スタンダードmk1

22LRを使用するポピュラーなオートマチックハンドガン。安い価格でも、命中精度も高く作動も良好な為、スターム・ルガー社のロングセラーモデルとなりました。バレルの長さもバリエーションがあり、mk1からmk2、mk3、mk4と改良され、今も人気のモデルです。

低価格でも高品質な製品

それまでの銃器類は鋼鉄の塊から削り出して生産するのが主な生産方式だったのですが、スターム・ルガー社は、フレームやレシーバーなどを鋳造(鋳造とは型に溶けた材料を流し込んで固める生産方式です)で生産することで、安いコストで大量生産することに成功します。特に最初の製品のmk1、22口径などは発射によるフレームなどへのストレスが小さいので、鋳造による生産でも充分な強度が保てたのでしょう。

やがてコルト社やS&W社に匹敵する銃器メーカーに

出典: https://en.wikipedia.org

スターム・ルガー Single Six

1953年にコルトピースメーカーの構造を模して作られたシングルアクションリボルバー。既存の製品に独自の改良を施して生産するというのも同社の特徴。

安かろう悪かろうではない製品

それまでの価格帯で購入できるハンドガンは、値段なりの粗悪な品質だったのですが、スターム・ルガー社は安い価格で高品質な製品を開発・生産することで業績を拡大していきました。結果、老舗のコルト社やS&W社に負けないアメリカの銃器メーカーとしての地位を獲得しました。

後発メーカーの強み

出典: https://en.wikipedia.org

ステンレス製のスターム・ルガーのリボルバー

上はシングルアクションのスーパー・ブラックホーク。下はダブルアクションのレッドホーク。いずれも強力なマグナム弾を発射できるハンドガン。

スターム・ルガー社は、先行して販売されている製品のパテントやライセンスが切れた物などをコピー、改良し、開発費を抑えて量産することで、安くて品質の良い製品をエンドユーザーに届けました。先のコルト・ピースメーカーのコピーのSingle Sixやマグナム弾を撃てるルガー・ブラックホークなどもそういったハンドガン製品の一環です。

スターム・ルガー社のハンドガン

出典: https://ja.wikipedia.org

スターム・ルガー・スタンダード mk1

スターム・ルガー社の処女作。その後mk2、mk3、mk4と改良を続けている。

mk1から始まったスターム・ルガー社の歴史

スターム・ルガー・スタンダードは、スターム・ルガー社が1949年にアメリカで発売した22LR(22口径)のターゲットピストルです。mk1から始まり、その後mk2、mk3、mk4と改良を加えながら、60年以上の長きにわたり生産・販売されている同社のベストセラー・ハンドガンです。それまでは22LRのターゲットピストルのシェアは、コルト社のウッズマンがもっとも大きなシェアを獲得していましたが、スターム・ルガーmk1はその価格と高い精度で消費者に受け容れられ、たちまちコルト・ウッズマンが独占していた市場を奪っていきました。

スターム・ルガー・スタンダードの特徴

出典: http://www.gunblast.com

スターム・ルガー・スタンダードのボルト尾部

初弾をチェンバーに送るには、ボルトの後端を掴んで引っ張ります。

スターム・ルガー・スタンダードモデルのmk1は1949年から1981まで生産されました。(mk2は1982年から2005年、mk3は2016年まで)その特徴は、単純なストレート・ブローバックによるセミ・オートマティックでトリガーはシングル・アクションというシンプルな構造で、ショート・リコイルなどとは違い、バレルが固定されているので、非常に命中精度が高い製品になりました。また、従来のオートマティック・ハンドガンが、スライドを動かして作動するのに比べると、小さくて軽いボルトを作動させることで、より反動が小さく扱いやすいハンドガンになったのです。

youtubeでは現在のモデルの解説を見ることができます。デザインがモダンになっていますが、基本的な構造は変わっていません。

スターム・ルガー22LRのバリエーション

出典: https://en.wikipedia.org

画像は1982年から発売されたmk2のターゲットモデル

5.5インチのブルバレルの先にはアンダーカットのフロントサイトが確認できます。(アンダーカットのフロントサイトとは、逆光などでもフロントサイトが見やすくなる為、フロントサイトの下に向かってカットしているスタイルです)

スターム・ルガーの22LRのオートマティック・ハンドガンは、スタンダードのmk1から始まり、その後mk2、mk3、mk4と改良されながら作られてきました。その間には、バレルの長さが違う各種のモデル、スタンダード・モデルの他に、ブルバレルの本格的なターゲット・モデルや、一見ブルバレルに見えるサウンド・サプレッサー一体型のモデルなども存在します。

バレル長の違いによるバリエーション

10インチの銃身長のモデルも存在します。

バレルの長さは次の通りで、4 in (10 cm)、4.75 in (12.1 cm)、5.25 in (13.3 cm)、5.5 in (14 cm)、6 in (15 cm)、6.875 in (17.46 cm)、10 in (25 cm)と、mk1の時から7種類ものバレル長の違うバリエーションが造られていました。現在mk4では4.75inから6.88inの間のバレル長でバリエーション展開しているようです。

スタンダードをはじめとするバリエーション

出典: https://en.wikipedia.org

こんな凄いモデルも

ロング・スラブバレルに銃口の跳ね上がりを抑制するコンペンセイター付き。ダットサイトにターゲットグリップを装着したコンペティションモデル。

mk1から始まりmk2、mk3、mk4と改良される中で、ターゲットモデルやハンターモデルなどのバリエーションがあります。


MK I Target
MK II
MK II Target
MK II Government Target
Competition model
MK III
MK III Target
22/45
MK IV

mk3の改良点

出典: https://en.wikipedia.org

スターム・ルガー・スタンダードmk3

登場から60年以上に渡って基本フォルムが変わらない。

mk3はいくつかのアップデーがされています。 チャンバーに弾が入っていることが分かるローデッド・インジケーターの追加。マガジンキャッチがグリップ底部からトリガーガードの脇に変更。ウイーバースタイルのサイトマウントが取り付けられるように加工済み。ボルトを引きやすくレシーバーの後部をテーパー形状に変更。さらにmk3ではマガジンを抜いておくと作動しないマガジンセーフティーも追加されました。

法執行機関用のスペシャル・モデルも存在

出典: https://en.wikipedia.org

サプレッサー一体型のmk2 サプレッサーはステンレス

このモデルはアメリカ海軍の特殊部隊ネイビー・シールズが採用しているそうです。映画などには登場しませんが、実際に配備されているのでしょう。

スターム・ルガーのmk2・22LRオートマティック・ハンドガンには上の画像のように特殊なモデルも存在します。22口径とはいえ、確実に急所に命中させれば対象を無力化できるので、昔からこういったモデルが存在します。特に22口径は少ない火薬と音速を超えない弾速のため、サプレッサーの減音効果が大きいのです。(9mmパラベラムは弾速が音速を超えるため、衝撃波が怒るために、サプレッサーを装着しても大きな音がします)

サウンド・サプレッサーとは?

よく映画やドラマなどで、銃身に筒を取り付けて撃つシーンがあります。「プシュ」とか「バス」っといった発射音で表現されますが、実際は22口径であっても、上のyoutubeの動画のようにそれなりの発砲音がします。アメリカでもサイレンサー(消音器)とは呼ばずサプレッサー(減音器)というのが一般的です。とはいえ距離が離れれば音は小さくなるので、撃たれる側には聞こえにくいのです。

スターム・ルガーのその他のハンドガン

出典: https://en.wikipedia.org

Ruger Vaquero

このハンドガンは1993年と新しいモデル。ほぼコルトSAAのクローン。しかしなんと44マグナム版があります。

シングル・アクション・リボルバー

出典: https://en.wikipedia.org

スーパー・ブラックホーク

44マグナムをはじめとして、454カスールなどの強力なカートリッジを使用できる。

画像のスーパー・ブラックホークは、少年ジャンプに連載されていた、ドーベルマン刑事が使用していたことで日本でも人気がありました。実際の使用ではハンティングなどの用途に使われるハンドガンで、銃撃戦では6発の装弾を撃った後のリロードに時間がかかり過ぎるので、刑事さんなどが使うことはありえないでしょう。

出典: https://en.wikipedia.org

45口径オールド・アーミー

先込め式のリボルバー

他にもSingle-SixやBearcatなどのモデルもあります。

ダブルアクション・リボルバー

出典: https://en.wikipedia.org

スタームルガー・セキュリティーシックス

オーソドックスなダブルアクションリボルバー

セキュリティーシックスは、ちょうどS&WのM19やM66などの中型リボルバーのライバルです。使用カートリッジも38スペシャルと357マグナムなので、スタームルガー版コンバットマグナムという位置づけでしょうか。バレルの長さも2.74インチから6インチとS&Wの同カテゴリーと同じくらいです。

出典: https://en.wikipedia.org

スターム・ルガー・レッドホーク

同社の代表的な近代的ダブルアクション・リボルバー

スターム・ルガーのダブルアクション・リボルバーはS&Wの影になってメジャーではないようですが、実はとても頑丈で耐久性には定評があります。また、シリンダーラッチが、S&Wは前に押し、コルトは後ろに引くのですが、スタームルガーはフレームに押し込んで操作するという違いがあります。

出典: https://en.wikipedia.org

レッドホークの44マグナム版

ハンター用の7.5インチモデルにスコープを搭載したガン

レッドホークは、強力な44マグナムを撃てるハンターモデルもあります。 以下、レッドホークで使用できるカートリッジのリストです。もちろんそれぞれにシリンダーもバレルも口径にあったものでなくては撃てません。

.38 Special
.357 Magnum
.41 Magnum
.44 Special
.44 Magnum
.45 Colt
.45 ACP/.45 Colt

出典: https://en.wikipedia.org

スーパー・レッドホーク

もはやバケモノ級のマグナムリボルバー

スーパー・レッドホークは44マグナムどころか、454カスールという巨大なカートリッジを撃てるモデルもあります。その他にアラスカンなど、グリズリーを連想させるようなハンティングのための強力なハンドガンです。

スタームルガーのセンターファイヤーオートマティック

出典: https://en.wikipedia.org

モデルP89 口径9mm

9mmや45ACPを使用するセミオートマティックのハンドガンを多数生産しています。

スタームルガーも近代的なセミオートのハンドガンを出しているのですが、リボルバーほど売れていないようです。日本でもあまりエアガンなどにならないのも、人気がないからでしょう。

出典: https://en.wikipedia.org

最新のP345

美しいインレイが入った限定モデル

近年、コルトM1911のパテントが切れてから、あらゆるメーカーが1911のクローンを出していますが、ルガーでも美しいクローンが売り出されています。

出典: https://en.wikipedia.org

SR1911

コルト1911のクローン

スターム・ルガーまとめ

スターム・ルガーは戦後、老舗に遅れて操業した後発の銃器メーカーですが、独自の発想と低コストで高品質、また高性能な銃器を開発販売することで、現在ではアメリカのメジャーなハンドガンメーカーの一翼を担っています。また、ハンドガンのみならず、M4クローンのカービンやライフル、ショットガンやサブマシンガンに至るまで生産する、総合銃器メーカーとなっています。日本ではあまり話題にならない地味な存在ですが、なかなか良いところ、凄いところもある一流のメーカーです。

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