スチェッキン開発秘話!ソビエトのフルオート化拳銃の歴史を知ろう!のイメージ

スチェッキン開発秘話!ソビエトのフルオート化拳銃の歴史を知ろう!

旧ソ連の名銃にスチェッキン・APS拳銃があります。拳銃なのにフルオート射撃ができる、ストック一体型のホルスターが付属する等、驚きの要素がたくさんのスチェッキン。今回はそんなスチェッキンの魅力や、開発の経緯、現代における役割等をまとめました。

2018年09月11日更新

くまこ
くまこ
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目次

  1. スチェッキンとは?
  2. スチェッキンの特徴
  3. スチェッキンのメリット
  4. スチェッキンのデメリット
  5. スチェッキンの基本スペック
  6. スチェッキン開発の経緯
  7. スチェッキンの歴史と変遷
  8. 現代におけるスチェッキン
  9. スチェッキンのエアガンやモデルガンはあるの?
  10. まとめ

スチェッキンとは?

出典: https://militaryarms.ru

スチェッキン・マシンピストルは旧ソ連軍で使われていたフルオート式拳銃です。 別名を「APS(Automatic Pistol Stechkin/スチェッキン・オートマチック・ピストル)」といい、APS拳銃とも呼ばれています。

1940年代後半、銃器設計技師(ガンスミス)のイーゴリ・ステーチキン氏により開発され、1951年、マカロフと共に旧ソ連軍で正式採用されました。それから1975年まで旧ソ連軍で使用されたフルオート式大型拳銃が、スチェッキンです。

出典: https://russian.rt.com

20代で軍隊に採用される拳銃を設計したなんて、ステーチキン氏はエンジニアとして凄い人だったのだろうなと脱帽の思いです。 そんなステーチキン氏、14歳の時にたまたま拾った壊れかけのモシンナガンを修理して、更にパワーアップを図るべく改修も試みた、なんていうエピソードがあるそうです。子供のころから生粋のガンスミスだったのですね。

スチェッキンの特徴

出典: https://militaryarms.ru

スチェッキンの最大の特徴は、フルオート射撃ができる拳銃である、ということです。 今でこそグロック18やマイクロUZIといったフルオート射撃可能な拳銃や、ベレッタM93Rのように3点バースト射撃ができる拳銃などが存在しますが、どれもスチェッキンから20~30年以上後に開発されています。

出典: http://wartools.ru

スチェッキンのもう一つの特徴は、取り外し可能なホルスター兼用の追加ストックです。このストックは木製または合成樹脂製で、中は空洞になっており、ホルスターとしてスチェッキン本体を収納することができます。 ストックはグリップの背中にスライドして取り付ける仕組みになっています。マカロフと比べて装弾数が多く火力も大きいことから、命中精度を上げる目的でストックが追加オプションとして加えられたようです。

出典: http://www.armoury-online.ru

開発されたのは第二次世界大戦後ですが、ヴィンテージ感漂う雰囲気と、近代的なシンプルさのふたつを共有している、そんな見た目も魅力的なのがスチェッキン・APS拳銃です。

スチェッキンのメリット

出典: http://www.armoury-online.ru

マカロフよりもサイズも火力も大きいことから戦闘力が大幅に向上し、通常のピストル同様のシングルオート射撃ができるのみならずフルオート射撃も可能ということが、スチェッキンの最大の利点です。 長いバレルにより比較的長距離の射程を持つのがスチェッキンの凄いところでもあります。ストック付きで150mの射程、というとサブマシンガンクラスの使い勝手なので、その威力が分かるかと思います。

出典: http://wartools.ru

他にも、パーツが少なく簡単な設計でメンテナンスがしやすい、暴発が少ない、ストックが付属のため照準が容易にできるなどのメリットがあることから、スチェッキンには高い信頼性があります。

スチェッキンのデメリット

出典: http://www.armoury-online.ru

ストックがあるため射程距離や安定性の向上が図れた反面、拳銃自体が重たく大きくなってしまって扱いづらい、というデメリットも出てしまいました。 また、グリップ部の構造上、ブローバック時の衝撃負荷が手にかかりやすいという使用感の問題もあり、現場の軍人さんたちからすると「使いづらい…」となってしまったようです。

スチェッキンの基本スペック

出典: http://army-news.ru

スチェッキンはダブルアクションの大型自動拳銃です。 セミオート、フルオート両方での射撃が可能で、「スチェッキン本体、ホルスター兼ストック、予備マガジン2個入×2連のマガジンポーチ」で1セットとなります。 装弾数は20発なので、拳銃本体の分と合わせて5個・合計100発の弾を携行できます。

出典: https://militaryarms.ru

スチェッキンはマカロフ弾(9㎜×18)を使用することや、一般的な拳銃と比較して射程距離が長いことから、サブマシンガンに分類される事もあります。

スチェッキン・マシンピストル(APS拳銃)の基本情報

【重量】 1.02kg(マガジン、ホルスターストックなし) 1.22kg(マガジン、ホルスターストックあり) 0.56kg(ホルスターストックのみ) 【全長】 225mm(ホルスターストックなし) 540mm(ホルスターストックあり) 【バレルの長さ】 140mm 【高さ】 150mm 【カートリッジ】 9×18mmマカロフ弾 【初速】 340m/秒 【リアサイトの切り替え範囲】 設定範囲25、50、100、200mに設定可能 →これについては他のハンドガンでは例のないスペックです。 スチェッキンがサブマシンガンとも捉えられる所以ですね。

スチェッキン開発の経緯

出典: http://army-news.ru

スチェッキンは戦車や装甲車の搭乗員、将校の護身用拳銃として開発されたものです。戦争において最前線で戦わなければならない彼らに最も適した武器は何だろうか、と考えられたのが開発に至るきっかけでした。そうして、普段サブマシンガンやアサルトライフルを使うことがない人たちのためにと考えて作られたのがスチェッキンです。 1949年に、銃設計技師イーゴリ・ステーチキン氏により最初のプロトタイプがリリース、その後2年に渡り試験利用と改良がなされ、1951年に旧ソ連軍に採用されました。

スチェッキンの歴史と変遷

出典: https://militaryarms.ru

せっかく開発されたものの、その大きさや重さから戦場での使い勝手が悪かったことから、スチェッキンは1960年代には生産が終わり、軍での使用もされなくなってしまいました。

出典: http://wartools.ru

その後、スチェッキンのサイレンサー機能付きモデルとしてAPBピストルが1970年代に開発、1972年に採用されました。APBピストルはスチェッキン同様備え付けストックがあるものの、その形や素材は異なり、より実践向きのデザインが採用されています。 ソ連崩壊後APBピストルは、アフガニスタン紛争など様々な地方の紛争で使われました。

外交にも一役買ったスチェッキン

出典: https://russian.rt.com

1980~90年に渡って、スチェッキンは内務省の人たちの武器として利用され、チェチェンでの戦闘中には、パイロットやスナイパーの自己防衛のサブ武器として使われました。そして現在はシリアでのロシアの軍事安全保障業務のパイロットの個人武器として使われています。 スチェッキンは海外の高官へのプレゼントとしても利用されました。特にチェ・ゲバラやフィデル・カストロが愛用していたという話は有名ですね。

現代におけるスチェッキン

出典: http://army-news.ru

軍では一度お蔵入りしたスチェッキンでしたが、1980~1990年代にかけて犯罪が増加し、それに伴って警察や治安当局の拳銃の需要が高まったことから再登場しました。 「マカロフでは犯罪者たちを追いきれない、かといってアサルトライフルだと威力がありすぎてこれまた犯罪者たちを捕まえるのに不適切…何かいいものないかなぁ」 という治安当局の人たちの意見から「そういえばスチェッキンとかいうベストな拳銃があるじゃないか!」となったのです。

サイレンサーVerに進化、特殊部隊仕様に

出典: http://www.armoury-online.ru

スチェッキンやAPBピストルは、治安維持部隊や特殊部隊(スペツナズ)などで現在も活用されています。 拳銃そのものの安さやマカロフ弾を使えるという利点、信頼できる性能などから、彼らはスチェッキンを愛用しているようです。

まだまだ進化を続けるスチェッキン

出典: http://tonnel-ufo-polish.tk

時代と共に歩むスチェッキンですが、少しずつ進化を遂げています。 最新型のものとして、1995年に開発されたOTs-33 Pernach(ペルナッハ)があります。ロシア警察や治安当局の人たちのため、スチェッキンに取って代わる新しい拳銃として開発されたもので、設計はもちろんステーチキン氏です。スチェッキンのデメリットであったブローバックの反動を低減させ、使い勝手の良いものにと考えられて開発に至ったそうです。 全体的に角ばったフォルムでスチェッキンの面影はないものの、フルオート射撃ができる拳銃でより良いものをと改良&新規開発されました。

スチェッキンが与えてくれたこと

出典: http://zonwar.ru

スチェッキンの特殊部隊における無騒音兵器システム開発への貢献はとても大きかったようです。 元々は将校や戦闘車両搭乗員の防御用、個人携行用の武器として開発されたスチェッキンでしたが、その枠を越え、PDW(Personal Defense Weapon/パーソナルディフェンスウェポン)の現代的な概念の基礎を築きあげました。 目立つデメリットがあるにも関わらず、今でも世界中に多くの愛用者がいて、ひとつのブランドとしてその立ち位置を確立しています。 ガンスミスとしてのステーチキン氏の考えに、「醜い武器は撃たれない」というものがあります。武器としてのスペックだけでなく、見た目の仕様にもこだわりをもって開発されたのがスチェッキンなのだな、としみじみさせられる言葉ですね。

スチェッキンのエアガンやモデルガンはあるの?

スチェッキンは日本でもそこそこ人気のある武器で、映画や漫画、ゲームなどで度々登場します。 そのため、「サバゲーでスチェッキンを使ってみたい!」「コレクションとして手元に置いておきたい!」と思う方も少なくないようです。

既製品エアガン、モデルガンは作られていない

出典: http://zonwar.ru

しかし残念ながら現時点でスチェッキンのエアガンやモデルガンのメーカー品は存在しません。 2013年頃に海外のエアガンメーカーでスチェッキンの開発を始めたようだ、という噂が出回りましたが、企画がストップしているのかお蔵入りになってしまったのか、続報は出ていないようです。

ないのなら作ってしまえ、スチェッキン

ただ、同じように「スチェッキンのエアガンがあればいいのになぁ」という考えの方はいらっしゃるようで、個人的に既製品をモデルチェンジしてスチェッキンのような見た目に仕上げている人もいるようです。

いくつか参考例を挙げさせていただきましたが、興味のある方はスチェッキンカスタムに挑戦してみてはいかがでしょうか?

まとめ

出典: http://oruzhie.info

今回はフルオート射撃ができる拳銃、スチェッキン・APS拳銃について紹介しました。 マカロフに似たシンプルなデザインながらスペックはサブマシンガン並み、ヴィンテージ感溢れる風貌がどことなくおしゃれで魅力的、スチェッキンはそんな銃です。 映画などでの登場もそこそこ多く、今も現役で活躍していることから画面を通して目にすることもあるかと思います。 今後どこかでスチェッキンを見かけた時には、生みの親であるステーチキン氏の開発にかけた思いや、生み出されてから約60年経った今でも活躍しているそのタフさ、愛され具合を感じてみてください。 きっとスチェッキン・APS拳銃の魅力に気付くことと思います。

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