「潰しが利く」ということ
しばしば、「潰しが利く」という慣用句を聞くと思います。 潰しが利くというのは、応用が利くというような意味で、一つのものでもほかのものに役立つということです。 例えばコンビニなどで接客業をしておけば、その経験はレストランなどでウェイターなどの接客業に役立ちます。 免許や資格が一番わかりやすい例かと思います。
フォークリフトの免許があれば、倉庫だけではなく工事現場、工場などでも役立ちます。 しかし反対に、プロスポーツ選手のように一つのことにしか打ち込んでいないと、いざ引退となったときに、潰しが利かずに苦労をする、などです。 サバゲーには様々な銃がありますので、「潰しが利く銃」「潰しが利かない銃」に分けられるのです。
M4A1の持つ「潰し」
一丁の銃で、なんでもこなせる必要がある
M4A1は、数あるアサルトライフルの中でも、非常に潰しが「利く」銃になります。 潰しが利かない銃といえば、ボルトアクションライフルやM1カービン、リボルバーのような、昔の銃です。
昼夜・屋内外問わずあらゆる場面で、あらゆる装備を持つ敵と戦闘をする現代戦では、1丁の銃で「潰し」が利かなければならないのです。 実銃ではSCARなども、後述するSOPMODやMWSの流れを汲んでいますが、M4はマルイから大量に種類が出ていることもあり、サバゲーでも屈指の量のアクセサリ、パーツが発売されています。
M4A1を、ゲームに合わせてカスタムする
前置きが長くなりましたが、今回はM4のカスタムについてまとめていきます。 M4は、本体もパーツも、様々なところから発売されています。 さらに、基本的には実銃から採寸したリアルサイズになっていますので、グリップやストックなどは実銃メーカーのパーツを使うこともできます。
今回は、マルイから出ているガスブローバックM4のM4A1MWSと、ハイサイクルカスタムの電動ガンであるM4パトリオットを中心にご紹介していきます。
M4 MWSのカスタム
まずは、現在主流になっているガスブローバックのM4MWSからです。 MWSとは正式にはModular Weapon Systemの略で、作戦の目的、内容に応じてアクセサリパーツを付け替えて、カスタムできるようにする計画、コンセプト名のことです。
MWSの前身となるのが、次世代電動ガンの初期にラインナップされた、SOPMODです。 SOPはSpecial Operations Peculiarで、それにMODificationのMODを付けたものです。
直訳すると、特殊作戦用特別改装となり、陸軍や海兵隊などでは使われず、レンジャーやUSソーコムのような一部の特殊部隊でしか使われない、特別な改造のことです。
特殊作戦に幅が生まれた画期的な「レイルシステム」
特別な改造というのが、現在では一般的になっているレイルシステムです。 銃にレールを付け、パーツの方に対応したマウントを付けることで、各特殊部隊の隊員の好みに、そして特殊作戦に最適な装備に簡単に脱着できるようになったのです。
例えば屋上などに置かれる後方支援部隊なら、長距離を狙えるようなスコープ、対して室内に突撃する攻撃部隊はレーザーサイトやフラッシュライト、グリップなどがアクセサリが必要になります。
このような使い分けが、パーツごとに簡単に付けられるということです。 非常に便利なものだったため、これを特殊部隊用から一般の陸軍、海兵隊用にも拡大するのは、必然でした。
MWSとSOPMODは、意味合いはほぼ同じ
ハンドガード4面すべてにレールが付いたSOPMODを陸軍用に拡大するのは、意外にもたやすく、通常のM4A1カービンにレールをポン付けしただけだったのです。
レイルシステムの開発元であるコルト社は、新モデルとしてのM4となる、M4MWSを開発しましたが、米軍は通常のM4にレールを付けただけのもので十分と判断し、導入には至りませんでした。 もし、コルトの開発したMWSが正式に導入されれば、このMWSがM4A「2」となっていた可能性があるのです。
マルイのM4 MWSのカスタム
MWSはカスタマイズ性の高さが何よりも売りですので、アクセサリパーツは大量に出ています。 ちなみに、純正ストックでも伸縮しますので、純正の長いバレルを使って、アクセサリを付けずに長距離を狙うことも可能です。 ストックなどのパーツは、マグプルというメーカーから出ているものが一番有名かと思います。
マグプルとは実銃とエアガンの両方を手掛けるアメリカのメーカーで、マグプル社のストックなどを付けているプレイヤーは非常にたくさんいます。 値段も非常に安く、誰でも簡単に手に入る実銃パーツの一つになります。
マグプルパーツを使ったM4 MWSカスタム例
この銃は、おそらくハンドガードとストックがマグプルのパーツを使っています。 タンカラーやダークアースのカラーリングが特徴で、アフガンやイラクなどで使われていそうな、現代戦の色のM4を作るのにとても役立ちます。
マグプルは前述したように、エアガン用のパーツも手掛けるメーカーですので、無加工でマルイのMWSなどに付けられますが、中には上手くフィットせず、削るなどの加工が必要なものもあります。
また、マグプル以外のパーツなどには、大掛かりな特殊な加工が必要になる場合もあるので、注意してください。 リアルサイズで採寸していることが多いですが、細かい寸法や構造なども同じというわけではありませんので、パーツの購入前には十分気をつけてください。
マグプルでショットガンもカスタムできる
さらには、マグプルはM870などのショットガンに付けられるパーツもあります。 画像のものはM870のストックとハンドガードです。これを付けると
となります。 画像のは色違いですが、形的にはほぼこのようになるはずです。 マグプルパーツは、ストックなどでしたらアマゾンで数千円で売られていますので、簡単に入手できます。 特に、MWSでしたらガスタンクがハンドガンのように、マガジンに内蔵されているため、ストックの交換などは問題なく可能です。
MWSのレイルに付けるアクセサリ
マグプルパーツは形や色合いでとても良いですが、やはり一番お手軽なのは純正でついているレイルに、色々なアクセサリを付けるカスタムです。 純正そのままのものに付けると、米軍ではなくPMCやLE、特殊部隊っぽくなり、様々な服装でのゲームに合います。 フォアグリップも良いですが、やはり一番格好いいのがフラッシュライトです。
レイルに付けるアクセサリを使った、M4カスタム例
レイルの付いたM4は、様々な映画などで登場していますが、画像のアイアムレジェンドのM4があります。 主人公のウィル・スミスがメインに使っていたM4には、左側のレイルにライト、下にフォアグリップがついていました。
ライトやフォアグリップは、リアルのサバゲーでも役立ち、手軽にできる格好いいアクセサリですので、是非取り入れてみてください。 そして、M4でもレイルでもありませんが、カスタムしたアサルトライフルと言えば、触れないわけにはいかないのがターミネーター2のサラコナーです。
XM177のカスタムモデル
サラコナーが、のちの人類の運命を左右するサイバーダイン社の技術者、ダイソンを殺しに行ったシーンで、サラコナーが使ったのが、XM177というM4カービンの初期型のような自動小銃です。
このころにはまだレイルシステムがありませんでしたが、画像のようにキャリングハンドルの上にレーザーサイトやスコープなどを載せるカスタムは既に存在しており、ターミネーター2でもXM177にレーザーサイトを載せ、マズルにはサプレッサーを取り付けています。
ダイソンの後頭部にレーザーが当てられ、住宅を襲撃するシーンはインパクトがありますが、そこから物語が一気に進んで行くきっかけとなるシーンでもあります。
サバゲーで使うM4に、レーザーサイトを付けるカスタムは非推奨
ただ、実はサバゲーでレーザーサイトを使うのは、あまりおすすめできません。 ターミネーター2などに出てきたようなレーザーサイトは、基本的に一点を照射するものです。
ですので、目に直撃すると、どんなものでも割と危険なものです。 しかも一番厄介なのが「裸眼では大丈夫」という点です。 一般人が手に入る、いわゆるおもちゃのレーザーサイトは、威力が弱く、裸眼で遊ぶだけなら大丈夫です。
しかし、サバゲーにおいては、ゴーグルをかけて参加する上に、場合によってはスコープをのぞいたりすることもあります。 その時、万が一にらみ合いになって、スコープからレーザーの光を見てしまうと、非常に危険です。
レーザーサイトを模したパーツはある
実際にゲームでレーザーサイトを使うのは、できるだけ避けてください。 そもそも、レーザーサイトの使用を禁止ているフィールドは、かなり多く存在していますので、実際に使うのは難しいかと思います。
ですが、例えば夜戦装備などのような、どうしてもレーザーサイトがあったほうがいい場合もあると思います。 その時におすすめなのが、レーザーサイトを模したパーツを載せるという選択です。
これはマルイが出している、レイルに乗るバッテリーケースです。 外付けケースで使うのよりも、雰囲気を出すのに便利かと思います。
画像のダークアースと、ブラックの2種類がありますので、米軍仕様からLE、SWATなどの特殊部隊仕様までどちらも可能です。 まさしくアクセサリーで、完全な飾りになりますが、無いよりはあった方がいいという時に使ってみてください。
M4A1 パトリオットのカスタム
MWSが長くなりましたが、次はM4パトリオットをご紹介していきます。 パトリオットとは、M16からバレルを切り、ストックを排除して極限まで切り詰めてピストルのように運用できるもの、のことを指します。
マルイからハイサイクルカスタム電動ガンで出ているM4パトリオットは、画像のように短いバレルと、ストックが「無い」デザインが一番の特徴になります。 4面のレイルがあり、こちらもMWSに負けないぐらい様々なカスタムが可能です。
M4パトリオットにストック・サプレッサーを付けて、サブマシンガン仕様のカスタムも
もちろん、言うまでもなく様々なストックが取り付けられます。 最初から付属していない分、非常に幅が広がるかもしれません。 例えば画像のようにサブマシンガンのように使って、SWATやDEAの特殊部隊のようにインドアで戦うのもおすすめです。
また、システム的にはスタンダード電動ガンに該当しますので、スタンダード電動ガンで使用できるM4、M16系のマガジンでしたら全て使用できます。 次世代のM4のマガジンとは互換性がありませんが、スタンダード電動ガンのM4のマガジンなら、どんなものでも使用できるのも、カスタマイズ性の高さに一役買っています。
マシンピストル風に使う
パトリオットはピストルのような運用を想定しているように、非常に小型なライフルになっています。 MP7やMP5K程ではありませんが、それらのような使い方も不可能ではありません。 また、折り畳みや伸縮式のストックを付けて、いざという時のバックアップ用にも役立つかと思います。
M4パトリオットは、使いどころが難しい
ただ、パトリオットはその形、前項の画像を見てもわかるように、カスタム前提のような代物かもしれません。 ほかのハイサイクルカスタムはP90やMP5などといった普通のサブマシンガンや、AKやステアーなど普通のアサルトライフル、さらにはM4 CRWというレイルの付いたM4A1カービンまで取り揃えられています。
同じハイサイクルカスタムで、これだけの種類がある中で、このパトリオットを選ぶ必要性は、自分で使いたいアクセサリーを選んで取り付けて使うという以外に、個人的には思い浮かびません。 実銃でこれを使っている部隊も、あまりないかと思います。
「レイルシステム」はM4以外の銃のカスタムにも欠かせない要素
特に説明もなく「レイル」という言葉を使って来ましたが、レイルというのは正式には「ピカティニーレイル」というものです。銃につくマウントはT字型になっており、パーツのレールとなる部分にスライドさせて、取り付けるだけで、簡単に精度の高いスコープなどが取り付けられます。
もちろん調整は必要ですが、特別何かを分解するなどの面倒な工程はなく、アクセサリパーツとそれに対応するレイルが付いた銃さえあれば、どこでも着脱できるのが特徴です。
現代の銃において欠かせない要素となっており、MP7やSCAR、G36など、中長距離近距離問わず、あらゆる場面において用いられる銃に、このシステムが使われています。例えば特殊部隊ではインドアでライトやレーザーサイトを使うのに必要になり、軍が戦場で使うにはグレネードランチャーを付けるのにも役立ちます。
無限の可能性があるM4カスタム
M4のカスタムは、突き詰めるとキリがなくなります。 アメリカにおいて、ガバメント以上に欠かせない存在になっている自動小銃で、間違いなく、今の米軍で無くてはならないメインウェポンになります。 何度も書きましたが、カスタムパーツも大量に出ています。
実銃のパーツ、米軍採用のレプリカなどを突き詰めると、どれだけ作っても気が済まないほど、たくさんの種類のものが作れます。 例えば米軍装備一つとっても、タンカラー、デザートカラーのサイトやストックも様々なものがあり、画像のようなストックやグリップはもちろん可能です。
また、ブラックで特殊部隊装備の例を挙げると
このようにすることも可能です。 さらに、エアガンでカスタムできるのは、何もレイルだけではありません。 例えばバレルを変えて短くしたり、逆に長くしたりと、難易度は上がりますがそういったことも可能です。
まとめ
今回はMWSとM4パトリオットについてまとめていきました。 極端な例ですが、MWSをパトリオットのようにするとか、逆にパトリオットを長くしてMWSやカービン風にすることもできます。
米軍装備から特殊部隊装備まで、カスタム次第では1丁のM4で対応できます。 ジャンルの一つとして確立されそうなほど、巨大な存在になっているM4ですので、お気に入りのものが一つは見つかるはずですよ。