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家庭でもできる有機肥料の簡単な作り方!おすすめの素材別にポイントを徹底解説!

毎日出る生ゴミ、草刈りの後に残る雑草、どんどん溜まる落ち葉…それらをただ捨てるのではなく、有機肥料にできたらいいなと思いませんか?やってみたいけど作り方が分からない人もいると思います。そこで今回は、家庭でも簡単にできる有機肥料の作り方についてお伝えします。
更新: 2023年4月13日
atsugon
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簡単にできる有機肥料作りにチャレンジしてみよう!

食事を作るごとに出る野菜くずなどの生ゴミや、庭の手入れの後に残る雑草や落ち葉。 実はこの中には、まだ沢山の栄養分が含まれています。 これをすべて「燃えるゴミ」に出してしまうのはもったいないと思いませんか?

生ゴミには水分が沢山含まれているので、焼却するには多くのエネルギーを必要とします。 家から出すゴミの量を減らし、ガーデニングにかかる費用を節約するために、有機肥料作りに挑戦してみましょう。

ここでは、おもに食べ物の生ゴミと落ち葉(雑草も含む)を使った2種類の肥料の作り方に絞って詳しく解説していきます。

※ちなみに、家庭で作る肥料は有効成分が安定しないため、分類としては「堆肥(コンポスト)」に入るものもありますが、ここでは便宜的にすべて「肥料」というくくりで話を進めます。

有機肥料は、有機物が微生物に分解(発酵)されて作られる

有機肥料が生成されるためには、微生物によって有機物がある程度分解される必要があります。 分解のうち、人間にとって有益なものが生成される場合を「発酵」、有害なものが生成される場合を「腐敗」と呼んでおおまかに区別しています。

有機肥料を完成させるためには、分解が腐敗寄りにならず、発酵として進むように気を配る必要があります。

①生ゴミを利用した有機肥料の作り方

それでは、思いたったらすぐにでも始められる生ゴミを使った有機肥料の作り方について解説していきます。

手順1 生ゴミを肥料化するツールを選ぶ

初めに、生ゴミを肥料化するための道具を決めます。 どんな場所に置くのか、どれくらいの量作りたいのかなどを考えながら選びましょう。

自治体によっては、生ゴミ処理機の購入に補助金を出してくれるところもあるので、事前に調べておくといいかもしれません。 以下に、代表的な生ゴミ肥料作りのツールを紹介します。

電気式の生ゴミ処理機

誤解されやすいのですが、生ゴミ処理機で水分を乾燥させただけの生ゴミは、肥料としては役に立ちません。 熱処理式の生ゴミ処理機は、あくまでも生ゴミの水分や臭いを取り、扱いやすくするための装置なので、そのまま土にまけば水分が戻り、腐敗が進みます。

そのため、別に発酵させる工程が必要になります。 生ゴミ処理と肥料化を同時に進めたいのなら、バイオ式やハイブリッド式の機器がおすすめです。 ただし、機器の価格が高いので、市販の肥料を購入する方が安上がりだと感じてしまうかもしれません。

自然発酵式の生ゴミ処理機

電気を必要としない、手動ハンドル式の生ゴミ処理機です。 生ゴミを投入し、エコパワーチップという付属の発酵促進剤を混ぜ込んだら、蓋を閉めて外側のハンドルをぐるぐると回すだけ。かくはんされて発酵が進みます。

1日に一度はハンドルを回す必要がある、半年に一度チップを交換をしなければならないなどのデメリットもありますが、使い方をきちんと守って使えば、手軽に楽しく肥料が作れます。

なるべく手間と費用をかけずに肥料作りをしたい人には、蓋つきのコンポスターがおすすめです。 戸外に置くこともでき、しっかりと蓋を閉めておけば雨が降っても心配ありません。

密閉できればバケツと蓋でも構わないのですが、コンポスターには、溜まった発酵液を出すための排水口がついているので、水気を切るのに便利です。 この時に集めた発酵液は、水で薄めると液肥になります。


ダンボールコンポスト

玄関が広い土間になっていたり、室内でほんの少しだけ肥料作りをしてみたい人は、ダンボールで肥料を作ることもできます。密閉度は低いので虫の侵入には要注意です! 発酵が進むと水分が出てくるので、底から水漏れしないように気をつけて下さい。

変わったところでは…信楽焼の生ゴミコンポスト

屋外で土に埋めて使う形のコンポスター。 底は抜けていて、肥料が完成したら容器を抜けばすぐに使えます。 どんぐりの形がとても可愛いですね! 庭に置いたらおしゃれなオブジェにもなりそうです。 ただし、割れものなので強風などには注意が必要です。

手順2 肥料にする素材を選別する

生ゴミ肥料作りの初心者が陥りやすい失敗は、キッチンの三角コーナーに捨てられたゴミを何でも使おうとしてしまうこと。 食べ物は有機物ですから厳密にいえばいつかは土に還るものですが、性質によっては分解するのに時間がかかります。なるべく早く分解されやすい素材を選別しましょう。

具体的には、動物性の家畜の骨、油分を含んだ残飯、固い果物の種やとうもろこしの芯などは初めは避けた方がよさそうです。メロンやバナナの皮など甘い匂いのするものも虫を呼んでしまうので、大量に入れるのは避けましょう。 大きめのものは、一口大に切っておいた方が分解が速く進みます。

手順3 水分をある程度取り除く

生ゴミに水分が多く残っていると腐敗の原因になるので、生ゴミを選別したらざるや新聞紙の上に広げて水分を取り除きます。 カラカラに乾燥させる必要はなく、水分が50%ぐらい残っていた方が発酵がよく進むといわれています。

手順4 生ゴミを容器に入れ、発酵促進剤や土をふりかけ、混ぜる

容器の底には古くなった土を敷いておきましょう。 その上に生ゴミを投入します。 生ゴミの上に米ぬかやEM菌などの微生物資材を適量加えると、発酵の手助けになり、臭いも抑えてくれます。

EM菌とは「Effective Microorganisms(有用微生物群)」の略称で、ガーデニングに興味がある人なら一度は聞いたことがあるでしょう。 ホームセンターなどで気軽に手に入ります。 EMぼかしとは、EM菌に米ぬかなどを混ぜ込んで発酵・乾燥させた資材のことで、そのまま肥料としても使えます。

手順5 1~4の工程を繰り返し、土や発酵促進剤と生ゴミを交互に積み上げる


蓋つきのコンポスターは、生ゴミの臭いが気になることもあります。 その場合は、EMぼかしや米ぬかを多めに加えてみましょう。 生ゴミの倍量程度の土や、牛糞堆肥を少量混ぜ込むのも効果的です。 2~3ヶ月ほどで、原形は残っていますが肥料化した生ゴミが確認できます。

②落ち葉や雑草を利用した有機肥料の作り方

落ち葉や雑草を利用した腐葉土作りは、腐敗などの失敗も少なく、比較的簡単で初心者にも取り組みやすい作業です。 ただ、落ち葉はかさばるので、庭などの広い場所を確保できないと難しいかもしれません。

手順1 落ち葉や雑草を集める

まずは、落ち葉や雑草を集めます。 落ち葉は、コナラやクヌギなどの実がなる落葉樹の葉が軽くて使いやすいです。 油分を多く含むイチョウや針葉樹のスギなどは分解されにくいので、極力避けます。

手順2 落ち葉や雑草の量に応じた穴を掘る

まず庭の隅など、あまり活用していない場所に大きな穴を掘ります。 穴を掘らずに肥料化を進めたい人は、薄いベニヤ板などで土の上に木枠を組みます。 木枠が手に入りにくい場合は、ガーデニングに使う丈夫な支柱を四隅に立て、ブルーシートなどで側面を囲ったものでも代用できます。

手順3 穴や木枠の中に落ち葉を入れる

手順4 落ち葉が乾燥している場合は水をかけて水分を含ませる

手順5 足で踏み固めて体積を小さくする


落ち葉を一定量積み重ねたら、米ぬかやEMぼかしを上からふりかけ、微生物の力で分解を促進させます。 山や林のなかで自生している土着菌(枯れ葉の上などにある白い有用菌)を取ってきて、混ぜ込むのも有効です。

手順6 ブルーシートなどで覆い、雨を遮断する

1ヶ月に1度位は、切り返しをして中に空気を含ませると、発酵が速く進みます。 半年くらい経つと、良質な腐葉土ができあがります。

簡単にできる有機肥料の作り方 まとめ

初心者でも始めやすい生ゴミと落ち葉を使った有機肥料の作り方について、流れがお分かりいただけたでしょうか? 肥料作りに適しているのは、秋口から早春にかけての気温の低い時期です。

虫の発生も少ないですし、生ゴミなどの臭いも比較的気にならずにすみます。 ガーデニング作業の少なくなる冬場の時期に、土作りと並行して肥料作りを進めてみてはいかがでしょうか? 春までに肥料が完成していれば、夏野菜の種まきや植え付けにも間に合いますよ。

ぼかし肥の作り方も!

ぼかし肥とは、米ぬかや鶏糞、油かすなど色々な原料の有機質資材を混ぜ合わせて肥効をゆるやかにした肥料のことです。

「これがぼかし肥だ!」という決まりは特にないので、生ゴミ肥料や腐葉土が完成したら、それらを使ってぼかし肥作りに挑戦してみてはいががでしょうか? ぼかし肥の作り方については、他に詳しく説明した記事もあるので参考にしてみて下さい。