はじめに
コバノランタナの開花時期や植え替え仕立て方を紹介
コバノランタナはランタナの仲間の中でも原種にあたるもの。葉が小さいためコバノと名前が付けられています。野生でも自生している植物なので基本放置でも開花時期にはたくさんの花を付けますが、時々花が咲かないというケースもあるようです。今回はこのコバノランタナの育て方と花の咲かない場合の対処方法・挿し木での増やし方や冬越し方法などもご紹介します。
コバノランタナについて
コバノランタナの育て方の前に基本的な情報をご紹介します。どんなところで自生している植物なのかということを知ることで、その草花の得意な気候などがわかるため管理のヒントになることも少なくありません。また気になる耐寒性や耐暑性など日本との気候の向き不向きもご覧頂きましょう。
基本情報
科・属:クマツヅラ科シチヘンゲ属
原産地:熱帯アメリカ
英語名/学名:Lantana montevidensis/L.montevidensis
耐暑性・耐寒性
原産地を見ておわかりのように暑くてジメジメとした熱帯が得意な植物。日本の夏も平気で真夏を含め長い間開花時期が続き美しい姿を見せてくれますが、その一方で寒さは少し苦手。しかしお手入れによっては屋外で冬越しもできる程度なので決して難しい花ではありません。
コバノランタナの特徴
ただランタナとだけ書かれた同じ種類の植物も売られていますが、少し性質が違うので苗を購入するときは気をつけてください。コバノランタナの特徴とそれを活かした仕立て方などの解説です。
ランタナとは違う特徴
ランタナといえば低木で同じような花を咲かせる種類も園芸店などで見かけます。コバノランタナとの違いを葉の大きさだけと見ると少し失敗してしまうので注意が必要。大きな特徴は葉ではなく匍匐性であるかないかというところです。コバノランタナには地面を這うように広がる性質があるのでグランドカバーなどにも向いている植物。
名前の通り葉が小さいのも特徴
葉が小さく匍匐性で擁壁の上からなど垂れ下がって咲くのも美しい植物。見た目の特徴だけでなく常緑で耐寒性もあり冬越しできる強さを持っているという性質の特徴も大きく違う点でしょう。
特徴を活かした仕立て方がおすすめ
このような植物の特徴を活かせば、ただ花壇を飾るだけでなく冬のグリーンとして寄植えにしたり高いところから垂らしてのれんのようにして楽しんだりなど、変わった仕立て方もできる花です。
コバノランタナの育て方1.日当たり
日本は四季のある美しい国ですが、海外原産の一部の植物にとっては夏は暑すぎて冬は寒すぎるということも起こります。そのためにその植物にあった置き場所・日当たりを選んであげるのはまず最初に考えたいこと。コバノランタナ栽培をはじめるにあたってまずは置き場所を決めていきましょう。
好ましい置き場所
とても丈夫な植物で半日陰でもかまわず成長していきますが、花付きのことを考えるとより日光に当たる場所の方がおすすめです。夏の暑さも平気な花なので他の花がしおれてしまうようなサンサンと日が当たるところに植え付けてあげても大丈夫。
日当たりで注意することはない
この植物の開花時期は初夏5月から秋10月までと非常に長いですが、真夏も花が衰えず強い日差しの下でも咲き続けるのも特徴のひとつ。他の植物であればいくら日なたが好きでも夏の直射日光は葉色が悪くなったりしますが影響が少ないのも嬉しいところ。夏の花壇にぜひ使って欲しい植物です。
冬越し時の置き場所は
一方冬越しは?というとこれも熱帯原産なのに常緑で屋外管理が可能。ただし霜にあたると弱るので周りより多少高く土を盛ったところに植え付け、水はけをよくすることでより冬越ししやすい仕立て方になります。
コバノランタナの育て方2.土
コバノランタナの好む土は
コバノランタナが初心者の方にもおすすめしやすいのは、土にあまりこだわりがないという理由もあります。もちろん酸性の土には少々気をつけて欲しいのですが、培養土を買ってきて鉢に植え付けるのであればよく見かける普通の土で丈夫にすくすく育ってくれます。自分で配合するのであれば赤玉土7に腐葉土3の汎用性の高い配合で。水はけをよくしたいという方は川砂を混ぜても良いですね。
初心者は培養土が簡単でおすすめ
花の土 1.2L[培養土 花の培養土 使い切りシリーズ]
赤玉土などの手持ちがないというまったくの初心者の方なら、市販の培養土を買ってきて植え付けるのがおすすめ。一度買ってくれば余っても他の植物にも使えるので無駄になりません。もちろん小さな袋で使い切る量を用意しても。
コバノランタナの育て方3.植え方・植え替え
多年草植物なので、植えっぱなしにしておくと花付きが悪くなったり増えすぎ・だんだん数が減るなど植物にとってストレス源になることも。苗の植え方から定期的な植え替えの頻度などをご説明します。
苗の植え方
このような丈夫な植物はあまり甘えさせない方が花付きがよかったりします。鉢植えにする場合はあまり大きな鉢ではなく、むしろ少し狭いくらいの方がよく花が咲きますよ。地植えにする場合はどんどんと株ばかり大きくなってしまいがちなので、肥料は控えめに。
植え替えの時期と頻度
植え付け植え替えともに適した時期は開花時期の前4月から10月くらいまで。毎年鉢植えは大きなものにした方が良いという育て方もありますが、あまり鉢を大きくしすぎると逆効果なこともあります。生育の様子をみながら2年に1度くらいがちょうどよいかも知れませんね。
植え替えも植え方と同様に
植え替え方も植え方と同様に。地植えの場合は元肥は不要。鉢植えも開花時期のみ水溶性の肥料を与えるくらいでちょうど良いので、市販の培養土なら鉢底石を軽く敷いた植えにそのまま買ってきた土のみで植えて十分でしょう。
コバノランタナの育て方4.剪定
剪定の時期
この植物の剪定ポイントは2つ。ひとつめは開花時期の花がら摘みと秋から冬の葉のみになった時の切り戻しの仕立て方です。花がら摘みに関しては成長期であればどの時期に行っても構いません。むしろ種が付きやすく株が弱ることも多いので、頻繁に花枝を剪定してあげると良いでしょう。
剪定のやり方
花が終わりそうな枝を剪定するのが花がら摘み。こうすることで種を作らせなくして次の花芽があがってきやすくなるので、より開花時期が長くなるでしょう。花の時期が終わったら秋から冬の落葉で見苦しくなるのを防ぐための切り戻し剪定をおこなってください。
剪定注意点
基本的にいつでも剪定できる花ですが、12月から翌年の2-3月までは切らない方が良いでしょう。仕立て方がわからないという方は特に秋までに剪定を終わらせるようにした方が株にストレスをかけず無難に冬越しができます。
コバノランタナの育て方5.挿し木
挿し木の時期
寄植えや花壇、グランドカバーと幅広い用途があるコバノランタナはたくさん数が欲しいという方も多いでしょう。増やし方は挿し木で簡単におこなうことができます。種まきも可能ですが発芽率が非常に悪いのと種を作らせてしまうと元々の株が衰えるので挿し木がおすすめ。時期は5月かまたは秋の9月ころに行ってください。
挿し木での増やし方
平和硬質鹿沼土 微粒
挿し木のやり方は簡単で、鹿沼土など栄養分が少なく清潔な土をよく湿らせたところに2節くらいの長さにカットした若くて瑞々しい枝を挿して発根を待つだけです。根を出すのに陽の光は必要なくむしろ水分の蒸発で根のない枝が枯れないよう日陰で管理してください。通常1ヶ月ほどで根が確認できるので、少しずつ日なたに移動させ完全に根づいたころに定植しましょう。
挿し木の注意点
コバノランタナは葉は小さいですがたくさんの数付いているので、葉が多すぎて挿し木が失敗してしまうこともあります。葉の数は2枚もあれば良いので、枝に付いている場合はある程度は取り除いてから挿し木にすると良いでしょう。また発根を待つ間は土を乾燥させないことも大切な挿し木のポイントです。
コバノランタナの育て方6.咲かない場合
咲かない理由
とても丈夫な植物で枯らすということはまずないのですが、時々花が咲かないというお悩みを耳にします。理由としては水不足・肥料の問題・日当たりなどが一般的ですがこの花の場合は大切にしすぎて植物が危機を感じないというのも花が咲かない理由に数えられます。花が咲かないという人はきっとこまめにお手入れして大切に管理されているのではないでしょうか。
咲かない場合の対処法
まず鉢植えの場合は、鉢の大きさを確認してみてください。株に対して大きすぎてはいないでしょうか。それならばひとつ小さな鉢に植え替えるだけで花が咲くこともあります。地植えの場合は肥料を疑ってみてください。葉ばかり茂ってはいないでしょうか?栄養が株を大きくすることに使われているので花が咲かないということに。肥料をあげるのをやめてみるのもひとつの方法です。
コバノランタナの育て方7.冬越し
ここまででも熱帯原産の植物でも屋外で冬越しできるというお話をしてきました。ここでは具体的にどのように戸外での冬越しをさせるかお話しましょう。
冬越しのさせ方
関東よりも西の地域であれば、鉢植えであればテラスやポーチなど上に屋根があるところであれば何の心配もなく屋外に置いておくことが可能です。地植えの場合も水はけをよくして霜対策することで比較的簡単に冬越できる植物です。もっと寒い地域の場合は必ず軒下に置くこと。地植えの場合10月ころに一度掘り起こして鉢植えで管理するやり方もあります。
冬越し注意点
お住まいの地域によって霜対策をおこないましょう。鉢に植え替えて冬越しさせる場合は遅くても10月までには作業を終わらせておくこと。水やりは控えめに完全に乾いてから与えるようにしてください。
まとめ
かわいいコバノランタナを育てよう
コバノランタナはランタナと同じような仕立て方を考えていると少し想像と違う姿になってしまうことがある匍匐性がある植物です。この特徴を活かした寄植えやハンギング・グランドカバーなどに用いるとうまくいくでしょう。丈夫でお手入れも簡単。肥料も与えない方がよいくらい手がかからない多年草植物なので、時々植え替えをしながら長く楽しむことができます。花付きが悪いときは日当たりと肥料・鉢の大きさなどをチェックしてみてくださいね。
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